詩人、作家だけでなく、歌手、ダンサー、俳優、舞台演出、ジャーナリスト、教育者など、非常に多くの表現活動を行い公民権運動にも関わり、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアやマルコムXとも仕事をされていたマヤ・アンジェロウさんの言葉から、創造性について、いろいろ考えさせられました
曰く、
「創造性は使い果たすことができない。使えば使うほど、もっと増えていく。」
ここから、私は思いました。
1、量が創造性を高める
2、量だけではない、開放性が鍵
3、開放的な行動が、開放性を高める
1、量が創造性を高める
創造性研究では、アイデアを多く出す人ほど、優れたアイデアに出会う可能性も高まることが示されています。
これは「Equal-Odds Rule」と呼ばれる考え方とも重なります。
最初から完璧な一案を狙うのではなく、量を増やすことで、優れたアイデアに出会う可能性が高まる。
マヤ・アンジェロウさんの言葉と重なるところがあります。
しかし、
「ならば、100個出せばいいのでしょうか。」
どうも、それほど単純ではなさそうです。
2、量だけではない、開放性が鍵
2019年、マーティン・フリース=オリヴァリウス、ボー・T・クリステンセンは、154人の大学院生を対象に、身近な物の新しい使い方を考えてもらう研究を行いました。
そこで注目されたのが、
「経験への開放性」です。
研究では、開放性が高いほど、
アイデアの量と平均的な創造価値との正の関係が強くなりました。
著者らは、開放性の高い人ほど、多様性や新奇性を解決策に取り込んでいる可能性を論じています。
つまり大切なのは、
100個考えることだけではなく、その間に新奇性や多様性を取り込めているか。
これは、普段から、違う意見や、知らない技術に出会ったとき、「それは違う」ではなく、
「それは何だろう」と一旦開いてみることをしているか
常日頃から新奇性や多様性を取り込めるクセがついているか
そのあたりに、量をさらに創造性につなげる鍵があるのかもしれないなあと思いました。
3、新しい行動が、開放性を高める
では、開放性はもともとの性格で決まってしまうのでしょうか。
Stiegerらの人格変容研究では、日常の中で具体的な行動を意図的に変えていくことで、人格特性が望む方向へ変化する可能性が示されています。
ポイントは、
「もっと開放的になろう」と考えるだけではなく、実際に新しい行動をすることです。
たとえば、普段とは違うことを試してみる。新しい経験に意識的に触れてみる。新しい考えに出会ったとき、すぐに否定せず一度向き合ってみる。
開放性があるから、新しいことをする
だけではなく、
新しいことを実際にやってみることで、開放性そのものも育つ可能性がある。
つまり、開放的な人でなくても、何か創造的な活動をしていなくても
後天的に、人は誰もが、創造性を高めていける可能性があと言うことだと思いました。
自分として、もっと創造性を高めたいなら、
開放的な行動を心がけて、そして、たくさん創造的な活動をしていくこと
一言で言えば
創造的活動が創造性を高めるノベーション
そんな話をしています
参考
・マヤ・アンジェロウ(1982)『ベル・テレフォン・マガジン』インタビュー
・モーテン・フリース=オリヴァリウス、ボー・T・クリステンセン(2019)「完全に等しい確率ではない――経験への開放性は、発散的思考におけるアイデアの量と質の関係を調整する」『フロンティアズ・イン・サイコロジー』第10巻、355
・ミルヤム・シュティーガー ほか(2021)「デジタル人格変容介入の支援によって人格特性を変える」『米国科学アカデミー紀要(PNAS)』第118巻第8号
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