1. 【10分言語学】志賀十五の壺
  2. #840 主語や目的語は世界共通..
2026-03-07 11:40

#840 主語や目的語は世界共通じゃない?言語の格配列(アライメント) from Radiotalk

関連エピソード
https://youtu.be/3j5aj22O--g?si=ATJcvo9GDYysJ2Hh
https://youtu.be/yVT-97S-GAU?si=J5QnvXDb0SLJcljH


主要参考文献
『言語類型論入門:言語の普遍性と多様性』 (リンゼイ J. ウェイリー、岩波書店)

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育
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本日のテーマはアライメントです。格配列と言われることもあります。
これは簡単に言えば、その言語で主語や目的語をどのように表し分けるかという問題です。
日本語であれば、これもごく簡単に言えばですが、主語にはがをつけて目的語にはをつけます。
英語であれば、主語は動詞の前に出てきて、目的語は動詞の後に出てきます。
そういった違いがあって面白いですねということではなくてですね、もうちょっと奥が深い話なんですね。
BGM、行けい。始まりました志賀十五の壺。皆さんいかがお過ごしでしょうか。デニャーズです。
主語や目的語をどのように表すかという意味においては、
英語と日本語っていうのはある意味で同じタイプです。 もちろん日本語ではがやを使って、つまり助詞を使って主語や目的語を表し分けているのに対して、
英語は語順に頼っているという違いはありますが、 大まかに言って同じタイプなんですね。
専門的には主格対格型言語とか言われたりします。 これはどういうことかというと、
自動詞の主語も他動詞の主語も 同じように扱う言語だということです。
そんなの当たり前な気がしますよね。主語といえば主語であって、それが自動詞であっても他動詞であっても一緒じゃないかと、
そういう気がすると思います。 自動詞っていうのは主語だけ必要な動詞のことで、
踊るとか走るとかですね。 ですので私が走る、私が踊る、自動詞の主語にはがを使います。
一方他動詞というのは主語に加えて目的語も必要な動詞で、 読むとかですかね。私が本を読む。
ここでも主語はがを使って目的語には別個のがではないをという標識を使っています。
英語ではそれが語順で表されているわけですね。 われわれ日本語母語話者にとってはさっきも言ったように主語は主語なので、
動詞が自動詞だろうが他動詞だろうが 主語は主語。それにはがをつけます。
ただもっとワールドワイドにというかね、通言語的に、 いろんな言語を考える際には
自動詞の主語と他動詞の主語というのを別個に考える必要があるんですね。
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これをそれぞれアルファベットで目的語も含めてアルファベット一文字で表すことがあります。
自動詞の主語のことはsと呼んで、これはサブジェクトから来ています。
他動詞の目的語はa、これはエージェントから来ているんですね。
そして他動詞の目的語の方はp、ないしoということもありますけど、ここではpとしておきますね。
これはpatientから来ています。このs、a、pをどのように表し分けるかというのが
アライメントという問題となります。 sが自動詞主語、aが他動詞主語、pが他動詞の目的語です。
このアライメントの話では日本語はsとaを同じ扱いをするということですね。
s、自動詞の主語、a、他動詞の主語、 どちらも助詞のがというのを使うということで、
それを普通主語と呼んでいるわけですね。 特に日本語はsとaを区別する必要がないと、
おそらくそのように感じられると思います。 英語も同様で、
sとaを同じように扱う、つまり動詞の前に出す。 pだけ仲間外れで動詞の後に出すということですね。
こういう日本語や英語みたいな言語を、英語ちょっと微妙ですけど、 主格対格型言語というんですね。
ただ、世界の言語を見回したときに必ずしも sとaが
同じ扱いを受ける言語だけではないんですね。 中にはsとpが同じ扱いを受ける言語もあります。
sとp、つまり自動詞の主語と他動詞の目的語です。 これは非常に考えづらいというか、
日本語で考えたって仕方がないんですけど、 s、自動詞の主語、p、他動詞の目的語に、
例えば同じ助詞を使って、他動詞の主語、 aだけ仲間外れという言語もあります。
こういった言語のことを、 能格絶対格型言語と言います。
このあたりの話は関連エピソードが多分結構あると思うので、 興味のある方はちょっと検索とかしてみてね、
探していただけたらと思います。 この sとpが同じ扱いを受けるっていうのは、
