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スピーカー 1
- なるほど。じゃあまずは、現在どんなAIジャーナリングアプリが存在していて、私たちの内面をどう分析しているのかを見ていきたいと思います。
スピーカー 2
- はい。
スピーカー 1
- 驚くべきことに、こうした専用アプリって既に多くの人の日常にかなり入り込んでるんですよね。
- 例えば、ミュートというアプリがありまして。
スピーカー 2
- ミュートですね。
スピーカー 1
- ええ。これなんと、累計150万ダウンロードを突破しているんです。
- 150万ですか。すごい数ですね。
スピーカー 1
- はい。書く迷走っていうコンセプトにしていて、ユージャーが書いた言葉からAIが思考とか感情の傾向を読み取ってくれるんです。
で、週に一度、ウィークリーレターとしてフィードバックを届けてくれると。
スピーカー 2
- ここで非常に興味深いのは、これらのアプリが単なる便利なメモ帳の枠を完全に超えている点なんですよ。
スピーカー 1
- と言いますと?
スピーカー 2
- 心理学的なアプローチをシステムに組み込んでいるんです。
人間の脳って、自分の感情のパターンを認識するのがすごく苦手なんですよね。
スピーカー 1
- ああ、自分のことって意外と一番分かってないって言いますもんね。
スピーカー 2
- その通りです。
- でも、AIがその人が書いた大量のテキストデータを俯瞰することで、ユーザー自身も気づいていない認知の歪みとか、無意識のストレスを客観視させる鏡として機能するんです。
スピーカー 1
- なるほど。鏡ですか。
心理学的なアプローチといえば、あのAwarefyというアプリも今回のソースにありましたよね。Awarefy。
スピーカー 2
- ええ。認知行動療法。いわゆるCBTをベースにしたアプリですね。
スピーカー 1
- はい。で、朝と夜に自分のコンディションを入力する機能があるそうなんですが、ここまでは普通の日記アプリっぽいじゃないですか。
スピーカー 2
- そうですね。
スピーカー 1
- でも面白いのが、AI Daily Insightっていう機能でして、ユーザーの入力内容に加えて、なんと24時間先までの天気情報を加味してくるんですよ。
- 天気情報ですね。
スピーカー 1
- ええ。それで、AIがその日の最適な過ごし方をアドバイスしてくれると。
スピーカー 2
- なるほど。メンタルヘルスって気圧とか日照時間といった天候の影響を非常に強く受けますからね。理にかなっています。
スピーカー 1
- いや、あの、理屈はわかるんですけど、ちょっと待ってください。
- はい?
スピーカー 1
- 天気情報を元に、AIから、今日は雨で気分が落ち込みやすいから、無理しないでこう過ごしましょうって言われるのって少し奇妙じゃないですか?
スピーカー 2
- 奇妙と言いますと?
スピーカー 1
- なんかこう、AIにお天気お姉さんとお母さんを兼任させているみたいなというか、傘を持って行きなさいよ、無理しちゃダメよみたいな。
スピーカー 2
- ああ、なるほど。過保護な感じがすると。
スピーカー 1
- ええ。これ私たちが自分の感情のコントロールをAIに委ねてしまって、なんだか受動的になりすぎる危険性はないんでしょうか?
スピーカー 2
- その疑問は最もです。ただですね、これを認知行動療法のメカニズムから説明すると、実はこれ外部要因の切り離しという非常に重要なプロセスなんですよ。
スピーカー 1
- 外部要因の切り離し?
スピーカー 2
- はい。人が気分が落ち込んでいるときって、自分がダメな人間だからだって内面に原因を求めがちじゃないですか?
