1. 理系とーくラボラジオ部『とくおのおと』
  2. #13 理論物理系の博士論文とは..
2023-03-02 31:33

#13 理論物理系の博士論文とは?(基礎編)

RTLラジオ部体験入部週間その2、今回と次回は「まさき」さんが登場です。

理論物理系で博士号を取得されたまさきさんの論文の内容を聞くために、生物系の2人がまず、基礎事項として「表面系」「シュレディンガー方程式」について学びます。

なんやそれ!?と言わずにどんな世界なのか、一緒にのぞいてみません?(音声コンテンツ)

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#科学系ポッドキャスト

#とくおと

00:01
理系とーくラボラジオ部 『とくおのおと』
みなさん、こんにちは。理系とーくラボラジオ部 『とくおのおと』
通称『とくおおとのシャープ13』をお届けします。
日本に一時帰国して、お魚をいっぱい食べた、蝶です。
いいね。
はい、みなさんこんにちは。
会社の備品のお茶のダンボールを2箱まとめて持ち上げたら腰をいわしました。
かずねです。
つらい。
つらい。
もう2週間くらい痛いですね。
そんなに?
いや、結構ね、ガッといったみたいで。
お茶の箱ってそんな重いんですか?
あのー、24本入ってるやつ。
ペットボトルのね。
ペットボトルのやつよ。
はいはいはいはい。
それをこう一気に持ち上げたら、なんかもう若くないんだなって思いましたね。
そうですね、悲しいですね。
悲しい。
今日の収録メンバーで一番かずねさんが若いはずなんですけど。
ちょっと頑張りましょうか、それは。
ちょっと今から腰直してもらって。
そうですね、薬飲んで。
痛み止め飲んでやっていきましょうか。
やっていきましょう。
さあ、このラジオはオンラインコミュニティリケートークラブに所属する研究員たちが、
ワクワクするような科学トピックや科学を楽しんでいる人のお話をお届けする番組です。
今日は実はかずねさんに謝らなくちゃいけないことがあって。
ん?
勢い。
なんでしょう、怖いなちょっと。
いやいや、あれだって一時帰国の話ちょっとしましたけど。
あー、はいはいはい。
一時帰国したすぐにかずねさんと一緒にご飯行くって約束してたじゃないですか。
実はそうなんですよね。
ね、僕がかんくんに夕方着いて夜京都でご飯食べようかって話をしてたんですよね。
うんうん。
なんかちょっと僕が思ってたとこにかんくんがなくて。
なんか最近場所変わったりしましたかんくん?
移転とかありました?
かんくんは国際空港ですよね。
そうですそうです。
なんか僕が思ってたのは大阪から環状線で3駅くらいだと思ってたんですけど。
いやいやいや、そんなことないですよ。
なんかめちゃくちゃ遠くて。
めっちゃ遠いですよ、かんくん。
そう、まず大阪に出るのに30分くらいかかって。
いやそうなんですよ。
なんか僕の知ってるかんくんってこれだっけって覚えたから。
今回初めて使ったんですけど。
なんか大阪空港、板見空港とこっちになってるかな。
でも板見空港も結構遠いですけどね。
ですよね。板見遠いなと思ってあえてかんくんにしたんですけど、かんくんも遠かったっていう。
ちょっとその見積もりガバガバすぎて。
ちょっとそれのガバガバに言って謝らなくちゃいけないなと思って。
いやいやもうやっぱりそこまでアメリカナイズされたってことですよ。
いやでもちょうど1年前は神戸住んでたんですけどね。
03:02
1年前の今頃は。
おかしいな。
言い訳できないかもしれないですね。
