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こんにちは。こんにちは。 まずは、今回この膨大な資料をシェアしてくださった、送ってくださった方に、私から心より感謝をお伝えしたいと思います。
いや、本当にすごい熱量の資料でしたよね。 そうなんですよ。で、今回のテーマなんですが、ネットフリックスのドラマ
地獄へ落ちるわよ、の徹底解剖をやっていこうと思います。 はい、全9話の話題作ですね。
ただあの、今回は単なるドラマのあらすじ紹介で終わるつもりはなくて。 なるほど。
なんというか、90年代って日本社会全体が地下鉄サリン事件などを経て、非科学的なものを申しんする危うさを骨の髄まで痛感したはずの時代だったじゃないですか。
はい、まさにそうですね。社会全体がすごく警戒していましたからね。 そうですよね。
それなのに、わずか数年後の2000年代のゴールデンタイムで、一人の占い師の言葉が、なぜか絶対的な真理として君臨したのはなぜかっていう。
そこですよね。その熱狂の正体を探るわけですね。 はい、あの熱狂が何だったのか、そして現代のエンタメ界との対比を紐解くのが今日のミッションです。
すごくワクワクしています。 実際彼女の奇跡はすごいですからね。戦後の貧困から銀座の女王、そしてテレビの超自衛と上り詰めたダークヒロインというか。
ええ、全国のお茶なまを凍らせた地獄に落ちるわよっていうあの断言、あれって当時の社会に対するものすごく強烈なカンフル剤として機能していたんですよ。
でもそこが私には最大の謎というか、社会がオカルトへの警戒心を強めていた直後に、なぜテレビ局はあそこまで占いを前面に押し出したんでしょうか。
なるほど、なんか突然のスピリチュアル宣言なんて温度差が激しすぎるジェットコースターに乗せられた気分ですよね。
嵐の海で羅針盤を失った船が怪しげでもこっちだって力強く刺す灯台にすがりついちゃうような、そんな切実な依存のメカニズムに思えるんです。
その灯台の例え、当時の社会真理を見事についていますよ。
本当ですか。
歴史的に見ても社会全体に漠然とした不安が蔓延すると、人々は複雑な議論より白黒つける断言を求める傾向があるんです。
なるほど。
アメリカでも、過去に政治家が先生術師の助言を求めた歴史的背景がありますが、2000年代の日本が渇望したのは、単なる占いというより叱ってくれる強い淑女という絶対的な権威だったんです。
叱ってくれる存在か。
はい。テレビ局は視聴術というデータを通して、大衆のその潜在的な飢餓感を正確に鍵取っていたわけですね。
なるほどなぁ。
で、その大衆が求めた絶対的権威という怪物を具現化した、あのー、トダイエリカさんの演技、もう戦慄しましたよ。
いや、本当にすばざましかったですよね。
単に年齢を重ねるのを表現するんじゃなくて、他者の人生を飲み込んで肥大化していく自己顕示欲そのものをこう、憑依させているようで。
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ええ。
あと、お母さん役の富田康子さんのあの生々しい老朽役にも、私もこうして年を取っていくわけだなんてショックを受けたりして。
わかります。あの奇麗事の無さが素晴らしいんですよね。
そうなんです。
実はそこが現代のメディア構造につながる重要なポイントなんですよ。
と言いますと。
なぜこの作品の演技がこれほど刺さるのかというと、現在の日本の地上波テレビが徹底した安全運転のシステムに移行しちゃったからです。
ああ、なるほど。
だから、人間のドロドロとした欲望やエゴをそのまま映し出すことが難しくなってしまった。
コンプライアンスのフィルターを通さない吐き出しの人間すささを表現するには、役者もかつてのようなタガを外す必要があったんです。
確かに。だからこそ視聴者の視点となる新人作家役の伊藤祭里さんが聞いてくるわけですね。
まさにそこです。
あの怪物たちの異常な熱量の中で、彼女の自然体でフラットな存在が私たち視聴者とあの競争の2000年代をつなぐ冷静なアンカーになっているというか。
その通りです。そしてこの配役とテーマの深さは、前田監督や地面下地のヒットにも共通しているんですよ。
どっちもネットフリックスですね。
ええ。かつては地上波のゴールデンタイムで許容されていた毒気や危うさが、今はああいうプラットフォームでしか培養できなくなっているんです。
なるほどな。地上波が手放した人間の混沌を映す鏡の役割を配信メディアが引き受けているんですね。
そういう構造上の変化がここにあるわけです。
いや、不快ですね。送ってくださった方の資料の最後に、彼女は怪物だったのか、時代が生んだスターだったのかという問いがありましたが。
はい、ありましたね。
今振り返ると、彼女という強烈なキャラクターを欲しがって消費しつくしたのは、不安に駆られた社会そのものだったのかもしれないですね。
ええ。そこで今回資料を送ってくださった方に、最後にちょっと考えてみていただきたい問いがあるんです。
何でしょうか。
地獄に落ちるわよ、と指を指すような過激で絶対的な存在を排除して、安全第一を手に入れた今の私たちは、その代わりに自身の奥底にある混沌や欲望と次にどこでどうやって向き合えばいいのでしょうか。
うわあ、それは深い余韻を残す問いですね。聞いている皆さんもぜひ自分のこととして考えてみてください。
次回の配信もお楽しみに。さよなら。