英語が世界の共通語となった背景
英語は世界の様々な地域で話されていて、ある意味で世界の共通語的な役割をしていると言ってもいいかもしれません。
例えば、アカデミックな世界では、英語で論文を発表しなきゃいけないとか、
ビジネスの世界においても、相手の出身地がどこであれ、とりあえず英語が話せればなんとかなるというようなこともあると思います。
英語は世界共通語になるべくしてなったと思われるかもしれません。
つまり、英語というのがどんな人にも理解されやすくて、あるいは使いやすくて、それで世界のスタンダードになったという、
そういうふうに思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、当然そんなことはなくてですね。
そもそも言語が難しいか簡単かっていうのは、いろんな側面から考えなきゃいけないことだし、
習得しやすさというのもその人の母語によるものなので、
日本語母語話者からしたら英語というのはそんなに学びやすい言語ではないと思います。
英語が世界の共通語になれたのは政治的な理由ですね。
その言語学的な理由でグローバルな共通語になったわけではなくて、
イギリスやアメリカという政治的に国際的に力の強い国の言語だったから、ただそれだけのことで、
英語っていうのが言語の構造として単純だからシンプルだからというわけではありません。
むしろ変わってるなというか変だなと思われる面もたくさんあるんですよね。
そんな中で今回は発音とつづりというところから英語のある意味変わっているところっていうのを考えていこうと思います。
英語のつづりと発音の複雑さ
BGM行け!
始まりました4月15日のツボ。皆さんいかがお過ごしでしょうか。キラキラのポップスターです。
さっきも言ったようにその言語が単純か複雑かシンプルかどうかというのはいろんな側面から考えなきゃいけない問題で、
そういった意味で英語は語形変化が少ないという意味ではシンプルと言えるかもしれません。
特に他のヨーロッパの言語に比べて名詞が主語や目的語や間接目的語で形をいちいち変えないので、
あるいは漢詩も形が変わることないので、そういう語形変化が少ないという点ではシンプルと言ってもいいかもしれません。
一方でつづりと発音という側面から見ると英語は複雑と言っていいと思うんですね。
初めて英語に触れた時に感じた方も多いと思うんですけど、英語ってつづり通りに発音してないですよね。
いわゆるローマ字読みで発音していません。
ナメと書いてネイムとか、ティメと書いてタイムとか、なんでそういう風に読むんだろうと。
そういったものがたくさんあります。
ベースボールをね、バセバ11で覚えた人とかいるんじゃないでしょうか。
そういう風にちょっとローマ字読みして英単語を覚えるみたいなことが特に中学校の頃とかね、あったんではないかと思います。
つまりそれだけある意味普通ではない読み方をしているから、そういう語呂合わせなことをしなきゃいけなかったんですよね。
しかし英語の歴史を遡れば、ネイムは本当にナメみたいな発音だったし、
タイムの方もティメみたいな発音だったんですよね。
ナーメとかティーマみたいな、よりローマ字読みに近い発音でした。
ただ話し言葉の方では発音がどんどん変化してしまって、つづりはそれに合わせて変えなかったので、
今現在における発音とつづりのミスマッチっていうのが起こってしまっています。
いわばこれは日本語の歴史的金遣いみたいなものですね。
けふと書いてきょうと読むみたいなものですけど、あれだって本当にけふと読んでたんですよね。
あるいはてふてふがちょうちょうっていうのも本当にてふてふでした。
日本語の場合は思い切って現代金遣いに直して、発音とつづりの不一致を解消したんですが、
英語はそのような改革はしていないので、いわゆるローマ字読みっていうふうにはなってないんですよね。
大母音推移とは
特に今回お話しするのは母音の発音の変化で、かなり大がかりな発音の変化があったんですね。
大母音推移と言われる変化で、大母音推移については過去に何本もエピソード撮っていると思います。
かなり興味深いテーマなので、結構何本も撮ってしまってるんですけど、
時代にしては15世紀前後っていうんですかね、
1400年代から1600年代にかけて起こった英語の発音の変化、母音の発音の変化のことです。
時代で言えばシェイクスピアの頃と言っていいと思うんですけど、
