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おいしい野菜と勇気を君に
はい、こんにちは。有機農業系ポッドキャスト小農ラジオ第8回です。
今日はゲストをお迎えして放送収録をしました。
自然農法研究開発センターの三木さんという、お米の研究をされている方なんですけども、
この方のお米の話はですね、すごくロジカルで
わかりやすい、とても面白い話なんで
今回ちょうど白川町の方で講座をやっていただいているんですけども、
その終わってから取りましょうと言ったら、先生いいですよって言ってくれてですね、
うちのビニールハウスの中で2人で話をしてたんですけども
今回はですね、有機栽培の米作りについて、なるべくこう
あんまりその米作りについて知らない人にも理解できるような感じの話にしましょうということだったんですけども
聞いてる最中ですね、僕も知らないような話が結構あったりで、すごく面白かったし
これは多分毎年お米のシーズンが始まる前には
毎回聞き直そうと思うような、すごい良い回になってますんで
是非ね、有機農業に限らず観光の方もですね、そして消費者の方もですね
是非聞いて欲しいと思いますので、よろしくお願いします。ではどうぞ
はい、庄野ラジオ、今日はですね、ゲストが来ております
自然農法研究センターの三木孝明さんに来ていただいております。よろしくお願いします。よろしくお願いします
じゃあ三木さん、ちょっと簡単に自己紹介と、自然農法センターについて少しお話をお願いします
はい、三木孝明です。私は1975年生まれの44歳です
自然農法センターなんですけど、1985年に財団法人としてスタートして
自然農法あるいは有機農業ですね、こちらの普及をする団体です
その普及するためには、経験とか観も大事なんですけども
03:00
科学的なデータに基づいた普及ということを考えているので
私たちは研究機関として研究を重ねながら、経験も併せた普及をしている団体になります
自然農法研究センターっていうと、ちょっとイメージと
今日来ている三木さんは、すごく何でも数字でデータでしっかり示してくれるんで
分かりやすくて、有機農業とか自然農法って
イメージだけで捉えられている部分をしっかり数値化してくれているのがすごいなと思うんですけども
それは自然農法センターのコンセプトというか
普及しやすいようにある程度データとして出すみたいな考えはあるんですか
そうですね、有機農業とか自然農法って結構先輩たち
先駆者たちがいろいろな取り組みをして成功したりとか失敗したりとか
そういうのがいろいろとその後続く実施者たちに伝わっていくんですけども
それが必ずしも同じような結果が得られない
勘とかその人にしか分からないというのを数値化してもっと普及させようという
そうですね、やはり上手くいっている人の技術もあると思うんですけど
その技術と地域の環境だったり土壌条件がマッチングしていて上手くいっていることがあるので
それを外に出しちゃうとうまくいかないことがあると
その方法にこだわっちゃうと自分のところでやったら全然標高も違うし土質も違うし
そうですね、なんで上手くいっているのかということを掘り下げられれば
別の地域だったらこういう形だったら応用可能かもしれないといったときに
どういう状態なのかということを明らかにしておければ
皆さんにちゃんと分かりやすく伝わる部分があるんじゃないかなというのが
一つコンセプトとしてあるかなと思います
なんで上手くいっているのかというのはあまり考えないというか
なんで失敗したのかは追求するけどなんで上手くいっているのかというのは
あまり追求しないところがありますよね
確かになんで上手くいっているのかというのは実際のところは分からないですよ
失敗した方の方がアプローチはすごくしやすいです
実際のところはそうですね
今日はミキさん昨日から来てもらっているんですけれども
白川町の有機農業グループのほうで
お米作りについて改めてもっと勉強したいということで
今年1年間ミキさんに来てもらって教えてもらうという中で
06:00
昨日はすごい学びがたくさんあったんですけれども
今日は有機栽培のお米の話をですね
農家じゃなくても聞いて分かるような感じで
お話ししていただきたいなと思っています
よろしくお願いします
