【国際欄 #04】「金利のある世界」を生きるために知っておきたいキーワード(ゲスト:加藤出さん)
2026-06-23 31:50

【国際欄 #04】「金利のある世界」を生きるために知っておきたいキーワード(ゲスト:加藤出さん)

News Connect 国際欄、ゲストは東短リサーチ・チーフエコノミストの加藤出さんです。最近よく耳にする「スタグフレーション」や「ビハインド・ザ・カーブ」。日本の経済状況を知るための重要なキーワードを解説いただきました。さらに、主要国の金融政策や加藤さん注目のスイスの動きなど、金利から世界をより立体的に理解するためのヒントを伺いました。


▼ゲストプロフィール

加藤出(東短リサーチ株式会社 代表取締役社長 チーフエコノミスト)
1988年4月東京短資株式会社入社。金融先物、CD、CP、コールなど短期市場のブローカーとエコノミストを兼務後、2013年2月より現職。マネーマーケットの現場の視点から日銀、FRB、ECB、中国人民銀行などの金融政策や金融のデジタル化を分析している。主な著書に『日銀は死んだのか』(日本経済新聞社)、『日銀「出口」なし!』(朝日新書)、『デジタル化する世界と金融』(2020年)など。


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サマリー

本エピソードでは、東短リサーチの加藤出氏をゲストに迎え、「スタグフレーション」と「ビハインド・ザ・カーブ」という重要な経済キーワードを解説しました。スタグフレーションは景気悪化と物価上昇が同時に起こる状況で、1970年代のオイルショック時の日本の経験を振り返りつつ、現在の中東情勢がもたらすリスクについて議論。また、中央銀行がインフレ抑制に出遅れる「ビハインド・ザ・カーブ」が日本の円安や長期金利上昇に与える影響を考察しました。さらに、アメリカ、ヨーロッパ、トルコ、ブラジル、スイスなど各国の金融政策と経済課題を比較し、金利が住宅ローンや株式投資といった私たちの生活にどう影響するかを解説。これからの「金利のある世界」を生きる上での心構えを提示しました。

はじめに:スタグフレーションとは
こんにちは、経済キャスターの佐々木真奈美です。
News Connect 国際欄のお時間です。
本日は先週に引き続き、東タンリサーチチーフエコノミスト 加藤出さんをゲストにお迎えし、お送りします。
今回は、今よく聞くスタグフレーションや ビハインドザカーブというキーワードの解説。
そして、海外の金融政策から世界が抱える課題を考えていきます。
それでは、本編をどうぞ。
ゲストは、東タンリサーチチーフエコノミスト 加藤出さんです。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
先週に引き続きということで、今回もいろいろと伺っていきたいんですけども、
まずは、最近よく金利とか景気の話をする上で、よく出てくる2つのキーワードについて解説いただきたいと思っています。
1つ目は、スタグフレーションですよね。
よく聞くんですけど、インフレ、デフレ、そしてスタグフレーションというものが存在するんですか?
スタグフレーションというのは、景気が悪い状態とインフレが合わさる状態で、普通は景気が加熱してインフレになるんですけれども、
景気は悪化していくのにインフレも上がるというのは、一般的な経済の教科書にはないんですが、ただ現実には歴史的には何度もあるという話ですね。
景気が悪いのに物価が上がるって、だいぶ辛い状況かなと。
一番悲しい状況ですけれども。
スタグフレーションの歴史と現代のリスク
それが顕著だったのが、1970年代のオイルショックの時でして。
オイルショックの時がまさにスタグフレーションだったんですね。
原油価格がどんどん上がって、それによって景気が悪くなるんですけれども、その原油価格上昇を景気にいろんなものの価格が上がってしまうということで、景気が悪くて失業率は高まるわ、インフレは悲惨に上がっていくわということがあったのが70年代で。
そういう時というのは、中央銀行は金利をどうすべきかというのがとても悩ましくなるわけですね。
普通は景気が強くてインフレも高いなら金利を上げることで経済にブレーキを踏めばいいんですけれども、インフレが高いからといってスタグフレーションの時にブレーキを踏むと景気がますます悪くなるんじゃないかという心配もあるので、なかなか決断がつかないケースが過去いくつもあって、
政府の方もそんなに利上げ急ぐなと中央銀行に行ったりするんですが、ただ過去の経験をいろいろ振り返ってみてみると、そういう時に躊躇して金利を上げないと大抵後で大失敗でインフレが収集つかなくなっていくということがありますので、
ここは悩ましいんですけど、スタグフレーションのリスクが出てきちゃった時はまずは金利を上げてインフレを抑えに行くということが一般的には中央銀行の間では教訓となっています。
過去の教訓という意味で過去に一体どういったことがあったのかというのを世界でそして日本でということで例に挙げて教えていただけますか?
