まず、なぜその名前を変えたのかってちょっとお話をさせていただきたいんですけど、いいですか。
変えたかったっていうのは、コースそのものではなくて、この焦点っていうところなんですね。ピントみたいなところですね。
今回大会名は、ジョーシュ・ボタカさん・スカイビュート・レイルということで、コース設定も変えてないんですよ。
だけど大会としては、これまで130とか80といった距離で種目を表せたんですね。
でも岸さん、正直に言うと100キロ級のこの大会っていうと、以前ほど特別な存在でないくて、もうそういう時代になってきてると思いませんか。
確かに、ジョーシュ・ボタカさん・スカイビュート・レイルは全身の山手のボルハイから遡ると、日本のトレイルランニングと言われていなかった頃からの先駆けというような大会で存在感ありましたけれども、確かに同じように100キロ、100マイルっていうようなトレイルランニングのレースっていうのは増えてきましたよね。
今、国内にも海外にもたくさんありますし、だからこそこの大会は何を走るのか、どんな山を舞台にしているのかっていうのをきちんと皆さんに一度お示しするべきじゃないかなって思ったんですよ。
なので、コースは今41キロ地点までで、ケンガミネス山っていう百名山の中のジョーシュ・ボタカさんっていうこの2つの2000メートルを通ることになるんですね。
序盤に一気にボタカさんがグングン登っていって、そこからテクニカルな下りをバーンと下っていくんですよ。そして後半になるとスピードエリアをアップダウンしながら林道もありますし、結構舗走路なんかもあって展開もすごく幅が広いんですね。
そうやってコースを俯瞰してみたときに、単にこれは距離の長いレースではなくて、2000メートル級の高山地理を含む山岳構成そのものっていうのが大会のコアになるんじゃないかなってことに僕自身が気が付いたんですよ。
だから種目名をハイマウンテンレース・ボタカとハイマウンテンレース・トネというふうにしました。
ちなみに岩瀬さん、ボタカ山の頂上の方に大和武の像が建てられることって知ってますか。
随分前になりますけど、私も以前トレーランニングっていうかツアー的なもので連れて行ったことはあります。覚えてます。
このボタカ山というエリアが昔から山岳信仰の霊場となっている場なんですよ。
確か1850年ぐらいに大和武の像が建てられたということなんで、ここでちょっとこの種目名についてもお話しさせてもらっていいですか。
今回ハイマウンテンレース・ボタカっていう名称は、この大会の象徴である上州・ボタカ山を指しています。
トネというのは地域の方によってはちょっと耳なじみがないかもしれないんですけど、この大会を行っている、ちょうど根を張っているのはこの地域。
ここは群馬県トネ群っていうエリアなんですね。そこを示す地名のことなんです。
だから距離ではなくて、山と環境、そしてこの地域を主語としたものにしたかったんですね。
今回掲げたのがシェイマウンテンアドベンチャーっていうものにしたんですよ。
レースではあるけど、自然と向き合って判断して、それを自分で引き受けている時間があって、
速さだけでは終わらなくて、山との関係性も含んだ体験ができるんじゃないかなと思うんですよね。
トレイルランニングの原点というか、そこが大きな要素ではあるんだけれども、
ともすれば距離が長いか短いかで自分の実力を判断したり、走れるか走れないかということを考えたりとか、
装備とかにしても、150キロぐらいなら日が暮れるまでに終わるかと思って、これぐらいでいいかとか考えたりとかっていうような感じになりがちではあるのかなというか、
そういう考え方に慣れてきているような感じは確かにしますよね。
岸さんというか大会の方で、ハイマウンテンという考え方、定義というか、そういうふうに呼びたいというふうに考えるようになったというのは、
やっぱりその参加されているランナーの皆さん、ランナーという言い方がすごく現れてますよね。参加される選手の皆さんの間で、
さっきおっしゃったような、この高い山に中を行動するっていう、そういうスポーツというか競技なんだよ、そういうイノビメントなんだよというところが、
何か置き去りになっているというか、おろそかりというか、ちょっと違和感があったという意識を皆さん持たれていたということなんですかね。
特にやっぱりコロナ系から、やはりだいぶトレイルランニングが新しく始めたという方が、たくさん参加してくれるようにはなってきていると思います。
これは全国的な傾向として。なので、そういった中で、しっかりしたものを選んでもらいたいですし、自分の能力とか実力とかあるので、そこら辺がしっかり見える化したいなというところの中で、