だからたずねさんとの予定がキャンセルになってしまって、ちょっと申し訳ないなと思いつつ。
あの日僕も結構忙しかったんで。
なんか翌日も忙しいということで。
そうなんですよ。ちょっとやばかった週なんで。
いやまた半年後くらいに多分帰ると思うんで、その時はぜひ。
いや本当にね。ラーメン行きましょう。
行きましょう。
今日もまあラジオ部的には僕とかずねさんで、堀井さん今日も卒論ということでお休みで。
ちょっと今過強みたいで苦しんでますけど。
そうですよね。一番大事な時期ですもんね。
そうですね。無事終わってくれるといいんですけどね。
晴れた声を聞かせてもらえればね。
元気だね。
そんなわけで前回もカリウムさんにお越しいただきましたけど、
今回のシャープ13と次回のシャープ14に関しましても、
カリウムさんと同様、リケートクラブラジオ部体験入部と題して、
リケートクラブの中でこの番組で話してみたいという方を募集して実際今日お越しいただいています。
いやありがたいですね。
ありがたいですね。
結構やっぱり、いろんな知らない分野の方の話を聞くのってすごい楽しいんで。
そうですよね。
今回も台本見てるんですけど、やっぱりすごい楽しみですね。
ね。どんな話が聞けるんでしょうかね。
実際今日来ていただく方は、京都で僕一時帰国した際にリケートクラブのリアルバーやらせていただいたんですけど、
その時にお話しさせていただいてすごい面白い方だったので、
実際今日またお話聞けるということですごい楽しみにしてます。
大丈夫ですかそんなハードル上げちゃって。
いや、きっと答えてくださると。
いや、僕も楽しみにしてます。
後で怒られるかもしれませんが。
ということでお呼びしましょう。
はい。
それではまさきさんお願いします。
おはようございます。こんにちは。こんばんは。まさきです。
全部に対応しました。
はい。軽く自己紹介をさせてもらいます。
身長が188センチで、体重が130キロあります。
趣味が砲弾投げをやってたりします。
割と体強強でやらせてもらってます。
結構昔からスポーツやってるんですか?
中学校からずっとバレーボールを大学までやってて、大学から砲弾投げも追加になりました。
砲弾投げを追加になりました。そんななんかトッピングみたいな感じで。
気軽にやってみました。
バレーボールからの砲弾。
すごい取り合わせですね。
似てるようなところもあったりするんですけど。
そうなんですか。
体幹の使い方が私の体の使い方的に似てて、そんな感じでした。
じゃあそんなに苦労せずに?
06:02
そうですね。さらっと。
さらっといけるかな。
さらっといけちゃったんですよね。
すごい悩ましいな。
そんなまさきさんをお迎えして2回分お話を伺いしていこうと思いますのでよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
今回まさきさんの出演していただくこの2回は、まさきさんの博士論文に関していろいろお話を伺っていこうと思うんですけども。
まずはちょっと基礎編ということで。
このシャープ13ではどういう基礎知識があればまさきさんの博士論文を聞くことができるのかということで、
ちょっと基礎的なところをまず教えていただければと思っています。
わかりました。
私の博士論文は、表面系のシュレディンガー方程式を解いたという、ざっくり言うとそういう論文です。
それを理解するにあたって、表面とはっていうこととシュレディンガー方程式とはっていうところはまず最初に押さえておきたいと思うので、そのお話をしていきます。
かずねさん、シュレディンガー方程式とかどうですか?
