こんにちは、小説家の岩井啓也です。 ニュースコネクト文化欄のお時間です。
今回は、私岩井とニュースコネクトプロデューサーの野村さん2人でお送りします。
野村さんとともに、7月6日に観光した新刊『風車と巨人』の執筆背景や製作過程について振り返りました。
私が小説家として考えていることを引き出していただいただけでなく、
普段取材する側である野村さんの貴重な経験も伺うことができました。
それでは本編をどうぞ。
今回は番組プロデューサーの野村さんと一緒にお届けします。
野村さんよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
これが配信されるのがたぶん7回目くらい?シャープ7くらいになるんですか?
そうですね、それくらいになりますね。
だからもう僕がここに至るまでまだ全くの手探りでパーソナリティでやってるわけですけども。
正直に言うと、自分の中でこれうまくいったなとか、あんまりわからなくてですね。
手応えみたいなのもちょっとよくわかってないんですけど、こういうパーソナリティも初めてなんで。
率直に言ってどうですか?
いやでもそうですね、私有感版には文化欄も国際欄も両方ですけど、初めて今回出まして。
そうですよね、そうか。
そうなんですよ、土曜と日曜とあと平日一部はひたすら出てるんですけど、有感版は初めてでして。
そうか。
ちょっとどういう感触かっていうのはリスナーさんの感想も聞きたいなと思うんですけど、
私はめっちゃ面白く聞いてます。
ありがとうございます。
特になんですかね、私も職業から引き手というかインタビューをさせていただくっていうのが仕事なんですけど、
確実にこの文化欄はやっぱり作家である岩井さんだからこその対話が展開されてるなって感じがすごくします。
いやなんか、ありがとうございます。もう完全に言わせちゃってる感じで申し訳ないですけど、
でも聞いてることは確か違うんだろうなと。
濱村さんが聞いてること土曜日のね、やってる内容とか聞くとやっぱり全然質問が多分違うんだろうなと。
いいのか悪いのかわかんないですけど、それは思います確かに。
そうですね。
例えばその創作論というか、例えば濱村さんの回でそのプロットを書くか書かないみたいな話もあったじゃないですか。
あとセミタニさんの回で、作家って作家であっても嫉妬するみたいな話があったじゃないですか。
あれはもう本当に職業として小説を書いてる方の話題設定だなっていうのはすごく感じましたね。
そうですね。なんかまあ僕もちょっと気をつけてるポイントというか、経歴とかも聞くんですけど、
でもその経歴って割と言ったら作家でなくても一応聞けることであるので、
そこもそこそこ触れつつ、やっぱり創作してる時の実感とかに肘を置いて聞きたいなみたいなことは一応心がけてはいます。
そうですね。なんで結構この後のゲストトークもおそらくそういう話が来るんだろうなと思って、
結構期待しながらプロデューサー活動しておりますが。
リスナーの皆さんも汚いご意見をいただければと思いますので。
ぜひお願いします。
よろしくお願いします。
今日はあれですよ。風車と巨人ですよ。
すいません、なんか私の新刊で。
いやいや、これもぜひやりたかったんですけど、
7月6日なのでこの配信時点ではちょうど刊行されたばかりということですね。
そうですね。1週間、2週間くらい経ってる頃かなと思います。
ちょっとリスナーさんにどういうあらすじの小説か、まずこれ岩井さんの新刊小説なんですけど、
紹介させていただきますと、
主人公はテレビ番組のディレクター三田紗也子、女性ですね。31歳の女性ですかね。
かねてから念願がかないドキュメンタリー番組11時の肖像で、
癌の研究者、茅山宗洋教授の取材をすることになります。
当初はですね、茅山教授の業績に惚れ込んで取材を企画した三田だったんですけど、
取材を進める中で、茅山教授の成果の根幹を揺るがす研究不正疑惑にたどり着きます。
疑いを抱いたままカメラを回し続ける三田はどうするのか、といったあらすじです。
はい、ありがとうございます。
なので、そうなんですよね。この小説、主人公は2人というか、
どの視点で語られているかというと、三田沙耶子という女性ディレクターの視点で語られていて、
対象物としては、癌の研究者の茅山教授ですね。
茅山教授は40代前半くらいの設定ですかね。
すごいんですよね。海外で論文がめちゃくちゃ評価されて、
不老因子でしたっけ?
