ポッドキャストイベントとNetflixの戦略
こんにちは。今回の深掘りなんですけど、送ってくださった方から届いた、ポッドキャストウィークエンドEXPOの参加体験記を読み解いていきたいなと。
読みました。すごく面白かったですよね。
はい。特に、入り口でNetflixのロゴ入りバッグをもらったっていうお話で。
ありましたね。
それが、なんか意識高いサブバッグみたいな、すごい高品質だったらしくて。
で、2日目も初めて来たような顔して、せこくもう1枚もらおうとしたら、見事に配布縮量で完全敗北したっていう。これ、めっちゃ笑っちゃいました。
なかなかユーモアのある報告ですよね。
ですよね。ただ、私はここでちょっと疑問だったんですよ。
何でしょう。
あの、ポッドキャストのリスナーって基本的に画面を見たくないとか、何かしながら聞きたいから音声メディアを選んでるわけじゃないですか。
そうですね。
なのに、映像がメインのあのNetflixが、わざわざ音声のイベントにやってくるのって何か称賛あるんですかね。
いやー、そこすごく鋭い視点です。実はそこが今回の最大のポイントなんですよ。
なるほど。
普通の巨大企業なら、こういうイベントって立派なPRブースをドーンと出すじゃないですか。
出します、出します。
でも、Netflixは入り口でバッグだけ配ってさっと去っていくっていう、資料にもハリウッド映画のラスボス企業館ってありましたけど。
ありましたね。あの余裕たっぷりの感じ。
しかもこのバッグ、実はPodflixっていうゴールデンウィーク限定番組の宣伝用の在庫だった可能性が高いんですよ。
えっ、じゃあ余ったグッズを配っただけってことですか。
そうなんです。それでいて、イベントで一番強烈なインパクトを残しちゃってるっていうことの巧妙さですよね。
うわー、なるほど。じゃあ、高品質なバッグはただのプレゼントじゃなくて、リスナーの日常に入り込むための、いわばとろいの木馬だったってことですかね。
まさにその通りです。そして、その木馬の中から出てきたのが、Netflixのビデオポッドキャストという新しい戦略だったわけです。
ビデオポッドキャストの台頭とその理由
ビデオポッドキャスト。映像付きの配信ですよね。
資料で、昭和の野球少年が急にeスポーツ大会に放り込まれた感じって表現されてて、すごい的確だなと思ったんですが。
いや、本当にそんな衝撃ですよね。今、界隈ではこのビデオポッドキャストが急増しているんです。
でも、どうしてわざわざ映像を付けるんですか。今まで音声だけで完結してたのに。
実はですね、音声コンテンツってアルゴリズムで発見されにくいっていう決定的な弱点があるんですよ。
あー、確かに。検索とかでオススメににくいってことですね。
そこで、Netflixは世界最強のレコメンド機能を持つYouTubeを利用したんです。
ライバルであるはずのYouTube上で、チュートリアル得意さんとか人気芸人を使ったポッドキャスト番組を配信して、そこからクローズドな自社のNetflix本家ユーザーを誘導している構造なんですよ。
ちょっと待ってください。それって昔ならテレビ局の番組をライバルの局で流すようなありえない事態じゃないですか。
そうですね。オープンな場所で動画としてバズらせて、本丸である自分たちの定額サービスに引きずり込む、その強力な導線としてポッドキャストを使っているんです。
発見されにくさを動画プラットフォームの力でハックしたわけですね。
ええ。もうメディアの境界線が完全に突破されています。
メディア境界線の突破とポッドキャストの未来
すさまじい戦略ですね。実際今回これを送ってくださった方も、その動画ポッドキャストをきっかけにNetflixのドキュメンタリーに見事に行き着いてましたもんね。
ああ、僕らを作ったおもちゃたちですね。
そうそう。スターウォーズとかバービーとか、おもちゃの歴史を日米の違いから描く番組に誘導されて、気づけば時間をごっそり奪われていたっていう。
完全にNetflixの罠にはまってますよね。
私も経験あるんですけど、お前こういうの好きだろうって出してくるオススメ精度の高さには、もう全面降伏するしかないんですよ。
ええ、叶えないですよね。
送ってくださった方、見事にハックされましたね。
この一連の動きからわかるのは、もはよポッドキャストという言葉の定義そのものが、動画の導入とか巨大配信企業の参入で大気圏を突破して激変しているということです。
もう従来型のものは、わざわざラジオポッドキャストって区別して呼ばなきゃいけない時代になりましたからね。
音声だけの小さな過去から、無限の宇宙へ飛び出しちゃったわけですね。ただ、すべてがそうやって動画付きに飲み込まれていく中で、私ひとつ思うことがあって。
ほう、何でしょうか。
なんだか、未来の若者から、昔のポッドキャストって動画なかったんですか?って聞かれる日が来そうですよね。
ああ、ありますね。
その時に、私たちが、昔は音声だけで戦っていたんじゃよって昭和のカタリブみたいに答える日が、もうそこまで来ているのかもしれません。
そう考えると、メディアの進化って本当に面白いですよね。
ええ、本当に。それでは、次回の配信もお楽しみに。さようなら。