【文化欄 #19】『三千円の使い方』はどう生まれた?“日常の影と光”を描く作品作り(ゲスト:原田ひ香さん)
2026-10-08 34:16

【文化欄 #19】『三千円の使い方』はどう生まれた?“日常の影と光”を描く作品作り(ゲスト:原田ひ香さん)

News Connect 文化欄、今回のゲストは小説家の原田ひ香さんです。『三千円の使い方』『ランチ酒』など人気作多数の原田さん。お金や食、家族などの身近なテーマを描くようになったわけとは? さらに、純文学からデビューし、エンタメ小説へと移っていく中で感じたリズムの違いや、ミリオンセラーを経験してもなお変わらない作家の日常まで。原田さんの創作の裏側に迫りました。


▼ゲスト

原田ひ香(小説家)
1970年、神奈川県生まれ。2005年、「リトルプリンセス2号」でNHK創作ラジオドラマ大賞受賞。2007年、「はじまらないティータイム」で第31回すばる文学賞を受賞。『ランチ酒』『古本食堂』『母親からの小包はなぜこんなにダサいのか』など著書多数。なかでも『三千円の使いかた』は、100万部を超えるベストセラーに。9月25日、光文社より新刊『あなたのいない世界で』刊行。


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新刊『あなたのいない世界で』:https://books.kobunsha.com/book/b10194222.html


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岩井圭也(小説家)

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サマリー

小説家の原田ひ香さんが、食べ物、お金、老人問題、本を軸にした作品の着想と、編集者との対話から企画を形にする過程を語る。『三千円の使い方』は、家族の中に身近なお金の問題を組み込む構想として生まれ、年収200万円台の4人家族が1000万円を貯める特集などから刺激を受けた。『ランチ酒』を書いた当時は、食を中心にした小説が現在ほどジャンル化しておらず、原田さんは早く取り組むことの利点を振り返る。作品には温かさだけでなく影も入り、売れ行きと作者自身の評価が一致しないことについて、岩井圭也さんと経験を共有する。原田さんは執筆中に文体や登場人物を決める柔軟な方法を取り、連載も60枚から30枚単位に変えて執筆の余裕を得た。純文学でデビューした後、厳しい批評や細かな改稿を経験し、執筆のリズムの違いからエンターテインメント小説へ移行していった経緯も話す。『三千円の使い方』はコロナ禍にお金や家のことを考える読者に届き、100万部超のベストセラーとなったが、原田さん自身はその後も見える景色は大きく変わらないと語った。

原田ひ香の作品にある影と光
こんにちは。小説家の岩井啓也です。ニュースコネクト文化欄のお時間です。
本日のゲストは、小説家の原田ひ香さんです。
前編となる今回は、三千円の使い方、ランチ酒など、数々の人気作品を送り出してきた原田さんの作品作りの裏側に迫りました。
原田作品で表現される影と光はどう生まれているのでしょうか。
それでは本編をどうぞ。
ゲストは小説家の原田ひ香さんです。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
あの今日ですね、原田さんとは初対面なんですが、実はさっきちょっとランチをご一緒させていただいたということで、
もうすでにちょっとお話ししてしまいまして、
調べているところでちょっと助走をすでにした上で中国に臨んでおりますけれども、
原田さんは前々から僕お会いしたいなと思ってた方の一人で、
僕ですね、2、3年前にエガチャンネルというYouTubeチャンネルに来せずして出演したことがありまして、
江頭さんが書店で自分のルルブの本を売るみたいな客があって、
その最中に僕が全然知らなかったんですけど、書店訪問に行って遭遇する、で出演させてもらうみたいな回があった時に、
江頭は2時50分にちなんで、
多分2時50分にYouTube更新されるんです。
そうです。早朝の。
めちゃくちゃ早い時間に更新されるんですけど、その日の朝7時とか8時とかに原田さんがエクスで、
いわゆるさんが出てるみたいな投稿をしてくれて、
僕が知る中で出版業界で誰よりも早く反応してくれたのが原田さんだったんです。
あれはすごい嬉しかったですね。
そうなんですね。私も江頭さんのエガチャンネルよく見てるんですけど、
本当に明け方にたまたま目が覚めて、普段そんなに朝から見るようなことないんですけど、
たまたまつけて見ていたら、