気をつけなきゃいけないんですけど
ついつい甘えで専門用語を使いたがるというのがあるので
僕がもしこれはというのがあったら解説させてもらいます
種まきから収穫まで
観光栽培と有機栽培で割と特徴的に違うようなところを
まず明らかにしていこうと思っています
観光という言葉自体が結構分からないかもしれない
観光栽培というのは一般的によくやる
化学肥料とか農薬を使った栽培ですね
そういったのを使わない有機栽培との比較ということで
そうですねありがとうございます
まず種まきなんですけれども
有機栽培だと一箱
苗箱というものを使ってその箱の中に種をまくわけなんですけど
有機栽培の方が種まきをする量が少ないのが割と一般的です
だいたい一箱あたりに乾燥した種もみを
40gから100gぐらい
このぐらいの間でまいている人が割と多いのかなと思います
それに対して一般的にやられている観光農法といってますけれども
そちらはだいたい一箱あたりに150gぐらい
最近は高密度波種という
密材とかありますね
そういうのはありますけど今はそれだと300gというような形で
3倍ぐらい
そうですね
どちらも良さがあります
例えば有機栽培の場合
一箱あたりに種もみまく量が少ないので
大きな苗に仕立てることができます
観光栽培の苗はたくさん種をまいてしまうので
苗は小さくなってしまうんですけども
早いうちに田植えができる
もう一つは種をたくさんまくので
まく種の箱の量が少なくできる
そうすると管理が集約できて
観光栽培は非常に経営的に経済的にコンパクトにできる
育養箱を置いておくスペースは圧倒的に狭くて
そうですね
有機の場合は箸量が少なくなる分
作る箱数を増やさないといけないというのがあるので
どちらも良い面と悪い面とあるのかなと思います
次に育苗期間なんですけども
先ほど申し上げた通り
有機栽培の場合は種をまく量が少ないので
大きな苗を作ることができます
大きな苗を作るということになると
それなりの日数が必要になります
そうすると30日から50日ぐらい
このぐらいの期間を苗に
期間を当てることになります
一般的な観光栽培なんですけど
だいたい種をまいてから20日から25日ぐらいで
09:03
もう田植えができる大きさになります
ということで
これは有機栽培の方がデメリットが出てくるかな
というところで
長いですもんね
そうですね
どうしても寒水管理だったり
ハウスの開け閉めというので温度管理をするんですけど
その日数が増えるという
人によっては煩わしさにつながるかなとは思います
すべては大きな苗を作るというのが
序盤の目的だと思うんですけど
そうですね
なんで大きな苗がいいのかという点を
ちょっとお話しして
有機より先に観光の苗の方から話をしますけど
20日から25日間の育病だと
だいたい本場の葉っぱの枚数が2枚から2枚半ぐらい
高さは何センチぐらいですか
高さがその葉の枚数なんですけど
12センチとか13センチぐらい
長くても15センチぐらいの苗になります
それを植えていくわけですけども
有機栽培の苗は30日から50日間の育病期間の間に
だいたい本場が3枚半から5枚ぐらい出てきます
ですけど苗の高さは15センチから18センチぐらいということで
少し観光の苗より大きいということになります
葉数が違うけれども
まず葉っぱの枚数は違いますね
背丈が倍とかそこまではいかないのですか
そうですね
観光栽培の場合は種をたくさん蒔くので
お互い競い合って伸びていくと
徒長状態でもあるということですね
そうですね
それによって田植えに指摘した苗の大きさにして
田んぼの場合は苗を植えたら水を貯めていくわけなんですけど
葉っぱの枚数が少ないと苗が短い
これだと苗が水没してしまうので
あえてたくさん蒔きながらも苗が伸びるようにして
植えているという側面がある
狙いでもあるわけですね
そうですね
有機栽培の場合もそれなりの今言った大きさの苗を作るんですけど
葉っぱの枚数が大きいというのは特徴なんですよね
多いのが特徴だと
葉っぱの枚数が多いと
葉っぱごとに専用の根っこがあるので
枚数が増えれば増えるほど根の数が増える
なるほど
根の数が増えると活着って言って
植えた後の根付きが良くなりやすいと
根付きが良くなることによって
この後有機栽培では除草剤を使わないので
雑草と競争しなきゃいけないんですけど
