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スタートアップの経営戦略の磨き込み方
2020-12-18 19:30

スタートアップの経営戦略の磨き込み方

この番組ではスタートアップや上場企業の経営にまつわる、やや玄人好みのテーマについて、シニフィアンの小林賢治、村上誠典、朝倉祐介の3名が解説、考えをお届けします。


シニフィアンはレイターステージ・スタートアップを対象としたグロースキャピタル『THE FUND』の運営などの産業金融事業、上場企業・未上場スタートアップに対する経営アドバイザリー事業、上場株式投資事業などを行っている会社です。  

なお、こちらでお話しする内容は、何らかの投資行動をとることを勧誘するものではなく、いかなる意味においても特定の有価証券、金融商品の売買の申し込みを推奨するものではありません。


お話しした内容は加筆修正を加えて、随時以下のホームページにも掲載しています。


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スタートアップ実践砲弾 シニフィ弾
こちらの番組では、スタートアップや上場企業の経営にまつわる、少しクロート好みなテーマについて、グロースキャピタルを運営するシニフィアンの小林、村上、そして私、朝倉の3名が、解説・考えをお届けします。
はい、こんにちは。シニフィアンの朝倉です。
はい、こんにちは。シニフィアンの小林です。
こんにちは。シニフィアンの村上です。
はい、シニフィアンはですね、グロースキャピタルであるザ・ファンドを運営していますが、
我々このザ・ファンドの運営において、投資先であるレートステージ、ないしはポストIPOのスタートアップに対するエンゲージメントに力を入れているといったことを掲げています。
エンゲージメントって、じゃあ具体的に経営のエンゲージメントって何のことなの?ということをテーマに今回お話したいんですけれども、
いくつかある中で今回は経営戦略に関するエンゲージメントといった内容についてお話をしてみたいと思います。
具体的に経営戦略のエンゲージメントというふうに言っても、やってることいくつかあるわけですけど、
まず最初に経営管理の見える化、経営管理ですね経営指標の見える化といったテーマからお話しましょうか。
そうですね、まさに戦略というところでなんで経営管理の話からなんだっていうのは思われた方もいらっしゃるかもしれないですけど、
一番の基本はやっぱり現在地をきちんと知るっていうところにあるのかなというのはよく感じることですね。
この現在地を知るって言うとちょっと抽象的すぎるかもしれないですけれども、規模は小さい頃は何となくやった分だけ何かしらの結果には帰ってきてるんで、
まあそういう意味では大雑把な括りでもよかったものが規模が大きくなってくる中で、ある分野にはすごい効果が働いてるんだけど、
なんかちょっと外れるとすごい効果がないとか、要はいろんな局地性のムラが出てきてると思うんですよね。
そのムラを平均値で見ると、平均値合格点なんで全部やりますって言うと、収益成分と無茶儲かってる、全然儲かってないみたいなのが顧客ごととかセグメントごとに出たり、
そういうことが出るので、やっぱりそういう意味で解像度をしっかり上げるためのベースとしての経営管理っていうのが重要になるんだろうなというふうに思いますね。
そうですよね。一番多いのが本当に売上高の細かいメッシュも、例えば1セグメントで実質追っていたけど、実質は3×3の9セグメントぐらいで見ないと特徴抽出ができないという、こういうメッシュの細かさっていう
ところが不十分だったと。
それによって戦略議論が非常に大雑把な議論になってしまうという話と、あともう一つは裏にある数字が見えてないというケースもあるんですよね。
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例えば、減価管理ができていなかった。減価管理の収益構造が細かく把握できていなかったので、個別の顧客の再産性が見えないとか、実は損益分岐点を超えているかどうかっていうのが、セグメントもしくは顧客ごとに異
なる場合があるんだけども、それもわからずにまるっと全体売上が伸びていて、まるっと全体黒字化しましたっていう議論になると、結局生産性の改善であるとか、どこに注力しているかって議論の解像度自体が下がって
しまいますよね。
今話を聞いていて思い出したのが、ザ・ファンドとかシニフィアンで直接ではないんですけどね。僕がかつて6、7年前に個人で関与していたスタートアップがあって、その会社って今で言うところのSaaSなわけです
よ。
SaaSの会社なんだけども、当時ってSaaSっていう言葉自体がそもそもそんなに市民権を得ていなくて、SaaSの経営モニタリング指標っていうものもそこまで今ほど共通見解としててんぺいとかされていなかった
んですよね。結果としてMRRとかチャーンレートみたいなものって厳密に管理してたかというと、もちろんやってる人間はずっと見てるから感覚的になんとなくわかっているんだけども、見てなかったと。