そしたら書店で江頭さんが大暴れしてたんですけど、
それを見ながらぼんやり、こういう時にちょうど小説家さんが書店回りなんかしてたらちょうどいいのになーって思ってたら、
本当に出てきて。
本当に。
すごいちょうどいいみたいな感じで。
担当編集者も同じだみたいな。
何々さんも出てるみたいな感じで。
すごいことになった。江頭さんにはちょっと頭叩かれてるみたいなところがあったりして、
すごい嬉しくなっちゃって。
それであれもつけて、つぶやかせてもらってて。
でもエガチャンネルで本当に反響すごくて。
学生時代の友達とかからもうすごい早朝に連絡来たりとか、
ナオキショーかエガチャンネルかぐらいの反響があったんですよ。
さすがですね。
すごかったですね。
という原田さん。
とんでもないです。
いつもYouTubeをよく見ている原田です。
でもすごいね、X動画でも反応もいいねしてくださった人でございます。
じゃあまずはじめに原田さんのプロフィールをご紹介したいと思います。
1970年神奈川県の生まれです。
2005年リトルプリンセス2号でNHK創作ラジオドラマ大賞を受賞されます。
2007年はじまらないTタイムで第31回スパル文学賞を受賞。
ランチ酒、古本食堂、母親からの小包みはなぜこんなにダサいのかなど著書多数。
中でも3000円の使い方は100万部を超えるベストセラーとなっております。
そして9月25日、公文社より新刊あなたのいない世界でを刊行ということでございます。
結構新刊も間近なんですけれども、
ちょっと具体的には後半の方で色々やっていきたいと思うんですが、
おそらく部数が一番多いのは3000円の使い方。
ドラマ化もされて。
ちなみに私も横浜ネイバーズという小説がドラマ化されたんですが、
多分同じ枠なんですよ。
まったく富士系の東海の方ですね。
そうですね。東海テレビさんですよね。
富士テレビ系列の枠で流れてて、
僕最初に過去のやつ見た時に3000円の使い方もあると思って。
そうだったんですね。
あとひとつばしキリコもドラマ化されています。
有名作品多数でございます。
原田さんの作品読まれたことある方もきっと多いんじゃないかなと思いますが、
今日は前半の方ではですね、具体的な作品もいくつかちょっと触れつつですけれども、
原田さんの作品って僕はいつも読む時に、
もしかしたら温かみだったりとか優しさみたいなところが、
想定とかを見た感じだと強く感じられる方も多いのかなと思うんですが、
僕はやっぱり原田さん作品の一番の魅力は影の部分なのかなと個人的には思ってます。
例えばランチ酒って僕最初に読ませていただいたシリーズがあって、
僕も手元にありますけれども私物が。
表紙においしいご飯の絵が書いてあって、素敵っていう書籍なんですが、
中を読むと実は結構ヘビーなことも書かれていると。
このヘビーなことというか、その書かれ方がすごく押し付けがましかったり、
過度にドラマチックじゃなかったりするんですけど、
それであるがゆえにすごくこう、うわっつらいっていう感じがかえって身に迫ってくる。
その影があるから、ちょっとした本当に少しだけの光でもすごく眩しく感じられるというところが、
すごく僕は原田さんの作品が好きなところで、
もちろんその光がすぐ強くバーって出てくる作品もあるんですけども、
その影の描き方みたいなところがすごく好きなんですが、
身近なお金と食のテーマが生まれるまで
原田さんはどういうところからいつも小説の着想だったりとか、アイデアみたいなのって得るんですか?
そうですね、編集者さんから次うちでやってくださいみたいなこと言われるじゃないですか。
割となんていうか、ちょっとリアルな話になっちゃいますけど細かい。
みたいなことを言われたときに、割と岩井さんなんかもそうだと思うんですけど、
どの小説が好きで私のところに来てくれたのかなっていうのが、
まさに今の話じゃないですけど、ランチ酒で来てくれたのか、
お金の話で来てくれたのかって違いますよね。
だからちょっとその辺聞いてみたりとかして、
意外と自分が書きたい小説はもちろんあるんですけど、
でも結構編集者さんがやりたいものをやった方がいいんじゃないかなと思うんですよ。
本当はお金の話やりたくないと思いながら、やりながら担当するのも結構お互いにね、
本当は食べ物をやりたいって思ってる人がいるかもしれないんで。
なんでその辺はどうですかっていうことは割とお聞きして、
中にそういうのいくつかあったら、
じゃあなんか食べ物の話好きなんですよねとか言われたら、
自分の中にある、今あるその食べ物の中にのストックを、
ちょっといくつかこんなのありますけど、みたいな感じで言うことが多いかもしれない。
どうですかとかって言ったりとか。
結構ストックはあるんですか?