一番比較的イメージしやすい日本のケースですけども、73年に第一次オイルショックというものがあって、石油の値段がどんどん上がっていくということがありました。
この時は日銀が金利引上げに出遅れまして、74年にかけて物価高騰が燃え盛りまして、消費者物価指数は前年比で25%という高さで。
今の数パーセントアップとかから信じられないですね。
もうお詐欺だった。ある種社会的にもすごい不安が高まっているような状況でもありましたね。
一方で78年の第二次オイルショックの時は日銀が素早く金利を上げていったので、インフレ上がったんですけど第一次オイルショックほどのすごいことにはならなかった。
今そのスタグフレーションが改めてこの2026年にも意識される状況になってきているわけですよね。
過去の話を聞くとえーって恐ろしくなっちゃうんですけど。
そうですね。単に過去の話で現代に起きないと切り捨てられない心配な面があって、
まず一つはですね、今回ホルムズ海峡閉鎖によって原油の供給が縮小しちゃった部分というのは世界全体の原油の供給量の2割程度と言われているんですけれども、
第一次オイルショックの時の原油供給量の縮小というのは6%でしかなかったものですから、
そうすると今の方が遥かに深刻であると。
これはこの間IEAという国際機関が言ってましたが、もし今日アメリカとイランの和平が合意できてホルムズ海峡を自由に通れますと、
今日この瞬間決まったとしてもいろいろ湾岸の産油の機械が壊れちゃったりしてますので、
原油価格が元に戻るのに少なくとも6ヶ月から8ヶ月かかると言われていて、
それゆえ夏場のエネルギー需要が多い時期にちょうど原油の在庫が歴史的最低レベルに下がってしまう恐れがあるので、
準備してねと警戒してねとIEAは言ってますけどね、国際エネルギー機関は言ってますけれども、
そういう意味でも70年代のような物価の燃え盛る状況というのを完全に無視できるかというとそうではないということは言えるかと思いますね。
そうなると原油価格もすぐには元には戻らないという状況の中で夏を迎える。
さらに最近世界ではデータセンターで大量の電気を消費するなんて話もあって、
そもそもいっぱいエネルギーがあったとしても足りないんじゃないかみたいなくらいに言われてますけど。
そうですね。高市政権の対応はあまり心配しないで普段通りに生活してくださいというのが基本方針ですけど、
この間オーストラリア行った時、オーストラリア政府は国民にエネルギー基金に対する4レベルというのを発表して、
レベル分けされてるんですか?
今はレベル2で公共交通機関をできれば使いましょうとか車運転するときは燃費に気を付けましょうぐらいの今は緩い制約なんですけど、
中等情勢次第ではレベル3レベル4と上がっていきますよということで、
パニックになるほどの危機意識の煽り方ではないんですけれども、状況次第ではいろいろ厳しいことも始まってきますから、
現時点では節約できるものは節約しておきましょうという警告を発してるんですけど、
チリも積もれば山となるという英語のフレーズを使ってやってるんですけどもね、
そういうキャンペーンって日本でも必要ではないかなというふうに思いますね。
実際に目に見えるところでは最近ね、例えばポテトチップスの袋が白黒になったりとか、
いろいろ原油由来のナフサーとかが取れないからというようなことで生産ができないなんて話もありまして。
あれね、うちでも白黒のポテトチップス買いたくて待ってるんですけど、なかなか出てこないんですよね。
だから逆にカルビー、従来のやつ在庫があるうち売り上げ落ちてるんじゃないかなとちょっと心配するぐらいの状況でありますが、
そういう象徴的なことが70年代もありましてですね。
70年代前半というと私小学校低学年だったんですが、週刊少年ジャンプがですね、毎週小遣いで買ってたんですが、
じりじりじりじり値段が上がると同時に厚さがみるみる薄くなりましてですね。
例えばですねオイルショック始まる前の73年第38号は価格が100円で314ページあったんですね。
それが翌年の74年の19号、これインフレ一番激しい時期ですけども、価格は130円になってページが234ページと激減。
あれ100ページ近く減っちゃいましたね。
ここに写真があるんですがこの見事にこのジャンプの背拍子が薄くなっていると。
漫画と思えない薄さになってますね。雑誌よりちょっと分厚いくらい。
1ページあたりの値段というのを単純割り算すると73年38号は1ページあたり0.32円だったんですが、
一番上がっちゃった74年19号では1ページあたり0.56円と大幅値上がりではあるわけですね。
