旅人 松本典子さんのお話〜 18歳で児童養護施設を出て、一生懸命に働き稼いだお金で得られるようになった小さな自由。そんな矢先に突然手に入れることになった大金…「お金がない」ことに縛られていた彼女にとって、急に手に入った大金は、それまで感じていた抑圧や不自由さから解放されるような感覚を与えてくれましたがー。
サマリー
このエピソードでは、松本則子さんが突然手に入れた遺産によって鬱状態に陥った経緯が語られます。彼女はお金の自由を手に入れたことで逆に自己を見失い、心のバランスを崩してしまいますが、カウンセリングを受けて回復に向かう様子が描かれています。
人生の転機
さあ、始まりました。タダの箱庭ラジヲ。本屋では買えず、増札もされない、読み手から読み手へとギフトされる、1万冊の箱庭本についてお話ししていきたいと思います。
ということで、今回のテーマは、「突然手にした大金…鬱になりました。」という、とても感慨させられるお話です。
主人公は旅人であり、自分の人生を模索しながら歩んできた松本則子さん。彼女がどのようにして自分の人生を立て直し、そして見つめ直してきたのか、その旅路を一緒に追っていきましょう。
松本さんは、生まれてすぐ児童養護施設に入ります。そして、18歳までそこで育ちました。
母親が産後2ヶ月で家を出ていき、祖父も祖母もすでに多解していたため、父親一人で育てるのは難しかったからだったと語ります。
その後、則子さんは18歳になると児童養護施設を出、広島の美容師の仕事に就きました。社員寮に住みながら一人暮らしを始めたのです。
社会人になった充実感と自分の好きなようにできる自由を感じていました、と当時の心境を語っています。
しかし、その美容師の仕事は半年ほどで辞めてしまい、その後はアルバイトを掛け持ちして働く日々を送ることになります。
この頃、則子さんはある職場で、ワーキングホリデーに行った経験がある同僚と出会いました。
彼女の話を聞いて、則子さんも自分も海外に行ってみたいと強く感じ、少しずつお金を貯め始めたそうです。
そして、24歳の時、ついにカナダ留学を実現します。
ところが、その留学生活の途中、突然父親が亡くなったという知らせを受けました。
父親との関係が薄かった彼女にとって、この知らせは感情的な悲しみよりも驚きの方が大きかったと言います。
亡くなって初めて知ったのですが、父は土地やビルなどを持つなど意外と多くの資産を持っていたんです。
そう語る彼女の元には、10年は困らないくらいの金額が入ってきたそうです。
これまでお金がないことに縛られていた彼女にとって、急に手に入った大金は、それまで感じていた欲圧や不自由さからの解放のような感覚を与えてくれました。
金銭的自由とその代償
これで好きなことができる、これで人生が楽になる、そう思った則子さんは、そのお金をもとでに自由を謳歌し始めます。
でも皆さんも薄々感じているかもしれません。この話、そんなに甘くは終わらないんですよね。
則子さんは、遺産を手に入れた直後は、海外旅行に行ったり欲しいものを買ったり、外食を楽しんだりと、これまでなかなか我慢してできていなかったことを色々やってみたそうです。
でもそんな日々が続く中で、自分が何をしたらいいのかわからなくなってしまったそうです。
お金があるから可能性は広がるはずなのに、何でもできるからこそ、本当に自分が何をしたいのかがわからない状態になってしまったそうです。
そして、周りのみんなはお金に困っているのに、自分だけお金をたくさん持っているということを言えなかったので、どこかみんなに嘘をついてあわせているようで、それがとてもつらかったそうです。
大金を手にしたら何でもできると思っていましたが、逆に何がしたいのかわからない状態に陥りました。
お金があれば何でもできるはずなのに、その何でもできるか逆にプレッシャーとなり、次第にのりこさんを追い詰めていきました。
そして彼女はついに心のバランスを崩してしまいます。
鬱状態になったのりこさんは外に出ることもできず、ひたすらいお家にこもり、テレビを見ながら食べ続ける日々を起こることになります。
そしてその結果短期間で体重が10キロ以上増えることになったそうです。
彼女はこう語ります。
あふれ出てくる感情に気づきたくなかったんです。
自分が何をすればいいのかわからず、自己嫌悪にさいなまれていました。
皆さんも努力しなくても手に入る自由がかえって自分を見失わせるという経験をしたことはないでしょうか。
お金があることは確かに便利で自由を与えてくれるものです。
しかしそれだけでは本当の幸せを感じることは難しいのかもしれません。
その後のりこさんはカウンセリングや治療を受け、少しずつ元気を取り戻していきます。
そして日本に戻り旅行会社で働き始めました。
彼女が言うには働くことで正気を保とうとしていたのだそうです。
仕事をしていると誰かの役に立つことができる。
それが彼女にとって救いだったそうです。
そんなのりこさんは施設を出てからは周りに耐えることもできないので生活するにしろ何にしろ全部自分で何とかするしかなかった。
目標に向かって頑張って仕事をしてお金を貯めて欲しいものを手に入れるというささやかな自由を手にした途端に遺産が入ってしまい
突然努力しなくても何でもできる状態になってしまい
それまでやっていたことの意味を見失ってしまったのでしょう。
このエピソードは私たちにとってお金とは何か本当に大切なものは何かを考えるきっかけを与えてくれますよね。
私はのりこさんのように大金が手に入るなんて経験はしたことはありませんが
若い頃海外を旅しているときに似たような感じというかですね
いわゆるお金があれば三ッ星のレストランやホテルに泊まって観光地を回って欲しいものを買ってみたいなそんな豪華な旅もできるだろうけど
その当時は全く僕はお金が本当にない極品旅行をしていたので
それに反抗してじゃないですけどお金がないからこそできる旅もあると言い聞かせて
自分の旅を正当化していたこともあったことをこのエピソードを聞いて思い出しました。
当時はですね僕も本当日本円で言うと3万円で1ヶ月インドを旅するみたいな本当にギリギリの旅をしていたんですけど
そうするとですねお金があったらやっぱレストランやホテルにサクッと泊まって観光地行ってとかってすると思うんですけど
全くお金がないんでねお金がなるべくかからない地元の安いレストランを探して
それで地元のローカルの人と仲良くなってそういう観光名所には載っていないような観光地に連れて行ってもらったりとかですね
インドだとアイルベイダーというオイルを使ったマッサージがあるんですけど
本当にいわゆる貧しいオタク6畳のドマで家族6人ぐらいで暮らしているみたいな
本当に貧乏なの言っていいのか
うちの人が急にアイルベイダーマッサージできるよって言い出して
そのまま僕は家に招かれてですね
ドマというかもうほぼ土の上に引いた御座の上にパンツ一丁にさせられて
ゴマ油をですね体中に塗りたくられて
終わった時にはもう本当に不老者と言っていいですかね
本当に体中にゴミがいっぱいついて
すごい状況で返された記憶があったりしたんですけど
そんな無茶苦茶なお金がないからこそですね
味わえる旅もあるんだろうなっていう風に
その時感じて自分を慰めておりました
さて皆さんにとっての豊かさとは一体何なんでしょうか
私たちはお金によって一体何を手に入れようとしているのでしょうか
ぜひ自分の価値観を見つめ直してみてください
というわけで今日は突然手に入れた大金
うつになりましたというテーマでお話しさせていただきました
次回も皆さんに響くお話をお届けしたいと思います
それではまたお会いしましょうありがとうございました
10:47
コメント
スクロール