子どもの頃、なぜか見つけると拾いたくなった「どんぐり」。でも、そもそもどんぐりとは何なのか。なぜ秋になると大量に現れるのか。そして、あれほどたくさん落ちているのに、森はどんぐりの木だらけにならないのか。
今回は、実際にどんぐりを食べたり、コナラを育てたりした体験を入口に、クマやネズミ、シギゾウムシ、病原菌との関係、タンニンによる防御、光をめぐる植物同士の競争まで深掘りします。
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【参考文献】
「どんぐりの生物学 ブナ科植物の多様性と適応戦略」原 正利
「大学生のための生態学入門」原登志彦
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感想
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サマリー
今回はドングリの正体や成長、森の中で生き残る仕組みを掘り下げる。ドングリはブナ科植物の果実で、春に花が咲いた後、夏の終わりから急速に成長する。栄養価が高いためクマやイノシシ、サルなどに食べられ、菌や虫にも害される一方、硬い殻やタンニンで防御している。シギゾウムシがクヌギやクリ、コナラなど特定のドングリを食べるよう分化した可能性にも触れる。実際に食べた体験やコナラを育てた経験を通して、光をめぐる植物同士の競争や、ドングリの豊凶とクマの出没の関係を考える。
ドングリとは何か、いつ実るのか
はい、今回も始まりました。草とか石とかのラジオ。このポッドキャストは、自然界で好きなもの、気になるものについて深掘っていく番組です。よろしくお願いします。
さて今回のテーマは、ドングリでございます。ドングリって聞くと、幼い頃誰もがドングリをたくさん拾って、ポケットの中をパンパンにしたっていう記憶があるんじゃないかなと思います。
これはどの世代でも共通で、最近自分の近所に住んでいる子供が道端でドングリを拾って遊んでいるのを見てですね、やっぱりドングリを見つけると拾い集めて遊ぶっていうのは人間の習性なのかなっていうことを思ったりしました。
で、なんで今回ドングリをテーマにしたかと言いますと、最近ニュースで人里にクマが降りてきているっていう話を聞くことが多いんですが、これが森のドングリと結構関わっているっていう話を聞いて興味を持ったからですね。
というのも森の中でドングリが凶作だとクマが町へ出没する数が多くなって、逆にドングリが豊作だと出没しなくなるっていうことみたいなんですよね。
最近は地球温暖化の影響によってドングリが豊作の年が多かった一方で、急にドングリが凶作になるとお腹を空かせたクマが森から人里に降りてくるっていうことがあるみたいなんですよね。
こういった話をニュースで聞きまして、そもそもこのドングリっていうのは一体どういうものだったのかっていうことが気になってきたので、今回ドングリについて改めて調べてみました。
そもそもドングリって何なのかっていうと、ドングリっていうのは学術用語ではないんですよね。
なので交互的な表現なんですが、ブナカの植物の果実をすべてひっくるめてドングリっていう風に表現されています。
なのでブナカの植物の、例えばドングリとちょっと形が違う栗とかもドングリの一種っていうことをですね、
あくまで種子ではなく果実なんですけど、ドングリの表面は硬く薄い皮が表面を覆っていて、中に種子を包んでいるっていう、そういう構造になっております。
こんなドングリをつけるためには果実なので花が必要なんですけれども、このドングリの花って皆さん見たことありますでしょうか。
メジャーなドングリのコナラとかクヌギで言いますと、4月から5月にかけて木の枝からヒモみたいなものが草状に垂れ下がっているのがわかるかなと思うんですけど、
それがそこに黄色と白の間みたいな色をした花があるんですが、その時期になるとその木全体がその花の色になんとなく染まっているので、
透明でもブナカの植物なんだなっていうことがわかりますね。
自分もこれが花だっていうこと昔は知らなくて、初めて知った時はすごい興味深いなと思ったんですけれども、
この花、風媒とか中媒で受粉するんですが、受粉した後に花の後にドングリができるってことですね。
なので、このドングリの先っぽの尖っている部分は花が落ちた後のおしべの後でして、あのような尖った形になっているってことですね。
