芸術家 岡本太郎 さんが、ピカソに出会い衝撃を受けて語った言葉に、深く感動しました。
曰く
「もし感動したらそれを乗り越える。
僕はよくアンチピカソっていうこと言う。
それはピカソに感動してるから、それを乗り越えなきゃいけない。」
(参考:NHK 日曜美術館 日美50特別アンコール
「私とピカソ 岡本太郎」2026/3/15)
この言葉の中に、私はイノベーションの本質を見た気がしました。
私は 3つのことを思いました。
1、創造とは「憧れ」を超えること
2、「否定」は「進化」につながる
3、イノベーションは「衝撃」から始まる
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1、創造とは「憧れ」を超えること
私は学生時代、ハードロックやプログレにめちゃくちゃハマって、ギターや歌をたくさんコピーしていました。
そのうちに、自分でも曲を創りたいと思うようになり、オリジナル曲を創っては、みんなに聴いてもらいたい。そんな風にのめり込んでいきました。
でも、ハードロックやプログレに対してアンチだったかというと、まったく逆で、むしろ 憧れの存在として君臨していた という感じでした。
だからこそ、岡本太郎さんの
「感動したら乗り越える」
という言葉には衝撃を受けました。
哲学者ニーチェは
『ツァラトゥストラはこう語った』で
「人間とは、乗り越えられるべきものである。」
と語っています。
人間の本質とは
超克(Überwindung)
・乗り越える
・更新する
・自分自身を破る
という運動なのだと言われています。
岡本太郎さんの「アンチピカソ」という言葉は、まさに 自らの超克 だったのかもしれないなと思いました。
まず感動する。
そして「自分ならどうするんだ」と問い続ける。
敬意を持ちながらアンチを宣言する。
そこに私は ロックスピリッツ を感じました。
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2、「否定」は「進化」につながる
そう考えると、「アンチ」という言葉は、単なる敵対や否定ではないのかもしれません。
イノベーションとは、現状の当たり前を疑うことでもありますし、哲学もまた「本当にそうなのか」と問い続ける営みです。
つまり 否定は創造のエンジン とも言えるのではないでしょうか。
アイディエーションの場では
「心理的安全性を確保して、出てきたアイディアは否定せず、どんどん乗せていこう」
という考え方もあります。
それも一つの大切な形だと思います。
ただ、否定そのものを否定してしまうと、実はバイアスを壊すことはできないこともあるのではないでしょうか。
否定的な意見もどんどん出せる。
それでいて共感もしまくる。
そんなフラットな環境こそが、本当の意味で心理的安全性のある世界で、創造的な環境なのかもしれないなあと改めて思いました。
岡本太郎はピカソを乗り越えようとした。
アンチとは破壊ではなく
次の創造の入口 なのだと思います。
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3、イノベーションは「衝撃」から始まる
科学哲学者 トーマス・クーン は
『科学革命の構造』の中で
科学は
・通常科学
・矛盾の蓄積
・パラダイム転換
によって進むと説明しました。
つまり科学は、純粋に合理的に進むわけではなく
・世代交代
・思想の衝突
・新しい視点
によって進むというのです。
既存の世界観が壊れた瞬間に
新しい世界が始まる。
岡本太郎がピカソに出会った瞬間は、まさに 芸術的パラダイム転換 だったのではないかと思います。
そしてその衝撃が、岡本太郎さんにとっての 芸術の爆発の瞬間 でもあったのかもしれません。
ピカソはアフリカ芸術から着想を得たと言います。
そして岡本太郎は、そこから縄文文化への着想につながり、太陽の塔のような唯一無二の表現を生み出したのかもしれません。
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例えば、人が本当に偉大な人に出会い、衝撃を受けたとき
・信者になるか
・挑戦者になるか
その選択があるのかもしれないなと思います。
岡本太郎は 後者 を選んだ。
だから
ピカソのフォロワーではなく
岡本太郎というジャンル
を生み出したのだと思います。
もしかしたらイノベーションとは
憧れを超えようとする勇気
なのかもしれません。
一言で言えば
アンチノベーション
そんなことを思いました。
参考:NHK 日曜美術館 日美50特別アンコール
「私とピカソ 岡本太郎」2026/3/15
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