これは紙の値段がもう急遽してしまって。
トイレットペーパー駆け込みっていう映像はね。
あれは人によっては不必要なパニックだったんじゃないかみたいなイメージを持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、
実際紙不足になりまして、印刷業界とか本当紙いなくてお詐欺、紙の奪い合いみたいになってましてですね。
こういうことも一つの象徴としてあったということではあるんですけれども、
この時インフレ率が消費者物価指数24%5%までなっちゃったという原因の一つが、
そもそもオイルショックが始まる直前の日銀の金融政策がだいぶ緩和的でして、
田中閣営内閣のもとでインフレ上がってきてたんですけど、オイルショックの前からインフレ上がってきてたんですけど、
日銀が思い切った金利引上げあんまりできてなくて、
政策金利からインフレ率を引いた実質金利で見ると-45%という深い実質のマイナス金利だったんですね。
そこにオイルショックが来ちゃったんでますますインフレが刺激されちゃったと。
金利日銀上げてたんですけども追いつかないみたいな感じだったんですね。
ところが78年の時は日銀さっさと金利上げて何とか収集つけたわけですが、
しかし当時の大平内閣は日銀の金利引上げに比較的寛容だったんですね。
普通政府というのは日銀の利上げにそんなに良いよとは普通言わないんですけども、
なぜ当時はそうだったかというと第一次オイルショックで大失敗しちゃったので、
その25%のインフレっていうのは国民から政府への批判もものすごかったですから、
なので2回目はこれはもう教訓として失敗しないように日銀に金利を上げさせようということだったわけなんですけれども、
ただ問題が2つあって今は高市政権はもともとあんまり日本銀行に金利上げさせたくないように見えますから、
第二次オイルショックのような機敏な大幅な利上げというのはしづらいかなというふうには思いますね。
それができないと何が起きるかというと、もしそういう事態に陥っちゃったらインフレが激しくなっちゃう恐れも出てきますね。
あともう一つは第二次オイルショック機敏に日銀が利上げしてよかったよかったと言われてるんですが、利上げの幅が10ヶ月間ほどですね、トータル5.5%も利上げしてまして。
それもまたすごい数字ですね。
今半年に1度0.25%利上げとか言ってるのに、当時10ヶ月間でトータル5.5%も利上げしてるんで、
今そんなことやったら世の中大変なことになってしまいますので、
そういう意味で70年代後半のような迅速かつ大胆な利上げって現実難しいので、
大事なのはそこまでインフレが燃え盛らないでも済むように事前にせめて低すぎる金利をある程度上げておくという予防的な対策というのは必要だろうと思います。
日銀に今その行動力がありますかね。
そうなんですよね。今後そこを期待していきたいところなんですけれども、市場の関心もそういうところに向かう可能性はありますね。
今回の利上げの後にどのぐらいのペースで利上げが続くんだろうという市場の予想次第で今為替が動いているとも言えますから、
円安方向に来ているということであれば、それはマーケットはきちんと利上げできないんじゃないのと心配しているということにはなりますね。
「ビハインド・ザ・カーブ」と世界の金利動向
そこでもう一つよく最近聞くキーワードが、ビハインドザカーブ。これは今までのお話と関係してくるんですかね。
そうですね。基本的に被りますね。
ビハインドザカーブという用語は出遅れるということですけれども、金融業界で使う場合はあえてしてその中央銀行がインフレ制御に出遅れてしまったという場合に
ビハインドザカーブという言葉を使いますが、今金融市場の方は日本銀行はその点で大丈夫かとビハインドザカーブになり始めてるんじゃないのかなという心配があるので、
日本の長期金利は上がりやすくなっていますし、なぜならビハインドザカーブだとインフレが先行きより上がっていくあるいはなかなか下がってこないと、目標の2%に向かって下がっていかないということになると
インフレに応じた長期金利というものをマーケットは望みますから、それもあって長期金利が高止まりしていると。
あるいはそういう状況というのはその通貨を買うという意味では価値として大丈夫かなということになるので、そのビハインドザカーブの心配がある通貨というのは得てして為替レートは弱くなっていくということですね。
素朴な疑問ですが、これがこれくらいの数字になったらビハインドザカーブですって決められるものになるんですか?
