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タイムカプセル【第292号音声版】
2026-07-24 23:10

タイムカプセル【第292号音声版】

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タイムカプセル【第292号音声版】

時を超えて未来に託す,それがタイムカプセルです.古代から現代まで,人は思いや知恵を「カプセル」に込め,未来の誰かに届けようとしてきました.失われゆく記録と残す工夫について考えます.

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サマリー

本エピソードでは、古代メソポタミアの粘土板から現代の核廃棄物処理に至るまで、時を超えて未来にメッセージを託す「タイムカプセル」の概念と歴史を探求します。ウェスティングハウス社のタイムカプセルや大阪万博の事例を紹介しつつ、多くのタイムカプセルが行方不明になる現実や、超長期警告システムの研究といった現代的な課題にも触れています。

はじめに:タイムカプセルとは
いちです。おはようございます。今回のエピソードでは、タイムカプセルについてお届けをします。このポッドキャストは、僕が毎週メールでお送りしているニュースレター、スティームニュースの音声版です。
スティームニュースでは、科学、技術、工学、アート、数学に関する話題をお届けしています。スティームニュースは、スティームボートの取り組みのご協力でお送りしています。
というわけで、このエピソードは、2026年7月23日に収録しています。スティームニュース第292号から、タイムカプセルの話題についてお届けをしていきます。
時を越えて未来に託す。それがタイムカプセルなのですが、古代から現代まで、人は思いや知恵をカプセルに込めて、未来の誰かに届けようとしてきました。
そんな工夫を、このエピソードの中で解説していきたいと思います。今回も25分間、どうぞ最後までお付き合いください。
改めまして、一位です。冒頭にご紹介させていただいた通り、このポッドキャストは、スティームニュースの音声版としてお送りしています。
ニュースレターの方は文字で毎週きっちりとお送りをしているので、音声版の方は少し緩い感じでもいいのかなと最近思い始めまして、もともと緩くはやってたと思うんですが、
一発撮りでお送りすれば、更新頻度も上げられるかなと思いまして、今回から25分間というフォーマットは変えずに、少し緩めにお送りしていこうかなと思います。
ぜひね、文字でお送りしているニュースレターの方も併せてお楽しみいただければなと思っております。今回のテーマなのですが、スティームニュース第292号からタイムカプセルの話題をお届けしていこうと思います。
タイムカプセルの歴史:古代から20世紀へ
タイムカプセル、皆さんも名前は聞いたことあるんじゃないかなと思いますし、ひょっとしたら小学校、中学校の時にタイムカプセルに何かを入れられたという経験がおありかもしれません。何周年とかとたまたま勝ち合うことがあればそういった機会があったのかなと思います。
このタイムカプセル、歴史上、実はものすごく古くからあって、人類の歴史、ホモサピエンスでいうとさらに一桁長くなりますが、人類文明の歴史というと、長くて1万2千年ですかね。
その中でタイムカプセルというのは、言葉は後でご紹介する通り20世紀に生まれたものなのですが、その概念は発明されています。
おそらく我々が知っている知識の中で最も古いものが、古代メソポタミアのジョジシ、ギヌガメシュジョジシなんですね。
このギヌガメシュジョジシそのものがタイムカプセルではあるんですね。粘土版に刻まれた物語で、これはおそらく偶然なのですが、この粘土版がおそらく火災によって焼かれて、焼き占められて、粘土版が非常に凶暴になって、それが遺跡に埋もれてしまった。
つまり物語が書かれたタブレット、粘土版のことですね。粘土版がそれ自身がタイムカプセルになったということも、偶然も重なってタイムカプセルになったということもあるのですが、
一番大事なのはこの物語、ギルガメシュジョジシの最後に、主人公ギルガメシュが自身の旅と知恵について、青銅の箱に印、城壁の中に埋めるという場面が描かれていることなんですね。
当時まだ鉄は人類手にしていないので、青銅が最も永遠に残るものというふうに考えられていたんでしょう。そしてその青銅に刻むことで、永遠に物語を残そうとしたということ。
これももちろん紀元前の出来事なのですが、そのようにして人類は未来に何かを残そうとしてきたということが、このギルガメシュジョジシからわかるということなんですね。
歴史上何度も現れることだとは思うのですが、未来に何かを残そうとすること、これは人類普遍のテーマなのかもしれません。
ウェスティングハウス社のタイムカプセル