まず競争に有利に働くという側面が一つあります
もう一つは
稲を植えた後に結構害虫が付いてきたりするんですけど
これに関しても根が早く張ることによって
被害が軽くなるということが知られています
やっぱりあんまり若い苗だと活着にも時間がかかるんですか
12:02
そうですね
若すぎると
そもそも田植え機に乗らない場合があります
根絡みが十分絡んでいないと
田植え機に乗せるときに箱から崩れてしまうので
絡むぐらいの若苗だったら
頑張れるんじゃないかなと思います
すみませんちょっと途中で逸れてしまいましたけど
今種まきと育苗の話があって
苗ができていよいよ次は田植えですね
田植えなんですけど
観光栽培の場合は大体5月のゴールデンウィーク田植えというのは
割と一般的ですよね
有機栽培の場合は割と6月とか5月の下旬ぐらい
このぐらいに田植えするのが
この辺の地域だと割と多いんじゃないかなと思います
ちなみにここは標高が700メートルあって
割とまだ結構寒い
今もまだ全然寒いんですけども
標高700メートルって言うと
大体普通の平場って
標高の低いところよりも温度的に言うと
そうですね
100メートル上がると一般的には
0.6度下がるって言われているので
マイナス4度か5度ぐらい
そうかもしれないですね
低いということですね
大体標高そのぐらいになってくると
5月の連休明けというか
5月の中旬ぐらいまでは霜が降りる
ありますね
というところがあるので
平場と比べるとやっぱり
春の気温は厳しいものがあるかなと思いますね
そうですね
大体田植えの時期はゴールデンウィーク明けぐらいから
観光の方が始まるんですけども
僕ら言う木栽培は6月上旬
そうですよね
だいぶ田植えの日にちに開きがあるかなとは思います
焦るんですよね
ですよね
もう植えてるな
でもここで焦ると失敗しちゃうんですね
そうですね
化学肥料が普及する前の稲作っていうのは
やはり有機栽培と同じように
田植えが遅かったんですよね
じゃあ昔は田植えの時期っていうのは
全然遅かった
遅かったですね
なんで逆にどんどん前進化してくるんですか
一つはやはり化学肥料が普及したから
ということになります
そもそもあまり寒すぎると
稲ってもともとは熱帯の植物で
こっちに来てちょっと温帯の植物に改良されてる
っていうのはあると思うんですけど
あったかい方はやっぱり好きなんです
なんで寒いとなかなか田植えしても
苗が大きくなってこないということだったんですけど
化学肥料はすごいものでして
温度が低くてもちゃんと養分が効いてくると
これが一つ大きな
昨日の講座でもありましたけども
有機肥料は温度が上がってこないと
15:02
なかなか効果が出てこない
化学肥料はもうそこら辺は関係ない
そうですね
そこら辺がある程度有機とだいぶ違うところですね
田植えが早いっていうことなんですけど
化学肥料の場合は田植えを早くするわけなんですが
早くすることによって
稲の花が咲くまでの間を
ゆっくりと時間をとることができます
例えば5月のゴールデンウィークに植えると
花が咲くのが7月の下旬くらいになると思います
そうすると6月、7月
だから80日くらいですね
ところが6月に植える有機栽培になると
たぶん70日くらいで花が咲いてくるようになります
なので今の例のように
田植え時期が早くなれば早くなるほど
花が咲くまでの時間が長くなるという
こういう稲の特徴があります
長くなると何がいいかというと
昔戦後日本が戦争に負けた時に
食料増産しなきゃという話があったわけですけど
食料増産には非常に都合が良かったということですね
長いと体力がいっぱいついて
花の数が実際に増えるということなんですか
そうですね、稲の成長過程には
生育の初期段階で茎を増やす分月期というのがありまして
茎がある程度増えてくると
今度は花の元を作る養水形成期というのがあって
専門用語が出てきました
今度は花がどんどん発達してくると
ほばらみ期といって
お腹が大きくなるような
最終的には穂が上の方に出てきて
花が咲くということになるんですけど
その後は花が咲いた後は結実していって
どんどん米が膨らんで固くなって
完熟というか収穫時期を迎えて
稲刈りということになります
分月期なんですけど
田植えを早くすることによって
分月する期間が長く取れます
そうすると日数がある分