明快に白か黒かみたいな境界線はないのですが、例えば今の高市政権の下で日本銀行の金利引上げはとてもゆっくりだなと。
特に海外の投資家からすると、どうしてこんなまだ低い金利を続けているのと、インフレも為替もこんなになっちゃっているのにということとの比較で言うと、出遅れているなというのが一つではありますね。
高市政権の政策も、ガソリンの補助金を世界最大規模に出して、今ほとんどの国に対して日本のガソリン価格は一番低くなっています。
あるいはこれから食品の消費税率も下げようとしているわけですから。
しかし一般論で言って、物価上昇が起きているときに財政資金でもってインフレ率を下げるということをやると、需要を刺激しますので、要はもっともっと買ってねって話になりますので。
我々は普通にやった、これでスーパーマーケットに買いに行こうとか、そういったような需要喚起にはなりますか?一時的に。
そうなるとインフレをますます刺激しちゃうということになるので、それでインフレを刺激しちゃうと物価が上がるわけですが、
そういうときは本当は中央銀行である日銀がもっと金利を上げて、為替を円高方向に持ってくるということが必要なんですが、
しかしどうも高い政権はあまりそれを望んでないようだとなると、金利は上げれない、しかし物価は上がっていくかも、あるいはビハインドザーカーブかもというような予想がいろいろ考えていくと、
あれ円って買うより売る方がいいかと思う人が増えやすいわけですね。
それが今のこの1ドル160円台っていうような円安にもつながっている一因ということなんですね。
あともう一つ加藤さんの今のお話の中で出ました、日本ってなんでこんなに金利低いの出遅れてるんじゃないのっていう話があって、
ちょっと今私の手元には世界の政策金利一覧っていう表がありまして、それを見ると確かに日本って低いなぁ、スイスと比べるとちょっと高いですけども、
低い方から数えた方がもちろん早い。
日本より低いというとスイスしかないですね、政策金利、中央銀行の政策金利に関してはですね。
なのでこの各国の政策金利を見て、各国は一体どうして今この金利なのか、要するにそれぞれの国っていうのはどういった問題を抱えてたり、
どういったことを懸念して今この金利に設定しているのかっていうのを是非加藤さんに解説いただきたいんですが、
まずは代表的なアメリカというところでいくといかがですか。
アメリカはですね、FRBが推計しているアメリカの中立金利っていう考え方があるんですが、
中立金利というのは経済を加速もさせないし減速もさせないという金利というのは2%代から3%代後半で推計してまして、
今のFRBの金利っていうのはその中立金利のレンジの範囲内なんだけど上の方ということで、つまり気持ち引き締め気味っていう説明を今までFRBは繰り返してきてまして、
アメリカのインフレ率って目標よりも高い状態が続いているんですけど、ものすごい高いってわけではないので、
さっき言った中立金利の中でもちょっと高い方に寄っているというぐらいでちょうどいいんですっていうのが今までの説明だったんですが、
ただ最近アメリカ雇用統計も強かったりしてますので、中立金利との関係は本当にそれでいいのかって議論が今マーケットで始めてまして、
もうちょっとFRBが金利を上げないと景気が加熱しちゃうんじゃないかというような議論も出てきてたりはします。
なのでそういった意味では審議長のウォーシュさんがどういったような見通しを立てるかっていうのは気になるところなんですね。
続いてはユーロということでヨーロッパ圏を見ていきます。ヨーロッパですとどうなんでしょうか。ヨーロッパ日本から見たら物の値段高いよなという感じがします。
日本から見ると円安のせいでどこに出してもそう感じちゃうんですけれども、ヨーロッパの場合はアメリカほど賃金上昇を伴うインフレというのがアメリカほどは強くないということもありますので、
またそのヨーロッパにおいてちょうど良い金利である中立金利というのが1.75から2.25ぐらいと石火は推計してまして、実際の政策金利がちょっと前まで2%だったんでちょうど良いと。
ラガルド総裁よく我々の政策金利はウェルポジションドだと、良い位置につけていると。
自信を持っているんですか。
言ってたんですけど、中東情勢の影響でヨーロッパのインフレが上がってきちゃったんで、やっぱりちょっとこのままじゃまずいということで、今金利引上げモードに入ってきているということですね。
