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本日のテーマは意味役割です。 英語で semantic role と言われるもので、これは別名主題役割 thematic role と言われることもあります。
あるいはシータ役割シータロールと言われることもあるんですが、 個人的には意味役割っていうのが一番わかりやすいというか好みなんですね。
というのが、semantic role 主題役割といった時のこの主題というのが言語学では別の意味で使われることも多いので、避けたほうがよろしいんではないかと思います。
このあたりの主題周りの話は後で取り上げようと思います。 意味役割については過去のエピソードで取り上げたこともあると思うんですが、
意味役割というのは端的に言えば文の中における名詞の役割ってことですね。 もっと言うと名詞ないし名詞句の意味的な役割のことを意味役割と言います。
わかりやすいのは道具とかですかね。
トンカチで窓を割ったといった時、このトンカチというのは道具を表しているんですね。 トンカチっていうのは普通道具を表すんだから、それは道具を表すだろうと思われるかもしれませんが、
ただこれがもし トンカチを壊したという言い方になると、これはもう道具とは言えません。
これは意味役割で言うとペイシェントという言い方をします。 非動者ということも多分あるんじゃないかと思うんですが、ペイシェント。
このペイシェントというのは動作の影響を受けて何か変化するような対象のことを言います。
ですのでトンカチというのがいつでも道具を表すわけではなくて、やはり文の中で決まってくるものなんですね。
トンカチを壊したといった場合はお皿を割ったのお皿と同じように動作の影響を受ける変化を受けるペイシェントです。
でここのお皿というのもやはりいつでもペイシェントになるわけではなくて、お皿にブロッコリーを載せたといった場合はこのお皿は文の中で場所という意味役割を担っていることになります。
繰り返しですが名詞ごとに意味役割というのが 1対1で決まっているわけではなくて、文の中で
それらは決定されていくということです。 BGMです。
始まりました4月15のツボ。皆さんいかがお過ごしでしょうか。暴れ発着です。
意味役割っていうのは一体いくつあるのか、いくつ設定すべきなのかというのは結構議論が分かれるところだと思います。
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厳密に言えば動詞ごとに意味役割を設定しなくちゃいけないんじゃないかという気もするんですよね。
例えば先ほどのトンカチを壊すっていうのとお皿を割るっていうのと、トンカチもお皿も両方変化を受けるという意味で
ペーシェントだという言い方をしました。 この点で多くの言語学者は了解しているというか、異論はないと思うんですね。
ただものすごく厳密に言うと、壊すというのと割るっていうのは違う動詞で、
トンカチを壊す、お皿を割る、その壊されるものっていうのと割られるものっていうのは
区別すべきじゃないかと言われたら確かにその通りかもしれません。 ただそのように考えていくと動詞ごとに意味役割を決めなくてはいけないことになって
それってもう意味がないことになっちゃうんですね。 そのようなわけで意味役割っていうのはある意味で抽象的な概念ということができます。
壊す、割る、あるいは破る、削く、砕く、このような動詞の目的語は変化の仕方っていうのは全然違いますが、
変化の影響を受けるという意味でペーシェントで一括りにされるんですね。
あるいは燃やすとかもそうですね。 お皿を割ると紙を燃やすっていうのは
事態としてはもちろん全然違うので意味役割もものすごく細かく設定すれば 割られるもの燃やされるものということになってしまいますが
ペーシェントで一まとまりにします。 ペーシェントとは別にセイムっていう意味役割を立てることもあります。
ここは結構微妙で、ペーシェントとセイムを分けない人もいて、それをまとめてペーシェントと呼ぶこともあれば、逆にまとめてセイムと呼ぶこともあるんですが、
そもそもこのセイムというのが危うい用語で、 日本語だと主題と言われることもあるんですけど、主題っていうのは日本語の
輪がつくような要素。あり程に言えば急情報のことを主題ということもあるので、 このセイムっていうのは非常に危ないと思うんですけど、日本語だったら異動物とも言えるようなものです。
このペーシェントとセイムの違いは、セイムもペーシェントと一緒で動詞の目的語として現れやすいんですが、