僕らこの掲げているハイマウンテンアドベンチャーというのが、ハイマウンテンという部分で山岳性を示して、アドベンチャーというところで、その古山みたいなもの、ノードみたいなものを表そうかなと思ったんですよ。
だから、どうしても新しくしたというよりは、大会の本質をはっきりさせたっていう感じなんですよね。
大会の本質っていうところで言うと、この長州豊川サンスカイビュートレイルの原点みたいな話も、たぶん大事なところなのかなと思うんですけど、
たぶん、もう10年とかやっている方にとっては重視なのかもしれないけど、たぶん最近の方にとってはあまり見なじみのないお話だと思うんですけれども、
先ほど私も話した、山田昇海というイベントが、今は開催されていないですけれども、それがこのスカイビュートレイルの前身としてあって、
いわばハセツネカップと並ぶというか、ハセツネカップよりももっと歴史的には遡るんですよね、確かですね。
山田昇海の前身が国体の倒査競技になるので、それこそ今、国内の株主さんであるとか松本大さんとか群馬の方々は結構国体の選手としてあの産域を走られてるんですよね。
そういう歴史があるので、今の方だとちょっと信じられないけど、10キロの重りを持って走るという競技があるんですよね。
背中にザックに鉄板入れてとか、溝入れてとかって。
そこは現代というか、今日のこの軽量化して装備もいろいろ走ることに特化しているようなものがどんどん出てきているわけですけれども、
そういうところとはちょっとこの、言葉の誇りが、本気という言い方が変ですけど、本物の山の人たちの山やのためのイベントというオリジンがあるわけですよね。
そこが知っている人にとってはよく知っていることだと思うんですけれども、この何年かスカイビュートレイルも歴史を重ねるにつれてあまりご存じない方もあると思うので、
その大会が、そういうオリジンを持つ大会が今おっしゃったようなハイマウンテンアドベンチャーを打ち出したということの意味は、そこまで考えるとすごく大きなものがあるように思うんですよね。
次の話題として、私ちょっと用意したことがあるんですけれども、一方でキスさん自身はこの大会のディレクターであると同時に日本トレイルランニング協会の理事として、
私も一緒に同行させて、キスさんとして同行させていただいた世界選手権ですね。昨年は秋にピレネでありましたけれども、そういった世界のトレイルランニングの場面に日本の選手とともに参加されて、世界のトレイルランニングの流れを目の前でよく見ていらっしゃってご存じいらっしゃるという立場でもあると思うんですけれども、
そういう中で、この日本のトレイルランニング、あるいはトレイルランニングというスポーツ自体が、いい方向、悪い方向という言い方は難しいかもしれないけど、キスさんが今まで考えていたものであるとか、慣れ親しんでいたものからちょっと乖離してきているとか、
あるいはそういういい方向でもあるかもしれないし、困った方向かもしれないですけど、キスさんの目から見て、個人的な目で結構なんですけれども、何か感じられることはありますか。
それ、国内とか海外とか何かあるんですか。
いえいえ、どちらでも構いません。
岩坂さんが高速化っていうところでいくと、やっぱり世界は確実に高速化してますね。
実際にこの世界選手権の上位の選手って、陸上競技とかクロスカントリーの選手も多いですし、
やっぱり世界にチーム体制や規模感とか大きくなっているのもすごく感じてますし、
トレーニングの環境とか補給についてももうちょっと科学的にされてきてるんじゃないかなっていうのをランダムに見えてきてる。
昨年の世界マウンテンアンドトレーラーニング選手権の現場でも、その高速化の流れっていうのははっきり見えてきているので、
それもでも進化だし、素晴らしいことだと思うんですよね。
ただ、速さが価値の中心になっちゃって、あまりそれが強すぎると、今度は山そのものが背景みたいになってしまって、ちょっと薄れてしまう瞬間があるのかなと思います。
競技としての宣伝者と、あと山の影響力を残す、こんなことをやって、バランスを取るっていうことがこれから追われるのかなと思ってますね。
やっぱり、私もピレネにはご主催させていただきましたけど、ピレネに関して言えば山の要素はかなりふんだんに盛り込まれていて、すごいコースだということは、
例えば映像だったり写真とか見て、皆さんもご覧になった方にはお分かりいただけると思うんですけども、
確かにその競技の定義であるとか、そういうのを見たときにスピードだったり、あるいは他のフラットなコースで速い選手がここに来てどうなんだろうか、どれくらい走れるんだろうかとかっていうようなこととかは、