ただアメリカもヨーロッパもですね、そうはいってもインフレがある程度制御できているという中での話なんですけれども、何といっても例えばトルコですよね。
いやトルコが37%って突出してますよね。
こうなってくるとですね、まずトルコのインフレが高いっていうのもあるんですけれども、ある程度金利上げていかないと通貨安が止まらなくなっちゃうということがあります。
そこにおいてですね、内外金利差っていう点ではトルコは圧倒的に金利確かに高いんですけども、もう一つ実質金利ということで考える必要もあって、インフレとの比較でインフレよりも金利が遥かに低かったりすると、
金利からインフレを差し引くと実質がマイナス金利になっちゃいますから、銀行に預金を預けておくとどんどんインフレでめべりしちゃうということになるので、どうしても実質金利を極端にマイナスの状況を放置しておくと通貨安がますます止まらなくなっちゃって、その経路でさらにインフレが上がっていくという悪いスパイラルに陥っていく恐れがあるので、
そういうのを止めるなきゃならないので、新興国ではこういう高い金利を維持しているということがありますね。
他高いところでいくとブラジルなども高いですよね。
ブラジルもトルコほどではないですがインフレ率が高いということはありますね。
特に加藤さんが気になるものといいますか、何か世界のトレンドを見る上でここを見ておくといいっていう金利ございますか。
そういう意味ではスイスが今0%なんですが、日本より低いんですけれども、市場で決まる30年国債の金利は日本の方が3.2%以上高かったりして、
つまりその期間が長くなると通貨の信任、財政の信任がスイスと日本では全然違うという状況でして、
これはカーセレートにも現れていて、かつては日本円とスイス円というのは2大安全通貨と言われていて、
よくU字の日本円買い、U字のスイスフラン買いと言われていたのですが、今はもう全く悲しいくらいに明暗が分かれてしまって、
本当に違う状況にあるわけですけどね。
むしろドルの方が買われているような状況ですかね。今U字の買いはどうですかね。
全体としてはトランプ政権になってからの期間で見ると、やっぱりドルは弱くなっているんですけれども、
主要通貨の中では一番上がっているのはスイスフランで、ドルは弱くなっている方なんですが、その中でも円はもう群を抜いて圧倒的に弱くなっていますのでね。
スイスが、やっぱり独自のそういった中立国というところで。
そうですね。ただそこを維持しなきゃならないこともあるので、スイスの財政状態って非常に健全で、国債の発行額もすごく少ないんですね。
例えば政府の借金、政府の債務の経済規模に対する比率だと、スイスは去年39%、4割弱ですけども、日本は207%とかありますけれどもね。
スイスは非常に国の借金も少なくして、それは衛生中立国なんで、もし戦争になったら誰も助けてくれないからお金いっぱい使って戦わなきゃならないので、平時は国の借金を少なくしておこうということも会計にあったりするんですけども、
そういうスタンスも市場からは交換されていて、もともとスイスは国債を発行していないということもあって、スイスが国債を発行すると投資家は喜んでそれを買うという感じですよね。
そういった意味では今、世界が不安定な中、スイスの立ち位置って羨ましいなくらいに思ってしまいます。
ただ、スイス行くととんでもなく物価が高い。ただ、物価の高さ以上にスイスでは平均賃金が伸びてまして、実質賃金の伸びという点ではちゃんとこの20年ぐらいスイス伸びてますから、そこが日本と違うところですね。
金利のある世界が私たちの生活に与える影響
世界の政策金利を見ているといろいろな各国の課題であったりとかが見えてきますけども、ではテーマ変わりまして続いては、じゃあその金利が私たちの生活にどういう風にこれから影響を与えてくるのかっていうところも気になってきます。
この番組のリスナーの方、現役世代の方が多くて、長期金利の上昇と言いますと、普段生活していると例えば住宅ローンが上がったなとか、逆に銀行の利息ちょっと増えたかもとかそういったところでは感じられる。あとは国債買ってみようかなという方にとってはね、何か金利っていうのは大事ですけど、我々の暮らしにはどういう風に今後金利って影響するんでしょうか。
金利が動くということをやっぱり一般の方々も意識しなければならない普通の状況に戻ってきたということではありますね。
金利のある世界になったわけですからね。