そうですね、不老因子と不可能の負に老いるという、老人の老に因子ですね。
なので、もう癌を克服するような、画期的な医学研究の成果を出したというような教授を、
11時の焦燥という人気ドキュメンタリー番組ですね。
たぶん、モデルとなった番組、みなさん思い浮かぶかもしれないですけど。
人物はそうですね。
まあまあね、それはいろんな番組をモデルにしてということで。
また、人物を描く。
そうですね、一人の人物に毎回フォーカスする30分くらいの番組という感じですね。
そこで、ディレクターが香山教授を取り上げたいと思っていくんですけど、
実は取材をしていく中で、いろいろなうんっていう出来事が起きていて、
そうした時に、三田はどうするのかというストーリーですね。
ちょっと詳細をこの後伺っていきたいと思うんですけど、
まず私の率直な感想としては、もうめっちゃ面白かったです。
ありがとうございます。
すっごい面白かった。
あのー、なんて言うんですかね。
ちょっと岩井さんのご本人の前でこんなこと言うのも恐縮なんですけど。
これしか言えないだろうと思っているリスナーの方もいらっしゃると思うんですけど、すみません。
多分ね、これいろんな観点で読める小説だなと思いまして、
まず私が編集者および番組プロデューサーという仕事をしていますので、
職業も比較的近いんですよね。
私はドキュメンタリーとか報道の畑では全くないんですけど、
でも一方で、どなたにおかねお話を伺って、
それをコンテンツにしていくっていうお仕事なので、
どんどん香山教授の深みにハマっていくっていうんですかね。
ディレクターの気持ちもわかるなと思いましたし、
リスナーさんの中ではそういう職業じゃない方もいっぱいいらっしゃると思うので、
もうちょっと抽象化というか、聞きの視点で考えると、
仕事に対して思いを持って邁進していくじゃないですか。
その仕事に対して人生もいって乗っかってるんですよね。
自分の人生をかけてこれをやるんだみたいなことが乗っかっていったときに、
それに飲み込まれるっていうことが起きるなっていうことを。
これはどんな仕事でもあると思うんですよね。
それがもちろんいい方向に行くときもあって、
例えばすごい頑張って仕事をして結果を出すとか、
昇進する給料が増えるみたいなことも当然あると思うんですけど、
でもやっぱり、成果を出すためなら嘘をついてもいいんだとか、
ちょっと汚いことやってもいいんだみたいなところに、
これ結構紙一重だと思うんですよね。
例えばこういう不正、企業絡みでいうと、
財務をちょっといじっちゃいましたとか、
研究不正なんかもそれに近いと思いますけど、
僕はたぶんですけど、
嘘をついてだまくらかしてやろうみたいな人も一定数いると思うんですけど、
どちらかというとめちゃくちゃ仕事に対して真面目な人の方が、
実は落ちてしまいやすいんじゃないかなという気もするんですよね。
まさに今財務の不正っていうふうにおっしゃいましたけど、
でもそうですよね。
なだたる大企業というか、
こんな有名な大企業でなんでこんな不正が起きるのっていうのが、
ニュースを騒がすじゃないですか。
悪意を持ってやってやろうという人も何パーセントがいたのかもしれないですけど、
多分大体の人はベースいい人だと思うんですよね。
一人一人は多分いい人だし、
そういうことを言ったら東芝とかオリンパスとかって、
すごい一流企業ですごい大出世をされた、
当然皆さん優秀な人たちなはずなんですよ。
それが犯罪であることも当然わかっているはずなんだけれど、
結果的に構造上の問題でやってしまうっていうのは、