ただ、ドングリって僕の印象だと秋頃になると急に現れて大量に森の中に転がっているっていうイメージがあるんですけれども、
ドングリって実は急激に成長するんですよね。
というのも春の4月5月頃に花は咲くんですけれども、しばらくは見た目上の変化はないんですが、
秋の8月下旬頃から急激にサイズが大きくなってドングリらしい形になるので、秋になると急にドングリが現れたっていう風に感じるんですね。
多様な形と大きさ
こんなドングリの形についてなんですけれども、日本におけるドングリっていろんな形のものがありまして、
例えば雑木梅市の主役のコナラっていう植物があるんですが、これはドングリの帽子が網目模様で可愛かったりとか、
クヌギとかはドングリの帽子の部分がトゲトゲしていて身が丸いとか結構いろんな形があるんですけれども、
大きさで言うと大体2センチくらいのものが多いんじゃないかなと思います。
でも世界の中にはドングリの大きさって結構違うものがあって、一般的にはあったかい南の方にあるドングリは大きくて、
北の方のドングリは小さいっていうそういう傾向があるという風に言われています。
一方で南の方、例えばボルネオ島とかで実っているドングリはですね、とてもサイズが大きいものが知られていまして、
今回台本の制作に使ったドングリの生物学という本の中に写真があって、それを今見ているんですけれども、
その中にクエルクスインシウニスっていう大きなドングリがあるんですけれども、
この写真ではですね、手のひらいっぱいぐらいのソフトボールぐらいの大きさのドングリが写真に映っていまして、
直径7センチくらいあるようなドングリは結構ボルネオ島ではたくさんあるみたいですね。
このようにドングリの形とか大きさっていうのは場所によっても非常に多様なのかなと思います。
食べられ、腐り、虫に害されるドングリ
こんなドングリですけど、僕は森の中でドングリを見ていて、
いつも疑問に思うことは、秋になるとドングリって森の中に大量に落ちていて、
これが一気に発芽していくと森の中がこのブナカの木で埋め尽くされていくんじゃないかっていうことを思ったりするんですよね。
これが疑問でちょっと改めて調べてみたんですけれども、
そもそもドングリって非常に高栄養、栄養豊富な木の実なんですよね。
なので風で飛んでいくような植物の種子に比べて10倍から1000倍の栄養価があるというふうに言われているんですけど、
このような栄養価が高いドングリであるため、
森の中に住んでいる野生動物のクマとかイノシシとかサルとかそういった生き物が餌として食べていくので、
たくさんあっても森の中の動物に食べられて減ってしまうということがまず挙げられます。
また食べられなくてもカビとかによって結構死んでしまうので、
森の中でちょっと目が出ているドングリを見かけることがあると思うんですけれども、
よくよく見ると先っぽが黒くなって枯れているのをよく見かけるんですよね。
なのでカビによっても結構死んでしまうし、いろんな虫にも食べられてしまったりもするので、
実際に発芽して植物として大きくなっていくものっていうのは数が少ないということですね。
今回調べていく中でちょっと面白いなと思ったのは、
ドングリを食べる虫っていうのはいろんな種類があるんですけれども、
例えばシンクイムシとかゾウムシとかいろいろあるんですが、
ゾウムシの中でシギゾウムシっていうものがドングリを食べるゾウムシのカテゴリーであるんですよね。
このシギゾウムシ類は種によって食害する植物種は限られていて、
なのでシギゾウムシ類の中でもクヌギシギゾウムシとかクリシギゾウムシとかコナラシギゾウムシ、シイシギゾウムシなどの名前があるんですけど、
それぞれクヌギ、クリ、コナラ、シイを食べるシギゾウムシという風に分化していまして、
本当に食べるドングリの種類によってその種類が変わっているんだなっていうのがわかりますね。
これはなぜかというと、このシギゾウムシのそれぞれの種類の生活サイクル、特に産卵の時期とドングリの季節的な成長過程が同調しているので、
結果的にその一つの種類のドングリを食べるように進化して細かい種類が分化していっているっていう、そういうことが仮説として言われているんですよね。
タンニンによる防御と食用体験
ちょっと話は脱線しましたけど、ドングリはたくさんあっても動物にも食べられるし、菌によっても腐るし、虫によっても食べられてしまうので、
