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いまさら聞けない半導体の世界:TSMC熊本進出における九州への影響
2025-10-01 10:21

いまさら聞けない半導体の世界:TSMC熊本進出における九州への影響

九州大学名誉教授 安浦寛人
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日々お伝えしているニュースや話題の中から、一つのテーマに絞って、専門家や当事者に話を聞く週替わりの特集コーナー。
Weekly Close Up。スマートフォンやパソコン、家電、自動車など、私たちの暮らしを支える製品に欠かせないのが半導体。
TSMCが熊本に工場を作ったことでも話題になりましたけれども、いまもう半導体というのはすっかりお馴染み。
だけども、半導体って何ですか?って聞かれると、うーん、どんなものだろう?難しいっていう人もいるかもしれません。
そこで今週は、今さら聞けない半導体の世界というテーマでお送りしております。
今日はそのTSMC熊本進出における九州への影響は?というテーマについてです。
九州大学名誉教授、安浦寛人さんです。
安浦先生、おはようございます。
おはようございます。
さて、TSMCが熊本に進出してきましたけれども、それによって九州にどういう影響があるのかというお話を今日は教えてください。
前回も申し上げましたように、前工程の製造の微細化が10年間止まっていたわけです。
遅ればせながら微細化に向けた動きが今始まったと。
一つがTSMCが熊本に来てくれたということで、もう一つは最先端を目指して北海道でラピュタスをやっていると。
九州は半導体を利用する自動車産業のトヨタとか日産とかホンダ大発、こういうのの工場がございますし、
情報機器の目に当たるCMOSイメージセンサーの世界一の生産量を誇るソニーがあります。
これらとのコラボレーションを期待してTSMCが入ってきたんだなと思います。
今回のTSMCの工場建設には1兆円以上の投資がなされたと聞いていますが、その工場の建設の波及効果はいろんなところに出ています。
まず工場を建設するためには半導体の製造のクリーンルーム、これはもう塵がほとんどない空間を作らないといけないのですが、
そのためには特殊な技術あるいは素材が必要で、これはこれまで九州でずっと半導体産業が続いてきたことが幸いで、
そういう関係の企業も関わっている。それからそういうクリーンルームをメンテナンスする企業も九州にはあります。
また素材であるシリコンウェーファーを作る企業としてサムコというのが今にありますが、
そういう素材の企業とか様々な化学物質材料を使いますが、そういうものの製造拠点とか供給網が九州にはあります。
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これらの企業が当然大きな影響を受けているということです。
それから後肯定の企業や製造装置メーカーおよび製造装置のメンテナンスをする企業にも波及効果が出てきております。
しかし残念ながらTSMCに設計を委託する設計会社は九州にはあまり多くないと、日本では少ないのです。
ソニーや電装など一部の大企業に今のところ限られていると聞いています。
せっかく作ってくれたTSMCの工場をフル稼働させるために需要を作り出せるかどうか、これは今後の大きな課題になります。
また九州には1970年代から半導体産業が定着していたので技術者の確保というのがやりやすいと。
それから給与者水準も高いので関連の企業からこっちに移った人もおられるという話も聞いています。
そしてその半導体産業に大学や高専から人材を供給するそういう流れももともとありましたから、それをさらに強化する活動を今進めているというところです。
周辺の大学でもこの半導体産業に関連する学館であったり学部を作る動きが出てますもんね。
どこも今一生懸命人材育成を取り組んでいます。高専も取り組んでいます。
人材育成も重要ということですね。そのTSMCの本拠地は台湾ですけども台湾は何でこの半導体産業が盛んになったんですか。
これはもう台湾の知性学的な位置づけで決まっています。
台湾の国策として台湾が基幹産業で30%以上のシェアを占めていれば、中国本土が攻めてこようとした時にアメリカが台湾を守ってくれるという計算があります。
これはもう公言してます。1990年ぐらいまではパソコンのマザーボード、パソコンの中に入っているプリント板の上にいっぱい集積回路が載ってますけども、それを作るのが30%超えてました。
90年代にそれじゃ他の老人の安いところに取られるので、このTSMCの半導体の自宅製造に力を入れ始めた。
2000年以降これでも技術資本を持ったところが出てきたら取られる可能性があるので、自宅製造をする設計会社もたくさん作りました。
知識集約産業も合わせて作るということで、半導体の利用産業、特に医療分野の利用とか社会システムの利用、これはコロナの時に台湾の仕組みを見事に作った話がよく言われてますけど、その裏にはこういう仕掛けがあったということだと思います。
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台湾では今半導体の製造会社が15社で、これが収益の50%、半導体関係の収益の50%です。ほとんどはTSMCです。設計会社は250社あります。
世界中から設計を受託して30%ぐらい稼いでる。あと工程が50社ぐらいあって20%を稼いでるという、そういう状況で、自宅製造だけで言えば世界の80%のシェアを台湾が握っているということでございます。
すごいですね。
九州も台湾のようにシリコンアイランドじゃないですけど、半導体アイランドとしてさらに発展する可能性というのはどうなんでしょうか。
それは十分あると思います。これまでのインフラが揃ってます。製造装置メーカーや材料メーカー、メンテナンスをする会社とか、そういうものがあるというのは大事なんですけど、さらなる発展のためにはまずTSMCにちゃんと発注できる設計産業がないとダメですね。これが一つの課題です。
それから半導体のチップを、今までは1チップをパッケージしてたんですけど、それを複数のパッケージを組み合わせて実装するような技術が今どんどん出てきてまして、この後工程の重要性が高まってます。この辺でまた世界をリードする可能性はあります。
それから人材、これは大学とか高専の人材をうまく使っていくということで、最近は熊本の小学生も大きくなったらTSMCの工場で働くんだということが出てきたような状況で、ようやく社用産業と言われてた半導体が回復に向かっているというところだと思います。
最後にやっぱり台湾、韓国、東南アジア、こういったところとの連携というのがすごく大事で、何でも自分でやろうというのはやめた方がいいと思いますね。
なるほど。明日はもっと広く見て、日本の半導体産業の復興、再興はあるのか、その話を伺いたいと思います。今日はここまでありがとうございました。
ありがとうございました。
この時間は九州大学名誉教授、安浦博人さんでした。
10:21

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