やっぱりこれは組織に従順だからこそ、
真面目だからこそやってしまうんだろうなと思うんですよね。
そうですよね。
なのでおそらくこの制作という仕事をしていない方にも、
かなり楽しめる小説というか、
自分ごと化して読める部分がかなり多い小説だなというふうに感じました。
早速なので具体で伺っていきたいなと思うんですけど、
今回研究不正じゃないですか。
テーマ選びに結構長い時間をかけたっていうふうに、
Xやノートでも拝見したんですけど。
ちょっとその辺をご説明させていただくとですね、
終焉者から今回出している本なんですけど、
終焉者とは前回聖者のポエトリーという作品をご一緒して、
その後に次何やりましょうかということを、
割と早い段階で話し合いを始めたんですけども、
ちょっと焦らずに本当にやりたいことをやっていこうということで、
終焉者の場合は雑誌の担当編集者と単行本の担当編集者が2人いるんですけど、
この2人と僕とで3人で2ヶ月に1回くらい会って、
ご飯を食べながら打ち合わせをするみたいなことを1年ぐらいずっとやって、
たどり着いたんですけど、
最初は研究不正というよりはドキュメンタリーだったんです。
ドキュメンタリーの方をやろうというのが最初に決まったことで、
言ったら1年ぐらいやってるんで煮詰まってきちゃったんですよね。
これ見つかるかなみたいな。
結構スタートに立ち返るというか、
岩井さんって好きなもの何なんですかみたいな話になって、
その時に1つ出てきたのが、
ドキュメンタリー番組見るのは好きですっていうので、
ドキュメンタリーかみたいな。
僕は元々虚実の境みたいなことを扱った小説を何個か今までも出してて、
それ結構好きなテーマなんですよね。
ドキュメンタリーの取り手とかって全然考えたことなかったけど、
いいかもしれないですねみたいなので、
そこでまず先にそっちが決まり、
じゃあ何を取るかみたいな。
これやっぱり僕の人生の中で関わってきてるものがやっぱりいいだろうということで、
研究不正と。
研究不正自体は実はデビューする前、
作家になる前からずっと嗅ぎきたいと思ってたんです。
大学も農学の研究の修士を出てて、
その後研究職として企業に入ってるんで、
それなりにいろんな現場で研究する場面を見てきたんですけど、
やっぱりずっと関心はあったんですよね。
なんで研究不正っていうものが行われてしまうんだろうっていうことは、
大体多分バレるんですよ。
実験ノートとか見ちゃうと、
やってないなっていうのがわかるので、
それでもでもやっちゃう。
それこそSTAP細胞事件とかあったりとか、
あれってすごい有名なんで皆さん知ってますけど、
実はあそこまで有名じゃない研究不正事件って、
もうびっくりするくらいいっぱいあるんですよ。
で、これがなんでこんなに頻繁に行われるんだろうってずっと疑問で、
ここでやるなら、自分の人生に関わっていることをやるなら、
研究不正しかないなっていう。
そういう順番でテーマが固まっていったっていう感じでした。
そうなんですね。
ドキュメンタリーがまずピースとしてハマって、
で、書けるじゃあ何を描くのかっていうところで、
研究不正っていう順番だったってことですね。
その通りです。
研究不正ずっと書きたかったっていうのは、
そうですよね、岩井さん理系の院ご出身ですね。
私は北大の農学院を出身で、
で、卒業後はメーカーの研究職として10年働いてました。
なるほど。
常に研究の現場で一体どういう日常が行われていて、
どうなんですかね、
例えば手を染めたくなる気持ちっていうのも理解できたりするんですか?