スピーカー 1
- ああ、わかります。今日も何もできなかった。自分はダメだみたいな。
スピーカー 2
- そうです。そこにAIがですね、「いやいや、今日は単に気圧が急激に下がっているから生物学的に落ち込みやすいだけですよ。」ってデータで示してくれるわけです。
スピーカー 1
- なるほど。自分を責めるんじゃなくて天気のせいにできるわけだ。
スピーカー 2
- ええ。つまり自分の感情を自分の性格のせいではなく、天気のせいとして切り分けて客観視させる。これが治療的な意義を持っているんです。
- へえ。
- AIに依存するのではなくて、むしろ自分を俯瞰するための補助線なんですよ。
スピーカー 1
- 感情と事実を切り離すためのツールなんですね。いや、これは負に落ちました。
スピーカー 2
- ありがとうございます。
スピーカー 1
- あともう一つ、マイデイAIというツールもありました。これも面白くて。
- ええ。
- これ、文章を書くのが苦手な人向けらしいんですけど、24時間の時間枠をタップして行動を記録するだけで、AIが時間の使い方とか性格、さらには適色まで診断してくれるらしいんです。
- ほう。
- でもこれも行動を記録するだけなら、ただのタイムカードみたいなものですよね。
スピーカー 2
- 一見そう見えますよね。でも本質は人間の認知バイアスの破壊なんです。
スピーカー 1
- バイアスの破壊ですか?物騒な言葉が出てきましたね。
スピーカー 2
- はい。人間って自分の行動を驚くほど美化したり、逆に過小評価したりする生き物なんですよ。
スピーカー 1
- ああ、確かに。自分ではめっちゃ仕事した気になってたり?
スピーカー 2
- そうなんです。例えば、今日は一日中仕事をして本当に疲れたと思っていても、AIに行動ロゴを分析させるとですね。
スピーカー 1
- 分析させると?
スピーカー 2
- 実は合計で3時間もSNSを見ていて、脳を休める本当の意味での休息はゼロだったという容赦ない事実を突きつけられるわけです。
スピーカー 1
- うわあ、それは痛いですね。痛いところ疲れます。
スピーカー 2
- つまり、私たちが自分はこういう人間だと思い込んでいるセルフイメージと実際のデータとの間にあるズレをですね、AIというフィルターを通して可視化するんです。
スピーカー 1
- なるほどな。
スピーカー 2
- だから、受動的になるところか、現実を直視して能動的に自分を再定義するためのトリガーと言えますね。
- だとすると、AIはお母さんではなくて、感情に流されない冷静なデータアナリストですね、本当に。
スピーカー 2
- まさにその通りです。
スピーカー 1
- そうですね、ここまでは専用アプリの話だったんですが、ソースを読み進めると、普段使っているチャットGPTとかクロードなどのいわゆる汎用AIですね。
スピーカー 2
- はいはい。
スピーカー 1
- これを使って、自分好みの最強の壁打ち相手を作るアプローチも紹介されていました。
- 専用アプリは手軽でいいんですが、AIへの指示文、つまりプロンプトを自分で工夫することで、AIの役割を完全に自分使用にカスタマイズできるんですよね。
スピーカー 1
- そこで目を引いたのが、経験学習サイクルをベースにした4行日記のプロンプトなんです。
スピーカー 2
- 4行日記ですね。
スピーカー 1
- はい。これすごくシンプルなんですけど、事実、小説、新たな持論、あすと試してみることの4つのステップで記録するらしいんです。
スピーカー 2
- ええ。
スピーカー 1
- で、面白いのが、AIには答えを出すな、言語化を促す問いを出せと指示をするそうなんですよ。これ具体的にどう機能するんでしょうか。
スピーカー 2
- 例えばですね、上司にメールを無視されたという出来事があったとしますよね。
スピーカー 1
- いやですね、その状況。
スピーカー 2
- ええ。普通の日記なら、無視された、上司は私を嫌っている、もう最悪だって書いて終わりますよね。
スピーカー 1
- はい。感情に支配された状態でネガティブなまま人を置いてしまいます。
スピーカー 2
- でもこの4行日記のプロンプトを使うと、AIが介入してくるんです。
スピーカー 1
- ほう。
- まず、上司にメールを無視されたという事実に対して、AIがなぜそう感じたのですか。
スピーカー 2
別の可能性、例えば上司が単に忙しかっただけという視点は持てますか、と問いかけてくるんです。
スピーカー 1
- おお、なるほど。
スピーカー 2
- すると、ユーザーは小冊を促されて、あ、確かに、今日は午後から重要な全社会議があったな、と気づくわけです。
スピーカー 1
- 気づきを与えてくれるんですね。
スピーカー 2
- そこから、人の反応は必ずしも自分への評価とは限らない、という新たな持論を導き出して、明日の朝、直接軽く声をかけてみよう、という行動に繋がるわけです。
スピーカー 1
- すごい。自分一人だったら絶対にネガティブなループに陥るところを、AIがコーチとして引っ張り上げてくれるわけですね。
スピーカー 2
- まさにその通りです。
スピーカー 1
- そしてですね、ここからが本当に面白いところなんですが、ベストセラー作家のダニエル・ピンク氏が提唱している、「容赦なく正直なAIを作るプロンプト」、これがありましたよね?
