ホスティングサービスと聴取プラットフォームの違い
LISTEN to Podcasts for Beginnersの3つ目のエピソードです。
久しぶりの更新ですけれども、ポッドキャストを新たにはじめる人が増えてきているということで、
「そもそもポッドキャストって何?」という話を、第1回目のFor Beginnersでしました。
2回目のFor Beginnersでは、「ポッドキャストのしくみ」について、ちょっと簡単に説明をしています。
ポッドキャストの仕組みが、たぶん分かりにくいんだと思います。
これを理解するキーワードというか、一番の中心は「RSSフィード」というやつなんですが、
これが理解できると、ポッドキャストの理解も進むんですけれども。
基本的にその2ですね、2回目のエピソードも見ていただけるといいんですが。
その「ホスティング」というのと、それから「聴取プラットフォーム(実際に番組を聞くプラットフォーム)」、
これが別だということなんですね。
「音声データをアップロードするプラットフォーム」と「聞くプラットフォーム」が「別々」だということなんですね、基本はね。
それをつなぐのが「RSSフィード」。要するに更新情報なんですが、更新情報が飛んでいくということです。
ホストにアップロードする→
そのホストから登録した配信先、聴取プラットフォーム、聞き取るプラットフォームですね、
→聴取プラットフォームにRSSフィードが飛んでいく。
そこで常に、最新の番組が更新されたら新しいエピソードが届きましたよということで届いて、それをリスナーは聞くことができるということです。
だから配信者はホストにアップロードする。
そしてRSSフィードをあちこちに配給、配信したければ、あちこちに登録するわけです。
Apple PodcastsとかAmazon Musicとかね。
かつてはGoogleのPodcastとか、そしてSpotifyとかに登録ができたわけです。
これちょっと2つ、図を概要欄につけたんですけど、かつては結構わかりやすかったんですね。
これは主なものだけで、世界中を見るともっといっぱい、たくさんそういった配信サービス、ホストができるサービスがたくさんあるんですけども、
ここでは、かつての風景はこうだったと。
左上にあるのがホスティングサービス、これAnchorというのが有名でしたね。
今はこれがSpotifyに吸収されちゃったわけです。
右下に聴取プラットフォームってありますが、これがSpotify、
そしてGoogle Podcast、これはもうYouTubeに吸収されてなくなることが決まってます。
そしてApple Podcast、これが一番の老舗ですね。
最初の、Podcastっていうことの始まりは、Apple Podcastから始まったわけです。
そしてAmazon Musicですね。
この4つが日本で知られている一番有名な聴取プラットフォームなわけですよね。
実は他のいろんなアプリとか、他のいろんな聴取プラットフォームって実はたくさんあって、
そこにRSSフィードさえ飛ばせば更新情報が届いて、そのプラットフォームで聞くことができるんですね。
だから聴取プラットフォームは結構たくさんあるんです、世界中に。
問題はホストですね。
ホスティングサービスを展開しているところはそうたくさんなかった。
これまでメインはAnchorっていうのがやっぱり使いやすかったわけです。
RSSフィードの役割
それとは別に、Podcastではないんだけれども、独立型の音声配信っていう世界があったんですね。
これが、ラジオトーク、スタンドFM、Voicyといったものが独立型の音声配信。
つまりそのプラットフォームの中だけで配信して、そのプラットフォームの中だけで聞けると。
外部にRSSフィードを飛ばさないというサービスだったんですが。これがいろんな要望もあったんだと思います。
ラジオトークとスタンドFMは今RSSを発行するようになりました、オプションでね。
だからその登録をすれば誰でもRSSフィードを獲得できて、それを例えばApple PodcastとかSpotifyとかGoogle PodcastとかAmazon Musicとかに飛ばせば、
最近はLISTENっていうのがありますけれども、そういったところに飛ばせば、そこで聞くことができる。
LISTENの場合にはそこで文字起こしがされる、そういう形だったんですね。
ただかつてはラジオトーク、スタンドFMはRSSフィードの配信してなかった。
自分のプラットフォームで完結させていた。
これVoicyはいまだにそうですね。
むしろRSSを発行して、それを飛ばすホスティングサービスを提供していたもので一番有名だったし使いやすかったのが、Anchor。
これはもうSpotifyに吸収されちゃったわけです。
今どういう景色になっているかというとこれですね、2つ目の図になるわけですけれども、
ここでRSSを配給する、発行すると。
これを他のプラットフォーム、聴取プラットフォームに飛ばせますよというのが今増えてきたわけですね。
スタンドFMもできる。
だからスタンドFMで収録したものは他のApple PodcastとかAmazon Musicとか、
そしてLISTENとかSpotifyに飛ばせるわけですね。
ラジオトークも一緒です。
RSSを登録すれば、外部の聴取プラットフォームに登録すればそこで聞くことができる。
こういう形になっているわけです。
Voicyは未だにRSSを配給していない、発行しないと。
たぶん発行する気がないんだと思いますけどね。
そんな話になってVoicyだけが孤立しているわけです、日本でいうとね。
そして問題は、聴取プラットフォームの方にも変化が起きていて、
YouTube、これは動画配信サイトだったんですが、Podcast展開を始めて聴取プラットフォームになったと。
さらにGoogle Podcastを吸収することになっているということで、
有力な聴取プラットフォームとして浮上してきたのがこのYouTubeになるわけです。
Podcastを聞く聴取プラットフォームとしてはこれまでは、Apple PodcastとかAmazon Music、
そしてSpotifyが結構日本では有名だったんですが、
ここにYouTubeが殴り込みをかけてきたというか、参入してきたわけですね。
Google Podcastを吸収する形で。
