樋口一葉の世界
あきあはせ 樋口一葉
あやしうつむりの悩ましうて 夢のようなるきのうきょう
浮世は茂る若葉の陰に 初ほととぎす泣きわたる頃
子ぞのあきあはせ ふるめかしうとりいでぬる
去りとは心もなしや 柿のたけのこ絹ぬぎ捨てて
薪葉にかかる朝露の 新しきを見るもいと恥ずかしうこそ