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#906 認知言語学のイメージ・スキーマを学ぼう! from Radiotalk
2026-10-24 11:09

#906 認知言語学のイメージ・スキーマを学ぼう! from Radiotalk

主要参考文献
李在鎬 (2010)『認知言語学への誘い: 意味と文法の世界』東京: 開拓社.

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育

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サマリー

日常の個別経験を人間が抽象化し、言語表現としてまとめる仕組みを説明します。財布の中のお金と教室の中の先生を例に、共通する「容器」のイメージスキーマを紹介し、トラジェクターとランドマークの役割を整理します。さらに、上・下のイメージスキーマや、日常経験から図式を獲得するという認知言語学の考え方に触れます。最後に、表現の共通性が個人の経験によるものなのか、周囲の共同体から学んだものなのかについて疑問を示します。

経験の抽象化と言語の役割
われわれは日常生活でいろんなことを経験しています。 毎日毎日同じことの繰り返しだとそのように思われがちですが、厳密に言えば同じことの繰り返しなんかありえないですよね。
毎回毎回違うことを経験しています。 しかし、
毎日毎日その瞬間その瞬間に経験していることを
別個の経験というか毎回新鮮な新しい経験として 認識しているとしたら
結構脳はパンクしちゃうというか容量が足りなくなってしまいます。 ですので我々人間はどっかで区切りをつけてというか
思い切って抽象化して同じ現象というふうにみなすことがよくあるんではないかと思います。 例えば牛乳を飲むというのとオレンジジュースを飲むっていうのは
厳密に言うと当然違う経験ですが 飲むという
一つの抽象化した行為としてまとめることができますよね。 ある意味で言語がやっているのはそういうことかもしれません。
個別の独立した別個の現象や事態を
ある意味でひとまとめにする、抽象化する、一般化するというのが言語の担っている役割と言えるかもしれません。
あるいは財布の中にお金があるという事態と
教室の中に先生がいるという事態は 当たり前ですが全然違う事態というかイベントです。
現れる登場人物もお金と先生等で全然違うし、舞台も財布と教室でサイズ感からして全然違いますよね。
容器のイメージスキーマ
違いますが 同じような表現を使って
財布の中にお金が、教室の中に先生が、この中というのを使って表現します。
これは我々の中に一種の容器とも言えるようなイメージが存在するということなんですね。
少なくとも認知言語学と言われる分野ではそのように考えられて
ある意味でそれは言語以前の概念的な抽象的なものと言えると思います。
今の例の容器みたいなものをイメージスキーマーと言うんですね。
BGM行け!
始まりました4月15日のツボ。皆さんいかがお過ごしでしょうか。
ビスケットオリバーです。
イメージスキーマーというのは抽象化された図式というか、簡単なイメージ図みたいなものと考えていいと思います。
それは線とかね、丸とか四角とか三角とか何でもいいんですけど、そういったもので書くことができるような抽象的な枠組みのことをイメージスキーマーと呼びます。
共通のイメージスキーマーに当てはまれば言語の表現等をしても共通したものが現れる。
さっきの例で言えば財布の中にお金があるっていうのと教室の中に先生がいるっていうのはどちらも容器のイメージスキーマーに当てはまるので同じような表現になるということです。
繰り返しですが財布の中にお金があるっていうのと教室の中に先生がいるっていうのは事態としては全く違います。
同一視しようとしてもできないぐらい違うはずなんですけど、我々の認知のレベルでは同じイメージスキーマーを持っていて同じように見出すことができるということです。
トラジェクターとランドマーク
この後容器のイメージスキーマーについて詳しく見ていきますが、その前にトラジェクターとランドマークという専門用語についても一応説明しておこうと思います。
別にこれは覚えろとかそういうわけではもちろんないんですけど、イメージスキーマーあるいは認知言語学では頻繁に使われる用語です。