今はなかなかストックがこかず気味でして、
結構どうでしょうねなんていう話をしながら、
最近は割とあちらからこんなのどうですかって言ってくださる方も多いので、
じゃあちょっと考えておきますってとか。
私はだいたい食べ物の話、お金の話、あと老人問題、それから本に関する問題って、
この4つが割と今主なテーマになりがちで、
と言いつつもその4つが組み合わさったりとか、
ちょっと3つ重なったり1つだったりとかって、
いろいろその動数はあるんですけれども、
で、なんか話をしてたりしたりとかしますね。
古本職とかそうですよね、本と職が。
そうですね、本と食みたいな感じで。
でも割とおしゃべりの中ですることが最近は多いかもしれないですね。
おしゃべりの中でやりましょうとか。
あとちょっと雑誌とかどこで掲載するかとかっていうのもありますよね。
どんな方が読みがちなのか。
今でも基本的に雑誌なんかで連載するときは、
だいたい年配の方が多いというのは正直なところなので、
そういう方が読みたがるものがいいなとはちょっと思ったりしながら考えていく。
なるほど、じゃあ結構僕もそうなんですけど、
どの作品から入るかどうかで全然求められることが違う。
そうでしょうね、そうですよね。
僕もデビュー作出た段階から結構それだったんですよ。
デビュー作が若い数学者の話だったんですけど、
だからその青春小説が一番面白いと言ったんですけど、
SFっぽいもの、高校科学の人が理系だから行けるんだろうとか、
もうちょっとミステリーにもっと強めてとか、
結構やっぱり人によってその編集者がやりたいことって。
一番我はクマグスから入られた方は歴史小説で、
もちろんぜひお願いしますって方もいらっしゃるでしょうしね。
学者の小説で、学者はもうしばらくお腹いっぱいですよね。
ありますよね。
『三千円の使い方』と生活に密着したお金の小説
でも自分で書きたいお金の話とか本の話とかは結構自分発信だったんですか最初。
お金の話最初に来た時には、
まだ結構法順だった時代なんですけど、
うちでやってくれませんかって千代子郎さんが来た時に、
たぶん10個ぐらい、お金の話が一番上に出たのは家族小説としてのお金の話、
例えば手術小説とか、手術を受けた人が受ける前と受けた後でどう変わるかみたいなところとか、
あと最近ちょうどそれが台所のあるところにつながったんですけれども、
冷蔵庫の小説書きたいとか、ごろっこその時に箇条書きにしたものがあって、
実はお金小説ってそれまでもずっと書きたいなと思っていたんですけれども、
でも意外と昔は、何書きたいですかって聞かれた時に必ず入れている案だったんだけども、
じゃあうちでやりましょうって言ってくださったところはなかったんですよね、
当時は昔はなくて、なかったんだけど千代子郎さんがじゃあそれでいきましょうっていうことだったんで、
家族小説として中にお金が絡んでくるっていうのが、
でも書いてみたら意外と新しいものになったっていうような感じだった
めちゃめちゃそうだと思うんですけど、あのジャンルを今確立されたのは僕は原田さんだと思うんですけど、
今は経済小説とか技術小説っていうのが昔からいっぱいあったわけじゃないですか、
でも家のお金のこと本当に地道なというか、自分たちの肌身に迫るようなお金の話ってなかったなって思ったんですよね
そうですね、男性の方がちょっと大きな会社の投配業のこと書かれたりとかっていう、どちらかというとそっちの方だったので、
今本当だから結構ブルー、まさにブルーオーシャンじゃないんですけれども、
食べ物の話で最初書いた時もまだそこまでそういうものが出てなかった時だったりするので、
割と新しいものを手につけられたっていうのはありがたいことかなというふうに思います
それこそね、さっきご飯食べながらまたあれも出たんですけど、ランチ酒も出された時はそんなに今ってご飯物って小説ではすごいジャンル化してますけど、そこまではなってなかった?
