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#1629 Netflix『リボンヒーロー』はなぜ「惜しい」と感じたのかという話
2026-08-14 10:00

#1629 Netflix『リボンヒーロー』はなぜ「惜しい」と感じたのかという話

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Netflixで『THE RIBBON HERO リボンヒーロー』を鑑賞。手塚治虫先生の『リボンの騎士』を「原作」ではなく「原案」として再構築した本作。映像はすごい!キャラクターも格好いい!でも……「もっと説明してくれ!」 。なぜ自分はこの作品を「惜しい」と感じたのか。アニメーション、脚本、キャラクター、そして「現代のサファイアは何と戦うのか?」というテーマについて考えます。朝からオッサンが熱く語ります。



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サマリー

本エピソードでは、Netflixで配信されたアニメ映画『リボンヒーロー』について、手塚治虫の『リボンの騎士』を原案としながらも、現代的な再構築が「惜しい」と感じられた点について掘り下げていく。アニメーションのクオリティは高く評価するものの、物語の脚本、特にキャラクターの行動原理や設定の掘り下げ不足、そして「現代のサファイアは何と戦うのか」というテーマ性の希薄さが指摘されている。映像表現は素晴らしいが、物語としての深みに欠ける点が、本作を「惜しい」と感じさせた要因として挙げられている。