安定的に茎の本数を取ることができるので
穂がたくさん取れることによって
収量を多くすることができます
分月期間を長くするというのが
田植えをする一番の目的
早く収穫したいとかそういうことではないですね
むしろ収穫量をたくさん取るために
田植え時期はどんどん前進していった
という歴史があるかなと思います
それに比べて有機栽培の場合は
先ほどおっしゃられた通り
温度が上がってこないと
養分が効いてこないということになります
18:00
効かない理由としては有機肥料というのは
化学肥料と違って
微生物の分解作用を得てから
養分に変わっていくということがあるので
生き物は頑張れる温度じゃないと
なかなか絞り出てこないという問題があります
そういったこともありまして
有機肥料を効かせるとか
あるいは土の養分を上手に吸ってもらうとか
というふうに考えると
暖かい時期の田植えというのが理想的になりますので
結果的には6月近くの田植えというのが
有機栽培では安定するのかなと思います
そうするとここで大体田植えが何日ずれるのかな
1ヶ月近くずれる
そうですね1ヶ月近くですね
その次は田植え後では
田植え終わったら今度は中干しというのがありますね
そうですね中干し
観光栽培ですと
分月といって茎が増える期間の時に
必要な茎の本数が取れたら
田んぼの水を抜いて
土を固めるというようなそういった作業をします
これを中干しというような言い方をします
僕が勉強した中では中干しは
分月を止めるためだという
そうですね
中干しをすることによって止まるんですか
タイミング的にたまたま一緒なだけなのか
まず中干しをして
土が乾燥してきてひび割れてくると
今まで田んぼの中には
土の中には空気が
水を溜めているので遮断されているわけです
空気がなかなか入っていかない
ですが地割れを起こすと
土の中に空気が通るようになります
土の中の養分がより分解しやすくなって
いわゆる
稲がたくさん使う養分の窒素があるのですが
それが待機のガスになって
逃げていくので
今まで茎を使うために
使っていた養分を一回捨てるような
そういうことになるので
生育コントロールになるということと
あとは
土をひび割れさせるので
根を少し痛めます
それでイメージがいじめられるというのもあるので
いろんな側面で生育をある程度止めるという形になります
止める必要があるのです
化学肥料を使う場合は
それなりの量を入れているので
死にもよるのですが
茎の本数を取りすぎるとちょっとまずいわけです
茎の本数がたくさん取れるということは
葉っぱの枚数も増えるということになります
葉っぱがそれぞれお互い影を作ってしまうと
21:00
受光体制、光を受ける体制が悪くなってしまうので
病気の原因になったりとか
漏れちゃう
あとは結果的にはたくさん穂が付いていても
交互種をきちんと
葉っぱが影で邪魔しちゃっていると
お米にきちんと交互性した産物が
お米に回らなくなってしまうので
凍熟具合というかもみの粒の張りが悪くなったり
そういったことが起こります
パンパンなもみにならない
それになる前にこれ以上暴走しないでね
というので止まってください
観光栽培の場合は逆に中募集しないというのはありえない
観光栽培の中でも
例えば砂っけが非常に多いような土壌だと
化学肥料も結構抜けてしまうので
そういうところだったらそういうことをしなくても
適正な生育量になる可能性があるんですけど
一般的には適正な生育量よりも大きくなってしまう
可能性があるので
その前にブレーキをかけるということで中募集をします
それに対して有機栽培の方は
有機栽培の場合は
中募集をする人もいますししない方もいます
そこは前はしていなくて
でもそういった成長スピードコントロールというよりは
単純に後で機械が入れないので
一回そこでバリッと乾かして
機械が入りやすいように
というので最近中募集はやっているんですけど
そのぐらいな感じなんですかね
有機栽培の中募集
中募集もいろいろ機能があるんですけど
一応観光栽培の場合大体田植えしてから30日ぐらいが
中募集時期と言われています
有機の場合は田植えしてから40日ぐらい
観光は化学肥料がしっかり溶出してくるので
かなりスピードを
小気味よく成長してきますけど
有機栽培の場合は
温度の上昇に伴って生育量が増えてくるので