なかったと思います、ただ漫画の方とかで孤独のグルメとか、それから深夜食堂みたいなものがあったんで、
もちろん人気は特に漫画とかではあったんですけど、まだそのイメージしては本当に孤独のグルメのイメージがまだ強い時代だったと思うんですね、ぐらいしか出てなかったというか。
言われてみればそうか、本とかもその当時はそんなに、昔はそんなジャンル化はしてなかったような気がします。
今は本当に図書館とか書店とかいっぱいありますけど、そう思うといろんなジャンルを本当に千遍をつけておられた感じがしますね。
早めにやるっていうことの良さっていうのはあると思うんですよね、きっと。
売れ行きと作品への自己評価は一致しない
そこはジャンルにあえて縛られずにというか、結構あんまり自由自在に描いておられたからこそ新しいことに結果的に先をつけた。
本当に結構、でもた当たり次第結構やってきたというのはありますよね、いろんな自分の中でもしかしたらこれ合うのかもしれないとか、ちょっとこういうのを描いてみたいみたいな感じの、
その手探りでやってきたことが結局だんだんに集結していくというか、まさに岩井さんいろんなことを描かれていらっしゃると思うんですけど、その話も本当にあれだと思うんですけど、
でもお若いし、いろいろやってるうちにやってることの中で何が本当に当たるかわからないっていうのはあると思いますね。
なんか本当に、これはすごい一つ描けたぞとかって思って出しても、何の落とさでもないみたいなことって、
そうですね、わかります。
本当に何回も経験してきて、
そう、本当にあります。
何なんだこれみたいなこととか、そこって本当に何が当たるか全くわからない。
本当そう思います。私自分の中で一番何かよく描けてるんじゃないかって、いまだに思ってるのってハオヤイウェスタンっていう小説なんですけど、
それが一番売れてないかもしれないですね。
そういうことってありますよね。
あります。僕、だから水を踊れっていう小説をデビューした3年くらいの時に出して、もうこれでダメだな、もう諦めようと思って、シーン、なぎもなぎも。
あれ何でしょうね、奥入れ強すぎるのかな?
そう、なんかそれもあるのかな?
それもあるのかな?とか思うんですけど。
ちょっとやっぱ、それ一回でも、一回入り込むのも大事なのかなって気もする。
はい、そうそう。やってみないとわかんないですからね。
大沢有馬さんも僕聞いたのが、氷の森だったから、もうこれでダメだなみたいなのがガーって書いて、それが全くダメで、
エフティックされてる時に、いいよって書いたのが新宿ザメだったっていう話を聞いたことがあって。
でもそれって一回グッて入り込んで、多分何か得てるんですね。
そうですよね、きっとね。
それでは結果出なかったんでしょうけど。
なんか売れなかったとしても、やっぱやることは大事な。
はいはい、思いますね、そうですね。
3000円の使い方の話ばかりだったんですけど、
僕これ読んだ時に、純粋にまず、なんでこんなにお金の知識が原田さんまであるんだろうと思ったんですけど、
やっぱご自身も結構興味がある。
そうですね、というか、私最初に就職した時に、いわゆる丸の内のOLだったんですよ。
丸の内の今、丸の内オーガゾーンになっている、前は国鉄生産事業団っていうところに勤めてたんですけど、
そこで最初に貯まったお金を、じゃあどこに預けようかなっていう時、もう既に私の時代は、そんなに金利が良くない時代になっちゃってたんですよ。
もう1%ないみたいな時で、その時にどこに預けたらいいのかなって思った時に、いわゆる証券会社にMMFっていう、今言うと等身ですね。
等身なんだけど、マイナスになることはないんだけど、1%ぐらいの利回りがあるっていうんで、
じゃあそこに預けようかなと思って、ごくご近所の山内証券にお金預けたんですよ。
そうしたら山内証券さんからお電話かかってきて、当時はそういう電話かかって、今は全部ネットでやる時代ですけど、電話かかってきて、
それを今度イギリスのポンドで預けてみませんか?とか言われて、よくそれやったなと思うんですけど、その当時。
よくやりましたね。
