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#17 教科書をAIに入れていいの? 出版社3社に聞いた先生の話
2026-07-28 17:20

#17 教科書をAIに入れていいの? 出版社3社に聞いた先生の話

先生なら一度は気になったことがあるはずです。「教科書の本文をAIに読み込ませるのは、著作権的にどうなの?」ただスライドを作りたいだけなのに、そこで手が止まってしまう。

この疑問を、ある小学校の先生が教科書会社3社に直接ぶつけました。教材研究のために本文を入れていいか、そこからスライドを作っていいか、それを自分のクラスの授業で使っていいか。3社とも驚くほど丁寧な回答をくれましたが、中身は少しずつ違っていたのです。

今回のエピソードでは、3社の回答に共通していた条件を整理し、なぜ同じ質問に違う答えが返ってきたのかを解き明かします。鍵になるのは、教科書という本が持つ少し特殊な事情と、名前は聞いたことのある著作権法第35条です。明日から迷わない判断の軸が手に入ります。

生徒から「自分の教科書を全部スキャンして、AIに入れていいですか」と聞かれたら、どう答えますか。

教科書 / 著作権 / 生成AI / NotebookLM / 著作権法第35条 / 学習オフ / 教材研究

🔗 番組内で紹介したリンク
教科書会社3社に問い合わせた川合智宏先生のX投稿:https://x.com/rohimotoiwaka/article/2073208831128269229

🎙 パーソナリティ
福原将之(AI教育コンサルタント。明治図書よりAI教育の関連書3冊を出版。全国の学校・教育委員会で研修・コンサルティングを実施。守谷市「生成AI活用推進プロジェクト」外部アドバイザー)
あきお先生(中高一貫校の現職教員)

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#AI教育 #先生のためのAIラジオ

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サマリー

本エピソードでは、小学校教師が教科書会社3社に教科書の本文をAIに入力して良いか問い合わせた結果を解説します。AI利用の可否は、学習オフ設定、必要な範囲のみの利用、非公開を条件に、多くのケースで可能であることが明らかになりました。特に、著作権法第35条が生成AIへの入力にも適用されるという文化庁の見解が鍵となります。生徒が個人的に教科書をスキャンしてAIに入力することは、私的複製の観点から認められる場合があることも説明されています。