さっきも言ったように日本語のシステムと全然違うので、 想像しづらいんですよね。
なぜ s と p が同じ扱いを受けるのか。 主語と目的語って全然違うような気がするんですけど、
でもそういった言語もあります。 一応理屈としてはこのように説明されるんですね。
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というのが、 その他動詞の文で、
つまり a と p が出てくる文では、 a と p は区別しなきゃいけないんですよね。
出ないとごっちゃになっちゃうというか、 意味がうまく伝わらないことがあり得ます。
例えば a と p が区別できないと、 太郎・二郎を殴るといった時に、どっちがどっちを殴ったのかが分かりません。
太郎・二郎を殴る。 これが殴るじゃなくて、太郎本読むとかなら別に問題ないんですよね。
本が太郎を読むということはあり得ないと考えられるので、 常識的に理解できるものもあるんですが、
両方人間の場合とかは太郎・二郎を殴るみたいな場合ですね。 そうなるとどっちが主語でどっちが目的語だろうっていうのを区別する必要があります。
ですので a と p っていうのは、 区別されるのが一番いいんですよね。
そうなった時に s っていうのは その理論上 a と p と一緒に出てきません。
そもそも自動詞と他動詞で違うので、そうなると s の標識っていうのは
a の標識か p の標識かどっちかと一緒にしちゃっても別に問題ないんですよね。
同時に出てくることがないので。 日本語の場合は
s の標識は a の標識と同じになるっていう、そういう道を選んだということですね。
つまり両方がというのを使うようになったということです。
ただ s っていうのは p と一緒に出るということもあり得ないので、
だったら p と同じ標識使っても別に問題ないんですよね。
そうなると s と p が同じ標識になる。これが能書く絶対格型言語というものです。
今日はこの能書く絶対格型言語について具体的な例を挙げてお話ししてませんが、
さっきも言ったように関連エピソードがございます。 代表的なのはバスク語とかね。
あとはトンガ語とかサモア語とか、こういった言語が能書く絶対格型言語であります。
あとはオーストラリアの先住民の言語とかね。 ひょっとしたらメジャーな言語ではあんまり見られないアライメントかもしれません。
アライメントには s a p の他に t と r というのが登場することもあります。
この t と r というのは 副多動詞で問題になるんですね。
副多動詞というのは典型的には give 与えるみたいな動詞で、
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英語だと give 人物みたいに二重目的語交文というのがありますよね。
このことからわかるように give みたいな副多動詞は目的語ぽいものが2つ出てきます。
この2つの目的語ぽいのを どっちを目的語にするかというのがまたアライメントの問題として上がってくるんですね。
t と r というのは give 人物のものの方です。
r っていうのは人の方。 要は t はプレゼントで r はそのもらい手ということになります。
英語の give 人物というのは両方目的語になっていますので t も r も
目的語つまり p と同じ扱いを受けているということです。 では日本語の場合はどうかというと
太郎に本をあげるとかなので 本つまりプレゼントの方が目的語扱いになっているということで
つまりこれは p と t が同じ扱いを受けて r だけつまりプレゼントをもらう人だけ別語の標識になっているということです。
日本語だったら にというのがつくわけですね。
これもさっきの sap の話と同様に 日本語みたいに t が p と同じ扱いを受ける言語もあれば
r の方が p と同じ扱いを受ける言語もあるんですね。 つまりプレゼントをもらう人の方が目的語の
標識を受ける そんな言語もあり得ます。
日本語だとちょっと考えづらいかもしれませんが 英語にこのタイプのアライメントはあって
supply r with t みたいな言い方ができるんですよね。
r に t を供給するという時に supply r with t。
この場合 r が p と同じ扱いを受けている そんなアライメントになっています。
これについても関連エピソードがあるので 多分副多動詞とかで検索すると出てくると思うので
ぜひそちらも聞いてみてください。
というわけで今回はアライメントについての エピソードでございました。
それではまた次回のエピソードでお会いいたしましょう。
番組フォローまだの方はどうぞよろしくお願いいたします。 お相手はシガ15でした。
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