なにもあれだったのに、なんとなくこれはちょっとやってみて面白いんじゃないかって思ったんで、ポンドに預けたら、その数ヶ月でポンドが、だから円が安くなったのか、円が安くなってポンドが上がって、
3万円ぐらいプラスになったんですね。それをまた売却して、今度オーストラリアドル買って、みたいなことをやっているうちに山内証券が潰れちゃって、みたいなことがいろいろあったんです。
そういうような感じで、なんとなく最初から証券会社に出入りしてたっていうことはあると思いますし、あと自分がちょうど小説を書いてデビューした頃に、いわゆる、なんていうんですかね、主婦雑誌って言われている節約雑誌みたいなもの、
サンキューさんとか、今はサンキューさんですけど、前はおはおくって言われておはよう奥さんとか、そういうものがいろいろ出てたんですね。
おはよう奥さん。
おはおくとか、きれいな奥さん、きれいな奥さん。あったんですよね、そういうの。今だったら題名だけで会うとか感じの。
すごいタイトル。
なんかあれなんですけど、それを初めて病院かなんかで読んでみたら、すごいと思って、当時4人家族で200万円台の年収の方が貯金をしてらっしゃるっていうような話が出てて、
これめっちゃ面白いと思って、これ小説になるわって思ったんですけど、当時まだ純文学のスバルで書いていて、多少その話とかしてたんですよね。
その時に私がそれ面白いなと思っていて、1年目ぐらいにサンキューさんが主婦でもいい1千万貯めたいっていう特集を出されたんですよね。
1千万っていうとんでもない数字。それを普通の主婦の方が、当時も本当に景気が悪くて、年収200万台で4人家族の方が1千万貯めたいって本当に途方もない数字に思えて、これは絶対小説になると思ったんですけど、
なかなか、さっきもお話ししたように出版社さんでOKが出なかったのが、たまたまチョコロンさんが書かせてもらったっていうのが話なんですけど。
僕はこれすごく面白いなと思ったのは、お金に無頓着な人の話もあるというか、具体的に第4話の話だったりしますけど、
みんながお金のことを囚われて、そこに人生の動きを置いているわけじゃない人の話もあるっていうのが、すごく面白いなと思って。そこで一回視点が下がって、また中に入り込んでいくみたいな、その幅もあるみたいなところが小説として僕はすごく魅力的だし、
やっぱこの大断言、僕は原田さんの小説の中でもすごい大断言な小説の一つだと思って。
そうですね。さっきの影の話出ましたけど、これは本当に影のない小説だと私も思います。多少さっきの視線が反れたところで違う話も出てきますけど、
でも割と丸い、ちゃんとした家族の話だと思います。だからこそ、もしかしたら一番売れたのかもしれないですし、そういう意味では本当わかっちゃいるけどっていうところはあるんですよね。
だから、きっとこういう何の影もない小説を書けば、また売れるかもしれないみたいなところはなくはないんです、正直。でも意外とやれそうでやれないものなのかもしれないですね。意外とそれ難しいのかもしれない。
影ない小説って。
僕も何書いても暗くなるんですよ。だいたい。
なんかちょっと出ますよね。
そうなんですよ。
なんだろう小説家ってちょっと暗い。
暗いタイプの人が多いのか。でもわかるんですよ。ポップじゃない。全然ポップじゃない作品があるので、ポップした方がたぶん、もしかしたら売れやすいのかなとかも思うんですけど、どうしても影作りたくなっちゃうとか。
例えば横浜ネイバーズとか書いた時も、もっとポップにできたのかもしれないけど、影をどうしても入れたくなっちゃうというか、ちょっと深刻な事情とか。
ただその文体とか、横浜ネイバーズとそれから陽極さんかもしれないですけど、クマクスと文体も違うし、でも横浜ネイバーズはある種の浮遊感みたいなのがあるなと思ったんですよ。文体にふわっとしたいい感じの。
だから、でもそれはああいう若い方を書くのにすごくいいあれだなと思ったので、どっちもたぶんいけない方だと思うんですけどね。
なんか本当にねあれなんですよ、器用貧乏っていう事象なんですよ。
でも私も順番まだ書いてた時に、やっぱすごい大作家さんに、なんか2次会ぐらいのお見会で、突然お前さ結構小器用だから気をつけろって。
すごい順番の時ですよ、だから言われたのを覚えました。怖い一言ですね。