『リボンヒーロー』の概要と原案という位置づけ
はい、おはようございます。本日の放送は、2026年8月14日、金曜日です。 本日は、第1629回目のお話となります。
このチャンネルは、福島県郡山市在住の特撮・アニメ・漫画大好き親父のピョン吉が、日々気になったことをダラダラと話していくという番組です。
よろしくお願い致します。 お盆ですね。昨日は袴入り、今日も袴入りです。
ネットフリックスでリボンヒーローを見ました。 今回はこの作品について少し深掘りして話してみたいと思います。
リボンヒーローは、手塚治虫先生の名作、リボンの騎士を原案としたネットフリックスのアニメ映画です。
まず、ここが面白いところなんですよ。原作ではなく原案。 つまり、リボンの騎士をそのままアニメにしましたという作品ではありません。
実際見てみるとかなり違います。 主人公の名前はサファイア。
シルバーランド、ゴールドランドという国名が出てきたり、チンクを思わせるチックが登場したり、ヘザーと思わせるキャラクターが出てきたり、そして手塚作品を象徴するような火の鳥も登場します。
さらに全体として宝塚的な雰囲気もある。 なので、ああリボンの騎士をやっているんだなと感じる記号はちゃんと入っているんです。
でも物語そのものはかなり違う。 個人的にはこれリボンの騎士じゃなくても成立するんじゃないと思ってしまいました。
いや、もちろんリボンの騎士を原案としているので似ている部分はあります。
でも原案という言葉の自由度をかなり使った作品だなという印象です。
ただ、これは必ずしも悪いことではないんですよね。
むしろ古い作品を現代に蘇らせるなら、昔の作品をそのまま再現する必要はない。
リボンの騎士は元々非常に古い作品です。
そこに現代のアニメーション表現を持ち込んで、新しいヒーロー作品として再構築する。
これは十分にありだと思います。
アニメーションのクオリティと監督の手腕
そして実際にアニメーションはすごい。
キャラクターが動く、アクションが動く、カメラが動く、画面そのものが動くという面白さがあります。
特に監督の井原史雄貴さんは元々アニメーターとして注目されてきた方で、本作が初の長編監督作品です。
なのでこの作品を見ていて、これは作画を見せたい作品なんだなというのはかなり伝わってきます。
動きそのものに力がある。
現代のヒーローアニメとして見ると、プリキュア的な変身ヒーローの感覚もありますし、
そこにガイナックス的なというか、アニメーターが画面の中でやりたいことを思いっきりやっているような勢いも感じます。
ここはこの作品の大きな魅力だと思います。
脚本への疑問点:行動原理と設定の不明瞭さ
ところが、自分がどうしても引っかかってしまったのが脚本です。
ここからはかなり個人的な感想です。
まず主人公のサファイアがなぜその行動をするのかが分かりにくい。
もちろん物語としては故郷を失う、絶望する、そして再び立ち上がるという大きな流れはあります。
大切なものを失ったから今度は誰かを守りたい。
ヒーロー誕生の動機としてはとても王道です。
ところがその王道に至るまでの細かい感情の積み重ねが自分には弱く感じられました。
だからなぜ今ここでサファイアはこうするの?という疑問がちょこちょこ出てくる。
そしてその疑問が一つ解消される前に次の設定が出てくる。
すると見ている側としてはちょっと待って今の設定どういうこと?となるんですよ。
特に気になったのがサファイアの片腕です。
なぜ片腕を失ったのか、そしてその義手が物語の中でどういう意味を持っているのか。
さらにリボンの存在、このリボンは一体何なのか、なぜそのリボンに力があるのか。
リボンの増幅装置という要素も出てきます。
でも何を増幅しているんだという疑問が残る。
なぜ生まれた娘にそのリボンをつける必要があったのか、どこから手に入れたのか、そしてなぜそれによって変身するのか。
こういう設定って本来なら物語を盛り上げるための謎になるはずなんですよね。
このリボンには秘密があるんだな、この義手にも意味があるんだな、この力は一体何なんだと観客を引っ張っていく。
ところが説明されてないからわからないになってしまった。
ここがかなり大きな違いだと思うんです。
なぜこの人がヒーローになったのか、なぜこの力を持っているのか、なぜこの敵と戦うのか、という部分が観客の感情移入に直結します。
そこが弱いとどんなにキャラクターがかっこよくてもこの人を応援したいまでいかないんですよね。
そしてここが自分にとって一番もったいないところでした。
原案を現代化する上でのテーマ性の重要性
そしてもう一つ気になったのがリボンの騎士を原案にする意味です。
これは難しい問題だと思います。
手塚先生のリボンの騎士は単に女の子が剣を持って戦う作品ではなく、男として生きることを求められるサファイアというキャラクターを通して、性別、多い、社会から期待される役割と、そして自分は何者なのかという問題を描いた作品でもあります。
だからこそ、2026年にリボンの騎士を再構築するなら、現代のサファイアは何と戦うのか、というところがものすごく重要になると思うんです。
昔のサファイアが女性でありながら王子として生きることを問題としていたなら、現代のサファイアは何を背負うのか。
誰かの望む私じゃ嫌だ、という本作のティザービジュアルで掲げられていた言葉もまさにそこにつながっているはずです。
ところが、自分にはそのテーマが物語の中で十分に掘り下げられているようには感じられませんでした。
だから、リボンの騎士を現代化した結果、何が新しくなったのか、という部分がちょっと見えにくい。
リボンの騎士というタイトルとキャラクターの記号を借りて、現代的なアクションアニメを作った、そういう印象が強く残ってしまいました。
脚本協力クレジットと制作体制への疑問
そして、スタッフクレジットも少し興味深いんです。
公式サイトを見ると、原案は手塚先生のリボンの騎士、そして脚本協力という形で神村潤子さんの名前が出ています。
ただし、一般的なイメージでの脚本というクレジットに脚本家の名前が載っているわけではありません。
神村潤子さんはスーパーセンターシリーズやプリキュアシリーズなどでも脚本を手掛けてきた方ですので、
脚本協力という形でどこまで物語の構築に関わったのかというのはとても気になるところです。
公開されている公式情報だけでは脚本の実製作を誰がどこまで担当したのかまでは確認できません。
ただ、作品を見た側として脚本を担当した人がクレジットから見えにくいということ自体はちょっと不自然に感じます。
そして、これが自分の最終的な感想です。
総評:惜しいと感じた理由と今後の期待
リボンヒーローはアニメーションを楽しむ作品としてはかなり面白い。
おお、すげえ!となる場面はあります。
でも物語に引き込まれる作品としてみると自分にはかなり弱く感じました。
設定が面白そうなのに設定が物語につながりきっていない。
キャラクターがかっこいいのにキャラクターの行動の理由が十分に伝わってこない。
そしてリボンの騎士を現代化するというとても面白い材料を使っているのに、
じゃあこの作品だからこそ描きたかったものは何なの?というところが最後まで少し曖昧だった。
これが非常にもったいない。
ネットフリックスの長編アニメーションですからね。
しかも手塚先生のリボンの騎士が原案。
だからこそここまでかっこいい映像を作ったんだから物語ももっと見せてくれと思ってしまうんですよ。
いや贅沢な文句ですよね。もっと説明してくれって言っているだけなんですから。
でも裏を返せばそれだけ期待できる素材だったということなんです。
自分はこの作品を見てダメなアニメだったとは思っていません。
むしろ逆、ものすごく惜しいアニメだったと思っています。
アニメーションの力は感じる。キャラクターデザインもいい。音楽もいい。
だからこそこの設定もっと惚れるだろう。このキャラクターもっと描けるだろう。
このリボンもっと意味持たせられるだろうと思ってしまうんですよ。
結果として自分にとってのリボンヒーローはすごいアニメーションを見た。
でもすごい物語を見たとは言い切れなかったという作品になりました。
この映像表現でもっと深いリボンの騎士を見たかったなというのが一番大きな感想です。
まあ朝からこんなにアニメの脚本についてブツブツ言っているおっさんもどうかと思いますけどね。
でもこういう惜しい作品を見るとどうしても語りたくなるんですよ。
ここもうちょっとこうだったらめちゃくちゃ良かったんじゃないかって。
それではまた、もしよろしければピョン吉のオタクな話にお付き合いくださいね。
本日もお聞きくださいまして誠にありがとうございました。
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