これははっきり言ってしまうと、
分からないわけではないです。
例えば、
僕はまさに割とやってたのがバイオ系の、
この小説の中でもそうですけど、
バイオ系の研究を割とやっている期間が長くて、
バイオ系の実験って物にもよるんですけど、
結構安定しないことがある結果が、
ブレが大きかったりもするんですよね。
細胞を使った実験でも、
その細胞の製造ロットっていうのがあるんですけど、
細胞の製造ロットとかプロバイダーが違っただけで、
全然結果が違いますとか、
その作業者が違うと、
同じ手順を踏んでも全然結果が違うことがありますとか、
実際にそういうのはあったんですよね。
ってことは、
これって良い方にブレることもあるよなーとか、
例えば何かその、
担当者が変わったりした時に、
頼むから良い方向にブレてくれ、
みたいなことを心の底で祈ったりとか、
するわけですよね。
で、ブレが許容されてるってことは、
はっきり言ってしまうと、
ちょっと書き換えたところで、
誰もそれって確認できないよな、
とかって考えちゃうことがやっぱあったんですよ。
もちろんやってはないですけど、
でもやっぱりそういう、
バイオ系の研究の持つブレの大きさとか、
再現性を取ることの難しさみたいなところは、
結構肌身で感じてはいました。
でも確かに、
これ多分中盤の描写なんで、
ネタバレの範疇に含まないかなと思って述べると、
その香山教授の出した論文っていうのが、
その追試ができないというか、
誰も再現できてないって話が出てきますよね。
で、そこに対しての説明として、
いやもうこの医学の分野の論文って、
誰もそんなに、
全部追試してたら時間が足りないから、
一回出したら、
誰もそんな追試は基本はしないっていうような、
描写がありましたね。
ありますあります。
あれはそういうもんなんですか?
あれはもちろん香山教授の主張ですっていう、
米印でついてるわけですけど、
半分はそうなのかなと思っていて、
要はそもそも追試っていうのは、
論文の査読をする上では、
必須のもので別にないわけですね。
論文の査読っていうのは、
その論文としての体裁とか、
必要な情報とか、
ここまでの達成度があったら載せられますとか、
っていうことを審査するものなので、
それがそもそも真であるかどうかっていうのは、
よっぽど疑わしくない限りは、
追試までして確かめることでは多分ないんですよ。
なんですけど、
当然科学論文って過去の先人のやってきたことの上に、
自分の新しい結果が積み重なっていくものなので、
偉大な結果であればあるほど、
当然追試をするわけですよね。
論文の正規を査読することとは別の意味で、
研究者が必ず追試をすると。
今回のような不老因子みたいな、
すごい大きい研究結果だと、
当然そういうことがあるよねと。
だから論文が受理されるかどうかという観点で言えば、
ある程度、
香山教授のやっていることは、
真実も含んでいると思います。
ただ、結局のところ偉大な結果っていうのは、
必ずその上に新しい人が足跡を続けていくはずなので、
必ず後世の検証の目を受けるということは、
これもまた事実なんだと思います。
そういうことですね。
じゃあ香山教授のそういう主張が、
ずっと未来英語を通用するわけではないということですね。
もちろんこれはないです。
実際に中にも出てきて、本当にある論文ですけど、
Natureですかね。
医学系の研究のかなり多くの部分が、
再現性を得ることが難しいというのは、
実際に出ているわけですが、
じゃあ本当のこと書かなくていいんだ。
当然間違いで。
どちらかというと、
僕はそこを見て見ぬふりするんじゃなくて、
特に生物系の論文、
僕は生物系しかあんまりわからないんですけど、
そういう予知がある、
要は不正が行われてしまう予知があるという事実を、
しっかり直視した上で、
対策を講じなきゃいけないと思っていて、
誠実にやろうぜだけだとやっぱり、
なかなか守りきれないものもあるというか。
さっき僕も、
ちょっと不正を考えたことはありませんか?
みたいな時に、
正直それはないと言えば嘘になるという話をしましたけど、
そこを、なんてフラチな奴だって言うんで、
指摘するだけではやっぱりこういう課題は、
なかなか抑えきれないと思っていて、
要はそういう可能性とか、
そういう真理ってあるよねっていうことを認めた上で、
じゃあどうすればいいんだろうねって話をしていかないと、
分かんない。その探索の時に、
じゃあ追従を必須にするとか、
分かんない。
これは今思いつきで言ってますけど、
とにかく自分たちはやりうるんだ
っていうことを認めた上で、
対策をしなきゃいけないのかなとは思います。
でもその考え方は私もすごい共感しますね。
やっぱり人間の、
もちろんベース、
みんなの良さを信じたいんですけど、
でも多分それ以上に、
そういうことが起きない仕組み作りの方が、
大事というか、
みんなを救うんだろうなって感じはしますよね。
そうですね。
最近は京大の方でね、
ちょっとそういう研究不正がすごく大きく取り去されてましたけど、
やっぱりなくならないのでこのままだとこういう手の話って、
ダメだぞだけだとやっぱり限界があるというか、
もちろんそれも大事なんですけど、
本当にこう封じ込めるんであれば、
もっと別の形のアプローチ、
もしこの小説がそのアプローチの一重になれば、
嬉しいなとは思います。
やっぱり研究不正というのが結構岩井さんのキャリアですね。
小説家に専業なられる前のキャリアにやってきたことも含めて、
見ていたものだったってことなんですけど、
もう一個の要素、ドキュメンタリーですね。
これは虚実を描かれていた、
確かおっしゃる通りだなと思うんですけど、
その中でもドキュメンタリー、
つまりドキュメンタリストっていうんですかね、
そのディレクターを主人公にするのが、
これでいこうと思ったっていうのは何か理由があったんですか?