で、先日その時の人たちとちょっと集まった機会があったんですけども、当時今みたいにSaaSの指標っていうものをちゃんと採用しておっていたら、その会社はもうMAされてもうエグジットしてるんですけれ
ども、なんかもうちょっと伸ばすことできたかもしれないよね。もうちょっと見えるかできたよねっていうような話をしてたことを思い出しました。
あとこれもザファンドで関わっている会社、あるいはシニフィアで関わっている会社ではないですけれども、今もう上場して大きくなっている会社でも思い起こすとシリーズCの過ぎたあたりでも未だに例えばペイバックピ
リオドとかユニットエコノミクスの議論とかって案外されてなかったりだとかして、で慌ててそういうのをちゃんと数字化して議論しようよっていうような話をしたことがあったなってことを今思い出しましたけれ
ども、
案外それなりに規模感が大きくなった会社でも基本的なKPIが動いてなかったりだとか、あるいは最低限のものを追っているにしても、よりその会社にとって優先順位が高い指標っていうのが特定できてなかったって
いうことはよくあるのかなというふうに今聞きながら思いましたね。
そうですよね。
それでじゃあ具体的に僕らが何をしているのかということでいくと、まずもって毎月毎月経営の会議でKPIを報告していると、このメッシュが正しいのかどうかっていうメスがあんまり入らないので、
巡行速度でそのまま追ってしまっているケースがあると思うんですよね。まずもって我々がここの収益どうなっているの、ここの顧客別の解像度どうなっているのということで、少しずつ抽出していくと。
ただぶっちゃけそれだけだとなかなか忙しい中、分解の高めをっていうリソースが回せないんですけども、それとセットでこの後お話しするような授業戦略とか計画の話をしたときに、
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ここが見えないといけないよねということ、単なる報告のためのメッシュの細かさではなくて、戦略の議論、授業計画の議論のために必要だということを会話を通じてやることによって、
じゃあここにコストをかけていこうかということがようやく会社の方で納得感が出るのかなというふうに思っているので、我々そういったプロセスを実際ご一緒しているのかなと思っています。
あともう一つあるのが、でも結局どうメッシュを切ればいいか分かりませんというパターンもよくあるかなと思っていて、その時は我々も一生懸命対話を付き合いしながら、
どういうふうなメッシュが本当に意味があるのかということを一緒に壁落ちをしながら抽出していくということもやります。
もう一歩行くと、そういったことを手を動かせる人、エクセルを触れる人がいないみたいな状況が、ザファンドだとさすがにそこまでリソースが足りてない会社と付き合いすることはないですけども、
そういった場合はですね、外部のある種そういったスキルのあるような方を業務委託でご紹介しながら、実際にある種のデータをバーッとスクラブしていただいて、
まず見える状態にして、そもそも経営が把握していなくて感覚的に思っていた、A群は儲かってるけどB群は儲かってない気がするみたいなやつを本当にそうなのかということを検証していくと。
こういったプロセスもですね、ある数ヶ月かかるプロセスですけども、時間をかけてご一緒していくと、その時に我々は外部のリソースコンサルタントとかプロフェッショナルの方が多いですけども、
どういうふうにお仕事を一緒にしているのかというのを横で伴奏しながらお付き合いすることで、より効率的に見える化が図れると、こういったこともご一緒しているなぁとは思っています。
こういった計画の見える化を行った上で、管理指標を行った上で、そこで初めて事業計画の議論が単に売上だとか利益の数字の話だけでなく、より会社の実態を把握する上で立体的に会社の全体像が捉えられるようになる
ということですかね。
そうですね。実際にあったケースでいうと、事業計画が、特に初期のスタートアップはこういうケースはあると思うんですけども、ほぼほぼボトルネックがリソースである。
例えば営業マンの数とか、CSの数とか。なので採用ペースの拡大に応じて売上が上がるみたいな事業計画、変数の取り方になっていた。
フェーズが速いうちには確かにそういうことはあるわなっていうのはあるんですけども、一方でその論理を取っちゃうと、無限に増やしたら無限に売上が伸びるのかみたいなことになってしまうので、何かしらちょっと違
和感を感じていたという中で、
でも一方で会社側もどういう風に見直していいかわからないよねみたいなことがある中で、じゃあ経営上一番差が出てくる、質的に差があるのって何ですか。
例えばそれはエンプラとSMBみたいな会社の対象会社の規模で切り分けた方がいいんですか。もしくは業種がA業種B業種C業種っていうので売り方が全然違うからそれで分けるべきなのか。