ゆっくりじっくり育つというのが特徴です
なので中募集時期もゆっくりじっくりな分
30日後だとまだ成長量が十分でないので
40日ぐらいちゃんと生育量が取れてから
落とすという考え方ですね
話が逸れたんですけど
中募集をする理由は
観光も有機も共通で言えることが
一つは
先ほど言っておられた通り
稲刈りする時に機械がちゃんと入るように
地固めをしておくというのが一つ重要な点です
ドロドロだと本当に大変ですよね
作業効率も悪くなりますし
もしかしたら石がお米の中に混ざったりとか
いろいろな悪いことが起こるわけなんですね
もう一つは中募集は成長を止めるというのもあるんですけど
土壌中に酸素を供給するという側面があるので
24:03
根の張りがよくなる側面が一つあります
あともう一つは
土壌中に
前年に漬け込んだ稲藁みたいな有機物が
土の中に残っているんですけど
これをずっと夏場の暑い時期まで
淡水していると
そこから温室効果ガスが結構出てくるということが知られています
ところが
田んぼに空気を加えてあげると
その温室効果ガス
特にメタンガスと言われるものは
ほぼほぼ出なくなります
メタンガスですね
あれが淡水状態で高温状態で
温室効果ガスがあると結構出ます
兼機性発酵的なもので出てきちゃうということですね
そうですね
環境にも良いわけですよね
iPhoneだったか
どこかのアンケートがあるんですけど
そのアンケート結果で
中干しをすると
温室効果ガスが削減できることを知っていますか
僕も恥ずかしい話ですが
そういえばそんな話あったなと思いました
そういった側面もあるんですね
そうですね
その他にも色々な多面的な機能があります
ただ中干しにデメリットもありまして
例えば観光栽培の場合
田植えから30日で中干しをすると言っていますけど
その頃例えば生き物ですね
オタマジャクシがいたり
トンボの幼虫のヤゴが水中にいるわけですけど
まだ生虫になりきれていない
まだ水で生活しなければいけない時に
水がなくなってしまうと
生き物たちの生活の場が奪われてしまって
生態器に影響を与えるというような
負の側面もあるかなと思います
雪栽培の場合は
そこがたまたま40日とか
遅い分
田植えも遅いし
中干しまでの日数もあるから
トンボになって
カエルになって出ていっている時なので
生き物に与える影響は小さくなるかなと思います
そういう側面もあるんですね
特に有機農業の特徴は
生物の保全をするという
そういう側面も高いのは
今の水管理にも
現れているのかなと思います
じゃあこれで
中干しまで来て
27:00
その次となる
今度は花ですね
一般的な栽培は
7月下旬から8月上旬に出るかなと
お米の花って
結構見たことない人多いと思うんですけど
1日だけ咲くんですよね
モミからトロトロと
おしべが出て
花という感じの花ではないんですけど
やっぱりあれは花が咲いて
種ですもんね
水開花とか
田んぼをあまり
見たことある人でも花は
意識したことはないと思いますよね
そのタイミングがすごい大事
そうですねタイミング大事ですね
話はそれですけど自分の先輩が
お米の研究をしている先輩なんですけど
稲花粉なんですよ
育種やっているときは
花が咲いているときによく調査をするんですけど
くしゃみをしながら調査をしている
これも余談なんですけど
僕の娘の名前は
ほがさく
さくほでさほって言うんですけど
稲穂をイメージしていて
かわいらしい名前ですね
花が咲く時期は非常に重要で
観光栽培
一般的な栽培は
多収穫をするために田植えが前進してきた
という経緯があって
近年皆さんもよく聞くと思うんですけど
地球の温暖化が可能性として
結構言われています
実際に稲作においても
花が咲く時期に
いつもの年よりも温度が高い例がかなり出てきています
例えば
お米の産地として有名な新潟県だったり
北陸産県
それが10年くらい前までは
安定的に一頭毎
収穫したときの等級が
等級が品質によって
その等級が高い
品質がいいというのが
北陸や新潟のお米の特徴だったんですね
それが10年よりも
最近年になってくると
温暖化の影響によって等級が下がると
一頭前ではなくて二頭前だとか
そういう話が結構出てきて
それを県の研究者だったり
研究者が調べてみると
どうも開花の時期の温度が高いということが
30:01