ドキュメンタリーはいくつかの本を読ませてもらうと、
やっぱり先入観として事実を描いてるんだみたいなイメージがあって、
もちろんその撮れている素材自体は、
実際に起こったことだと思うんですけど、
でも編集がやっぱりあるじゃないですか、
編集ね、映像を切り取って、音声を切り取って、
ナレーションを入れて、みたいなことをやるっていうのは、
虚ではないけど、作為は確実に入ってるよねと。
だからフィクションって完全に虚なんですけど、
ドキュメンタリーってどっちとも言えないなって思ったんですよ。
こういった別のドキュメンタリストの方とお話しする機会があって、
その時に伺ったのは、例えば欧米なんかでは、
ドキュメンタリーっていうのは作品として見られてるんだと。
要は事実として見てる人っていうのはあんまりいなくて、
当然その意思が介在しているものとして見られるんだけれど、
日本はまだちょっとそこの部分が事実として見てる人が
ちょっと多いのかなっていう話をされてて、
そうかもなとは思ったんですよね。
その虚実の境目であるところのドキュメンタリーっていうのは、
すごく興味を持ってゴーを出したという感じです。
確かにドキュメンタリーと報道の違いっていうところが
少しテーマになるような描写も中にありますもんね。
そうなんですよ。
そこはすごく森達也さんが論考を書かれてたんですけど、
やっぱり日本ではドキュメンタリーと報道っていうのが
ちょっと異色多になってると。
ちゃんと分かれてないんだと。
ドキュメンタリーで許されることが報道では許されなかったりする。
ドキュメンタリーは作品なんだと。
ニュースというのは報道というのは作品ではないんだと。
ということでそこのスタンスを書かれてたんですけど、
僕はそれはすごい印象に残っていて、
やっぱり作品っていう呼び方を取るかどうかっていうのは
今回の小説を書く上でもすごく大事にしてきました。
そうですね。
これは実は前半の方から結構この作品というのは
キーワードになるんで。
そうですね。
ちょっと深入りは避けますけど、
ぜひちょっと皆さん注目して読んでいただきたいものではありますね。
作品という言葉の使い方をどう取るかという。
報道している人があんまり自分の流れたニュースを見て
あれは俺の作品だっていうことはあんまないとは思うんですよね。
そうですね。
その辺の違いをちょっと味わっていただけると嬉しいですからね。
ここは結構キーワードですね。
主人公はドキュメンタリーをずっと撮りたいと思っていて、
テレビの世界に入ったミタという女性ディレクターですね。
彼女は31歳で、
最初の方は結構私生活は無頓着だったんですよね。
やっぱりお仕事に邁進して。
実は後半でちょっとずつそれが変化しているところもあるんですけど、
この暮らしぶりとか、
主人公の造形ってかなりリアルだなって感じがしたんですけど。
これもだいぶ、
一年間雑誌で連載をして、
その後半年以上かけて開講したんですけど、
その開講の段階で結構変わった部分もあって、
途中で実は編集者の人が交代されたんですけど、
男性の方か女性の方に公開されたんですけど、
やっぱりその方が見たときに、
ちょっとここは女性としては違和感があるかもみたいな。
もともと男3人でやってたんですよ。
やっぱりそこに限界があったというか、
ちょっとやっぱり、
毎回でもこれって結構大事だなと思うのは、
女性にも必ず読んでもらうっていう本にする前に。
女性とか年代が例えば30代で固まってたら、
ちょっと違う年代の人にも読んでもらうみたいなのは、
結構これは今回に限らず毎回やってることで、
今回はたまたま途中で交代されたんで、
女性に途中から入っていただいたんですけど、
やっぱりその段階で、
リアリティを追求するのであればこうですよね、
とかっていうのがあったので、