あんまりぼんやり意識はするけれども、そこの強さ弱さみたいな山の力、山力みたいなことを積極的に評価するというか、
与えるとかっていうような考え方っていうんですかね、そういうストーリーというか取り上げ、メディアによる取り上げ方っていうかもしれないですけど、確かにちょっと気迫なような気もしますね。
この間のスペインのコースもすごくロケーションも素晴らしいし、コースそのものも日本と全く違う山並みだったりとか、サフェースの違いとかもありますが、その素晴らしさっていうのはなかなか画面からでは映像では伝わってこないところなので、
僕らがそのハイマウンテンって言ったところも、やっぱり単に標高が高いっていう意味だけではなくて、自然の影響力が競技中にどれだけ強く残っているか、どういう環境なのかっていうことだと思ってるんですよ。
だから、私たちの体が2,000メートル競走の2つ山を越えなきゃいけないので、そのコースだと例えばもう天候屈出でレースの性質が変わるじゃないですか。例えば気温もそうですし、雨が降ったとか、視界が不良になったとか、それらによって速さの要素、意味っていうのは全く変わっちゃうと思うんですよ。
だから、タイムだけではもう完結しないんですね。だから、環境をどう読むかとか、自分の限界をどう判断するか。
ハイラサイよりも山との関係性みたいなのを追われるっていうのがもうちょっと前面に出てきてもいいのかなと思いますし、多分選手自身にもそこが求められるんじゃないかなと思います。
スカイリュートレイルの中でもハイマウンテンレス自体を競技の顔をした山岳体験だと捉えてるんですよ。
きっとそういう体験を私たちはこんな体験が待ってるんですっていうのを伝えるべきなんじゃないかなと思ったのが今回のコンセプトを決めたところのきっかけなので。
1000メートル級の山っていうと、普通に一人であるいは何人かのグループで経験ない人といたりすると、夏のいい季節は大丈夫なところもあるかもしれませんけれども、危険が伴うこともありますよね。
そういう意味ではスカイビュートレイルという大会の中でそういった体験ができるというのはある意味安全がある程度守られた状況というか、スタッフの皆さんのおかげである程度予測ができる中でそういった体験ができるというそういう場でもあると。
そこをきっかけにして自分でまたそういう高い山、厳しい季節の山に立ち向かうという勉強にもなるということなんでしょうかね。
そうですね。そうすると、木さんもご覧いただいて、昨日お話したときの話題になりましたけど、先週キリアンがですね、トレイルランニングは長いクロスカントリーみたいな、管理されたルールと安全なコース、テレビで取り上げやすいフォーマットみたいなものになっていく恐れがあると。
そういうものと山の話題にしているような鉱山の中で自然と立ち向かうという、自然の中で安全に楽しむというような経験とは乖離してくるんじゃないかというような話題が出てですね、私のキャラバンでも紹介してすごく反響があったんですけれども。
山の経験とトレイルランニングは別のスポーツなんだとか、オリンピックはオリンピックでそういう競技をやるけれども、本当のトレイルランニングは別のもんなんだとかって、なんか分離していくとしたらちょっと僕は寂しいというか、せっかく盛り上がってきているこのスポーツがなんかちょっと絞んでしまうんじゃないかなって個人的には少し心配な気持ちも実はあるんですけれども。
私はそんなふうに考えたんですけど、キスさんはこうそういう分離、うまくこうそういう初心者的にまずは距離を踏んで、まずはマラソンを走っている人がロードのシューズを、初めてトレイルランニングシューズを履いて山に入るというような体験と、スカイビュートレイルのハイマウンテンアドベンチャーっていうものとが一つの競技として成り立っていけるかっていうのはちょっと抽象的な話なんですけど。
どんなふうに思われるかなというご意見伺えればなと思ったんですけど。
キリアンは多分オリンピックなんかも見据えた上での発言かなっていうのは強く思いました。
僕らとしてやっぱり競技っていうのは他者との勝負なんですよね。勝負であって、冒険が自分との対話みたいなところで僕らのレースとかちょっと考えてるんですけど、トレイルランニングってこの2つを同時に持てるスポーツだと思ってるんですよね。
速さも尊いし、自然の中で判断を重ねるってことも尊いじゃないですか。
ただ競技性が強まるほど冒険の要素が薄れてやすい。
だからこそ僕らハイマウンテンアドベンチャーは、その冒険の濃度をあえて表現しようという取り組みなので、あまり心配はしてないかな。