大きな影響をしていると
田植え時期が遅くしましょうという指導が
かなりされるようになってきています
観光も
開花時期の方を重視して
量を取れても
質が下がってしまうと
売り値が変わってしまうというのがあるので
有機の場合は
そもそも田植えが遅いというのがあるので
8月の上旬から中旬くらいになってきます
だいたいお盆を過ぎると
温度って徐々に下がってくるので
花が咲いた後に急激に暑くなるというのは
一般的な観光栽培と比べるとリスクは少ないかなと
思います
高温で凍熟すると
あるいは
稲の活力が下がってくると
お米が琥珀色の
透き通ったきれいなお米になるんですけど
温度が高くなってしまうと
白く濁ってしまったり
粒が小さくなってしまったり
あるいはお米の食味に影響を与える
食味が下がるとか
外観や食味に影響を与えるということが知られています
そのため今現在では観光栽培でも
高温に強いような品種を
改良した品種を入れたり
田植え時期を遅くしましょうとか
あるいは夏場の暑い時には日中に冷たい水をかけて
暑さをいらわせましょうとか
そういうような対応が結構されているかなと思います
これで出水も終わって
いよいよ収穫ですね
観光栽培は
9月の中旬には稲刈りになります
有機栽培の場合はだいたい9月下旬ぐらいが
稲刈りになるんじゃないかなと思います
観光栽培はちゃんと生育量をたくさん取れるので
だいたい岐阜県の白川だと
聞いている話では
1,400メートルあたりのお米の収穫量が
だいたい480キロぐらいだと聞いています
いわゆる8ピョ
お米だわらなんですね
60キロも入っているんですね
どうでもいい話しますけど
自分は米だわらを作れるんですよ
わらなって作るってことですね
すごいですね
神社に奉納するようなたわらを
なぜか作るスキルを持っています
60キロ入っても持てるもんですか
きついですよ
持てないことはないですけど
肩に乗せて首と腕で挟んで
運搬すると100メートルぐらい歩いて
33:01
下ろす時には首の筋が張ってしまって
翌日下手すると熱が出るみたいな
いまだに農家は一旦あたり
お前のところ米どんだけ取れたって言ったら
うち5ピョとかそれで通じるけど
いまだに60キロ単位の売り方も
詰め方も農家しなくなったのに
いまだに6ピョとか5ピョとか言いますよね
それってすごく面白い
通じますからね
すごいなと思う
観光が8ピョ
有機は大体
観光栽培の60%から80%ぐらい
大体そういう数字が多いかなと思います
ただ有機栽培の場合は
米の収穫量は結構
上手な方は安定してるんですけど
不安定な方も中にはいらっしゃって
その一つの原因というのが
例えば土作りにあったりとか
もう一つの原因としては
除草剤を使わないという有機栽培の特徴があるので
それによって雑草との競争で
収穫量がなかなか上がってこないと
結構そこが一番有機栽培で大変なところ
そうですね
除草剤1回しようとかいうのは多いですよね
あれだけでもかなり楽だと思いますよね
大体観光栽培除草剤
パパッとまいてしまうと
大体先ほど言った10Rという単位なんですけど
1時間台ぐらいで
大体1年の雑草防除
雑草抑えるというのは終わってしまうんですよね
有機栽培の場合は大体
統計値で出てるやつだと
10Rあたりに10時間
統計には載ってないですけど
色々な人の話を聞いていると20時間とか
僕も生えちゃったら結構生えるんで
それぐらいになってるかもしれないな
ここで研究を出すのもどうかと思うんですけど
50時間を体験したこともありますので
50時間ってすごいですね
気の遠くなる作業です
勝ちたくないけど
観光栽培というのは結構システマチックで
肥料で生育をコントロールしたりとか
除草剤を使うことによって
雑草との競争力を優位に進めるということで
時間もかからない
だから面積をたくさんすることができる
多くの人たちに食料をたくさん届ける
やはりそういう優位性があるというか
ありますね
絶対間違いないですからね
有機の場合はお米の収穫量が少なめだという特徴があるので
しかも除草に時間がかかる
36:00
そうするとなかなか観光栽培のように
たくさんの面積をやるというのがなかなか難しい
そういう側面がありますね
量的には6割から8割ということで
人によっては半分くらいとか
もっと3分の1くらいとか
技術が上がってくれば
