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こんにちは、レンです。サイエンスポットは最新の科学技術にスポットライトを当てるポッドキャストです。ホストはサイエントークのレンです。
ということで、ちょっとしばらく日本に一時帰国してた関係で時間が空いてしまったんですけど、それはちょっと最後に話すとして、
目の退化と進化
今日の話題は、洞窟に棲む目がなくなった虫の遺伝子の話をちょっとしたいと思います。
有名だと思うんですけど、洞窟みたいに光がない環境に進出した生き物っていうのは結構面白い進化をすることがあって、
目が退化していくということですね。これは光が届かない場所にずっといる生き物っていうのは目がそもそも不要になってきて、
使わない筋肉が衰えるみたいな感じで、目の機能がどんどん退化していくと。
こういう目の退化っていうのは遺伝子でどんなことが起きているのっていうのは結構研究されていて、
実際に地下の水脈に生きている魚とかは光を感じるのに関わる遺伝子が変異していっているという研究は知られていたみたいですね。
その環境によって遺伝子が退化していくという形なんですけども、
すごい似た種族でもそれぞれ独立して地下に進出、地下というか洞窟とかに進出したと考えられるグループが存在しているっていうのがあります。
要は同じ種類が暗いところに行ってその退化した遺伝子が広まっていくんじゃなくて、
別々の種類のものが似たような環境に行って、それぞれ目が退化していくということですね。
それが単なる偶然の積み重ねじゃなくて、ちゃんと方向性を持っているのか。
それぞれ違う種類であっても目が退化していくときに変わっていく遺伝子っていうのは同じなのか違うのかっていう研究を紹介します。
チビゴミムシ類の解析
これ北海道大学の研究ですね。
今回注目された昆虫としてチビゴミムシ類っていうのがいます。
ちょっとこれひどい名前な感じしますけど悪口じゃねえかみたいな感じですけど、
これ日本だけで400種類以上知られている数ミリから1センチぐらいの小さい昆虫ですね。
その中には進化的に独立して洞窟に進出したと考えられる系統というのがいます。
これを調べてみれば、目の退化に関わっている視覚関連の遺伝子っていうものに法則性があるのかっていうのがわかるということですね。
これ日本の各地からこのチビゴミムシ類のサンプルを集めてきて、
一応目が完全に消失しているアシナガメクラチビゴミムシってやつとヒラケメクラチビゴミムシっていうまずこの2種類。
これは進化的に共通祖先というか別々のタイミングで目が失われているっていうのがわかっているものです。
あとは比較対象として逆に発達した目を持っているオンタケナガチビゴミムシとフタボシチビゴミムシっていう種類。
これらの4種類を実際にDNAを調べて比較してみたということです。
で、一応遺伝子が保持されているっていうパターンと消失しているっていうパターンがそれぞれ目に関わる遺伝子の中であって、
さっき言った洞窟の中に入って目が失われていったチビゴミムシ類ですね。
この2種類は共通祖先から進化したわけでもないのに結構共通した遺伝子の消失と、
あとは逆に遺伝子が保持されているっていうパターンが確認されたということですね。
これが四角に関わる24個の遺伝子を調べて9個が消失しているもので保持されているのが12個あったと。
遺伝子の多機能性
かなり共通して変異が起きているというのが分かったそうです。
消失していた遺伝子というのは光を受け取るオプシン遺伝子とか、
あとはそういう目の細胞の神経伝達にかかっている遺伝子類ですね。
そういったものが消失していっていると。
これはDNAが違う2種類のチビゴミムシ類であっても、
それぞれ消失しているものと、あとは保持しているものというのはすごい一致しているということですね。
それにどんな特徴があるのかというと、
この1つの遺伝子がどれだけの種類の組織で働いているかというところが非常にポイントになっていたということですね。
これ遺伝子の多機能性というんですけど、
例えばその特定の遺伝子って体の中で目であっても腕であっても心臓とかであってもDNAとしては同じですけど、
遺伝子のオンオフというのはその場所によって違いますと。
例えばとある遺伝子は目でも腕でも心臓でも足でもいろんなところでオンの状態になっているというパターンもあれば、
目でしかこの遺伝子はオンになっていないという場合があったりします。
今回調べたものに関しては、限られた組織でしか働いていない遺伝子が多かったと。
今回でいうと目で働いている遺伝子に特に変異が入りやすくなっていたということで、
