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2026-02-24 10:25

#837 言語学は語源や「正しい日本語」を語る学問ではない from Radiotalk

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育

サマリー

言語学は、語源や「正しい日本語」を追求する学問ではなく、言語の本質を体系的に捉える学問であると解説。素人が抱きがちな言語学のイメージと実際の学問との乖離を指摘し、語源や規範ではなく、言語の構造や体系的な変化を記述することに焦点を当てることを説明している。

言語学は素人向きではない?
言語学という学問は素人向きではない、とか言うとね、何か反感を買ってしまいそうですが、これは僕が言っているわけではなくてですね、過去の偉い言語学者たちが言っていることなんですね。
例えば、Wolfとかね、Bloomfieldとか、こういった言語学者が言っています。 そういった人たちに責任転嫁するつもりもないんですけど、
まあ確かに素人向けではないかなという気はするんですね。 それはどういう意味かというと、言語学という学問が難しいからとか、
とっつきにくいからっていうわけではなくて、 むしろとっつきやすいかどうかで言ったら相当とっつきやすいはずなんですよね。
というのも、その母語が何であれ言語を使わないという人はいませんので、日々言語の中で暮らしているので、そういった身近なものを対象にしているという意味では相当とっつきやすいと思います。
ではどういった意味で素人向けではないかというと、 その言語学者が行っていること、やっていること、目指している言語学っていうのと、
素人というとあれですけど、言語学をやっていない人が考える言語学っていうものの乖離みたいなのがあるからなんですね。
ちなみにこの素人というのは白人から来ています。 漢字で書くと素の人となるわけですけど、あれはあて字なので白い人という意味なんですね、素人。
その反対の黒人っていうのは黒い人ということになります。 こういった話をすると、おー面白い言語学ってやっぱいいじゃんとね、
全然素人向けじゃないなんてことないじゃないか。 素人の語源が白い人と知れて、面白かった、勉強になった。
言語学って最高と、そういったふうに思われる方もいるかもしれませんが、 ある意味これこそが素人向けではない原因の一つというか、原因というか結果の一つっていう感じがします。
言語学は語源の学問ではない
BGM、行けい。 始まりました4月15日のツボ。皆さんいかがお過ごしでしょうか。
ポール・ニューマンです。 言語学に馴染みのない人が言語学に対して持つ
印象というかね、イメージとして、 言語学というのは語源の学問だというのがあるんではないかと思います。
さっきの例だと、素人は白い人、黒人は黒い人。 こういったことを言語学者はやってるっていうね、
そういったイメージがあるかもしれません。 つまり言語の歴史を
遡るというか研究する学問だということです。 それはそれで間違ってはないというか、
そういった語源を調べる分野もあるといえばありますけど、 それが言語学のすべてではありません。
この番組内のエピソードでも語源の話をすることは それなりにあるとは思うんですけど、
ただ言語学っていうのは語源の学問ではないし、 むしろ場合によっては語源というか歴史っていうのをまるっきり
無視するっていう姿勢が言語学では必要なんですよね。 特に現代、今話されている言語について記述するとき、研究するときは
その歴史っていうのをまるっきり捨て去って 研究する必要があります。
専門的にはこういうのを言語の教示体とか言ったりするんですが、 言語の教示的な研究においては
語源みたいなのは全く問題になりません。 実際さっきの素人が白い人で、
クロートが黒い人だっていうのは 現代日本語を分析する上では
ある意味で何の意味もないんですよね。 その素人クロートっていうのがどういう経緯で出来上がってきたか、
そのそれぞれの語の歴史を見るのではなくて、 素人クロートという語が
現代日本語という体系の中でどういった位置を占めているかっていうのを考える必要があります。
ちょっと抽象的というかね、わかりづらい話になってますけど、 この言語の歴史をズバッと捨て去るっていう考え方は
言語学の前提となる考え方なんですね。 その語源とかは全然関係ないという姿勢ですね。
そういったものが、おそらく言語学を学んだことない人には知られていないんではないかと思います。
ひとまず言語学っていうのは語源を調べる学問ではないということですね。
言語学は規範の学問ではない
また別の言語学に対する勘違いとして、 言語学は規範の学問だっていうような
そういったものがあると思います。 規範の学問とはつまり、
正しい日本語っていうのを日本の言語学者は追求しているとか、 正しい語の定義とか
文法というのは言語学者が決めてるんだという、そういった勘違いですね。 で実際この番組にもそういったお便りが来たことはあります。
こういった言い方って正しいんですかとかね、そういったお便りが来たことありますけど、 正しいかどうかを判断するのは言語学者の仕事ではないです。
ちなみに美しいかどうかも言語学者が決めることではありません。 ですので、
例えば、ありがとうというのはありがたしいというのが語源です。 あることが難しいということです。
それが感謝の言葉になっているんです。 美しいですねとかいう本があったとしたら、
それは言語学的な意味で二重に間違っていて、間違ってるというか、 言語学者はそういったことはしないんですよね。
一つは、 語源を持ち出して動向はしないということですね。
さっき言った話ですけど、 ありがとうがありがたしいに
由来しているとして、 それを現代日本語のありがとうの
説明には使わないんですよね。 ありがとうっていうのはあれ一つで、
寛容的な表現となっている、 現代日本語ではただそれだけのことです。
さらに美しいかどうかも判断しませんので、 ありがとうという音の響きが美しいかどうかは、
人それぞれの感性なので、それは好きにすればいいと思いますけど、 言語学者が判断することではありません。
正しい、正しくない、美しい、美しくない、 こういったことを判断するような規範の学問ではないということですね。
言語学は語学ではない
そして言語学はまた、語学ともまた別物なので、 言語学者は外国語を喋れたり理解したりできるように、
そういった目的のために日々研究しているわけでもありません。 まあそういった分野はあります。第二言語習得とか、
そういったものはあるんですけど、それが言語学のすべてでもありません。 言語学的な研究が
語学というかね、言語習得に寄与することもあるし、 実際そういった分野もありますけど、それが言語学のすべてではないんですね。
言語学の本質とは
じゃあこんだけないないないない言っといて、 言語学って何なのかと言われると、
とたんに難しいですね。言語の本質を追求するとかね、 曖昧な言い方しかできませんが、
イメージとしてはもっと体系的なものの見方をする学問だと思います。 冒頭の語源の話で言うと、
個々のその 意味変化とか音の変化とかを追っていくというよりは、
一つの言語の中で どういう
変化があったのか、体系的組織的な変化を記述するっていうのは 言語学のやっていることだと思うんですよね。
個々の単語とか個々の現象を記述するだけではなくて、 それが体系としてどのように位置づけられるかとか、
そういったことを考えているのではないかと思います。 まあひとまず言語学っていうのは語源を研究しているわけではない、
規範的な学問ではない、 そして言語学イコール語学というわけでもないと、
そういったことをね知っていただけたらと思います。 一般に持たれている言語学のイメージと実際の言語学の
隔たりっていうのがなくなるといいですねということで、 それではまた次回のエピソードでお会いいたしましょう。
番組フォローもよろしくお願いいたします。 お会いでは4月15日でした。
10:25

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