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この時間は日替わりコメンテーターによる解説で日々のニュースを掘り下げるブラッシュアップ。
月曜日は法学者の谷口真由美さんです。谷口さん、おはようございます。
おはようございます。
さて、今日はどんなニュースでしょうか?
はい、今日4択でもなさっていらっしゃいましたけれども、
アメリカとイスラエルによるイランへの攻撃について、
ちょっと立ち止まってというか、よく聞くけどよくわからないんじゃないかという国際法について、
ちょっと基礎からじっくり解説したいと思います。
はい、ぜひお願いします。
今のこの攻撃をめぐっても、国際法違反だとか、違反じゃないとか、
違反する可能性があるとか、そういう言葉が出ていますけれども、
そもそも多分あんまり聞き慣れないと思うんですね、皆さん。
そうですね。
私、実は国際法の端っこにいてまして、
いや、だいぶ端っこにいてるんですけど。
アメリカ、イスラエルと共同でイランに対する大規模な軍事作戦を開始していますけれども、
イランの各施設が爆撃されて、最高指導者のハメネイ氏も、
この攻撃で命を落としたというものです。
これは、この攻撃は外交交渉の最中に行われたもので、
攻撃のわずか2日前まで、アメリカとイランは各問題について間接的な協議を続けていました。
そのことからも、世界中から国際法違反だという声が上がったんですけれども、
これは誰が言ってるかというと、国連の調査団であったりとか、
アメリカの国際法学会、それから国連の人権専門家、
日本の国際法の学者も、大抵の方は国際法違反だというふうに断じているものです。
一方でアメリカ政府は、正当な自衛権の行使だというふうに主張をしています。
聞いた方は、どっちが正しいと言うのでわからないと思うんですけれども、
国際法って何ですかっていうのをちょっと簡単に言うと、3つほどポイントがあります。
1つ目は合意は守らなければならない。要は約束っていうのは守らないとダメだよっていうとってもシンプルな考え方ですね。
約束したなら守りなさいっていうので、国と国がこういうルールでやっていきましょうというふうに
文書に署名しているわけですね。そうするとそれは当然守る義務がありますよねっていうのが国際法の出発点なんです。
合意してないものは守らなくていいんですね。逆に言うと。
だから入っていない条約に拘束されることはない。
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でも今回は国連憲章というものがポイントになってきます。
なんですけれども、ちょっとその前に国内の仕組みと違うところで言うと、世界警察というのは存在しないので、
守らなかったら誰がそれを取り締まってくれるんだということが皆さんの頭の中に真っ先に思い浮かぶと思うんです。
だから約束を守ったやつに対して、守らなかったやつに対して、誰が警察みたいな力を発揮してくれるんだっていうふうに思うと思うんですけど、
これが国内法との決定的な違いなんですね。
日本の法律でしたら皆さんが想像つくように警察が取り締まって裁判所で裁いて、
従わない場合は逮捕とかも当然されているわけですよね。法律に従わない場合は。
でも国際社会には世界警察というのがいないので、国連が行使できる軍隊というものもないので、
ルールを破った国に対して強制的に縛る仕組みというのは基本的には存在していないというふうにも言えます。
でもさっき言ったみたいに合意は守らないといけないというのがなぜ成り立つのかというと、これはみんな信用と信頼とお互い様の政治なんですね。
だから約束を守る国っていうのは貿易でも外交でも信頼が積み重なっていくので、取引しても大丈夫だなということになりますけれども、
破り続ける国っていうのは孤立していきますよね。
あいつ約束破れへん。いつも約束守れへんっていう人であれば、人間であっても信頼しないので相手しなくなりますよね。
だから私が破れば相手も破るっていう原則なので、究極的に言うと自分の利益のために国際法を守るっていうのが国として考えなきゃいけないことなんです。
信頼なくすってことですね。
ただし、いわゆる強い国には効きにくいっていうような構造的な欠陥もあるのは事実です。
これ正直に言わなきゃいけない話で、国際法は万能ではなくて、国内法でもそうなんですけれども、
強い国に効きにくいっていうのは特に国連の安全保障理事会の常任理事国ですね。