だから今YouTubeで聞く人がこれからどんどん増えていくことになるんだろうと思います。
ですからPodcast界が今大きな変動期に入っているということなんですね。
LISTENというのは実は、聴取プラットフォームから始まったんです。
文字起こしができる聴取プラットフォームとして始まったんですが、
なんと去年の8月3日からホスティングサービスも始めたということで、
ホスティングサービスと聴取プラットフォームの違い
ホスティングもできる、聴取もできるという、そういうプラットフォームになったわけですね。
実はこういうプラットフォームはないんですね、あんまりね。
例えばラジオトークは、聴取プラットフォームというのはその中でしかできないわけですよね。
つまり他のRSSを受け入れないわけです。
LISTENはどんなRSSも受け入れちゃう。
他人のRSSも登録できちゃうというすごいサービスなんですが。
これをやってないわけですね。
つまり独立型の音声配信出身のラジオトークとかスタンドFMというのは外部のRSSは受け入れませんと、頑なに拒否してるわけですね、基本的にね。
だけど自分から外に飛ばす分にはいいですよと。
つまりプラットフォームの中に囲い込みたいんでしょうね、おそらくね。
そのプラットフォームからの配信者、リスナーをやっぱり逃したくないという。
要するにラジオトークの中で聴いてほしい、スタンドFMの中で聴いてほしいという気持ちがやっぱりあるんじゃないかなと。
Voicyはもう完全にそうですよね。
これが独立型音声配信の特徴です。
ラジオトークとスタンドFMはいろんな要望があったのでRSSは発行しましょうと。
結構分かりにくく発行してくれるんですけどね。
あんまりだから外部に出してほしくないのかもしれません、分かりません。
ただこれはもう時代の流れの中でRSS配信っていうのはもうこれは普遍的に広がっていくので、
それをしないプラットフォームは消滅する方向に向かっていくし、
どんな音声配信プラットフォームもRSSを発行、配給せざるを得なくなってくるというふうに私は思っているわけですが、
その話はまた別のとこで詳しく展開するとして。
結局新たな変化は、ホスティングもできる、聴取もできるっていうところが出てきたわけです。
これが一つはLISTEN、そしてもう一つがSpotifyですね。
SpotifyはAnkerを吸収しましたので、そもそも聴取プラットフォームだったのがAnkerを飲み込んだことで
ホスティングもできる聴取プラットフォームになったと。
なので実は、このホスティングもできる聴取プラットフォームっていうのは、LISTENとSpotifyぐらいなんですね。
他にも探せばあるかもしれませんが、この2つです。
しかも他のRSSも受け入れる。自分のところからRSSも配信できる。
ただSpotifyは音楽はSpotifyプレミアムでしか聴けません。
やっぱ囲い込みなんですね。これクロージャーですね。囲い込みなんですね、結局ね。
独立型音声配信とかいろんなプラットフォームはやっぱり囲い込みをしたいんだろうという気がしますね。
私はこれはディスクロージャーがどんどん進んでいくだろうというふうに思っているわけです。
一番ディスクロージャーが進んでいるのがLISTENなんですね。
実はここはもうある意味、何でもありになっている。
Amazon MusicとかApple Podcastは基本的にホスティングをやる気はないだろうと思います。
ここはもう最後まで聴取プラットフォームであり続けるような気がします。わかりません。
もしやるんであればSpotifyがAnchorを飲み込んだように、どこかホスティングサービスを飲み込むしかないと思うんですけどね。
ホスティングもできる聴取プラットフォーム
それがあるのかということですね。
一つちょっと変わり種として出てきたのがYouTubeですね。
YouTubeはそこから配信できるわけです。
ただYouTube自体はRSSを配給しない、発行しないんですね。
ここがまたどうなっていくかですが、
YouTubeはRSSを受け入れるけれども、
YouTubeで音声配信したものはYouTubeの中でしか聞けない。
それを外部に配信することはできない。
そういう話になっているわけですね。
だからこの辺りをどう考えるかですけどね。
私の見立てはこれはまた別のところで詳しく話しますが、
だいぶ複雑化してきているので逆にわかりにくくなってきているということですが、
もう一回振り返ると、かつては独立型音声配信の世界と、
そしてホスティングサービスと聴取プラットフォームがそれぞれ別個に独立していたのでわかりやすかったんですが、
これがそうではなくなってきて、今入り乱れてきているので、
なんでスタンドFMには配信できないの?という話が出てくるわけですが、
YouTubeからはYouTubeでホスティングしたものは外には出せないの?とかいうのが出てくるわけですが、
こういう状況になっているので、そういうことだということですね。
なので今は、SpotifyとLISTENですね。
一番ホスティングもできるし、RSSの受け入れもしているというサイトになっている。
ただSpotifyは先ほど言ったとおり、音楽付きバージョンというものが一つの囲い込みになっているということですね。
あとはもう一つは、Anchorのホスティングの収録の仕組みはもう5月末でやめて、
Riversideという別の仕組みを今度使うということになっているので、これがどう出てくるか気になるところではあります。
いずれにしても現状では、外部からのRSSを受け入れ、なおかつホスティングも提供しているというのはこの2つになっている。
それ以外は、聴取プラットフォーム。
なので独立型音声配信出身のラジオトークやスタンドFMはRSSを受け入れないと。
ついでに言うと、この赤丸ですけど、台湾のFirstoryも外部からのRSSを受け入れるということは今のところしていないという感じですね。
わかったでしょうか。
その1、その2と合わせて理解してみてください。
とりあえず私の理解はこんな感じで。
ということで、LISTEN to Podcasts for Beginnersのその3、ホスティングサービスと聴取プラットフォームの違いを理解しようということで、配信してみました。
以上です。ではまた。