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こういったところで質的な差があるのがどこかっていうのを議論の中で、双方を見つけ出していくというようなプロセスを取るっていうのは非常によくあるケースでしたね。
おっしゃる通りでその特徴の質的な変化量的な変化がどこにあるのかということを把握する意味でも、先ほど触れた経営管理の見える化をしないとですね、その仮説がそもそも正しいかわからないと。
あと単価とか売上高みたいなものであれば比較的特徴の把握って経営者もしてると思うんですけども、収益性というところまでいくと極めて感覚的で実は分かってないケースも多いと。
なので特徴抽出をするときに収益も含めて見える化していくことによって戦略議論のメッシュの解像度がグッと上がるのは非常によく我々やらせていただいているケースかなと思います。
結果的にこれ単にやることでメッシュが細かくなって何が良いことあるんですかっていうところでいくと、これ我々ここが一番本質かなと思っているのが、やっぱり営業戦略とか価格戦略自体の解像度が上がるってことだ
と思ってるんですよね。
単にマーケを打てばいい人をかければいいというある種一軸の営業戦略から、いやいやいやこのセグメントはこういう風な生産性だからよりライトタッチでやっていくべきだと。
このセグメントは非常に単価が高いからもっともっとコストをかけてでも顧客を取りに行くべきだし、単価の上げ落ちもディープオケだったらあるんじゃないかと。
メッシュを細かくすることによってかけるべき営業陣、もしくはCSの陣、逆にメッシュを細かくすることでかけすぎてはいけない営業コストみたいなものがより細かく見えてくるということだと思います。
価格戦略も逆に値下げしないと広がらないんじゃないか。値上げする余地があるんじゃないか。
メッシュは細かくないと今ちょっと値上げすると顧客離れそうなんです。
これイエスに聞こえるんだけども、メッシュを細かく切るとあるセグメントではイエスなんだけどあるセグメントはノーかもしれない。
こういった議論がやっぱり曖昧の中でやってしまうとなかなか事業計画の精度って上がっていかないと思うんですけども、ここを丁寧にお付き合いするってことをやってるなと思ってます。
実際、我々のデューデリープロセスというか、投資検討で会社さんとお話をする中においても、事業計画の成功性というか、
どれだけ自分たちの事業というものを深掘りして理解した上で、数字を立ててるか計画を立ててるかっていったところを軸にして議論していることが多いのかなというふうに思いますし、その意味で事業計画のブラッシュア
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ップっていうのが経営戦略の立案という点においては一番幹になる部分なのかなというふうに思いますね。
そうですね。ネギ目は経営という言葉もありますけども、より我々のグロースフェーズに入ってくる会社にとってネギ目の重要性っていうのは平均的に非常に高いなと思ってます。
僕らがお付き合いするときに価格戦略の議論って最終的には非常に品質だと思っていて、なぜこの価格なのか、もう少しセグメント程度に分けなくていいのか、値下げした方がいいのか、値上げすべきなのか。
ここでグロースフェーズに入ると、単に顧客を獲得するだけのフェーズからよりスケールさせたり収益性と両立させていくということを考えたときに、価格の変数をいじるということは非常に慎重にやるべき問題ではある
んだけども、インパクトが非常に大きいので、事業計画を立てる中で価格戦略っていうのは極めて重要性が高いし、品質のポイントかなというふうには思いますね。
経営戦略っていうことの全体感の中でいうと、今お話した経営管理ですね、事業の指標の見える化と、あと加えて今の事業計画のブラッシュアップ、こういったものに加えてもう一つ大きな塊としては長期的な戦略のディ
スカッションだとか、返属な成長議論っていうのが挙げられるかなというふうに思います。
この辺り何かちょっと具体例を交えてお話していきますかね。
そうですね、我々が具体的にエンゲージしている先であったケースですけども、これもグロースフェーズに差し掛かる前の会社さんの特徴だと思うんですけども、極めて一定方向の顧客、いわゆるペルソナユーザーを見て売
り上げを拡大するということを愚直にやってこられて成長している会社って非常に多いと思うんですよね。
初期はもう本当にペルソナを見つけてPMSさせて売るってことが大前提なんで、これ間違ってはないんですけども、じゃあグロースフェーズに入った時にこのやり方続けてても、もう単なるもういくら人がいても足り
ないしスケール1000なんじゃないかということが出てきた時に、どうやってこれを仕組み化して非連続の成長につなげるかって議論ができてないケースでは多いと思うんですよね。
やっぱりそのオペレーションを回す人材ばかりになって経営戦略の議論、長期的な非連続の議論ができてないと。社長の頭の中にはぼんやりあるんだけども抽出できてないし議論が煮詰まらないしエキセキューションでき
ないと。まずここをしっかりと頭の中のものを出してエキセキューションできる状態にしていくということだと思ってます。