ご紹介したいのが1939年、20世紀ですね。1939年、アメリカ、ニューヨーク、バンコク博覧会で、なんと5000年後への手紙というアイディアが考えられるんですね。
ウェスティングハウスという金業が1939年の手紙というものを作ります。ウェスティングハウスのタイムカプセル、実はこのタイムカプセルという言葉もこの時に発明されます。
実際には複数の名前が使われているのですが、そのうち21世紀に至るまで使われ続けたのがタイムカプセルという言葉だったんですね。
1939年、ウェスティングハウス社によってタイムカプセルが埋設されました。これは西暦6939年、5000年後に開封されることを目的とした壮大なプロジェクトだったんですね。
直径約20センチメートル、長さ約2.3メートル、身長よりも長いカプセルに、当時の最先端技術、日用品、新聞、植物の種、衣類、小型のおもちゃ、手紙、メッセージなど、
当時の社会を象徴する様々な品々が収められました。5000年後の人々に読んでもらうために、
英語の基礎、説明書、世界の様々な言語で書かれた開封方法、人類へのメッセージなどもカプセルの中に収められています。
僕自身が面白いと思ったのが、カプセルの素材です。5000年間中身を守り続けないといけないので、どんな素材を使ったのかなと思ったところ、ほぼ銅です。
キュパロイという銅合金が使われているのですが、銅99.4%、クロム0.5%、銀0.1%、ほぼ銅の合金が使われたそうです。
今考えると、純鉄は錆びるので銅合金にするのですが、純銅も錆びるので銅合金にするのです。
なぜ銅合金にしたのかなと思って調べてみたところ、古代エジプト人が銅製品を使っていて、それが現代まで残っているから、つまり5000年残った実績があるのです。
銅製品、鉄はもう少し歴史が短いので、銅だったら5000年残るだろうと。
残っているかというと、青銅は錆びています。ブロンズディジーズといって、錆が厚く覆ってしまって、竹串を刺すとスコンと入ってしまうぐらいボロボロになっていくのです。
それでも形は残っているので、銅製品なら残るだろうということで、タイムカプセルにキュパロイという銅を中心とした合金が使われたということです。
日本のタイムカプセルと失われる記録
ウェスティングハウスのキュパロイを使ったタイムカプセルが1939年、日本では1970年の大阪万博でタイムカプセルの真似をしています。
タイムカプセルは2つ作って、1つは50年おきに開けて中身を確認するというタイムカプセルです。
タイムカプセルは50年経ってますから、確かに1回開けてるんですよ。また蓋をしているんですけれども、こちらは鉄合金を使っています。
こちらのほうが長持ちするだろうということで、ニッケル22%、クロム20%、モリブ電、銅、マンガン、チタン、0.何%かずつ添加したステンレスコです。
ニッケルとクロムで42%ありますから、ほぼ58%が鉄合金が使われています。
こんな短期間の間に合金が変わるというのも珍しいかなと思いますが、こんな風にしてタイムカプセル残されています。
タイムカプセルを埋める時って未来の誰かが発見して開封してくれるはずという期待をもちろん込めているんですが、
皆さんもひょっとしたら小学校とか中学校とかで埋められたことがあるかもしれません。
特に大阪万博前後でタイムカプセルブームというのがあって、日本各地の学校であるいは自治体でタイムカプセルを埋めたりしているんですが、
これを調査しているウェブサイトがあるんですよ。国際タイムカプセル協会という協会があるそうで、
タイムカプセルを埋めたら登録してくださいと呼びかけていまして、それを地図でアクセス可能にされているんですが、
実際にはこの協会の調査によると世界のタイムカプセルの95%は設置5年以内に行方不明になっているそうです。
これ日本も例外ではありません。埋めたんだけれども、埋めたことすら忘れられているということがあるそうです。
小学校が廃校になったりとか、自治体が党廃号とかで書類が失われたりとかもあるでしょうし、
土地の再開発でタイムカプセルがあるという情報が引き継がれないまま、別の業者さんが上に建物を建てたとかということもあるそうです。
これ身につまされると言いますか、僕自身、エジプト調査隊のメンバーとして発掘調査に関わっているんですが、
発掘する対象というのは意図せぬタイムカプセルで未来に残したいと思って残したものではないのですが、それでも発見を待っているわけですよね。
ここに町があったとかという記録もないわけですから、偶然に頼るしかない部分もあるわけなんですよね。
タイムカプセルって埋めといて発見されるかというと無理ですよ。
エジプトだと何もない砂漠のところにロバを歩かせて、砂漠の地下に空洞ができていることがあって、ロバが落とし穴みたいに空洞に落っこちると遺跡があったというふうに見つけるというのが割とあるらしくて、
偶然遺跡が見つかるとあるんですけれども、タイムカプセルもそんなふうに偶然見つかるということが今後あるかもしれないですね。