スピーカー 2
- ありましたね。あれは強烈でした。
スピーカー 1
- これ、AIの性格を根本から変えてしまうハックですよね?
- ええ、通常のAIの使い方とは全く逆のアプローチですからね。
スピーカー 1
- 自分のAI、なんというか素晴らしい視点ですねとか、よく考えられていますねって、やたらと褒めちぎるじゃないですか。
スピーカー 2
- はいはい、接待してくれますよね。
スピーカー 1
- そうそう、接待モードの定員さんみたいで。でもこのプロンプトでは、最初に信頼できるアドバイザーとして、
- 「容赦なく、法直に答えてください!」って、指示を出すんですよね。
スピーカー 2
- ええ。
スピーカー 1
- そうやって、AIの優しさフィルターを強制的に外すんです。
- それと、突然、鬼コーチに表現すると。
スピーカー 2
- 具体的に、どのような質問をその鬼コーチに投げかける設定でしたか?
スピーカー 1
- これが結構エグくてですね、例えば、
- 私が自分で気づいていない盲点は何?とか、人々は私の背後でどんな辛辣なことを言っていると思う?とか。
スピーカー 2
- うわあ、それは厳しいですね。
- 極めつけは、不快な真実を避けるために自分にどんな嘘をついている?ですよ。これをAIに分析させるんです。
- 逃げ場がないですね。
スピーカー 1
- ええ。実際に企業で試した例でも、心に蓋をしていた部分を的確につかれたとか、文字にされると逃げられないといった声が続出したそうです。
スピーカー 2
- 非常に耳の痛い話ですが、これこそがAIの真骨頂なんですよ。
スピーカー 1
- と言いますと?
スピーカー 2
- 人間関係においてですね、利害関係が一切なくて、相手を傷つけることを恐れずに都合の悪いことを言ってくれる存在って、カイヌに等しいじゃないですか。
スピーカー 1
- 確かに。人間のメンターとか部下だったら、今後の関係性を気にして絶対にそんな踏み込んだことは言えませんよね。
- その通りです。特に経営層や管理職など、役職が上がれば上がるほど、周囲からの率直なフィードバックは得られなくなりますからね。
スピーカー 1
- 裸の王様になりやすいと?
スピーカー 2
- ええ。自分の考えは絶対だと思い込むリスクが高まるんです。そこでAIの人間関係が一切ないという性質がものすごい価値を持ちます。
スピーカー 1
- なるほどな。
スピーカー 2
- AIを全肯定してくれる依存相手として使うのではなくて、自分の思考のバイアスを容赦なく破壊してくれる存在として使う。これによって意思決定の質は劇的に向上するんです。
スピーカー 1
- 自分の避けている現実を一切の忖度なしに突きつけられるわけですからね。これはリスナーの皆さんも心に余裕があるときにだけ試してみてほしいですね。
スピーカー 2
- そうですね。メンタルが落ちているときは避けたほうがいいかもしれません。
スピーカー 1
- つまりこれってどういうことなんでしょうか?私たちはどうやって自分の身を守ればいいんです?日記をAIで分析するのはもう諦めるしかないってことですか?
スピーカー 2
- いえ、諦める必要はありません。ソースにはちゃんと2つの具体的な解決策が提示されていました。
- おお、何でしょうか?
スピーカー 2
- 一つはトイログのようなアプリを使うことです。トイログですね。
スピーカー 1
- トイログ。
スピーカー 2
- これの特徴は外部のサーバーにデータを一切送信しない点です。スマートフォンの端末内、つまりローカル環境の中だけでAIの処理を完結させる設計になっているんです。
- なるほど。端末の外にデータが出ないなら、絶対にケーキの材料にされる心配はないですね?