あとなんか読まれてる怖いっていうのもあったし、読んでくださってるんだと思ってたりとかしました。
文体と執筆ペースを柔軟に変える
それこそ原田さんも結構文体変わるタイプだと思うんですね。何書いてもだいたい文体が統一されてる人もいますけど、原田さんとか僕は割と作品によって文体変わるタイプで、
それこそ3000円とかで書かれた方って、もしかしたらあなたのいない世界で新界生まれた時に、「おお!」っていう驚きでとても受け止める人もいるかもしれないですけど、それって結構書き出す時に考えてたりしますか?こういう文体でいこうみたいな。
意外とそうでもなくて、本当書き出してみたらそんな感じっていう感じですよね。
1人称にするか3人称にするかとかもすごい大変なタイプなんですね。
割とあれだし、最近なんかだと私は結構長編ではあるんだけども連作短編みたいな感じで、一つ一つの話は違う人が出てくることも多いので、でもその時に決まるという感じかな。
中には同じ本の中に1人称もちょっと混ぜることも全然ありますし、割とそれは迷わずにいく感じかですかね。
書いてみてみたいな感じですね。
だから書いてるうちに新しい登場人物がパッと出てくる時とかもあんまり事前に考えてなくて、書きながら年齢とかもちょっと整えながらって感じです。
緩めのプロットみたいな感じですかね。僕もだいたい同じですね。プロットは作るけど基本に遵守しないっていう。たまに読むみたいな感じが確かに多いですね。
最近はあんまりそこを守りすぎない方がいいのかなとかもちょっと考えたりもしますよね。
一回ガッツリプロットを作ってみて書いてみて。そういうのあるじゃないですか。そういうやり方も。だからやってみて、さっきの話じゃないですけどちょっとやってみるとやっぱ合わないなと思ったり、意外とうまくいくかもしれないみたいな感じで。
あとなんか短編だとなくても走り切れる感覚は結構確かにあって。最初の短編だと全然いけるかもみたいなのもあるから。
そうですね。私今実は前は連載を1ヶ月1話60枚ぐらいでお約束してそれをお渡しする。だから一つの会社一つの雑誌に60枚1ヶ月お渡しするのを普通にしてたんですけど、今それを全部やめてどこの会社も基本的に30枚にしてるんですね。
で30枚にしてだから前後半、次の月に後半を渡すみたいにしたらすっごく楽になって。なんか60枚って10日か2週間はかかるんですけど、30枚だと3日でいけるときもあるっていう。わかります?
波がグッてやってるときだったらもう30枚ガッと。
後編は他の会社も書きつつ、次の月までちょっと内容考えたりもできるので、後編はどうしようかなって。そこで慌てて1ヶ月で60枚書くよりも意外と30枚30枚で今すごく心地よくて。
それすごいわかりますね。最近僕も、もともと1日に書こうとか15とか書いてたりだったんですよ。結構キリ悪いのが嫌なタイプで、キリとかまで今日って書いちゃうとバーってやるタイプだったんですけど、最近それを我慢するようになったら、その方がちゃんと書けてる感じが最近やっとそれがわかってきて、あんまキリがいいとか考えないほうがいいかもというか。
そうですね。だから意外とそれがちょっと今、それでちょっとまた閣僚とかも頼まれる仕事とかもあるので、ちょっと増やすことができたというか、60枚だと下手すると60枚プラスアルファちょこっと短編頼まれるぐらいしか1ヶ月の仕事量ができなくなっちゃってたのが、3社ぐらいとかお願いされることもできることになったので、一平にできたりもするので、意外とそれいいかなと思っています。
純文学からエンターテインメントへ
抵抗がやりやすいわけですね。なるほど。面白い。原田さんもともと純文学の方で、スバル文学賞でデビューをされたじゃないですか。
そうですね。
今、この間も直樹賞にノミネートがされて、すごく円溜めの方の、言ったら僕もあんまりそこを勝ちわけで好きじゃないんですけど、でもCと言うとそういう道の歩み方になってて、やっぱそれってちょっとずつこうなんか右右曲折があったりしたんですか。
そうですね。私が本当にぶっちゃけて話すと、私が純文学書き始めた頃って、本当に1年2年前ぐらいまで、わりと円溜め寄りの作品もアクター賞の候補になるようなことも意外とあったと思うんですよ。