そんなふうに非常に見つかりにくくなってしまうという問題点。
超長期警告システムとタイムカプセルの応用
95%が行方不明なんだそうですから、何か意図とは違うことになって、むしろタイムカプセルよりもタイムカプセル自身よりもタイムカプセルを埋めたという記録を残さないといけないんだから、タイムカプセルのタイムカプセルが必要というよくわからないことが実際には必要になってくるんじゃないかなと思った。
これタイムカプセルって遊びじゃなくてすごく重要なテクノロジーでもあるんですね。
日本もそうですが、原子力発電所があるじゃないですか。これもちろんアメリカにもあって、核廃棄物ですね。原子力発電所から出てくる核廃棄物、これ無害化するには数千年から数万年かかるんですね。
その間絶対に触るな、絶対ここを見るなみたいなメッセージを数千年から数万年間伝え続けないといけないわけです。核廃棄物処理場、日本でも広報地いろいろ探されていますし、アメリカでも核廃棄物処理場があります。
そこには数千年から数万年間人間が入っちゃいけないということで、100年200年は看板立てておいてここ入っちゃいけませんよと言っておけば大丈夫なんでしょうけれども、5000年後の人類にここ入っちゃいけませんよって伝わるかっていうと相当怪しいわけですよね。
5000年後の人類が英語を喋ってるかなんて誰もわからないわけですし、だって5000年前の言語わかんないわけじゃないですか。
エジプトのヒエログリフとかはロゼッタストーンがあって初めてわかったわけで、5000年前の言語でも全く読めない言語っていっぱいあるわけで、なので5000年間で人々が読み続けてくれるというふうには期待できないわけですね。
まして1万年後数万年後にどういうふうに人類にメッセージを残すかというと、もう想像を超えているわけですよ。
アメリカのエネルギー省が言語学者、考古学者、人類学者、材料科学の研究者、SF作家、未来学者等とともに超長期警告システムというのを研究しています。
その一例としてですね、この場所はあなたの住処ではないとか、ここを掘り返せば苦しみや死が待っているというような普遍的な恐怖、普遍的な不快感を想起させる表現、これ主にグラフィックで表現しようとしているんですね。
そういったグラフィックであるとかモニュメントとかを考案をしています。
メールでお送りしているニュースレターの方ではその一例もご紹介していますが、これ通じるのかなと。
アメリカで設計されたものでそれを日本から見る、日本人から見るというと少し時間的隔たりに相当する距離感はあると思うんですが、
これ警告サインとかニュースレターで紹介させてもらっていますが、これわかるかというとちょっと微妙な気もします。
ぜひそこをニュースレター見ていただいて皆さんもご判断いただければなと思います。
タイムカプセルは開けてほしいという願望で願いが込められて埋められるわけなんですが、
放射性廃棄物の場合は触るなと、開けてくれるなと、絶対に開けるなという逆方向のネガティブな方向のメッセージで、これもやっぱり一種のタイムカプセルなのかなというふうに思います。
大学教授の「絶対開けるな」段ボール事件
最後にちょっとご紹介したいお話があって、これも一種のタイムカプセルかなと思うんですが、大学って定年があるわけですよ。
現在は65歳にしている大学が多いですかね。国立大学だと65歳にしている大学がほとんどだと思います。
昔は63歳とか60歳とか、もっと昔は55歳とかだったそうなんですが、定年があるわけなんですね。
定年を迎えられた大学教授は教授室あるいは実験室を空にして次の世代に引き渡すわけなんですが、それが大学ですからね。
いろいろ変な人もいるわけなんですね。荷物を置いていくと本当はいけないんですけれども、荷物を置いていく教授もいらっしゃいました。
置いていくぐらいだったらね、清掃業者入れて処分すればお金で解決できる話ではあるのですが、中にはですね、置いていった荷物の中に絶対開けるなって書いた段ボールがあったりとかするんですよ。
これは想像で言ってるんじゃなくて、僕実体験ですね。今の職場じゃないですよ。今の職場じゃないんですけれども、とある前任地の一つで絶対開けるな段ボール事件というのがあったんですね。
絶対開けるなと言っても捨てないとね、次の先生が入れないわけじゃないですか。僕じゃないですよ。僕じゃなかったんですけれども、次の先生入れないのでどうするのと思って。僕はたまたまお手伝いで掃除いただけだったので。
それはその場では絶対開けるなと書いてあるし、開けないとこうと思って開けなかったんですが、その後大事件がありました。結論を言うと、その中にガラス瓶に閉じ込められた水銀が入っていたんですね。
水銀は昔は管理も緩かったと思うんですが、今はもうめちゃくちゃ管理厳しくて、これがね、人の被害が低くなっています。
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