僕はもうなんか中二病だった頃にすごいなんかそういうのは興味持ってたんですけど。
パラドックスとかシュレディンガーとかそういうのすごい興味あったんですけど、結局理解できずに終わってしまったっていう。
シュレディンガーの根っこ的なところから入ってて。
そうですね。
私もいまいちよくわかってないんで大丈夫だと思います。
そんないまいちよくわかってないとおっしゃいながらも、どういうふうに理解していけばいいのかっていうところですよね。
まずちょっと最初にお断りがあって、すげーざっくりわかりやすい説明をするので厳密ではないのでそこだけご容赦くださいっていうちょっとわかってる方向けの。
ちょっと入れときたいですね。
あと音声コンテンツなんで、数式の説明に向かないタイプで。
確かに一番向いてない。
そうですね。数式はなるべく使わない方向で行こうと思います。
Ipsilとか聞きながら聞いてもね。
ですよね。
そうなんですよ。
じゃあざっくり入っていきます。
まず表面のお話をするにあたって、表面がない個体っていうものの説明をします。
表面がない個体。
ちょっと今の表現がまずかったかもしれないけど、まず2モルの金属のサイコロを想像してください。
2モルの金属のサイコロ。
そのサイコロにはだいたい10の24乗この原子が含まれています。
1モルが6.03×10の23乗だから、この原子だから2モルでそれだけになる。
09:05
10の24乗ぐらいと。
サイコロの1辺あたり3乗根ルートをとって10の8乗根ぐらい並んでますと。
ざっくりいう計算になりますと。
つまり1辺あたり1億個並んでるっていう計算になりますと。
なるほど。サイコロ1辺に原子が1億個。
1億個あると真ん中の方って端っこの影響がほとんどないっていうのが個体物性っていう分野で普通にそういうふうに考えられていて、
実際そのような表面というか端っこの影響が無視できるようなと思うと、
全体のうちほとんどの部分が表面の影響が結構無視できるような状況の場合は、
無限に長いと思ってそのうち1個に注目して計算するっていうことをすると、
どの原子を見ても結局同じ状況なのでそういう計算方法ができます。
っていうのが割と個体物性っていう分野でよく使われる考え方です。
端っこっていうのは端の2つぐらいを指してて、極端な話ですけど、
そうです。
1億個のうち2つぐらいの話だから、その他大勢が同じような感じだから、
全部一緒と見直してしまえばいいんじゃないっていう。
そうですそうです。
それは表面に面してないって考えたらいいんですか?
そうですね。表面から十分遠ければもう表面のことは考えずに、
どこまでもどこまでも続いていると思って計算していいよっていう主張です。
そういう仮定があるんですね。
ある意味の仮定ですが、そういう仮定で計算した結果が実験結果と合ってるのでOKっていう。
なるほど。
だいたいそんな理屈でやってます。
そういうふうに実験結果に実際に起こる現象として近似ができるわけなんですね。
そうですね。そう思って良いというのがこれまでたくさん研究がなされています。
これがいわゆる個体で表面の影響がないところの話です。
今度表面の話に入っていきますけど、表面の近くだけ見ると表面の垂直方向っていうのが表面の中の向きと明らかに違う状況になっていて、
表面に垂直の方向についてはその個体の時期みたいに無限に長いと思って計算するっていうのが使えないわけですよ。
状況が中と外で変わるから。
12:02
そうですそうです。
なのでその表面垂直方向については実際の影響している原子の個数だけ、個数を一セットにして考えなきゃいけなくて、
1個に注目してもダメで10個なのか40個なのか100個なのかは分からないけど、たくさんの原子に注目して計算をしなきゃいけないっていうことになっちゃって、
そこが表面系の計算が困難であるっていうところにつながってきます。
整理すると横方向って言い方が合ってるか分からないですけど、横方向に関しては全部一緒と見なしてOKって考え方で、
縦方向、垂直方向に関しては原子が詰まってる側と詰まってない側があるから。
そうですそうです。
内と外があるから均一とは見なせなくて、かつどれぐらい原子が続いてるかも分からないから、
ある単位で一セットとして何個あるか分からないけど見なせないといけない。
そうですね、そうなんです。
要は端っこがあるっていうせいで1個に注目しては計算ができないっていうのが結構大きなインパクトがあって、
そこがかなり困難な原因になっています。
垂直方向を無視しちゃいけないんですか?端っこを。
垂直じゃない方向を見た時には隣の原子を見ても同じ状況と思ってOKな状況なんですよ。
端っこが遠いからね。
垂直方向を見た時に1個上の原子と1個下の原子って状況が端の影響のされ方が違うので同じと見なせないんですよ。
違うという風に見なせないといけないんですね。
そうですそうです。表面の影響があるところは同じと見なすわけにはいかないので、それぞれの原子の計算が必要みたいな感じです。
なんで表面の影響があるという風に考えるんですか?垂直だと。何が違うんですか?