教科書とAI利用に関する疑問提起
あきお先生、教科書の本文をAIに入れていいのか、 気になったことのある先生、多いと思うんです。
今日は、この疑問を教科書会社3社に直接ぶつけた、 ある小学校の先生の話をします。
実はこの投稿、あきお先生が私にチャットで教えてくれたんですよね。 そうなんですよね。
あれ、なんで気になったんですか? ノートブックLMに教科書を入れても大丈夫っていう話をどこか、エピソードXかな、ちょっと忘れちゃったんですが、
してたじゃないですか。確かにそうなのかなと思ってて、たまたまエピソードXを見てた時に、ある先生が教科書会社にいいんですかって実際聞いてたんですよね。
その回答の結果がエピソードXに投稿されていて、非常に興味が湧いたからです。
ありがとうございます。ということで、今日のテーマはもうそのままですね。 教科書をAIに入れていいの?出版社3社に聞いた先生の話という形で、今回の番組を聞きますと、
教科書とAIの付き合い方で何がOKで何がダメなのか、明日から迷わない判断の軸が手に入ります。
先に一つお断りがあります。私たちは法律の専門家ではありません。
今日はAI教育の実務家として公開されている情報と文化庁の資料をもとに、先生方がどう考えればいいのかの見取り図をお話しさせていただきます。
はい、ということでよろしくお願いします。
小学校教師による教科書会社への問い合わせ
先生のためのAIラジオ
AI教育コンサルタントの福原雅之と現役高校教師あきおです。
AI教育の専門家と現場に毎日授業をしている先生が、学校のAI活用を本音で話す番組です。どうぞよろしくお願いします。
SNSで投稿されたのは河合智宏先生という現役の小学校の先生です。
そうなんですよ。ただねこの先生ねアプリを作る達人で、結構いろんなアプリを公開してて、で僕ほらアプリシミュレーター作るの最近趣味じゃないですか。
その先生ちょっと非常に注目しててたまたま見ちゃったんですよね。
そういういきさつだったんですね。
番組概要欄には河合先生のXのリンクを貼っておきますので、ぜひですね確認していただければと思います。
今日はですね、河合先生のことの教科書会社の投稿についてを私の言葉で紹介しながら進めていきたいと思います。
河合先生が何をしたのかというと、自分が授業で使っている教科書の発行会社3社、東京書籍さん、三村図書さん、教育出版さんに同じ文面の問い合わせメールを送ったんです。
聞いたことは主に3つ。入れる、作る、使う、この3つについてです。
1つ目、教材研究のために教科書の本文をAIに入れていいんですか。
ここ一番大事なところね。
ここで質問の仕方がすごい上手いなと思うのは、入れる前提として文章だけって言ってるんですね。
というのはイラストや写真を含めると権限がすごく難しくなるので、多くの先生が興味があるAIに入れていいものとして文章というふうに限定をしているという点になります。
そしてもう一つ前提がありまして、入れるAIは入力を学習しない設定、いわゆるオプトアウト。
番組でも何回か取り上げてますけれども、それを前提にしてますよという部分になってきています。
これが1つ目ですね。
2つ目の質問ですね。
2つ目、その結果をもとに授業で子どもたちに見せるスライドを作ってもいいですか。
これも本当に実務的というか、先生たちが普段使っている使い方そのものだと思います。
3つ目が、そのスライドを自分のクラスの授業で使っていいですか。
漠然とAI使ってもいいですかと聞かれても、聞かれた側も困っちゃうんですけれども、川橋先生みたいに明確に質問を期して、はいいいえで答えられるような形にしたのは、本当に教科書会社さんのことを考えての質問の仕方で非常に上手い形だなと思いました。
だからこそサンシャットも答えてくれたんじゃないかなと。
それが非常に面白かったです。
教科書会社3社の回答と共通条件
実際ね、聞かないじゃないですか。
そうです。なかなか気になっても。
でもちゃんと聞いたのねえらいなってすごいなって思っちゃいました。
それをXでシェアしていただいたのも非常に私たちからしてもありがたい助かるっていう。
素晴らしい試みだと思います。
そして結果の方なんですけれども。
そうなんですよ。
教科書会社から驚くほど丁寧で誠実な回答が届いたんですが、
そうなんですよね。
その中身が実は少しずつ違っていたという形で、今日はそういった話もしていきたいかなと思います。
回答の中身に入る前にあきお先生に聞いておきたいんですけれども、
教科書の本文をAIに入れるのってやったことありますか?
どんな使い方されてます?
変なずれたスライド作りたくないんで、やっぱり教科書の内容をベースにスライド作りたかったんです。
なんで教科書を入れました。
なるほど。
でもね全部一冊分じゃなくて、必要な箇所だけPDFにして、
それで入れたっていうことです。
ありがとうございます。本当にポイントを抑えられているかなと思います。
じゃあ改めてですね、この3者の回答で共通していた条件について見ていきたいかなと思います。
まず一つ目ですが、先ほどの前提の方にありました学習オフの設定をしてくださいという点ですね。
オプトアウトをしていきましょう。
入力をAIの学習に使わせない設定が大前提になってますよという部分なので、
先生方も今一度自分のAIの設定を確認して、AIに入力分が学習されない設定になっているのかを確認していただければと思います。
学校のGoogleワークスペースのGeminiを使われている方は問題なくできてますが、