大母音推移というのは英語の長母音に起こった一連の変化のことを言って、
端的に言えば母音が一個ずつ高くなったみたいな感じなんですね。
母音が高いとか低いと言うと、音程のことを思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれませんが、
母音が高い低いと言った場合は、これは狭い広いと言い換えてもいいんですけど、
これはあっていうのが一番広い母音なんですね。
ちょっと日本語で考えてみると、あっていうのが一番低い、ないし広い母音で、
いとかうというのが狭い母音です。
いは前じた母音、前の母音で、うは後ろじた母音、後ろの母音と言われています。
えとおというのはその中間という感じですね。
ですので、下の前の方で発音する前じた母音で言えば、
一番狭い高いのがい、その次にえ、一番広い、ないし低いのがあとなります。
逆に考えるとあえいっていう風にだんだん高くなっていくんですね。
後ろじた母音の場合はあおうという風にだんだん高くなっていきます。
今日本語の例で考えましたけど、ご存知の通り英語の方が母音の数は多いんですが、
イメージとしては大母音推移っていうのは母音が高くなるので、
あがえになってえがいになる、あるいはおがうになるっていうような音の変化のことです。
先ほど例に挙げたなまえというのは、なあまみたいな発音でした。
最後の母音はあいまい母音だったと考えられていて、
このなあのあの母音が一個あがってねえまみたいになって、
このえの母音についてはさらに二重母音になって、現代のねいむに至っています。
一個あがった先のえの母音はいいというような発音になるので、
この例としてはたとえばみるっていう動詞のせいとかですね。
あれはつづりとしてはせいで、実際に大母音推移のまえはせいという発音でした。
これが一個あがってえがいいになってせいになっているということですね。
このようにあがえになってえがいいになってっていうふうに考えると、
いいっていうのはどうなるかっていうことですよね。
いいっていうのが一番高い母音なので、これ以上高くなりようがありません。
その結果、あいという二重母音になったんですね。
タイムはもともとティーマーみたいな発音で、
このいが二重母音あいになってタイムになっているということです。
今の説明だと母音が押し上げていっているっていうかね、
一番低い母音がだんだん高くなって、
一番高いのがもう限界きちゃって二重母音になったっていう説明でしたけど、
大母音推移の具体例とメカニズム
逆の考え方もあって、
つまりティーマーが最初にタイムになって、
そうなると一番高いイーというポジションが開くので、
そこにシーが入って、
さらに開いたところにネーマーが入ってネイムになったっていうね、
一番高いところから起こったんだという説もあります。
いずれにせよ大母音推移っていうのは、
英語の母音で組織的に起こった変化で、
母音が高くなった結果合流したっていうわけではないんですね。
母音は合流することなくそれぞれの母音が移動していますので、
単語の区別っていうのは守られています。
そういった組織的な変化のことを大母音推移と呼んでいます。
今回例に挙げたのは前じた母音の例でしたけど、
OやUといった後ろじた母音でも同様な大母音推移が起こっているんですね。
大母音推移と現代英語の不一致
このような大母音推移があったのに、
英語はスペリングの方は変化させなかったので、
現代の英語では発音とスペルにミスマッチがあるというね、
そういった結論になります。
もし今後英語が発音と綴りを一致させるような動きがあったとしたら、
それはかなり大掛かりなことになりますよね。
もしかしたらそんな未来もあり得るかもしれません。
今回は母音を中心にお話しましたけどね、
例えば、知っているとか、騎士っていう単語のノウとかナイトっていうので、
Kっていうのを読まないですよね。
あれももともとKの発音はあったんですけど、
発音上は消えちゃっています。
ただ綴りには残っているっていう、
そういった例は詩音にも見られますので、
そういった話も今後のエピソードでね、機会があれば取り上げようと思います。
次回予告と番組案内
それではまた次回のエピソードでお会いいたしましょう。
番組フォローまだの方はよろしくお願いいたします。
お相手はシガジュウオウでした。