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2022-11-06 08:27

【0156】2022/11/06 相手を敬うことばを聞いた

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2022/11/06

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おはようございます。鶴岡慶子です。この配信では、司会者として、花火鑑賞師として、そして気象予報士として、日々感じたことなどをお話ししています。
昨日は葬儀式会で、お二方をお見送りしてきました。 午前中にお一人、午後にお一人、その中で素敵な言葉に出会ったんですよ。
午前中はスタッフの言葉、午後はお寺さんの言葉に、とても感動しました。
午前中も午後も、昭和一桁のお生まれの方で、午前中は女性、午後は男性の方でした。
お亡くなりになった後、一般的には、お艶をやって、お絶え屋をやって、その後で葬儀告別式、その後、仮葬。
この後仮葬というのが、一般的なんですけれども、秋田県の場合は、それが逆でして、葬儀の前に仮葬を行うんですね。
これを前仮葬と言ったり、葬儀の形を骨の形で行う骨葬という言い方をしたりします。
この骨葬する地域は、主に東北、それから沖縄、離島と言われているんですね。
東北の中でも、艶の前に仮葬する地域もあるし、艶の後に仮葬する地域もあります。
いずれにせよ、葬儀告別式より前に仮葬するんですよね。
いろんな理由があると思うんですけど、東北地方って雪国ですよね。
だから、雪深い地域では、例えば冬に亡くなった場合は、雪の影響で、葬儀に参列できない人が出てしまうということで、
先に仮葬を行って、そこから間を開けて葬儀を行うという、そういう習慣が根付いたと言われています。
逆に沖縄はどうしてかっていうと、沖縄は逆に暖かい地域なので、
ご遺体の状態が腐敗してしまう、変化してしまう、こういう事情があると言われています。
ただ現在では、エンバーミングって言って腐敗を防ぐような保存処理って言うんでしょうかね、そういうことができるようになってきているんですね。
ただその昔からの習慣がそのまま根強く、今も行われているということで、秋田県もその一つなんですよね。
ですから葬儀、告別式の前に仮葬が終わっているんですよ、多くの場合ですね。
ですから私もお仕事で葬儀の司会をする時には、ご遺体と対面することはなくて、ほとんどの場合、骨の状態でお目にかかります。
それで昨日は午前中、女性の方でしたけれども、1階がメインホールになっていて、2階が控室とか、そこでご遺族がお泊りしてたんですよね。
葬儀、告別式が始まる1時間ぐらい前に、その骨を会場に持ってくるっていう時があったんですよね。
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そのタイミングでご遺族の方と私、司会者と打ち合わせをするタイミングでもあるんですよね。
会場には葬儀ディレクターと私と母主がいるという、そんな状況でした。
そして、今これから骨を運んでくるよっていう時に、葬儀ディレクターが発した言葉が、いやなんて美しい表現なんだろうって思ったんですよ。
なんて言ったかっていうと、女性のディレクターなんですけど、この後お骨をお連れしますからという言い方をしたんです。
葬儀ディレクターの中では、それは常識なのかもしれないんですけれども、
合理的に物事を見てしまうと、骨ってもう体ではなくなっているので、つい運ぶとか移動すると言ってしまうところを、ちゃんと人として扱ってお連れするという表現になっているんですよね。
私自身は、その骨を運ぶとか移動するとか、そういう表現をする場面すらないんですけれども、
お連れしますという言い方を聞いた途端に、また向き合い方が変わって、亡くなられた方のプロフィールをお話しする場面では、ちょっと言語化するの難しいんですけど立体的なお話ができたんじゃないかなという気がしています。
そして午後は、男性の方を送るという場面をお手伝いしたんですが、この葬儀では、お孫さん3人がお別れの言葉をお話しするということで、多くの場合は、お孫さん3人いる時は、皆さんの名前を連名で呼んで、
お孫さん、何々さん、何々さん、何々さんというアナウンスをして、そして祭壇前にゾロゾロっと出て行って、1人ずつお話しして、最後も礼を合わせてお席に戻るという、そういう形が一番多いんですよね。
この葬儀では3人いたんですけど、1人ずつ呼んでほしいというリクエストだったんですね。もちろんどういう形でもこちらは構わないので、
まず1番の方を呼んで、そして1番の方がお席に戻ったタイミングで、次2番の方、3番の方というふうにお別れの言葉は行われました。
多くの場合、そういう形では行われないので、お寺さんと打ち合わせをする時、葬儀の、そうですね、30分ぐらい前ですね。
その時に、お寺さんに対して、今日は長寿は3名です。そして伝報はこのぐらいあります。ということをお話しするんですけど、
えー、3名もいるんですか?ってお寺さん、ちょっとびっくりなさったんですね。というのも、昨日は家族葬で、3列車自体が10名ぐらいだったんですよね。もうご家族だけなのでね。
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だけど、その中で3名もいるんですか?って、ちょっとびっくりなさったんですよね。
いや、いずれもお孫さんなんです。という話をしたら、じゃあ一度に出てくるんだなっていうふうに、多分お寺さんは第一感を持ったと思うんですけど、
3名、一組ではなくて、3名です。お一人ずつお話しなさるそうです。とお伝えしました。
3人でいっぺんに前に出ると、時間は短縮されるので、一人ずつ呼ぶ、3回呼ぶというのを嫌うお寺さんもいらっしゃるんですよね。
そこいっぺんにできないの?っていう方もいらっしゃいます。そうではなくて、それは立派なお孫さんですねってお話しなさったんです。
それを聞いて、また敬う気持ちっていうのが伝わってきて、なんだかとっても温かい気持ちになったんですよね。
立派なお孫さんですね。これって視線がご遺族の方に向いていなければ出てこない言葉だと思うんですよね。
これはもう葬儀ディレクターに報告しなければと思って、午後の葬儀ディレクターはまた違う、午前中とは違う人だったんですけど、
その方に、こういうことが今あって、すごい私は感動したっていう話をしたら、ここのお寺は本当にいいんだよっていうふうに言ってました。
私と打ち合わせをしたのは副住職で、本当にお若い方だったんですけど、ここの住職は本当に素晴らしい方で、教育をしっかりしてるんだよって言ってました。
教育って言ったって、一丁一石にはそういう人物は出来上がらないので、葬儀ディレクターが本当にこのお寺はいいんだよという意味がすごくわかります。
昨日はたまたまお二人というか、二つの家族を担当させてもらう中で、人が亡くなってしまう場面っていうのは本当に寂しいことなんですけど、
その家族に対して心をちゃんと寄せている感じが伝わってきて、またその中で一緒にお仕事ができたのが嬉しかったです。
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鶴岡恵子でした。
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