一つケースであったのは会社が見ていた顧客ではなくて、よりボトルネックになるアセットの方を見てそちらを具体的にKPIとして追っていくべきじゃないかという仮説を立てて戦略を議論しました。結果的にその会社は
そちらに向いて走ってるわけなんですけども、そうした時に今までとKPIとか事業計画の立て方が180度変わって、
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そうするとそのアセットをどういうふうに調達しスケールさせていくのかということに経営の議論が移ったんですよね。そうした時に今まで出なかったような議論。じゃあどう型化するんだ。逆にアライアンスを組む
ことでより非連続な成長戦略をかけるんじゃないかというような形でやっていったかなと思います。
なので仕組み化、それは結果的に仕組み化の中でエンジニアリングも関わりますし、アライアンス戦略にも関わってくるということですし、アライアンス戦略の型化ができれば、さらに大きなアライアンス戦略のネットワー
ク化の準備を進めたりとかですね。こういった議論をするということをずっと伴奏しているわけなんですけども、このきっかけってやっぱりシード機からシリーズA、Bとやってきたところで、どうしても一部のペルソナ
ユーザーの方だけを見たのは、
まず視野、目線を変えて戦略的に落とし込むということをしっかりやっていく。これは非常に我々の中でも一つの良いケースかなと思っているので、こういったことを各社でぜひやっていきたいなとは思っています。
これはまさに今村込さんが言ったケースは私もよく覚えていますけども、目先の売り上げでいうと、ディマンド側の方、クライアント側をみりみり開拓していけば、売り上げは短期的には絶対に伸びるんですよね。
なので必ず事業経過がそっち基点で作られていたと。でも一方でよくよくちょっと俯瞰してみると、マーケットで面白いポジションを取っていて、マーケットの中でこれユニークな存在じゃんっていうのになれるはずである
と。
そうしようとすると、マーケットの中で実はよりボトルネック性が高かったサプライヤー側の方を牛耳する必要があって、サプライヤー牛耳するのってマーケットのどのくらい抑えればいいんですかっていう議論をしてみた
ところ、これ実現可能な、全然そこまで夢物語でもないような話なんじゃないか。
じゃあこれをトップダウンで逆算して考えていこうという、そういう順番だと思いますね。まさに目先の改善で今年は去年より15%アップみたいな感じの考え方じゃなくて、マーケット全体の中で自分たちが存在感を得
ようとした時にどういうペースで拡大していくべきか。
そのリソースを、ボトルネック部分をどうやって解消していくかというのを逆算して考えていった。そういう方に意識を振り向け直したということかと思いますね。
そうですね。そうするとやっぱり最終的に出てくるのは投資戦略につながってくると思うんですよね。よく資金ニーズがぼやっとしてるって話もあると思うんですけども、今みたいな非論弱な成長戦略が出てくると、どう
いう風に先行投資をしていればどう成長するのかということ。
まさに事業計画の肝って、先行投資がどうリターンで返ってくるかということを数字で表したものが事業計画のはずなんですよね。
その時にもともと見える化ができていなければ収益管理ができていないので、どれぐらい投資すればどれぐらい儲かるかよく分かりませんと。
サースでいればLTB、CACみたいな指標があるかもしれないですけども、多くの業界でそこがぼやっとしていることによってどれぐらい投資すれば伸びるかわからないと。
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伸びる時もリソースがボトルネックになりすぎていて、なかなか非連続な成長が描けない。
その時に収益が見える化されて、非連続な成長するための仕組みができたことによって、これぐらい先行的に人、もしくは開発、もしくは投資をすることでこういうリターンが返ってくるから、
そうすると来期再来期にこういう売上とか荒りが返ってくるんじゃないかという議論がより解像度高くできるんですよね。
そうすることによって投資家の納得度も高まりますし、もっといいのは自信を持って投資できるようになるということなんだと思うんですよね。
なので事業計画の納得性が極めて高まりますし、結果として事業計画をしっかりトラックする、要は計画通りに事業が運行できる可能性が高まるということにつながっていくので、
実はこの一連のプロセスを経ることによって、極めて上場会社としての準備にもつながっていくのかなというふうにも思っています。
最後までお聞きいただきありがとうございました。
こちらでお話した内容は何らかの投資行動を取ることを勧誘するものではありません。
いかなる意味においても特定の有価証券、金融商品の売買の申し込みを推奨するものではないことをご理解ください。
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