保持されていた遺伝子は逆に複数の組織で働いていて多機能性が高い傾向にあったということですね。
例えば洞窟みたいに目が必要ない環境に行ったときに、視覚に関わっているすべての遺伝子がランダムに退化するわけじゃなくて、
ちゃんと選ばれて遺伝子が退化しているということですね。
だから目以外でも心臓とか腕とかで働いているような遺伝子は保持される、消失しにくいし、
目でしか働いていないというものは退化するみたいなそういうちゃんとした傾向が見られたということですね。
これ当たり前のように見えるんですけど、意外とあんまり分かっていなかったらしくて、特に方向性があるということですね。
ちゃんと目の遺伝子の退化は偶然が積み重なってたまたまそれが生き残っているというかは、
ちゃんとその場所に適応するための方向性がある。
そしてそれは遺伝子がもともと持っている多機能性、いろんなところで発現してオンになっている遺伝子なのか、
特定の部位しかオンになっていない遺伝子なのかというところも加味されて遺伝子オンオフが決められている。
まあ要は進化しやすい遺伝子があるかどうかみたいな話ですね。
ということが今回わかったそうです。
今回このチビゴミ虫みたいなすごい小さい昆虫の例で、
そういう退化にあるんじゃないかという話だったので、
これをもとにいろんな生物の情報から退化しやすい遺伝子がこれとか、
そういうリスク評価というか、人間だったら病気のリスク評価になるかもしれないんですけど、
そういったゲノムの使い方の基礎的な研究になるかもねっていう話ですね。
ちょっと難しいんですけどまとめると、
洞窟にまずたまたま入っていった虫が目が必要ないなという環境になったら、
ちゃんと他の体にも影響が出ないように目にしかないような遺伝子がちゃんと選ばれて退化するなら退化しているということ。
その退化の方向性があるということがわかりました。
それがこの同じチビゴミ虫っていう種類なんですけど、
共通創生を持っていないような種類であっても、ちゃんと起きるってことは環境要因で起きてますよねっていうことですね。
なので若干地味な発表かもしれないんですけど、
目的には退化っていうものですね。
あんまり今でも注目したことはなかったんで、
これ面白いなというふうに思いました。
はい。
今回すごく久々に話したのと、
あとちょっと今いつもと違う場所で収録しているんで雑音がめっちゃ入ってるかもしれないんですけど、
入ってたら申し訳ないです。
ちょっと1週間ほど配信をちょっとお休みしてたんですけども、
日本に帰りまして一時期的にいろいろ用事が詰め詰めの感じで入ってたんですけども、
詳しくはちょっと再演トークっていう僕がメインでやってるポッドキャストの方で、
日本に行った話みたいなのを、
多分これと同じ日に上がってるかなと思いますので、
そちらも聞いてもらえたら嬉しいなと思います。
半身の試合見に行ってめっちゃ盛り上がった話とか、
上海にちょっと寄ってから帰った上海旅行の話とかいろいろしてます。
ほぼ雑談しかしてないですけどね。
結構面白いと思うんでそちらもぜひ聞いてみてください。
とはいえ1週間配信はしてなかったんですけど、
一応個人的にニュース集めはずっとやってて、
リストがどんどん溜まっていってるんで、
ちょっと私紹介してこの番組でも行きたいなと思います。
あとは最近ですね、
最近というかこれ出してる収録してる日なんですけど、
ちょっとLINEのオープンチャットを試しに作ってみました。
これ再演チャットっていう名前をつけています。
これ概要欄にリンクも貼っておきますけど、
匿名で誰でもLINEのアプリを持っていれば入れるやつで、
主に僕とか再演トーク関連、再演スポット関連で聞いてくれてる人には
入ってほしいなと思っていて、
例えばそこでこういうニュースありましたよみたいな、
投稿してもらったらちょっと全部は無理かもしれないんですけど、
ちょっと紹介してみてもいいかなっていうふうに思ってますし、
僕的にもいろんな視点の情報がそこに集まってくると、
僕が助かるっていうのもありますし、
あと感想とかフィードバックもいただけたら僕も嬉しいなということで、
そういったLINEのグループをちょっと作ってみました。
ですのでこれ聞いてる人もぜひぜひそちら入ってもらってくれると
とても嬉しいなというふうに思っています。
ということで、ちょっと久々にしゃべったんで、
しゃべらないと退化していくかもしれないんで、
僕もちゃんとまたしゃべる練習をして、
あとこれの英語版も配信しておりますので、
またちょっとここから日常頑張ろうかなというふうに思っております。
ということで、ぜひ皆さんLINEの方、
オープンチャットの方も参加よろしくお願いします。
ではまた明日。