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17 【朗読】愛の詩【呑みながら書きました】より
2021-03-22 03:30

17 【朗読】愛の詩【呑みながら書きました】より

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00:06
ノートの非公式企画【飲みながら書きました】で作った詩を朗読します。
愛の詩
彼の右目には黄金の蛇がすみついている。
瞳の暗い部分から大きな口を開け、鎌首を持ち上げている。
時には瞳の奥からハイズリ出てきて、彼の顔を上へ下へと移動している。
その蛇を見つけるたび、腹の底が熱くなる。
胃から腸にかけて、この上なく熱くなる。
この熱さは何にも買いがたい快楽と苦しみのようなものだ。
ある時、彼の右目に黄金の蛇がゆっくりと現れた。
私の手は彼の右目に向かって伸びていた。
最初はそっと優しく、だんだんと力が入ってきて、蛇を捕まえようとした。
気がつくと、彼の右目はこの手の中にあった。
透明なガラスのようにきれいな目だった。
彼のうめき声さえも、さわやかな小鳥のさえずりのように聞こえていた。
しかし、蛇はそこにはいなかった。
黄金の蛇は左目に逃げていた。
次こそは捕まえてやると、ジンを一気に飲み干した。
躊躇なくて左目に手を伸ばすが、しかし左目の中にも黄金の蛇はいなかった。
どこに行ってしまったんだろう、黄金の蛇は。
彼の左目は黒曜石のように深い黒色をしているだけだった。
断末魔のような叫び声を上げている彼の唇に、黄金の蛇を見つけた。
口の中に手を突っ込んで大きく開けると、そこに黄金の蛇がいるではないか。
ついに追い詰めた。
もがきあがく彼を押さえつけ、舌を引き抜いた。
私は歓喜の絶頂にいた。
猿目のように軽やかに舞った。
しかしそこにも黄金の蛇はいなかった。
そのかわり、彼は私のものになった。
私は彼の目となり、口となった。
手に入れたのは彼自身だった。
03:03
黄金の蛇はまだ彼の体のどこかに潜んでいる。
そんな気がしならない。
今度は服を脱がしてよく見てみよう。
彼に潜む黄金の蛇を探すために。
以上です。
03:30

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