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おはようございます。
コーヒーでも飲みながらゆっくり考える時間の
朝の言葉ラジオ- パーソナリティー- タカーシーです。
今日は、オリジナルの詩の朗読です。
タイトルは、沈黙の価値。
それでは、読んでいきます。
沈黙の価値。
言葉が届かない場所がある。
どれだけ正しく言っても、
そこへはまだ届かない。
朝の机に光が落ちる。
カップの縁に指が触れる。
それだけのことが一つの返事みたいに見えることがある。
人は黙っているものを空白だと思う。
何もない時間だと思ってしまう。
でも、本当に何もない沈黙なんてあるだろうか?
言えなかったことがそこにいる。
まだ、言葉の形を持っていないものがそこにいる。
傷ついた記憶も、ほどけきらない思いも、
誰かを責めたくなかった優しさも、
声にならないまま、沈黙の中に残っている。
だから、沈黙は無ではない。
それは言葉の手前にある一つの深さだ。
人は何かを失った時、すぐにはうまく話せない。
本当に大切なことほど、口に出した瞬間、
少しだけこぼれてしまう気がして、
ただ黙って抱えていることがある。
その時間を弱さと呼ぶ人もいる。
でも、もしかすると、それは弱さではなく、
言葉よりも深く感じているということかもしれない。
世界はいつも言葉で満ちている。
説明、判断、意見、答え。
何かを言わなければ置いていかれるような、
そんな速さの中で、黙っていることは少しだけ勇気がいる。
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けれど、本当に考えている時、本当に誰かを思っている時、
人は少し静かになる。
その静けさの中でしか、見えないものがある。
その静けさの中でしか、育たない気持ちがある。
沈黙は拒絶ではなく、時に信頼に近い。
言葉を急がなくてもいいと思えること。
すぐに説明しなくても壊れないと信じられること。
その間にある静けさは、一つの関係の深さなのかもしれない。
朝、窓の外を風が通る。
木の葉が少しだけ揺れる。
何かを言ったわけでもないのに、そこには確かに動きがある。
沈黙もそれに似ている。
何も言わなくても、心は動いている。
見えないところで、考えは少しずつ形を変えている。
だから、沈黙には価値がある。
それは答えを持っているからではない。
まだ答えにならないものを、ちゃんと抱えられているからだ。
言葉の前に立ち止まること。
急がずに感じていること。
そのことの中で、人は少しだけ本当になっていく。
沈黙は世界から離れることではない。
むしろ、世界に飲み込まれないための小さな灯りだ。
そして、本当に大切な言葉は、たぶんその静けさの後でやってくる。
ということで、沈黙の価値というオリジナルの歌でした。
歌でした?
詩でした。
ということで、今日もお聴きくださりありがとうございました。
朝の言葉ラジオ、パーソナリティ、たかしでした。
それじゃあね、さよなら、バイバイ、またね、いってらっしゃい。