逆で、表面の影響がない場合だけ1個だけ見れば良いっていう条件です。
表面の影響がないだけ。
ない場合のみ1個の計算で済みますっていう理屈なんですよ。
なので端っこがあるとそれがそもそも成り立たないんですね。
なので全部の原子を計算しなきゃいけなくなるっていう。
その表面の中っていうか横方向に関しては横方向の端が遠いからそこはもう垂直方向以外は単一でいいんだけど、
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垂直方向だけは1個を見てもダメっていう形になります。
なるほど、基準の取り方はちょっと違うんですね。
そうですね。
そういうルールでっていうことですね。
はい、そうなんです。
それが表面系の…
難しさみたいなところですね。
その計算が原子1個1個で表現ができないから垂直面の方向で1個1個の…
数…なんていうんだろう。
複数の原子を一気に計算しなきゃいけないので計算量がむちゃくちゃ増えるっていう困難さがあります。
1個1個計算しないといけないのか。
1個ずつやっても意味がなくて、全体を同時に計算しないと性質がわからないっていう感じです。
そうか、なるほど。
それが計算量が増えるから結局計算しようがないぐらいまでいっちゃうわけなんですか?
本当にやろうとすると実質的に計算できないってことになるので、
何かしら禁じをして、その禁じが妥当かどうかっていうのを検証するような話の流れになりがちですね。
その禁じは今のまさきさんの論文以前だとあんまりできてなかったような?
いや、そこの禁じはもう標準的な方法があって、そこはその通りに計算を進めました。
なるほどなるほど。
それを活かした上でっていうことなんですね。
そうですね。
ちょこっとだけ表面形が見えてきた気がします。
なんとなくですけど、頭の中に3D映像を思い浮かべてやってるような感じですね。
イメージをしてもらうしかないですね。
そう、いっぱい原子を敷き詰めて。
そうですそうです。
このまま原子が1個2個って数えたら羊みたいに寝ちゃいそうですけど。
10の80億個まで頑張って数えてもらって。
一晩けちゃう。
じゃあ続いて手裏銀河方程式とはっていう話を進めていくんですが、
こいつは実はあんまり説明できることがなくて。
なんという?
方法をざっくり言うと、電子とか原子とか分子ぐらいのサイズまでをある程度正しく記述できる方程式です。
状態を記述するんでしたっけ?
そうですね。ざっくり言うと電子の動きというか挙動みたいなものを計算します。
原子とか分子とか金属みたいなものの性質はほとんど電子の性質で決まるので、
その辺の性質がほぼ分かりますみたいな方程式です。
なるほど。
だからその表面系の原子が並んでいる状態において、電子がどう振る舞っているのかを手裏銀河方程式を使って表していく?
18:08
そうですね。それを計算していく感じですね。
だからツールとして使っていくわけなんですね、手裏銀河方程式を。
そうですね。
なるほど。
こいつ基本的に手で解けないんですよね。
手計算で解けないんですよ。
解ける場合というのがほぼ決まっていて、2つぐらいしかないんですよ。
そういう特定の状態でしか解けない。
そうですね。
解けないのを数値計算をするんですけど、
最近は手裏銀河方程式を何とかして上手いこと数値計算でいい感じに解く方法を模索してたりします。
すげーふわっとなんですけど。
ふわっと。
いい感じに解くとどうなるんですか?