スピーカー 2
- その通りです。
スピーカー 1
- もう一つの解決策は?
スピーカー 2
- DayOneのようなアプリが採用しているエンドツーエンド暗号化です。E2E暗号化とも言いますね。
スピーカー 1
- エンドツーエンド、つまり端から端まで暗号化するってことですか?
スピーカー 2
- はい。あなたのスマブでデータを暗号化して、クラウドを通ってまたあなたのデバイスに戻ってくるまで、誰も中身を見られない仕組みです。運営会社でさえあなたの暗号を解読する鍵を持っていません。
スピーカー 1
- それは安心ですね。運営側も見られないなら、学習データに使われることもない。
スピーカー 2
- ねえ。
スピーカー 1
- でも、DayOneの解説を読んでいて、一つ疑問だったのが、JSONやCSV形式でデータをエクスポートできるという機能がやたら強調されていたことなんです。
スピーカー 2
- ほう。
スピーカー 1
- 私のような非エンジニアからすると、JSONとかファイル形式なんて正直どうでもいい気がするんですが、なぜこれが重要なんですか?
スピーカー 2
- そこは非常に重要なポイントです。これはデータポータビリティー、つまりデータを自由に持ち運べる権利に関わってくるんですよ。
スピーカー 1
- データポータビリティー。
スピーカー 2
- はい。JSONやCSVというのは、どんなシステムでも読み書きができる、いわば世界共通言語のようなものです。
スピーカー 1
- ええ。
スピーカー 2
- もし、日記アプリが独自の形式でしかデータを保存してくれなかったら、どうなると思いますか?
スピーカー 1
- そのアプリのサービスが終了した瞬間に、あ、記録が消滅する?
スピーカー 2
- そうです。何年分もの記録が消滅するか取り出せなくなりますよね。別のアプリに引っ越しできなくなってしまうんです。
スピーカー 1
- それは最悪ですね。今までの人生の記録が人質に取られるようなものだ。
スピーカー 2
- これをより大きな視点と結びつけるとですね、リスナーの皆さんにぜひ意識していただきたいことがあるんです。
スピーカー 1
- 何でしょう?
スピーカー 2
- それは、あなたが今書いている日記のデータは、もはや単なるテキストではなくて、未来のあなた自身を形作るトレーニングデータであるという事実です。
スピーカー 1
- 私自身のためのトレーニングデータですか?ちょっとどういう意味か詳しく教えてもらえますか?
スピーカー 2
- 数年後、誰もが自分のスマートフォンの中に、自分専用の高性能なAIアシスタント、いわゆるパーソナルAIを持つ時代が来ると言われています。
スピーカー 1
- えー、パーソナルAI!
スピーカー 2
- その時、過去数年分のあなたの価値観、感情の揺れ動き、意思決定のプロセスが、JSONなどの共通言語で整理されていれば、それをまるごと新しいAIに読み込ませることができるんですよ。
スピーカー 1
- あー!
スピーカー 2
- そうすれば、そのパーソナルAIは、起動した最初から、あなたにとって世界で最も優秀な理解者であり、参謀になるわけです。
- わー、そういうことですか。つまり、今私たちが日記を書いているのは、ただの記録じゃなくて、未来の自分専用のAIを賢く育てるための資産形成なんですね?
スピーカー 2
- まさにその通りです。だからこそ、特定の企業にロックインされず、いつでも自分の脳のデータを持ち出せるようにしておく必要があるんです。
スピーカー 1
- いやー、納得です。だからこそ、アプリとかAIツールの設定画面で、データモデルの学習に利用するっていう項目があれば、必ずオフにする。
スピーカー 2
- 絶対にオフにしてください。
スピーカー 1
- そして、エンドツーエンド暗号化やデータのエクスポートに対応した透明性の高いツールを選ぶと、これは自分自身の思考資産を守るための絶対条件なんですね?
スピーカー 2
- ええ。私たちがツールに使われるのではなくて、ツールの仕組みを理解して使いこなす側になることが重要です。