見せるスポーツとするスポーツの違いみたいなのもあるので、キリアンすごく心配するのはわかるんですけど、他の今オリンピック競技になったクライミングとかスノーボーとかスケボーとか、そういった競技も多分底辺に流れてるのって自由みたいなところとか、
トレイルランニングと非常に似てるようなところがあると思うんですけど、それらがなくなったかっていうと、やっぱり競技の部分と楽しむ部分ってしっかり分かれて残ってると思うんですよ。
カルチャーであるとかスタイルみたいなものも、あれらの競技でも残ってますから、多分トレイルランニングも一色単に一つになるってことはなくて、しっかり区別されて、これからも進化していくんじゃないかなと思います。
クライミングとかも、ジムのボルダリングみたいなことは、もちろん競技に近いところだと思いますけれども、だからといって実際の山に、というか岩に向かっていくことがされたということでは決してない。
たくさんのスペースが残ってチャレンジするみたいなところは、今でもたくさんの方がやられてますから。
自分で新しいルートを開発するとか、そういうカルチャーとか、そこに情熱を注ぐ人もいらっしゃるということだから、そこはそういう同じテクニックとかカルチャーを共有しながら進んでいくと思っているので、あまり心配はしてないです。
ありがとうございます。私もちょっと安心いたしまして。
大会の方の話題に一つがあるかなと思ってたんですけれども、大会のコースとかフォーマット自体が変わったわけではないと。
このジョシオ、ホタカさん、スカイピュートレイルですね。今年変わったわけではないということなんですけれども、ホタカさんに来るんだったら、参加するんだったら、こういうことは身につけておいてほしいなとか、山のテクニックとか、
初めてそういう山のコース、高い2,000メートルを超えるようなコースを走ろうという方にとって、何かアドバイスをいただけるとしたら、どんなことがありますかね。
やっぱり今日の話題になっているんですけど、速さだけでは足りないと思うんです。この大会では判断できる人であってほしいなという思いがあります。
運行が変わったらどうするのか、続けるのかやめるのか、その判断を自分で引き受けられるということをしっかり求めたいと思っています。
2,000から始めているんですけど、スカイピュートレイルではA7の関門があるんですけど、そこで110キロで超えるという選択ができるルールを作っています。
これはもうそこまで走ってきた人たちのことをちゃんと評価しようと、それで続行するかどうかも自分で決めてもらおうと、それも含めてこの大会は判断するレースになっています。
だからその辺も装備を持っていることももちろん大切ですし、それを使えることも大事なんですけど、そういった自立したランナーとこれからも一緒に作っていければなとは思っていますね。
自分の経験と判断力を鍛えるということになるんでしょうかね。
確かに僕も人のことは言えませんけれども、何回もいろんな山にトレイルランニングしに行っているとは言っても、ツアーとか練習会とかだと人任せで講師の人がいいって言っているから大丈夫だろうという発想だったりとか、
持ち物とかもですね、知り合いがこんなの持ってたからこれで十分だろうとか、今日はいらないだろうとかっていうようなことは、その時は大丈夫かもしれないけれども、
けどどんなふうな天気になり得るかとか、ということは確かにそこまで想定した上で、マージンというかね、安全なご状況を保とうとかっていうところまでは、なかなかこう、おろそかになりがちというか、
特に人と誰かと一緒に行くときっていうのは、あんまり大げさにしていくのも変かなとか思ったりとか、ということは確かにあるかなと思ったりしますね。
だから、何かにこう来ていただいている方々見ても、筆記や装備を設定はしてるんですけど、なるべくのために使うのかを理解していなかったりとか、どうやって使うのか、使い方がわからないとかっていう、見受けるんですよ。
おだしょー 説明使ったことない、開けたことないみたいなね。
地図をね、GPSマップをスマホとか時計に入れて持っててくださいということを義務づけてるんですけど、スマホで地図アプリを広げられないとかね、入れてくれるんだけど、みたいな。
なんでそれを持たせてるのかっていう意味とか、そこら辺までちょっとやっぱり考える。自立したランナーってそういうことだと思っているので、環境に対応できる力っていうのはそこまで含めてというところだと思いますから、その辺りまでが判断も含めてできる方っていうのが自立ランナーなんじゃないかなとは思う。
ハイマウンテンアドベンチャーという言葉が問いかけることというか、我々に少し考えてみることがあるんじゃないかというメッセージは結構重いというか大きいということだなと改めてお話して思いました。