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この時間は日替わりコメンテーターによる解説で日々のニュースを掘り下げるブラッシュアップ。月曜日は法学者の谷口真由美さんです。谷口さん、明けましておめでとうございます。
明けましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
さて、今年最初のブラッシュアップとなりますけども、今日はどんな話題でしょうか。
年明けからいろいろお話ししたいことはあるんです。
トランプ氏によるベネズエラの話とかもあるんですけれども、ちょっとインドの国勢調査の話をしたいなと思います。
インドの国勢調査が実は2027年、来年ですね。もう年明けたところなのに、来年の話かいと思われるかもしれませんが、
2027年に国勢調査が実施されるんですけれども、ここにカースト等項目が加えられますというニュースが出ていました。
ちょっとインド、皆さんすごく注目されている方も多いかと思うんですけれども、
インドというのは、今もうすごい巨大国家で、年末には、いわゆる進行途上国と言われるグローバルサウス、世界の南というかですね。
グローバルサウスの中でも存在感を増しているというところで、ある統計というか、インドが出した独自の統計によると、経済規模が今年日本を上回るという見通しも出てきたと。
今、経済規模でいうと、アメリカ、中国、ドイツなんですけれども、その次の世界4位に浮上するという見通しを立てたんですけれども、これはちょっと言い過ぎちゃうかというふうに言われている部分もあります。
ただ、そうやって経済がワーッと進んでいってる一方で、インドの中にはカースト制度がまだまだ残っているというふうに言われています。
このカーストというのは、改めてなんですけれども、古いんですね。紀元前13世紀に成立したとも言われています。
バラモン、クシャトリア、ヴァイシア、シュドラというふうに言われて、その下に富家植民であるダリットという人たちがいらっしゃいましたということで、職業に結びついているとかっていうのがあってですね。
私ちょっとインドにご縁があったので、インドよく行ってたんですけれども、インドの憲法ではカースト制度は禁止されています。
その人口比に応じてカーストの人たちに対して職業を割り当てたりとか、指定カーストという部族とかってのを割り当てたりしたんですね。
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ただインドの中はウロウロしていても、なんとなく階級が分かれているっていうのが空気でも分かるようなことがあるんですね。
職業で固定された職業があるんだなっていうのがあって、インドの人たちに尋ねると名前で分かるって言うんですね。
名前?
名前。
人の名前ですか?
名字ですね。いわゆる。ファミリーネームでこの人はカーストはこれだみたいな感じで、だからあの人尊敬されるとか。
でもこのいわゆる身分制度というものが、だから法律上は禁止されているけれども、人々の意識であるとか、
社会、だから法的な建前と社会の現実っていうのがものすごくギャップがあるっていうことが、インドに行くとすごく感じるところではあるんですね。
で、ダリットっていうのは富家植民というふうに言われますけれども、一番下ですね、もうカーストの外っていうぐらいな感じなんですけれども、
その人たちっていうのは汚れがある、触ると汚れがあるとか、触りがあるとかっていうふうに言われています。
だから紀元前13世紀から続くというふうに言われると約3000年近い歴史があるわけで、
日常生活に深く浸透しているし、これが宗教とも結びついているので、なかなか意識が変わらないっていうので困ったことになってるなっていう状況があります。
で、これ差別是正措置のジレンマっていうのもあって、結局憲法で差別を是正するために優先枠の制度っていうのを設けたわけですね。
この職業にカーストの人がつけるように、差別されてきたカーストの人がつけるようにってしたことで、差別をなくすためのカーストを使わざるを得ないっていうことになったときに、
この人このカーストの人ですねっていうのがわかってしまうっていうこともあります。
今回96年ぶりに2027年にはですね、全カーストの調査が行われるので、各カーストの正確な人口が明らかになるということで注目されているという話です。
これ広がって日本でも、やっぱり非差別部落に対する差別っていうのはまだ残っているんですよね。
ここがやっぱり大問題で、カースト制度とかっていう風になると皆さんはカースト大変だね、そんなものなくさなきゃって思うんですけど、
足元、私たちの住んでいる地域とか国でですね、実際に非差別部落に対する差別っていうのは未だに残っています。
もちろん結婚差別もあるし、最近ではいわゆる鳥取ループ事件というですね、
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次元社という出版社が1935年、昭和10年に内務省の外閣団体が作成した戦前の全国部落調査というのの復刻版というのを出版するという風に予告して、
Amazonで予約販売を開始し、インターネット上で部落開放同盟の関係者の名前とか住所を公開したという事件がありました。
それに対して2024年の12月に、最高裁で差別されない権利というのを人格権の内容として初めて認めたりとか、
非差別部落の出身であることとか、それを推論させるような情報が公表されて広く流通することは、人格的な利益を侵害するという風に指摘されたという事件がありました。
今すごく問題なのは、非差別部落の差別とかってないでしょっていう言説なんですね。
これはあらゆる差別に言えることなんですけれども、怖いのは現代的レイシズムって私たちは呼んでいますけれども、
差別なんかもうないでしょっていう言説なんですね。
古典的なレイシズムっていうのは、あからさまな偏見とかあからさまな差別であって、誰かを低い位置にいるという風に見出して見下す。
例えば女性は劣っているとか、差別する対象を見つけて能力が低いとかっていう風に言うようなあからさまな差別は減ったんですね、今。
だけどこの現代的レイシズムっていうのは、差別なんかもうないですよね。ないのに努力しないマイノリティにこそ問題があるという風に言ってしまうことなんです。
この現代的レイシズムっていうのは、要は差別ありますって言われる差別されてる側が証明していかなきゃいけないので、ものすごく大変なんですよ。
差別されている上に、私はこんなことで差別されてます、こんなことで差別されてますって言って、する方は一言、差別なんかないですよねって言うだけなんです。
でもされてる方は、あんなもこんなもそんなもされてますって言わなきゃいけないっていうことがあるので、この現代的レイシズムって言われるのは差別なんかない。
問題があるとしては差別されてる側の努力が足りない。で、努力もしてないのに差別差別と主張して過大な要求を行ってる。
それによって不当な特権を得ているという四段論法なんですね。
だからこれってすごく証明しにくいという話しましたけども、されてる側からしたら本当に大変なことなので、インドの遠い国の話ということではなくて、身近にあるまだまだブラック差別も残ってる。
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女性の差別も残ってる。障害者への差別も残ってる。今年も多分だからあらゆるニュースの中で人権問題っていうのが出てくると思います。
その時にやっぱりアンテナを、感度を研ぎ澄ますというかですね、高く持っておいていただきたいなと思います。
いろんなところにそれが潜んでる。で、される側にも問題があるんじゃないか。いじめでもよくありますけども、差別はされる側にも問題があるんだっていうのはこれも現代的レイシズムとすごく結びつく話ですね。
どんな責任があるというのだと差別される側に。だからそういうことを自分なりにいろいろ言語化しようとする人いるんですけれども、それ以前に人権っていうのは人である以上全員が対等に持ってる権利ですよね。当たり前なんですけど。
だから差別するってことはその人を人としてみなしてないってことでもあるということだってことに気がついていただきたいっていうのをちょっと年始めから明るい話題とかと思ったんですけれども、今年あらゆるところで出てくるであろう人権問題っていうのに少し感度を上げていただきたいというようなニュースでございました。
そのカーストを問うという国勢調査は来年2027年ということですね。こちらも注目したいと思います。谷口さんありがとうございました。
ありがとうございました。
この時間は谷口真由美のブラッシュアップをお送りしました。
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