いい感じに解けるようになると、
これまで近似した方程式を正確に解くみたいなことがよくされてるんですけど、
厳密な方程式をちょっと精度は緩いけど何とか解くみたいなちょっと違う方向の研究が進むかなと思っていて、
必ずしも定量的に完全に正しいとは言えないけれども、
定性的に何かしら議論ができるぐらいの精度を目指して研究してます。
それを解くことで、量とか分からないけどこういう電子の性質があるんじゃないかぐらいが分かってくるような。
そうですね。
多分誰も答えが全く想像つかないような方程式になってくるので、
それが想像つくぐらいのざっくりの計算がなんとなくできるかなと思って研究してます。
確かに数式とか見ても正直シュレニンガ方程式の数式って言葉で言えないぐらい複雑だと思うんですけど。
ちょっとどう説明していいか分かんないですね。
だからそこに変数がたくさん載ってるっていうのが一つ原因だと思うんですけど、
ある程度その変数を代入することができて、
それによって大体こういう感じの答えになってくるんじゃないっていうのが、
分かるというのが定性的に分かるという意味合いになるんですかね。
そうですね。ざっくりこういう性質だよねっていう議論ができたらいいなっていう感じで解こうとしてます。
シュレニンガ方程式って100年ぐらい前ですっけ、作られたのって。
100年、120年ぐらい前だっけ、もうあんまり私も詳しくないんですけど、1900年前半ぐらいですね。
それはそうです。
1926年って書いてます。
早いですね。
じゃあもうすぐ100周年。
21:00
そうですね。
そうか、アインシュタインが亡くなってからこの間100年とか言ってたからそんなもんですね、確かに。
なるほど、そっかそっか。
その後なんですね。
100年前の方程式の割には結構まだ分かんないことが多いっていうものなんですね。
そうなんです。ファインマンっていう人が確か言ったセリフがあって、シュレニンガ方程式が分かったので、方程式は分かったと。
でも現実の問題はそれでは解けないみたいなことを言ってて、原理的にそもそも解くのが難しいので、
なかなか力技で解くみたいなこともなかなか手が出ない感じなんで、そこを頑張って手稿を入れていきたいなと思ってます。
この100年の間で手稿を入れる方法としてどういう進歩というか、どういうことが進化したことによってそういう手稿が入れるような状況になってきたんですかね。
そもそもここ2,30年のコンピューターの発展、手元のパソコンで数GHzのクロックのCPUが6個とか10個とか動いてるみたいな状況になってきたっていうのはもちろん一つあります。
多分真面目な皆さんはシュレニンガ方程式をそのままの形で解こうとするんですけど、
私は不真面目なので好き勝手に式変形してから解こうとしてます。
しかも意味わかんない分割統治みたいな方法を使って解こうとしているので、かなり変わったことをやっている自負はあります。
でもそうやって変わった風に分解していくことによって解釈がしやすくなったりするわけですよね。ある意味それはテクニックかなって。
そうですね。そう言ってもらえるとちょっと気が楽。
だからそのまさきさんが学ばれてきた環境の中でだったり、まさきさんご自身が身につけてこられた開放とそういうハードメインのコンピューターの進化、計算機の進化というところを生かすことによっていろいろ手小入れができるようになってきたっていうそういう状況なんですよね。
ざっくりそんな認識であってると思います。
で、そういう表面系の性質について手連言語方程式を用いてどういう風な性質を持つかということにアプローチできるようになってきたっていうのが博士論文の。
そうですね。博士論文に関しては、これもまたちょっと普通やらない系のちょっと変わった方法を使って計算したところそれがなんとなく当たったので、学位が取れましたみたいな感じの流れですね。
変なことばっかりずっとやって研究してます。
24:04
表面系に注目しているのっていうのは、表面系にそういう未解決の問題が多いからになるんですか?
注目しているのは、所属していた研究室がそういうことをやってたからっていうのが一番大きかったりするんですけど、
実際問題、表面系が実験ができるようになったのが3、40年前みたいな話があって、歴史としてはその個体、さっき言った個体みたいなものと比べるとだいぶ浅いので、
まあ分かってないことはいっぱいありますっていうのは確かにおっしゃる通りです。
実験ってどういう実験になるんですか?
例えば表面にX線を当てたりすると、表面の電子が飛び出してくるみたいなことが起きるんですけど、
その電子の飛び出てきた向きとエネルギーを測定することで、もともとどういうエネルギーと向きで物体中を進んでいた電子なのかっていうのが分かるみたいな測定をしたりします。
だからその測定値とシュレディンガ法定式で表した電子の性質等を照らし合わせることができる?
それもできます。この実験をする上で一番何が困難やと思いますか?
当てるものを作ること?
当てるものを作ること、X線みたいなものってことですか?
X線で照射するものを作る、用意することが大事?
表面側、表面側っていうことですね。
それはなぜでしょう?難しいことを聞いてはいるんです。
結晶とかに当てるイメージでいいんですか?
それで大丈夫です。結晶とか金属の表面とかで大丈夫です。
金属の表面だったらそんな昔からあってもおかしくなってそうだけど、何が難しいんだろう?