私がありした頃から、だからというわけじゃないですけど、なかなか候補になるのが難しくなってきたなっていうところもありますし、あったりとかして、ただ私もともと高校時代ぐらいから村上春樹さんとか村上隆さんとか読んでいて、なんか変な言い方なんですけど、もうデビューするなら純文学の雑誌から出るしかないみたいなところがあったんですよ。
スバルはどっちかというと、わりとこうゆるい作品も出してくれるんですけど、なんかスバルか群雑かどんなかみたいなぐらいの感じがあって、なんか妙な考えがあったんで、最初から純文学っていうふうに思ってデビューはしたんですけれども、やっぱ書いてるうちにだんだんにちょっと円溜めでもいいんじゃないかなみたいな感じが出てきたというか、
今回のあなたのいない世界での中に入っている失踪クラブを書いた後に、ちょっと他の周りの方とかも、ちょっと純文学じゃなくてエンターテイメントでもいいんじゃないみたいな感じが出てきて、あといろんな会社からお申し込みを受けるというか、書きませんかみたいなことを受けるようになったんで、
だんだんに、むしろ皆さんに言われてだんだん変わってきたというのが強いかもしれないですね。
僕もでもちょっとそれはあって、僕はもっと打算的な理由で、僕ももともと読む方は純文学とかも好きで読むタイプで、どうしようかなって応募するときにどういう賞にしようかなって新人賞に応募するときに、でも絶対に食い口あるのは円溜めだよなと思って
そうですね。
やってる出版社がそもそも多いから、純文学で5社ぐらいしかやってないけど、円溜めだったら10社やってるから、円溜めの方がなんかいけるかもみたいなので、結局、純文も実は1回2回は応募したことはあるんですけど、それは受賞には行かなかったんですが、結局円溜めの方で受賞して今に至るっていう
そう思います。ただね、1回すごく良かったなと思うのは、純文学ってどの会社もそうなんですけど、めちゃくちゃ直されるんですよ。何ヶ月もかけて細かいところ直されるんで
ひかも結構ボツになるって感じなんですけど
あとね、発表した後にめちゃくちゃ叩かれるんですよ。なんかね変な感じで、研究発表みたいな感じで、純文学の中でいろんな、なんていうのかな
月表みたいなのが出るじゃないですか
月表みたいなのが出るじゃないですか、あれ基本悪口しか書かれない
えーそうなんだ
なんですよ、だから私本当に思うんですけど、悪口書かれること結構慣れるっていうか、基本褒められないっていうのがデフォルトなんで
その辺がすごく厳しいこと言ってOKというか、だから純文の雑誌って大学の先生とかもいろいろ研究発表されたりとかするし
だからすごく思ったのは本当に、なんていうのかな、研究発表みたいって感じしますね
今の世の中を私はこう見ていますっていう研究発表を小説でしてるような感じかなってちょっと思ったりもしました
確かに研究発表って最終に天ネック広がるかどうかって言われたら別に研究発表広がらないとか
今はエンターテインメントはまず悪口言われることって一般の方からは言われることはあるけど
まずそのいわゆるレビューとかで書かれることはないじゃないですか、ただ無視されるっていうことはあるけど
アマゾン見れば勝手に星1とか付いてる
だから時々何かで戦えた作家さんがちょっと怒ってらっしゃるのを見ると
割とやっぱ皆さん怒られることとか汚されることに慣れてらっしゃらないんだなと思って
順文学を書いてみたらみんないつも怒られるばかりだよって思って
そもそも乗らないよそんなに
取り上げられてるってことはすごい目立ってることだからすごいことだよって私は思ったりもするんですけど
いやすごいことですよね、僕月表って正直読んだことは順文学の方でもあんまなかったですけど
あとね月々の新聞にも載るんですよ大学の先生とかがその月のあれであったんですけど
私一回大学の先生にこの作者バカなんじゃないかって全国誌に言われたこともあって
何なんてこいつみたいな感じですごい言われたことあります
エンタメも昔はもっときついこと書いてたなって
あったかもしれないです
僕昔すごい覚えてるのは結構昔ですけど宮部みゆきさんが後半出されたときに
