作品名:えぞおばけ列伝
作者不詳
編訳:知里 真志保
図書カード:https://www.aozora.gr.jp/cards/001529/card52211.html
青空文庫:https://www.aozora.gr.jp/index.html
BGMタイトル: そりのこし
作者: もっぴーさうんど
作者ページ: https://dova-s.jp/_mobile/_contents/author/profile060.html
DOVA - SYNDROME楽曲リンク: https://dova-s.jp/_mobile/bgm/play17520.html
7・15・23・31日更新予定
#青空文庫 #朗読 #podcast
【活動まとめ】 https://lit.link/azekura
作者不詳
編訳:知里 真志保
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BGMタイトル: そりのこし
作者: もっぴーさうんど
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サマリー
このエピソードでは、北海道の先住民アイヌに伝わる「えぞおばけ列伝」の中から、「木原のおばば」と呼ばれる妖怪の話が語られます。最初は首長が遭遇した奇妙な怪物と自身の勘違いの話から始まり、次に熊の子を育てた男が見た、髪型が特徴的な女と踊る少年、そして長老による奇妙な熊祭りの話へと展開します。これらの話を通して、妖怪の髪型や生態、そして人間が注意すべき点が語られています。
木原のおばばとの遭遇と勘違い
② 木原のうば
ある首長が磯見廻りに出て、途方もなくべらぼうなおばけに出会った話がある。
そのおばけというのが、編みかけの小出しをかぶったように、髪を三原に振りかぶり、顔といえば台鍋の底のようにのっぺりと黒くて、目もなく、口もなく、
その真ん中から親指を突き出したように花が一本あるだけで、おまけにそこには花の穴がぼつんと一つしかついていないという何とも得体の知れぬ怪物だった。
それがあいぬ文学の特徴である一人称で、ほろべつ地方に語り伝えられている。
俺は押しも押されぬ立派な首長、立派な女を妻に持ち、楽しく暮らしていた。
ある朝、まだ暗いうちに浜へ出て、波打際を歩いていくと、海中からじっと俺の方をうかがっているものがある。
何ものだろうと思ってよく見ると、編みかけの小出しをかぶったような顔の中から、親指を立てたように花がにょきっと突き出ていて、
俺が歩けば歩き、俺が止まれば止まる。
走れば彼も一緒に走るのだ。
でっきりお化けに違いないと思ったので、持っていた金棒を取り直していきなりガンと喰らわすと、
その刹那、どうしたことか俺の股間がしびれるようにいたんだ。
思わず知らず尻餅をついてつらつら考えてみるに、けさはあわてていたのでふんどしもしめずに出てきた。
そのため股間の一物が波に影を落していたのだが、それをお化けと見誤ってとんでもない浮き目を見たのだった。
これからの男達よ、ゆめゆめふんどしを忘れるまいぞ。
と昔の囚状が物語った。
熊の子と怪しい女の物語
ほんだ化け物話になってしまって恐れいるが、編みかけの小出しをかぶったような、という形容は、実は化け物話にとっては有意所ある良い方なのだ。
いぶり、および日高の猿地方にケナシコルウナルペ、キハラのウバというお化けがいて、
これがいつも編みかけの小出しをかぶったように髪の毛を三原にふりかぶって出てくる。
猿地方にこんな話がある。
むかしむかし、ある男が山狩りに行くと、熊の子が一匹うろうろしているのを見つけたので、
生け捕りにして家に連れて帰り、檻の中に入れて大事に育てていた。
すると、その熊の子がわずかの間にずんずん大きくなっていった。
ある夜のこと、その男が真夜中近くふと目を覚ますと、
湖外の熊檻のあたりがひどく騒々しい。
不思議に思って横窓の覆いの影からそっと覗いてみると、
檻の中には目のところまでつるりと剥げた少年がおり、
檻の外には編みかけの小出しをかぶったように髪ふりかぶった怪しい女がいて、
その女が打つ手拍子につれて、剥げた少年がしきりに踊っているのであった。
男は驚いたが、念のために翌晩もそっと覗いてみると、
やはり前の晩と同じく、編みかけの小出しをかぶったように、
乱れた髪をふりかぶった女の手拍子に合わせて、
頭の剥げた少年が檻の中でしきりに踊っている。
男は村の長老をたずねてどうすればいいかと相談した。
長老は、「まあ俺にまかせておけ。」と言って、
さっそく熊祭りの始択にかかり、
まず植えになうと言って悪魔払いに使う特別の木兵を六本作った。
そしてその中の一本をとって熊祭りの最初とし、
他の一本に客人の役目を振り当てて、
名屋と便所の間に立てた。
普通の熊祭りには、家の東の窓の外を祭場にするのであるが、
この際はわざと反対側の不情な場所を選んで祭場としたのである。
それから小熊を女の低層体で縛って檻の中から引き出し、
そこに連れてきて不意に金棒で叩くと、
思いがけなくもそれが一匹の木ネズミの死体となって目の前に転がった。
長老は散々罵りながらその死体を細かく刻んで、
塵と一緒に吐き溜めに捨てたという話である。
こういう話があるから、山で親のついていない熊の子を見つけても、
決して捉えてきて買うものではない。
また、檻の中の熊の子は、
常に注意深く観察して、少しでも腑に落ちない挙動があったら、
すかさず対策を講じなければならん。
そのために、熊の檻を横窓からいつでも監視できるような位置に持ってきておかなければならないのだ、
妖怪の髪型と生態
という、この話の中に出てくる編み掛けの子だし、
エチャコルサラニプをかぶったように髪をお泥に振りかぶった怪しの女が、
この地方でいうケナシコルウナルペだ。
テシオではそれをイワメテイエプ、山の魔と呼び、
やはり編み掛けの子だし、エチャネサラニプをかぶったような髪型で出てくる。
山狩りに行くと、このお化けが熊を蹴しかけるので、
善良な心を持った熊も時に人間を襲うことがあるのだ、という。
このお化けは木立の空洞の中などに住んでいるので、
そういう木のそばに野宿するものではないし、
また川岸の柳原の端にも住んでいるので、
そういうところにも泊まるものではない、という。
魔というものは人間と反対に夜が明けると眠くなって目を閉じる。
そして日が暮れると目が覚めて夜間に出てきて活躍する。
化け物というものは昼に弱く夜に強いものだ、ということわざもある。
したがって彼らの獣器も薄暗い林間とか湿地の中とかあるいは地中とかにあり、
そこから夜になると人間の世界へ出てくるのだ。
そしてその髪形は大抵髪を三原に振り乱しているように述べられる。
そのことを編み掛けの小出しをかぶったような、と形容したり、
頭に持つものは八千坊主そっくり、などと形容したりする。
地下の魔界の描写
雇用の中などで地下の魔界に住む魔物たちを描写して、
どうやら人間の格好だけはしているものの、
男の形をしたものの頭はといえば編み終わらぬ手下袋そっくりで、
汚らしいぼろ布のもつれたのがその周りにゆらゆらと垂れ下がり、
顔はといえば手のひらの外縁のように長く、
目はといえば爪で跡をつけたみたいに細く、
土の色のようにその顔の色が真っ黒だ。
中略
それがぞくぞくと現れ、それと同時に猛毒の悪い匂い、
嫌な泥の匂い、腐った泥の匂いが烈風のように吹きつけて、
私を後方へたじたじとさせた。
中略
女の形をしたものの頭はといえば汚らしい八千坊主のようなのを頭にかぶり、
下略
金太一先生はこの最後の一行を破れたカマスの皮のようと訳しておられる。
09:45
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