ChatGPTとかですと自分で設定する必要がありますので、設定のところからぜひご確認をください。
続いて2つ目ですね、2つ目の条件なんですけれども、今日先生が先ほど言ってた必要な範囲というところですね。
丸ごと大部分の教科書の入力はどの教科書外書の書いたもNGでした。
この必要な範囲というのは主に量と種類と時間になってきます。
まず量はその授業に必要な分だけという部分ですね。
続いて種類は先ほどだったイラスト写真を除いた文章だけという部分になります。
そして3つ目の方は使い終わったら消す。ツールの中に埋め込まないという部分ですね。
なので必要な文を必要な形で必要な間だけ使うという部分だったらOKという部分になります。
これが使い方のポイントになってきてますね。
そして3つ目の条件が一般公開しない、共有をしないというところですね。
まあしませんけどね。
同僚との共有はもちろんSNSとかネットにおいて不特定多数の人がアクセスできるような状態にしないということが非常に大事な部分になります。
AIで作った良い教材はつい学年で共有したくなってしまうんですが、ちょっとそこは遠慮していただきましょうという部分になります。
ここまでの共通ライン、今お話ししました学習オフ、必要な範囲、そして公開しないという部分ですけれども、どうです阿強先生聞いてみて守ってましたか。
大丈夫だと思いますね。
大丈夫ですよね。
大丈夫だと思いますね。
ぜひこの3つをまず守っていきましょうという部分になります。
OKです。
回答が分かれた理由と著作権法第35条
河合先生はこうした内容を同じ文面で質問を3者に送ったんですが、今お話ししたのは共通しての部分でした。
後半はですね、違う部分をお話し、3者の回答で異なっていた箇所をご紹介していきたいんですけれども。
そこが面白いんですよね。
先生なんでそもそも同じ質問したのに会社ごとによって違う答えが出てきたのかわかりますか。
なんでなんですかね。
なんででしょう。
ちょっとわからない。
ありがとうございます。実はここに教科書という本のちょっと特殊な事情が関係しているのです。
後半はその話をしていきたいと思います。
3者の回答がどう分かれたのか、河合先生のまとめによるとこのようになります。
まず三村図書さん、条件を満たせば雑誌使いないという条件付きで明快なOKをもらいました。
条件は授業で必要な範囲に限ること、学習オフにすること、教科書全部の利用は遠慮してほしいこと、同僚同士での共有や発信は遠慮してほしいことなどになります。
一番オソドックスだね。
そうですね。
続いて東京書籍さん、法令やガイドラインで許容されている範囲内なら許諾の手続きはいりませんという整理でした。
しかもノートブックLMとChatGPTやGeminiをツール別に分けて説明してくれて、ここを超えたらダメというNG例も示してくれました。
詳しいですよね。
教科書の丸ごとスキャン、授業目的以外での利用、データのため込み、生成同士での共有、ネットへの公開がダメな例になります。
そして最後、教育出版さん。ここが一番慎重な回答で、生成AIへの利用に関する許諾を出すことはできないという回答でした。
これが一番そっけない回答に思われるかもしれませんが、実はそうではなくて、検討の過程まで示された3者で一番詳しくて誠実で重みのある回答だったそうになります。
この3者3様の回答の謎を解くには、鍵が一つ必要になります。知識ですね。
それは、著作権法35条というもので、教員の方だったら一回は耳にしたことがある。
このラジオでも出てきてませんが。
はい、出てきます。先生、ご説明できますか。
著作権でしょ。
はい、著作権の。
教育に利用するのであればOK的なやつですね。
例えば、授業で小説の一節をプリントにコピーして配ったとします。
これは許されている理由というのが、まさに著作権35条となります。
本来であれば、詩の作者に使っていいですかってふうにですね、許可を取る必要があるんですが、
先生が授業の度にね、そんな許諾を取っていたら、大変で授業が成り立たなくなってしまう。
だから著作権法には、学校の授業のためだけの特別なルールが用意されています。
そうなんですよね。
それが、著作権法35条。
はい、ありました。
授業で必要な範囲なら、許可を取らなくても使っていいという、先生と子供たちだけの特別な例外になります。
そうなんです。授業だけなんですよね。
そうなんです。授業の芯だけなので、例えば保護社会だとか、そういうのはダメになってくるんですね。
そしてですね、今日一番のポイントなんですけれども、文化庁がこの35条は、生成AIへの入力にも行けるという整理を公式に出してるんですね。
そうなんだ。
そうなんです。なので、コピー機でするのが許可されるのと同じ理屈で、授業に必要な範囲だったらAIに入れてもいいというですね、理解を出してるんですね。
そうなんだ。
示してるんですね。そうなんです。
これが大きなポイントの方になってます。
コピーしてないと同じなんだ。
同じです。
そうか。
先生が毎日やってるコピーの延長線上にAIも乗っているんだなというふうにですね、考えていただければと思います。
教科書会社の立場と回答の違い
コピーはするもんね。
そうですそうです。どうですか、今日先生ここまで聞いて。
まあでもちょっとスッキリしたかも。
AIの取り扱いは、授業で必要な範囲をコピーするのと同じ感覚でやればいいんだなというイメージは。
すげえ湧いた。
やすいかなと思います。
ではまた改めてね、三者三様の回答の謎について戻りたいと思います。
教科書会社が同じ質問になぜ答えが分かれたのか。