それは僕自身ももちろん色々調べましたけど、
編集者と結構共同作業で進めた部分でもありますね。
いいフィードバックでしたね。
やっぱりこういうところが、
編集者の人と一緒に仕事をすることの、
やっぱりいいところだと思うんですよね。
自分にない視点があるっていう。
余談ですけど、岩井さんと私は同い年の、
アラフォー男性じゃないですか。
しかも経歴も割と近い。
この枠のディレクターは、
女性が勤めてるらしいんですけど、
そこをリアルって言ってましたね。
言っていただけて嬉しかったですね。
ドキッとしたと言っていただいて嬉しかったですね。
じゃあ結構編集者の方の意見を取り入れて、
描写というかキャラは変えてないのかな?
描写を変えたところがありますか?
描写は変えました。結構変えましたね。
具体的にできるだけ描くっていうところは、
意識はしましたね。
なんとなく30代女性、
20代後半から30代ぐらいの女性ってこういう暮らしだよね、
みたいなふんわりしたイメージというよりは、
こういうお化粧をして、
こういう番組を見て、
こういうふうに出社してますみたいなことを追求しましたね。
歩くとき日が射すのかとか、
片手の扇風機使ってるのかとか、
お化粧どれぐらいやるのかとか、
その辺は色々検討しましたね。
そうですね。カフェイン錠剤を水で流し込んで、
噛んでやってるとかも結構仕事の日だなと思いましたけどね。
まあああいうのも聞かない話ではなくて。
そうですね。
制作の現場だとそういう人もいますよね。
そうですね。特に映像制作の話って、
今回もすごい色々取材させていただいたんですけど、
やっぱりなかなか過酷な部分が昔に比べるとマシだと思いますけど、
まだまだあるんだなというのは結構聞いてて思いましたね。
そういうことですね。
ちょっとオチの部分はこれ本当に読んでいただきたいんで、
今回言わないんですけど、
ストーリーが展開していくじゃないですか、
最初、香山教授は素敵だなと思って、
見たディレクターが企画を通したところから始まって、
だんだんと取材をしていくうちに、
ん?っていう出来事がいくつか出ていって、
その裏を取っていくっていうのが基本的なストーリーの流れなんですけど、
このストーリーメイキングっていうのは、
岩井さんの中ではどこからどういうふうに組み立てていったんですか?
岩井 一応最後の方はなんとなく決まってて、
もうそのオチの部分を決めていたんですね。
岩井 その上で、
じゃあ何百枚かかけてそこにたどり着くにはどうすればいいのかな、
逆算する意識はちょっとありました。
ただ今回に関しては、
一応プロット書いたんですけど、
設計図みたいなのは。
あんまそれに従ってなくて、
どちらかというとその場で見たが、
じゃあ次どこに取材いくんだろうとか、
序盤で例えば、
うしおっていう製作会社の代表がいて、
その人から別の社長、
製作会社の社長を紹介してもらって、
取材に行くみたいなのがあるんですけど、
ああいうのももう本当にその場の流れで書いたくだりですし、
あんまり今回はそのプロットに乗ってやるっていうよりは、
本当に見たと一緒に、
じゃあ次取材するならどうするんだろうみたいなことを、
現場現場で考えながらやっていって、
薄暴にありと見えてるゴールがちょっとずつ近づいてくるみたいな感じの書き方でした。
じゃあ本当に実際の取材に近いですね。
そうですね。
もちろん現場でやられてる方にしたら、
いやちょっとって思う部分もあるんだとは思うんですけど、
でもある程度はリアリティを持ってかけたのかなと思います。
多分そのリアリティでいうと、
私が感じたのは、
その取材をしてなんか怪しげな情報が出てきたんだけど、
でも結局解明されなかったっていうものもいくつかあるじゃないですか、
あれとかは結構リアルだなと思って、
そうですよね。