結構ドングリはお亡くなりになってしまうんですけれども、ドングリもそれに対して何も防御していないわけじゃないんですよね。
例えばドングリの表面って硬いので物理的に防御はできて、簡単にどんな虫でもドングリを食べることができるわけでもないですし、
あとドングリって丹忍が多く含まれているのでめちゃくちゃ渋いんですよね。
実は今回ポッドキャストを制作する前に森の中でドングリを拾ってきて食べてみたんですけれども、
ちょっと歪いたもののめちゃくちゃ渋かったんですよね。
口の中にえぐみがわーって広がって残るような感じで結構きつかったんですけれども、
これはドングリの中に丹忍っていう渋い物質がたくさん入っているからですね。
この丹忍は動物の消化管の中で消化疎外を引き起こすので、時には致命的な障害を与えるということも知られているんですね。
なのでドングリを食べるネズミとかでも1日に食べられるドングリの数っていうのが限られているので、
ネズミとかにドングリを持って行ってもらうっていう意味では、
このネズミのエサとしての魅力は一定保ちつつ、食べられすぎないように丹忍を持って防御するっていうことも、
このドングリの防御対策としてあるのかなと思いました。
ちなみに今回食べてかなり渋かったっていう話をしたんですけれども、
このドングリって頑張って何回も煮詰めてアク抜きをしていくと食べられるので、
頑張ってさらにアク抜きをして食べたんですけれども、
食べた感じ栗みたいな食感と味がして、
栗よりは味は劣るけど美味しいっちゃ美味しかったですね。
なんかほのかに甘みがあるような感じもしました。
日本でも縄文時代とかはドングリは主食級の食料として食べられていたと言われているので、
ドングリは栄養価も高いし栗っぽい味もするし、悪くない食べ物だったのかなというふうに思いましたね。
コナラを育てて分かった成長の速さ
こんなドングリですけれども、一回自分で育ててみたいなと思いまして、
今年の春にコナラっていう種類のドングリを拾ってきて植木鉢に入れて育ててみたんですよね。
この植木鉢を日向に置いて、ちょっとした盆栽にしたいなという願望があって育てていたんですけれども、
ただやって分かったのが、成長スピードがめちゃくちゃ早くて、
気づいたら30センチぐらい伸びてるみたいな、そんな成長スピードで、
ずっとこのまま伸ばしておくのはまずいなと思って何回か剪定してみたんですけれども、
それでもどんどん大きくなっていくんですよね。
自分は盆栽ぐらいの小さい大きさにしたかったので、こんなにでかくなるとまずいなということを思ってですね、
あまりにも邪魔だったので、しばらく考えて捨ててしまったんですけれども、
光の競争とドングリの生存戦略
このコナラの成長スピードを見ていると、こんなにすくすく育っていくと、
日本中すぐにコナラだらけになるんじゃないかなっていうことをちょっと思ったんですよね。
この疑問を解消するために色々調べていて気づいたのは、
このコナラという植物は幼樹、明るい木と書いて幼樹なんですけれども、
なので強い光の中では急激に成長できるタイプの植物なんですよね。
一方で弱い光の中では生育が悪いタイプの植物なんですね。
なのでもうすでにある程度木が生い茂っている林とか森の中では光が弱いので、
高剛性の活性が不十分になるので次々と枯れていくっていうことみたいなんですね。
なのでいかにどんぐりがたくさんあってもコナラだらけにはならないっていうことですね。
このようにですね、どんぐりを作るブナ科の植物というのは、
自然界の天敵や他の凶暴する植物による光の取り合いとか、
いろんな絶妙なバランスの中で生存していて、
そのバランスが崩れるとどんぐりが少なくなって熊が人里に降りてきたりするっていうことなのかなと思います。
この熊対策とかについては今回あまり調べていないのでいい対策があるわけではないんですけれども、
子供の頃から何気なく集めていたどんぐりもよくよく考えてみるといろんな疑問が出てきたんですが、
調べていくといろんな辻褄というかが合うような気がしていまして、
子供の頃から気になっていたどんぐりの解像度が上がった気がして面白かったです。
以上、草とか石とかのラジオ、どんぐりについてでした。
お聞きいただきありがとうございます。
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