去年まで30年間日銀の政策金利が0.5%以下でほとんど動かないということが続いてましたけれども、しかしその間、欧米、オーストラリアでは金利は何回も上がったり下がったりしてますので、普通はそういう世界であるということは意識する必要があると思います。
ですので、変動金利の住宅ローンも上がったり下がったりするというのが普通だと思う必要はありますね。
そうやってその変動金利の住宅ローンが結構上下するアメリカでは、2007年、8年くらいのサブプリムライムローンが弾けちゃったことでの教訓で、今は変動金利あんまり銀行は貸さないんですけれども、
それだけじゃなくて、金利が上下するので変動金利は危ないという意識が強くて、アメリカの住宅ローンは9割以上30年固定金利にはなっていますね。
一方で我々は結構変動金利でね、家を買う方も多いですよね、日本は。
ただ一方で、ここからローンを組むときに固定金利はすごく高く見えちゃうので、そこはそれぞれの考え方ですけど、
変動金利で借りる場合は、できるだけ元本を早めに返済するようにしてということであれば変動金利を借りるのもいいと思うんですけどね。
変動金利の金利が一番低いから、いっぱいローンを組むということになると、これから金利が上がっていくと返済が厳しくなっちゃうということもありますしね。
あとこれはですね、コロナ明けの時のインフレが激しくなった時、海外で見られた現象なんですが、スウェーデンとかオーストラリアでもありましたが、
インフレを地方銀行が抑えなきゃならないので、金利を上げていくと変動金利の住宅ローンの金利がどんどん上がっちゃうわけですね。
それはやっぱり、その人たちにとっては消費も節約しなきゃならないから、景気に影響の面もあるんだけど、
ただ経済トータルで見ると、金利を上げてインフレを抑え込まないと、全体としては困る人がもっと増えちゃうということで、
オーストラリアでもですね、22年ぐらいに大分金利、21、22年かな、ガンガン上げたんですが、
そうしたら変動金利の人たちからすごい悲鳴が湧き起こって、国会でもずいぶん問題になったんですが、
でも最終的には地方銀行はインフレを抑えるしかないですねということで、その後もオーストラリア中銀は金利をまたより上げていくということがあったので、
インフレがこれからどれだけ激しくなるかというところにかかってくるので、限りなくどんどん金利が上がるみたいな決して煽ってるわけではないのですが、
経済の状況によっては金利は動くと、そこが過去30年とは違うということですね。
そうですね、ずっとゼロ金利で生きていた私からすると、これからは金利のある世界、金利っていうのもちゃんと注視していかなきゃいけないなというふうに感じます。
あとは株式投資をされている方だと、やっぱり金利上がると、つい最近もありましたけど、グロースとか成長目柄が下がってしまうことがあるんですよね。
こういった意味でも金利って見ておかなきゃですよね。
そうですね、そういう意味で過剰に金利が上がりすぎるというのはよくはないんですが、
だからといってインフレを抑えようとする日銀を止めて金利を上げるなと言ってしまうと、
今度はさっきも言った日銀はビハインドザカーブ、インフレ制御で遅れちゃうぞと市場が見ちゃうと、
今度は円安がまた進んじゃって、そっちの経路からアンバランスなことになるので、
そういう意味では金利が上がるともちろん良くないことも起きるんですけれども、
ただインフレの状況に合わせてある程度動かしていくというのはどうしても必要なものですからね。
その辺の意識を以前とは違うというふうに、特にあと実質金利という概念も常に持つ必要があると。
そうですね。
銀行の利息あるいは債権の利息からインフレを引いてみて差し引き、ちゃんとプラスが残っているかなと、
こういうふうに考えることは大事ですよね。
本当に金利を通して世界の解像度が上がった気がしますし、
あとは金利のある世界をこれから私たち生きていく覚悟をしっかり持たなきゃなというふうに感じました。
まとめ
加藤さん今回も本当にありがとうございました。
ニュースコネクト国際覧、お相手は笹木まなみでした。
もし番組に価値を感じてくださいましたら、フォロー、チャンネル登録、高評価、コメントの形で応援してくだされば嬉しいです。
Xの場合はハッシュタグ、カタカナでニュースコネクトとつけて投稿ください。
それではまた次回お会いしましょう。
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