基本的には僕もその時は宮部さん大好きだったんで書評もわーって読んでたんですけど
あ、宮部さんの書評だと思ってわーって読んでて誰が書いたのかも忘れちゃったんですけど
後半確かに面白いんだけどこれが今年の最大の収穫でいいんだろうかって書かれてて
えーいいでしょ別に
こんなこと書いていいんだと思ってすごいショックだったの覚えてますね
そうなんですよだから本当褒められることもなかなかないし
なかなか大変だなと思ってるうちにそのエンターテイメントの仕事増えてきたのと
やっぱり最初はね並行してやったりもしてたんですけど
さっきの言ったようにとにかく何度も直されたりとかしてると
だんだんやっぱりちょっと仕事の流れというかが全然違うんで
リズムが違いますね
そうリズムが違うんですよだからちょっとだんだんに
エンターテイメントにずれていった移行していったという感じですかね
合ってるリズムとかもあるんでしょうし
でもなんかそれこそそこで矛盾文学でも本当にしこたまこう鍛えられてみたいなところが
たぶんエンタメ行ってからいろんな文体の使い分けだったりとかっていうところに
もしかしたら関係されてるのかなとか
最初とかは例えばもっと行を変えてほしいとか
あとセリフは1行ずつ変えてとかそういうようなすごい根本的なことを言われましたね
ギュッて詰めて書いちゃうねどうしても順文だと
順文の雑誌読むと詰まってるなって思いますもんね
詰まってるなって
開業しない文化ですもんねあんまりね
そうだと思います
だからまあいろいろそういう環境的なものとかもありつつ
やっぱり自分に合ってるみたいなところも
そうですね
『三千円の使い方』のヒットと変わらない日常
3000円の使い方はわりと早い時期
でもあれですかねこれは文庫が2021年そんな最近
そうですねそうだと思います
単行本が出て3年目ぐらいに出て2021年に出て
あれがコロナが起きてなんか最初の夏
次の夏ぐらいなのかな
だから結構皆さんが一番大変なところからちょっとだけこう
外に目を向けつつもなんかお金のことどうにかしなくちゃとか
なんか家のことどうにかしなくちゃって思って
時にちょうど来たんだと思います
それはありがたかったかなと思いますね
僕すごい今思い出したのが
僕はデビューから4年間一回も住飯かかんなかったですよ
8冊出して
もうどうしようみたいな中で
なんかもう自分の本を見に書店とか行くと
やっぱまあなんか棚に座ってるかないかみたいな感じ
で文庫棚行くと3000円の使い方が大変
2021年ぐらいなんで
売れてるなすごいなっていうのを確かにその時期
すごい見てたのを思い出しました
そうですねだから一応はちゃんと
なんていうのかな小説家主義やっているつもりでも
ちょっとした小さな書店行ったら絶対私の本なんかない
っていう時代はずっとあるじゃないですか
それがある時なんか本当に駅前の小さな雑誌がほとんどで
あと文庫ちょっとしか置いてないような書店におった時に
あー売れてるのかなって思ったりします
あーそうなんだと思って
100万本ってもう今ほんと出ないじゃないですか
ありがとうございます
やっぱなんか変わりましたか世界は
それがあんまり
なんかさっきもまたねやりちゃいますけど
ちょっとお話ししてたんですけどある作家さんが
100万分売るとその後何か違う風景見えてくるっていう噂も
ちょっと聞いてたんですけど何も見えてこない
なぜみたいな
景色変わらなかったですか
景色意外と変わらないもんだなっていう感じで
えーそうですか
ですけどね
あとねあと2,3冊出ればね多分
変わってくるんじゃないかな
難しいですね
可能性もあるんじゃないかな
ありがとうございますということで
じゃあ前半はですね前編はこの辺で終了して
後編についたいと思います
よろしくお願いします
原田さんには次回もお付き合いいただきます
今日はありがとうございました
ありがとうございました
ニュースコネクト文化欄お相手は岩井啓也でした
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それではまた次回お会いしましょう
34:16

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