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- こんにちは。今回の深掘りなんですが、送ってくださった方から、ものすごく熱量の高いテキストをいただきまして。
- はい。特設への愛が溢れる記録ですよね。
- そうなんですよ。ポッドキャストビークエンドエクスポに参加された後、お家に帰って録画していた宇宙刑事ギャバンインフィニティをご覧になったそうなんです。
- なるほど。その時に書かれたメモがベースになっているわけですね。
- はい。今回のミッションは、そのコンテンツの世代交代と、あと、お仕方における時間の教訓、これを紐解いていくことになります。
- なかなか深い、そして切ないテーマになりそうですね。
- まず私が一番ハッとしたのが、初代ギャバン役の大葉健二さんが先週6日に亡くなられたじゃないですか。
- えー、本当に急な不法でしたね。
- なのに、新作の番組内で追悼のテロップが一つもなかったことに送ってくださった方が、すごく寂しさを感じていて。
- はー、子さんファンの視点からするとその気持ちはすごくよくわかります。
- 私としては、例えるなら、あの老婆のレストランで秘伝のタレが変わったのに誰もそれに触れないような、なんか、そんな切なさを感じるんですよね。
- 秘伝のタレ、なるほど。ただ、制作側のロジックを冷静に分析してみると、今のメインターゲットである子どもたちは、当然ですけど、42年前の最初の作品を知らないんですよ。
- まあ、親世代ですら見ていない可能性もありますもんね。
- そうなんです。直接的な繋がりがないから、あえて触れないという判断は十分に理解できるんです。
- いや、理屈はわかるんですよ。でも実際にその関連のおもちゃを買うのは結局…
- 親世代ですよね。
- そう、親世代じゃないですか。だから42年間のレイエンドを無視されると、これまで支えてきたファンに対してちょっと冷たすぎるんじゃないかって反発したくなりません?
- 確かにそのフラストレーションは最もだと思います。
- あの、災害に巻き込まれてるみたいな、すさまじい生身のアクションを愛してきた子さんファンは、せめてギャバンの魂というか、名声みたいなものを感じたいんですよ。
- 先ほどのレストランの例えを広げると、製作側のジレンマがよくわかるんですね。タレを変えました、とわざわざ宣言すれば、新しいお客さんである子供たちは困難するし…
- 昔からの常連客は怒るかもしれないと。
- そうなんです。だからあえて言語を貫いて、せめてお店のBGMだけは昔のままにしておくというある種の妥協点を探ってるわけです。
- なるほど。お店のBGMですか。その名残という言葉で思い出したんですけど、今の特撮作品ってエンディングでみんな楽しく踊ってたりするじゃないですか。
- 最近の定番というか、よくあるポップの演出ですね。
- でも設定上は多元宇宙で絶対に出会えないはずのキャラクターたちが一緒にダンスしてて、特撮オタクとしては、いやいや視界観の設定はどうしたのって、つい執念深くツッコミを入れたくなっちゃうんです。
- 視界観の矛盾と、あのポップなダンスの温度差ですよね。
- そうなんですよ。
- でも、そこでファンを綱に留めているのが、まさに先ほどの例えにも出た音楽というBGMの力なんです。
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- ああ、そうか。あのダンスに強烈な違和感があっても、渡辺中宮さんの特徴的なブラス音とかレーザーブレードのBGMが流れた瞬間。
- すべて許せてしまう。
- そう、許せちゃうんですよね。あれはいったいどういうマジックなんですか?
- これは人間の脳の仕組みに関わっていまして、音楽という聴覚刺激は設定の矛盾を指摘するような論理的な思考のプロセスをすっ飛ばすんです。
- すっ飛ばす?
- はい。直接感情や記憶のネットワークを叩くので、あのブラス音が鳴った瞬間、送ってくださった方の脳内は一瞬にして1982年にタイムスリップしてしまうんです。
- なるほど。音楽は理屈を超えた強力なタイムマシンとして機能してるんですね。
- そういうことです。
- だから一瞬で当時の熱狂に戻れると。でもそのタイムマシンのスイッチを押してくれる存在も永遠ではないんですよね。
- 本当にその通りです。
- 音楽の話題からつながりますが、素晴らしい挿入歌を歌っていたハーリー・キバさんも2024年の10月に亡くなられました。
- 青い地球は母の星、などあの透明感のある歌声は本当に唯一無二でしたね。
- 送ってくださった方のテキストには、ハーリー・キバさんが仙台で活動を再開したと知って、いつか行こうと思っていた矢先の不法だったと書かれていて。
- いつかと思ってしまう木口はよくわかります。
- ちなみに福島県民の感覚だと仙台ってほど近所らしいんですよ。
- ああそうなんですか。
- はい。それでもいつか行けると思っていたら、いつの間にか間に合わなくなっていたという後悔が綴られていて。
- ここに今回最も重要なメッセージが隠されていますよね。
- 推しに会える時に会わないとダメだという言葉は特撮に限った話ではありません。
- はい。
- 音楽も人も場所も永遠にそこにあるわけではないんです。
- 時間が誰にとっても有限であるという残酷でありながら敷衍的な教訓ですね。
- 痛いほど刺さりますね。
- 私たちが普段当たり前のように楽しんでいる存在も、いつかは手の届かない歴史になってしまうかもしれない。
- ええ。
- そこで今回テキストを送ってくださった方に一つ問いかけたいんです。
- 今送ってくださった方が、いつか行こう、いつかやろうと後回しにしているものは何ですか?
- そのいつかは本当にやってくる保証はありませんからね。
- 秘伝のタレの味も推しの声も、今日という日があるからこそ味わえるものです。
- そうですね。後悔しないように今あるものを全力で楽しんでいきたいですね。
- 次回の配信もお楽しみに。さよなら。