トラジェクター、ランドマーク、それぞれTR、LMと略されることもあるんですけど、トラジェクターは目立つものというか目につくものあるいは移動するもの。
その事態の中のある意味主役と言えるようなものがトラジェクターで、ランドマークっていうのは基準点というかあるいは背景とかそのように言えるようなものです。
さっきの例だと財布の中にお金があるだったら財布の方がランドマークでお金の方がトラジェクター。
教室の中に先生がいるっていうのも同様に教室の方がランドマークで先生の方がトラジェクターということになります。
あるいは太郎が学校に行くといった場合は太郎がトラジェクターで、学校の方がランドマーク。
こういった例は結構見つけようと思えばいくらでも見つけられると思うんですが、このトラジェクターとランドマークというのがイメージスキーマにおいてキーワードとなります。
容器スキーマの特徴と獲得
さて容器のイメージスキーマを今のトラジェクターとランドマークに従って説明してみると
トラジェクターがランドマークに取り囲まれている。 まさにランドマークの中にトラジェクターがある。
そんなイメージスキーマを描くことができます。 もうちょっと具体的に説明してみると
ランドマークである容器によって内側と外側の境界がはっきりします。
必ず境界があります。 その容器の中にあるトラジェクターは
外側からの影響を受けないというか、ある意味容器によって保護されることになります。
これは財布とか教室という容器を思い浮かべてみるとよくわかると思います。
他にも容器が移動するとその中身、トラジェクターも一緒に動くとか あるいは例外もありますが
容器の内側は外側からは見えないし その境界を破って
中身を移動させることも普通できないと このような特徴が容器というイメージスキーマにはあります。
もちろんスケルトンタイプの財布とかあるいは 教室の窓ガラスとかそういったものを想定すると例外は出てくるんですが
原則として今言ったような特徴が容器のイメージスキーマにはあります。 認知言語学ではこういったイメージスキーマは日常生活での経験から抽出される
獲得していくと考えられています。 毎日毎日いろんなことを経験してその中から抽象的な図式っていうのを心の中で抽出して
つまり財布の中のお金と教室の中の先生っていうものの共通項を 日常生活の経験から獲得するんですね。
上・下のスキーマと理論への疑問
容器のイメージスキーマ以外にも いくつかイメージスキーマは提案されていて
例えば上のイメージスキーマ下のイメージスキーマ 要はランドマークに対してトラジェクターが上にあるのか下にあるのかっていう
極単純なイメージスキーマですけど 机の上のリンゴと崖の上のポニョっていうのは同じ上のイメージスキーマを持っているということです。
こういったイメージスキーマが いったいいくつ存在するのかっていうのは
正確なところは正確な数字っていうのは出ていないと思うんですが 容器のようによく使われるというかよく出てくるイメージスキーマもあります。
そのイメージスキーマが日常生活に基づいて その経験から抽出されたものだとすると
当然経験というのは個人個人の問題なので その個人個人で別個のイメージスキーマを持っているとも言えそうですけど
ただどうですかね。人間が経験する 遭遇する事態のバリエーションっていうのは
意外とそんな多くないのかもしれません。 そもそもイメージスキーマが日常生活の経験から
抽出されたものだっていうのもどうなのかなっていう気がするんですよね。
財布の中のお金、教室の中の先生 これが同じ中っていうのを使う同じ表現になるっていうのは
その容器というイメージスキーマを持っているからというよりは 親というか周り共同体がそういう表現を使っているから
我々もそういう表現を使っているだけだっていう そんな気もするので
説明としてイメージスキーマを使うのはいいと思うんですけど それが個々人の経験に基づいているかというと
どうなのかなっていう気はちょっとします。 僕自身認知言語学は面白いなと思う面もあるんですが
そのすべてにね全面的に賛成というわけでもないですね。 というわけで今回のエピソードはここまでということでまた次回のエピソードでお会いいたしましょう。
番組フォローまだの方はよろしくお願い致します。 お相手はシガ15でした。
またねー
11:09

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