落合陽一さんが語る、柳宗悦 (やなぎむねよし)さんの思想に、日本的イノベーションへの示唆をいただきました
曰く、
「健やかな美しさみたいなものが磨かれることによって、別に禅の修行はしていないけれども、南無阿弥陀仏も唱えていないけれども、その上に喜びや平和が成り立つんだと。
なぜなら、対象が極めて具体的だから。
『具体的』って柳の口癖なんですが、極めて具体的で美しいものがそこにあるという簡明な事実こそが道徳を下支えするっていう考え方は、確かにその通りだなと思うところはあって。」
ここから私は思いました
1、否定しようのない具体
2、具体に人々の精神が宿る
3、日本的イノベーション
1、否定しようのない具体
柳宗悦が繰り返した「具体」という言葉には、間違いなく「実在している」という強さを持っているなあと思いました
思想や理念は、ある意味、空中戦でいかようにも議論できるし否定もできるけれども
民藝において、長い時間使われてきた器や道具には、その時間を経て、たくさんの人を手を経て、確かに「今そこに在る」という重みがあるなあと思いました
哲学者の マルティン・ハイデガー が「作品のうちに真理が立ち現れる」と語られた通り
長年に渡り人の手を経て本当に優れた具体は、単なる物ではなく、時に流れにおける人間の生き方そのものを現してしまうということなのかもしれないなあと思いました
2、具体に人々の精神が宿る
民藝品は、一人の天才が生み出したものではなく、生活に必要なものとして作られたものが、結果として、たくさんの人が使い、改良し、受け継ぎ、暮らしの中で磨かれてきたものかと思います
だからそこには、無数の人々の感覚や祈りや配慮というような精神が染み込んでいて、それを使う人が、その精神さえを感じてしまう、そういうものなのかもしれないなあと思いました
そこに現れる健やかな美しさの中に、触れてきた人、使ってきた人たちの、倫理観、道徳観が歴史として刻まれており、それを自然と継承していけるものでもあるということかなと思います
思想家の ウィリアム・モリス が言われた、「あなたの家には、美しいと思うものか、役に立つとわかるもの以外、置いてはならない」
実はものには、精神性が宿っており、その精神性が人に影響を与えていく、ということを言われているのかと思います
3、日本的イノベーション
モノづくり大国日本と言われているように、日本には、きっとモノに日本独特の精神性を込めてきた歴史があるのかなあと思いました
なので、日本的イノベーションとは、精密で精巧なものを作れることが強みなのですが、そこにたくさんの人々の暮らしを経て、乗っかってくる精神性が
実は、とても日本独特なイノベーションとして、表現されていくことが、日本的イノベーションの一つなのかもしれないなあと思いました
それは、AIなどの技術が進化した中での、資本主義が今後どこへ向かうのかという中での、新たな日本的な精神性や倫理観が宿るものになっていくのかもしれないなあと思いました
ということで、一言でいうと、
具体が道徳を下支えするノベーション
そんな話をしています
参考:本: 令和日本をデザインする 2026年3月20日 発行 著者 落合陽一 先崎彰容 発行所 株式会社文藝春秋
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