かなり観光栽培に近いくらいの量を取ることも可能
そうですね
僕は長野県の松本市で
試験場に勤めているんですけど
観光栽培と全く同じくらいの収量を取るときもあれば
8割くらいになるというようなときもあります
平均すると観光の大体9割くらいという形ですね
9割だったらいいですね
それでお米の価格が
観光の場合はキロ200円くらい
200円切っているかなと思うんですけど
うちは100円で売っているので
僕は600円で10円で売っています
結構雪の相場って
そうですね
そのくらいですね
僕の場合は量も少なくて
それくらい欲しいなというのがあるんですけど
もし
9割とは言わないけど
8割くらい取れたら
結構うまくいったなという感じだと
僕は国の
有機農業プロジェクトみたいな研究に
混ざったことがあるんですけど
そのときの一つの出口としては
10割あたりのお米の収量7票ですね
420キロこれを一つ目標にして
あとこれこそまたややこしい話なんですけど
1票あたりの生産コスト
60キロあたりの生産コストを
観光栽培の1.2倍から1.3倍くらいのコストで
抑えられるようになれば経営的には
安定すると
そういう出口のもとやったということがありますね
一つそれが目安になるかなと経営的な
安定化には目安になるかなと思います
だんだんディープな方向に
だいたいこれで
収穫まで
いってきましたね
米作りについて一通りお話ができましたけど
あと
除草の話も聞いたし
こうやって
田植えってだいたい1年
1年の種まきが
4月から10月まで
だいたい半年間くらいですけど
それについて残りの期間は
何をやっているかというかですね
他の期間というのはほったらかしなような感じなのか
39:04
それともその期間が大事という話もあったので
そこら辺について少しお話を
ありがとうございます
観光栽培の方から話をしますけど
観光栽培って非常によくできていまして
栽培御読みというものが
例えば農協の方からもらえることになっているんですね
御読みっていい言葉
そうですね
だいたい種まきから始まって
土作りとして堆肥を入れたりとか肥料を入れたりとか
あとは田んぼにするために
白柿というような作業をしたりとか
その時にどんな薬剤を使うとか
どんな肥料を使うとかというのが
大体旬で書いてあるんですよね
目標とするような
収穫量を得られるということで
非常に標準化されている
これが観光栽培の特徴です
ところが稲刈りが終わった後の御読みの記載って
あんまり載っていないんですよね
春まで御読みには記載がないので
そうなるとそれを見た人たちは
同じように冬場の間は
特に気にされる方は多くないんだろうな
そういう気がしています
ところが有機栽培の場合は
稲を作っていない期間の方が結構重要だったりしている
というのが自分の研究を通じて感じているところです
作っていない期間の方が大事なんですね
例えば観光栽培の場合は
雑草に対して除草剤というような
強力なツールがあります
田んぼから田の草を取ることを開放したということでは
これは革命的な技術です
これはすごい技術なんですけど
一部の編隊が除草剤がなくても頑張るよ
という人たちがいまして
でも除草剤が出る前は
草と上手にどう付き合うか
ということを結構やっていて
向き合っていたんだろうなと思います
その中でいろいろと研究して分かってきたことは
稲が元気に育つためには
やっぱり元気な苗と
稲が元気に育つための土ができている
というのが大事です
先ほど除草剤は直接的に雑草を抑える
という話なんですけど
実は土作りをしているということは
稲が元気になることを同時にやるということが
土作りの重要なポイントです
なので出る前に何ができるか
そうすると稲刈りをしてから
田植えまでの間に
雑草は大人しくしていてくださいよ
42:00
稲が元気になるようにさせてくださいよ
こういうことを冬の間に仕掛けをつくって
やるということなんですよね
田植えをするときに何かしても間に合わない
そうですね
たまたま適当なことが起こって
草も出ないということもあると思うんですけど
意識したように草が大人しくなる
ということもあります
ということは全く意識しないで草が喜ぶような
冬の間に草が生き残って喜ぶような管理を
たまたましてしまうと
出してから出てきた雑草は残念なことに
