1. 鶴岡慶子/花火・天気・ことば
  2. 【1416】2026/04/19 司会は削..
【1416】2026/04/19 司会は削る、営業は足す ― 敬語の距離感の話
2026-04-19 06:02

【1416】2026/04/19 司会は削る、営業は足す ― 敬語の距離感の話

spotify apple_podcasts youtube

2026/04/19

感想

まだ感想はありません。最初の1件を書きましょう!

00:00
おはようございます。花火鑑賞士、気象予報士の鶴岡慶子です。 この配信では、花火や天気、言葉に関することなどをお話ししています。
司会の仕事をしていると、必ず一度は悩むことがあると思います。 それは、「ごとさま、どこまでつけるのか?」ということです。
私の修行時代は、「ご新郎さま、ご新婦さま、ご入場でございます。」と教わりました。 バブルの時代でもあったので、イケイケだったんですね。派手婚前世紀の時代でした。
なので、持ち上げて持ち上げて、持って持って、丁寧に丁寧に、とにかく失礼のないようにという考え方だったんですね。
でも、現場を重ねていく中で、そして、うちの事務所以外の司会者との交流ができていくと、少しずつこの、「ご新郎さま、ご新婦さま。」に違和感が出てきました。
時代も変わったっていうのもあるんですけれど、少し重たいなとも思うようになりました。
司会の言葉って、一度しか流れていきません。聞き返すことができないからこそ、一息で伝わることがとても大事です。
そこで今、私が結婚式で使っているのは、「新郎新婦入場でございます。」という言い方です。
ちゃんと言葉を勉強していくと、「ごも、さま。」もつけないのが正解だと分かってきたので、今はこの言い方にしています。
ご新郎さまから新郎、ご新婦さまから新婦、ご入場でございますから入場でございます、あるいは入場ですということもあります。
すべてそぎ落とした形と言えると思います。
そして何よりも、新郎新婦という役割そのものに、すでに意味とそれから敬意がのっているんですね。
役割そのものがすでに特別な存在ですので、新郎新婦入場ですがオッケーなんです。
というわけで、ちょっと使い分けもあるんですけど、和装、お着物で入場する時には新郎新婦入場でございます。
洋装、ドレスの時には入場ですという言い方にしています。
そこはちょっと使い分けています。
さて一方で、葬儀の現場ではどうかというと、私は今、どうしさま入場でございますという言い方をしています。
本来的にはどうし入場です、どうし入場でございますが正解です。
ここまで削るととても美しい形だなって思ってはいるんですが、でも現場では特に秋田ではということかもしれませんけれども、
葬儀はお寺主堂で行われることが多いので、少し敬意が足りないのではないかと受け取られることがあります。
ということで今はどうしさまという形にしています。
ここは言葉の正しさというよりも、慣習的な言い方を取り入れながら場の空気感を優先しているという、そういう形で進行しています。
03:09
加えてお勤めをするお寺のご紹介をする時があるんですけれど、その時は本日お勤めを賜りますのは何とか寺、住職でございますが本来的だと思うんですけれども、そこも慣習的にはご住職あるいは住職様という言い方になるかなって思います。
これがご住職様でございますと言ったらちょっと違うんですね。
そもそも住職の時点で敬意は払われているんですが、さらにごがついてご住職です。
そこに様をつけると敬意が重なって重たくなるんです。
ご新郎様ご新婦様理論ですね。
なので私は本日お勤めを賜りますのは何とか寺ご住職でございますとお伝えしています。
敬語は足せば足すほど丁寧になると思われがちなんですが、実はそうではありません。
特に司会はその場がスムーズに進行していくこと、空気を作ることっていうのが仕事なので、足しすぎるとかえって伝わりにくくなるっていうことがある。
ここは注意をしなきゃいけないなって思っています。
ここで一つ大事なのが司会の言葉とそれから営業トークの言葉は全く別物だっていうことです。
司会の言葉は誰に対しても同じ距離で同じように届く必要があるんですね。
なので余計なものを足さずに役割をそのまま立てます。
新郎新婦、同志、住職、それだけで成立する言葉を使います。
一方で営業トークとか日常の会話では少し事情が変わります。
そこには目の前のこの人との関係性という部分もありますので、
例えば社長さん、社長様、校長様、道場長さん、委員長さんなど営業の場面では距離を縮めるためにあえてこういう言葉を使うことがあります。
こうやって並べてみると特にわかるんですけれども、
新郎さん新婦さんとか新郎様新婦様、同志さんとか住職さんとか打ち合わせの時には使います。
ですが司会の言葉としては使わないっていうことですね。
つまり同じ敬語でも使う場面によってその役割の言い方って変わるわけですね。
司会の言葉は誰にでも同じ距離で届く言葉です。
なので足しすぎない。むしろ削ります。
一方で営業の言葉は目の前の一人に届く言葉ですので、なので少しだけ足します。
この切り替えができると言葉の精度がぐっと上がると思います。
この配信はアップルポッドキャスト他各種プラットフォームでお届けしています。
リッスンではこの配信のテキスト版を公開しています。
合わせてご覧ください。
それではまた明日。
06:02

コメント

スクロール