アメリカ、ロシア、中国、イギリス、フランスという5カ国は拒否権を持っていますから、
国に不利になる決議を自分たちが反対するっていうことだけで潰せるわけですね。
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だから今回のようにアメリカが武力行使をしても国連で何とかしたいと思ってもですね、
アメリカは国連の中では大きな力を持っているので、構造的に捌きにくいというかですね、言いにくいみたいな状況が出てます。
もう一つ、じゃあ裁判所ってないんですかっていうふうに言われると、国際裁判所はあるんですね。
一つがICJと言われる国際司法裁判所というものです。
これはオランダのHAAGにありまして、世界の193カ国が加盟する国連の正式な司法機関です。
15人の判事が9年任期で働いていて、世界法廷というふうにも呼ばれていますが、問題は裁くのは国と国だけなんですね。
個人は裁かない。アメリカがイランを攻撃したが違法だというふうに訴えたら、イランという国家がアメリカという国家を訴えないとダメなんですね。
で、訴えるには相手の同意が必要です。つまりICJは強制的に裁判を開く権限がないので、
イランが訴えたい。アメリカがよっしゃ本なら受けたらじゃないかということを言わない限りは裁判できないということなんですね。
アメリカは国際司法裁判所に行きませんって言ったら裁判が成立しないということがあります。
そういうこともあるので、なんとなくみなさん強制力もないし意味ないんじゃないかというふうに考えられると思うんですけども、
しかしながら判決というかですね、そういう状態を無視するということは国際社会での信頼が低下していくということにもなるということにはなっています。
また、赤根智子さんが所長しているICCという国際刑事裁判所というのがありますけれども、
こちらは個人の戦争犯罪とか大量殺戮といわれるジェノサイドを裁く裁判所で指導者個人を訴えることができます。
ただしICCという国際刑事裁判所にはアメリカとかロシアとか中国は設立条約に署名していないので、先ほど申し上げたみたいに合意をしていないということなんですね。
だからそこの仲間にまず入れない限り、裁くことができないというかですね、関係してこないということがあります。
しかしながらなんですよ、今回やっぱり国連憲章なんですね。
国連憲章というのは国連の憲法みたいなもので、今193か国が二度と戦争を起こさないために人類共通で枠組みを作ろうとしたものですね。
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そこには武力行使の禁止というのが国連憲章の2条4項というのに定められているので、どんな国も他国に対して武力を行使してはならないという大原則があります。
例外として国連憲章第51条に自衛権というものが書かれていて、自分が先に攻撃された場合に限り反撃して良いよというので、先に撃たれてなければ撃ってはならないというのが、
1580年の国際秩序を支えてきた原則なんですね。だから今回はアメリカは先に撃たれてないんです。イランに。
だからこの先制的自衛権というのは認められませんよねということになってきたので国際法違反ですという話になっています。
先制攻撃、要はあいつ危ないかもしれないから自衛のために自分たちは攻撃するよということをしだすと自衛権の拡大解釈というのはやっぱり戦争を起こしてしまうんですけど
逆に言うと攻められたら攻め返すというのが自衛権であるという根本原則からすると世界に戦争は起こらないはずなんです。
攻める国はないという原則になるので、さらにそこにさっき言ったみたいに外交の最中、最中に攻撃したりとか
核不拡散体制を崩していく皮肉があったりとかいうことがあるので皆さんが国際法違反ですというお話をしているというところの背景のお話ですね。
ちょっと10分で話すには短いんですけれどもちょっと取り上げてみたというところです。
その国際法違反ということを受けてそれぞれの国がアメリカイスラエルに対してどうあるのかイランに対してどうあるのかというところがこれから大きくなってくるのかな大事になってくるのかなと思いますね。
谷口さんありがとうございました。
ありがとうございました。
この時間は邦楽社の谷口真由美さんでした。
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