実際の取材ってそうだと思うんですよ。
なんかいい線まで行ったんだけど、
ちょっと今書くというか、
世間に対して伝えるには甘いから、
これはもうちょっと遅らというか、
出せないなっていう情報って、
取材者はいっぱい持ってるはずで、
そこら辺を回収しないというか、
っていうところもあったなって思いましたね。
やっぱり別の案件とかですけど、
新聞記者の方とかにも取材する機会があるんですけど、
なんでそれ書かないんですかみたいなこともいっぱいやっぱり知ってたりするんですよね。
でもやっぱり裏が取れてないんでねっていうことで、
本当に1記事を書いたとしたら、
その裏には10とか20とか裏が取れてないけど、
すごい情報がめちゃくちゃ眠ってるんだなみたいなことは、
結構小説家になってから日々感じてることではあったんですよね。
それでじゃあ、
都度都度今のシチュエーションだと、
次誰に行くかなっていうふうに考えて、
じゃあこの人に行ってみようっていうふうに、
主人公になり変わって書いたってことなんですかね。
結構僕の場合は、
ストーリーを最初にガチっと決めて書いちゃうと、
逆にそのストーリーに合わせようと書いちゃうせいで、
リアリティが損なわれちゃうことがある。
要は心理の動きとしてちょっとおかしくないっていうことが、
ストーリーの都合に合わせちゃうんで。
まぁまぁあるので、今回はそこはあんまりもう、
がんじがらみにせずに、
どっちかというとその、
三田の心の動きの自然さとか、
本当の取材者だったら、自分がディレクターだったらどうするかなっていうことを結構重視して書きました。
そしてその、やっていく中で、
いろんな研究者、
香山教授以外の研究者に、
裏を取っていくっていう作業を主人公はするじゃないですか。
結構ここが、ある意味人間臭いというか、
本当にその感じなのかもなと思ったんですけど、
スポットライトを浴びている香山教授に、
かなり嫉妬して、
でも、ちょっと自己顕示欲も含めて、
いや俺が暴いてるんだみたいな、
何なら腕繋がらない感じの研究者の人が現れたりとか、
あとは、結構確信の部分、
怪しいなという確信の部分をやってるんだけど、
でも自分にそれを暴くメリットがないといって、
黙殺するようなタイプの人もいるじゃないですか。
なんかこれとかは結構、
研究の世界でこういう方々いるのかなって感じが若干したんですけど。
いやなんかでもそうですね、
不正、これは研究不正に限らずだと思うんですけど、
不正ってその実際行われたのが一人だとしても、
なんかあいつ怪しくないかって思ってる人は、
多分その周りに結構いるんだと思うんですよね。
でもそれって基本的に暴くメリットって本人にはあんまりなくて、
基本的には。
要はそれこそ確証が持ててるわけではなかったんですよね、
大半の人って。
確証があったらそれこそもう通報する以外ないと思うんですけど、
普通はそういうのってなんか怪しいなって。
なんか怪しいなで、あいつなんかやってますよって言ったら、
それこそやばい奴なんだと思うんで、
普通の人はやっぱりそこまでは踏み切れない。
でも思ってるよ、怪しいとは思ってるよっていうことが、
実は結構不正の現場ではよくあることなのかなと思ってて、
要は不正をしてる一人の悪い人がいて、
あとの人は全員無関係であるっていうことではないと思うんですよね。
不正をしてる一人がいたら、
そいつを怪しいと思ってる100人がいて、
その外側にそういう噂を聞いたことがあるぐらいの1000人がいて、
それ以外の人がいるみたいな構図というか、
要はゼロか100かじゃないと思うんですよね、
情報とか真偽っていうのは。
そこのところをいろんな人にあたる中で、
ミタがちょっとずつ深みに入っていくみたいな経緯の中で、
そのグラデーションを感じてもらえたらいいなと思います。