位置変化を表すのがセイムで、状態変化を表すのがペーシェントといった感じです。
先ほどのトンカチを壊すは状態変化なのでこれはペーシェント。 一方トンカチを送るとか、トンカチを投げるといった場合、
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トンカチ自体が何かその状態が変化するわけではなくて、位置が変わるだけなんですよね。
そういう位置に関するものはセイムとしてペーシェントと別行にすることもあります。
今ペーシェントとセイムをちょっと考えてみて、どちらも目的語から考えていったわけですけど、
今度は主語の方に目を向けてみて、太郎がトンカチを壊すとか、太郎がトンカチを投げる、この場合の太郎はエージェントと言われます。
これは動作集と言われることがあって、何か意思を持って動作をする役割のことで、典型的には人だと思いますね。
その動作を意思を持って始めて遂行する人、典型的には人のことをエージェント、動作集と言います。
この動作集とやや似てますが、エクスペリエンサーというものもあります。
経験者と言われるもので、これは動作集と同じで人が当てはまりやすいんですけど、
その動作を直接コントロールしているというよりは、まさに経験するというようなもので、例えば見るの主語とかがそうです。
太郎がテレビを見るといった場合の太郎は、見るというのは確かに意識的に行うものでもあるんですけど、経験者と分類されることも多いんじゃないかと思います。
見るとか聞くとか、あるいは知るとか、太郎が道を知っているといった場合の太郎もよくエクスペリエンサー、経験者として分類されます。
これもまた繰り返しですが、太郎というのは人ですが、常に動作集エージェントになるわけでもありません。
もちろん太郎がトンカチを壊す場合、太郎は動作集エージェントですが、太郎が道を知っているであればエクスペリエンサーだし、
太郎を殺すといった場合、太郎はペーシェントということになりますので、やはり名詞ごとに意味役割というのが事前に与えられているわけではなくて、
その文の中で決まってくる動詞によって与えられるのが意味役割であるということです。
今までの意味役割の話で主語がどうとか目的語がどうとかいうことを言いましたけど、
この主語とか目的語っていうのも意味役割とは別個に考えるべき問題です。
例えば、目的語がペーシェントになりやすいみたいなことを言いましたが、
つまりトンカチを壊すとかお皿を割るとか、それはそうなんですけど、
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トンカチが壊れるとかお皿が割れるとかこういった自動詞を使った場合、ペーシェントが主語として現れます。
ペーシェントは常に目的語と結びついているわけではなくて、主語として現れることもあります。
あるいは受動態を使った時もそうで、トンカチが壊されるとかいった場合も、
トンカチっていうのはペーシェントですが、やはり主語として現れています。
ただ意味役割によっては主語になりやすいとかいうものは確かにあって、
よく言われているのは先ほど言ったエージェントというのが一番主語として現れやすいんですね。
太郎がトンカチを壊す、この太郎のようにエージェントは主語として現れやすいです。
このように主語として現れやすい意味役割、エージェントみたいなのもあれば、
目的語として現れやすいペーシェントとか、あるいはシームっていうのもあるし、
はたまたもっと脇役的な道具とか、場所とかですね、ロケーションとか、
あるいはスティミュラスっていう刺激物という意味役割も立てられることがあります。
これはエキスペリエンサー、経験者とセットで考えるといいようなもので、
太郎は肉が好きだといった場合の太郎は経験者で、肉の方は刺激物、スティミュラスと言われることもあります。
これを太郎がエージェントで肉の方をペーシェントとはちょっと言いづらいんですね。
好きっていうのを太郎が意識的に始めているわけでもないし、
肉の方は肉の方で何か動作の影響を受けるわけではないので、
エージェント、ペーシェントとは別に、エキスペリエンサー、スティミュラスっていうのを立てた方がいいっていうのは一理あるんですよね。
ただこれも繰り返しですけど、いくつ意味役割を設定すればいいのかっていうのは議論が分かれているところですが、
ひとまず抽象的な概念っていうところは共通していると思います。
それではまた次回のエピソードでお会いいたしましょう。
番組フォローまだの方はよろしくお願い致します。
お相手はシンガージューゴーでした。
またねー。