配線処理だと
配線処理よくやってますね
本当に辛い
自分も何度も体験しているので
稲刈りが終わった後で
そこをしっかりやっておくことで
翌年すごく楽ができる
具体的な数字を言いますと
分月期って最初に話をしましたけど
分月が終わる頃
この頃に雑草をほったらかしにした場所で
稲を育てたというのを作っておくんですね
僕は研究機械で働いているので
稲が元気になるかなという処理と
稲が元気がなくなるかなという処理を
作って田んぼの中で実験をするわけです
そうすると今いった時期に
稲の重量は95%
雑草の重量は5%ぐらい
悪くなる処理をすると
雑草が80%で稲が20%ぐらいになっちゃう
なので田植え前までの管理で
稲の元気さと雑草の元気さが
ガラッと変わるので
ほぼ田植えまでの管理で
雑草の元気さと稲の元気さが
ガラッと変わるのでほぼ田植えまでに
勝負がついている
雑草との競争でのある程度勝負がついている
じゃあ米作りは田植えがスタートじゃなくて
田植えがゴール
スタートは秋ですね
秋からスタートして田植えがゴールで
その後は極力草が見ないで済むような状況に
極力人間側が働きかける
極力人間側が働きかける
面白いですね
田んぼってすごい工夫の違いもあって
僕は野菜がメインなんですけど
田んぼってすごい面白いなと思って
いろいろ分からないけど
なんとなくでやってたんですけど
こういう意味があったのを知ってやると
すごく面白いし
今年は頑張ってたくさん撮りたいなと
僕も最初は畑のほうだったんですよね
僕も最初は畑のほうだったんですよね
45:00
畑が楽しくて楽しくてやっていたんですけど
就職してから4年目くらいになった時に
転勤して稲やってくれっていう話になって
その時にはものすごいショックだったんですよ
そうなんですか
文外観で稲ですかっていう
何だろうっていう感じだったんですけど
でも5年やっていったら
稲の情報量は圧倒的に多いので
いろいろと頭の中整理していくと
こういうことがこういうことかっていうのが
結構見えてきまして
一つの作物を深掘りしたっていうことが
結果的には自分にとっては非常に面白く
興味深く仕事することができて
感じでやっています
栽培も大事だけど土作りとか
前の段階が
苗作りとか
大事なんですね
面白かったです
ちょっと難しいところもありましたけど
雪栽培のお米作りについて
今日はですね
自然農法センターの三木隆明さんに
お話ししてもらいました
もしこれ聞いて
興味がある人がいたら
またお話しに行ったりするようなことは
可能なんですか
もし今の話をですね
資料を見せてもらいながら聞くと
圧倒されるぐらいの情報量ですけど
めちゃくちゃ面白いので
有機農業やっているグループで興味ある人は
自然農法研究センターの三木さんを
ぜひ全国いろんなところに呼んで
一緒にお米作りやりましょう
ということで今日はどうもありがとうございました
いかがでしたでしょうか
面白かったですね
得した気分ですね
この後もいろいろ話をしたんですけど
すごい濃い時間を過ごせて本当に楽しかったです
白川町のお米作りはですね
今日3月20日ですけども
今日の午前中は種もみの塩水洗と
温湯消毒といってですね
種の表面にいる病気とかを
殺菌したりするようなのをやりました
今年のお米作りスタートなんですよ
三木さんの言い方だと
食べがゴールなんで
48:01
ちょっと違いますけども
始まったんですねこれで
なんで今年はですね三木さんにまた
講座何回か来てもらって
たくさんお米採れるように
頑張りたいな
今年なんとなくちょっとやってるところがあったんで
今年はしっかり基礎から
やり直してですね
なんでこれをやるのかっていうのを理解しながら
作業するっていうのはすごい大事だと思うんで
そこらへんを意識しながら
いっぱい取りたいですね
そして美味しいお米を
いつもの作り方と
あのポイント変えようっていうのが
既にたくさんあるんですよ
このモチベーションを保ったまま
半年間ぐらいですけども
いい米作りをしたいと思います
いやー本当に楽しいインタビューでした
三木さん今日はどうもありがとうございました
それでは
庄野ラジオこれで今回終わりたいと思います
それではへばなす
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