それはですね、まず教科書会社さんって実は自分の作品だけで教科書を作ってるわけじゃないんですよね。
たくさんの作家さん、詩人さん、イラストレーターさんから作品を預かって一冊にまとめているという立場です。
なのでまず基本預かり物だから、教科書の内容をAIに入れていいですよという権利がそもそも教科書会社になかった。
自分の著作権を持っているものじゃないからですね。
だから許諾を出すことはできないという一番素っ気ない回答のように感じたのは、実は一番正確な表現なんですね。正確な誠実な表現。
だって自分はその著作権を持ってないんだから、いいですよとも悪いですよとも言えないことができませんよね。
だから許諾を出すことはできないという回答になります。
じゃあ他の2社はなんでOKという答え方をしてくれたのかというと、そこで出てくるのが35条です。
教科書会社の立場としてではなくて、質問してくださった先生方の立場を考えた時に35条が成り立つので、
35条みたいな法律の範囲内のルールであれば、そもそも私たちの許可はいりませんよと整理を示してくれたという部分になります。
ってことは先生じゃなきゃダメだよね。 そうです。先生じゃなきゃダメです。
生徒による教科書のスキャンと私的複製
教員免許を持って授業をする人じゃなきゃダメだってことかな。
いい質問ですね。それでしたら、今日用意しておきましたクイズを出したいと思います。
どうしよう。 あきら先生、クイズです。
つぼにはまっちゃった。 はい、行きますよ。
生徒から先生、自分の教科書を全部スキャンして自分のノートブックLMに入れていいですか?と聞かれました。
あなたはどう答えますか?
ええ。 先生じゃないですよ。
ええ、先生じゃないからダメか。
バツ。 バツか。
バツでいいですか。ありがとうございます。実はこれ、丸の余地が大きいんですよ。
ああ、そうなの。 そうなんです。
ああ、そう。どうして?
さあ、どうしてでしょう。大人の先生が仕事でやるのはダメなのに生徒が自分でやるのはいいという逆転の現象が起きているわけですね。
逆転だね。
これは何かというと、今回の生徒の場合は指摘複製という別の著作権のルールが使えるからなんです。
ああ、なるほどね。CDコピー古いか。
そうです。古いですね。今だったら自炊とかですね。自分で買った本をスキャンして電子書籍にする自炊みたいなのがOKされているのと同じで。
指摘だからね。
そうです。指摘複製になるのがOK。
ああ、コピー。そっか。コピー、それでさらに繋がってる。
はい、そうなんです。先生は仕事でやってるので指摘利用じゃないのでこのルールが使えない。
でも生徒は指摘利用だから教科書丸ごと入れても問題ない。
なるほどね。
ただしこの丸ごと入れたノートブックLMとかAIを友達にシェアしたらアウト。
アウトだね。コピーと一緒だもんね。
これ自炊したものを配ってるのと同じになっちゃうのでアウトになるという部分になります。
どうでしょう。だいぶ整理されたんじゃないでしょうか。
まとめと今後のAI活用へのメッセージ
そうだね。
ああ、なるほどなるほど。
今日の話を聞きましてドリスノートブックLMの使い方変えるところありましたか。
ああ、どうだろう。まあ問題なく使えてるかなって思いますね。
そうですね。はいはい。
今の時点ではね。変なことはしてないですね。
なんかポイントとしては、なんかどんどんどんどんたくさん入れてしまいたくなってしまうんですが、適量を守りましょうというところが特に注意事項かなと思います。
やりすぎはダメだっていうことよね。
そうですそうです。なんか教科書を丸ごと入れて。
その授業の中で使う分ってことだもんね。
そうです。適量適当の量を守ってやっていきましょうという部分が特に大きな注意事点かなというふうに思います。
という形であっという間にお時間となってしまいましたが、今日のお話をあえて一つに絞ってまとめるとするならば、
正々堰に教科書を読み込ませていいのか。合言葉は必要な範囲、学習オフ、公開をしない。
この3つを抑えれば教科書とAIは安心して使うことができるというわけになります。
さて秋男先生、今日の放送を振り返って全国の先生方に最後に一言メッセージをお願いできますか。
秋男 これで使い方の条件はっきりしたと思いますので、ますます使いたくなります。皆さんも使ってください。よろしくお願いします。
はい。秋男先生、力強いメッセージをありがとうございます。
さて番組からのお知らせです。この番組では先生からのAIに関する質問も募集しています。
今回のテーマは、教科書や教材の著作権でヒヤッとしたこと、迷ったことありませんか。
例えば、AIで作ったプリントを学年で共有していいのか迷った、など現場のリアルなエピソードをお待ちしています。
教室でのちょっとした出来事、ぜひ教えてくださいね。
お便りは番組概要欄にあるGoogleフォームのリンクからお送りいただけます。
皆さんからのメッセージ、お待ちしています。
番組が少しでも役に立った、また聞きたいと思っていただけましたら、ぜひ番組のフォロー、そして高評価で応援していただけると嬉しいです。
これからの番組作りの励みになりますので、応援よろしくお願いします。
先生のためのAIラジオ、この番組は毎週火曜朝6時に配信しています。
通勤時間や朝の準備のお供に、ぜひまた聞いてくださいね。
お相手は、AI教育コンサルタントの福原正幸とあきお先生でした。
それでは先生方、今日も良い一日を。また来週。いってらっしゃい。
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