金属の表面といったときに、本当に金属の表面が出ている状態って位置気圧の空気の下ではほぼ存在しないんですよ。
なるほど、僕たちが過ごしている気圧だと表面が酸化してって。
酸化したりとか、普通に酸素がぴょこっと吸着されたりとか、酸素以外の不純物、金属からすると不純物が表面に吸着されるっていうことが普通にたくさん起きて、
汚されてしまって金属の表面の性質がわからないっていうことになってしまうと。
目ではなんか表面出てるように見えても、実際にはマスクされちゃって。
そうなんです。原子レベルで見ると、手では使えないっていうことが起きて、
なので高真空、もしくは超高真空と呼ばれるような、10のマイナス10乗パスカルとかだったと思うんですけど、
27:07
そのぐらい低い気圧の環境下でないと測定ができませんとか。
最近でいうとそういう感じになってます。
高真空の状況を作れるようになったのが、わりとその3、40年前とかで、
そこからやっと表面の実験ができる、みたいな状態になったっていうような感じです。
そういう測定環境を作るのが、
そもそも難しい。
難しかったんだ。
はい。
そっか、それで測定値をもとに、
方程式に入れる変数が増えてくるので、
解くことがより解けるようになってきた。
違う。
結構実験と理論を分けて考えた方が良くて、
理論的にこうだっていう計算はある程度できるんですけど、
それと実験を比較することができませんでしたっていう状態だったのが、
実験もできるようになってきたし、
よりそれと組み合わせながら理論も発展してきてっていうような、
そんな流れですね。
お互いだから比較とかをしながら。
そうですね。お互いに高め合いながら進んでいってるような感じです。
なんかちょっとライバルみたいになっちゃいましたけど、高め合いながら。
追いつけ追い越せで。
割とそんな感じですよ。
そんな感じなんですね。
私がいたところはそんな感じでした。
へー、なるほど。
お前なんとかせや、みたいな圧がありましたね。
測定側が良いデータ出しとるじゃないかみたいな。
そうなんです。結構そんな感じを感じながら研究はしてました。
なるほどなるほど。
そうか、そういう複数の技術発展の末、やっといろいろアクセスできるようになってきた。
いろんなデータが得られたりとか、比較ができるようになってきた状況になるんですね。
そうですね。ここ数十年でそういう環境になってきてます。
そこから実際に博士論文の話が、成果が出てくるわけですね。
そうですね。
というわけでここまでまさきさんの博士論文を聞くために必要な基礎知識ということで、
表面系のお話だったりシュレディンガー方程式の話をメインにお話ししていただきました。
はずねさんどうでした?聞いてみて。
いやもうすげー頭フル回転させましたね。
頭の中にシミュレーションをバンバカバンバカ作って、それXに当てたらどうなるかみたいな。
頭の中で想像してましたね。やっぱり見えない世界っていうので結構想像で補填しなきゃいけないみたいなところがあったりするんですけど、
でもそれをやっぱり数式で表していくっていうところにロマンティックなところは感じますよね。
30:00
なんか美しさというか、なんかすごいセクシーな感じかなっていう風に。
ザ・科学っていうエレガントさがありますよね。
僕らどっちかというと生物系の人間からするとあんまり馴染みのない分野だから、
多分これあの放送上結構尺キュってなってると思うんですけど、
多分なると思うんですけどキュって。
実際ううう言いながら、確認しながら。
確認しながら言いながら。
瀧さんどうですか?結構話しにくかったりしましたか?
いや、どこまで喋ろうかなとか考えながらちょっと探り探りやったので、
どこまで伝わるかちょっと謎なところはあるんですが、
比較的なんとなく分かりやすくお話できたんじゃないかと思ってるので、
皆さん楽しんでいただければと思います。
実際今度は次の回で内容編ということで、
ちょっとたまに僕ら人的な部分をもう一回復習させていただきながら、
ごお伺いできればと思うので。
ぜひぜひよろしくお願いします。
楽しみにしてます。
この番組では皆様からのお便りを募集しています。
Twitterの番組アカウントや概要欄のGoogleホームよりお寄せください。
それでは聞いてくださりありがとうございました。
ここまでのお相手はディケイトークラブラジオ部の
はずねと
まさきと
それでした。またね。
バイバイ。
31:33

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