目撃した事故と内面の葛藤
私、中卒やからね。 仕事をもらわらへんのやと書いた女の子の手紙の文字は
尖りながら震えている。 ガキのくせにと頬を打たれ、少年たちの目が年をとる。
悔しさを握りしめ過ぎた拳の中、爪が突き刺さる。 私、本当は目撃したんです。
昨日、電車の駅階段で転がり落ちた子供と 突き飛ばした女の嘘笑い。
私は驚いてしまって、助けもせず叫びもしなかった。 ただ怖くて逃げました。
私の敵は私です。