映画『沈黙の艦隊』の圧倒的なスケールとCG技術
- こんにちは。えっと、北極海の冷たい深海に棲む巨大な鉄の筒が、全世界を人質に取る、っていう。
- こんにちは。いやー、ものすごいスケールの話ですよね。
- そうなんですよ。今回、資料を送ってくださった方からいただいた映画、
《沈黙の艦隊》の考察を読み解いていくんですけど。
- はいはい。
- 私も驚いたんですが、最初単なる映画レビューなのかなって思ってたら、
気がつけば150年の歴史をめぐる壮大な旅になっていまして。
- そうなんですよね。送ってくださった方の資料、ただのエンタメ作品の感想じゃなくて、
その奥底に流れる文化の深脈をすごく見事に捉えていて、
まさにこう、深海へと潜っていくような知的な体験でしたね。
- で、まず圧倒されたのが、アマゾンプライムで始まった実写版の映像日でして。
- ああ、資料でもかなり熱く語られていましたね。
- そうなんです。あのゴジラ-1とか、もうハリウッド大作に全然卑怯を取らない世界と戦えるレベルのCGで、
深海の恐ろしいほどの静寂から一間発で魚雷を回避する豪音とか、
あの水の重圧が画面越しに伝わってくるような描写って、本当に息が詰まりますよね。
- 潜水艦っていう密閉空間の恐怖とか、海中でのアクションの醍醐味が、
現代の最新技術で完璧に視覚化されてましたよね。
ごまかしが効かない分、すごい迫力で。
原作漫画から政治ドラマへの展開とその理由
- まさにそれです。でも、私が資料を読んでいて、一番、え?って思ったのがここからでして。
- おう、何でしょう。
- これだけ最新CGを駆使したジェットコースターみたいなアクション作品なのに、
ベースになっている1988年の原作漫画って、途中からどんぱちそっちのけになるんですよね。
- そうなんですよ。選挙とか国際関係とか、国家間の駆け引きみたいな、政治の話ばかりになっていくんです。
- なんか普通に考えたら読者は戸惑うじゃないですか。
魚雷避けてたはずが、いきなり国連の討論会を見せられるみたいなもので。
- 確かにそうですね。
- なんでこんな9戦会が成立して、むしろ当時の読者を熱狂させたんでしょうか。
- それはですね、やっぱり舞台が原子力潜水艦だからなんですよ。
- 原戦ですか?
- 何ヶ月も浮上せずに、自給自足できて、なおかつ世界を滅ぼすほどの核兵器を積んでいる。
- はいはい。
- つまり、鉄の筒自体が他国から完全に独立した、ミクロの主権国家として機能してしまうわけです。
- ああ、なるほど。ただの兵器とか乗り物じゃなくて、深海を移動する国家そのものだから、必然的に国際政治の舞台にならざるを得ないんですね。
- その問いです。そしてもう一つの鍵が、1988年という時代背景でして、
- バブルの絶頂期ですよね。
- はい。当時の日本には、経済で世界を制したっていう強烈な自負があったんです。
- でも現実の国際社会では、アメリカやソ連といった超大国には結局逆らえない。
- ああ、理想と現実の壁ですね。
- そのフラストレーションが、潜水艦で独立国家を作るっていう中二病的な究極の反逆のファンタジーを生み出して、
結果として複雑な政治ドラマに発展していったんだと思います。
- 経済力はあるのに、真の独立国になれない葛藤を厳選に託したわけですね。
創作のルーツを辿る:60年代漫画から150年前へ
でも、その会議に独立国家を作るっていう原作者の強烈なアイディアって、いきなり80年代に湧いてきたものなんでしょうか。
- ここで、送ってくださった方の子供時代の記憶がすごく重要な手掛かりになるんです。
- あ、あの、おじさんの部屋でむさぼり読んだっていうお話ですね。
- そうです。1960年代の青の6号とか、サブマリン707といった潜水艦漫画、あと81年のドイツ映画のUボートとかですね。
- 私も少し記憶にあります。
- 実は60年代って、冷戦下でのリアルな恐怖と相まって、明確な潜水艦ブームがあったんですよ。
原作者も確実にその熱気を吸い込んで育っているはずです。
- ちょっと待ってください。ってことは、80年代のその斬新な設定にも、60年代のブームっていうルーツがあったと。
- はい。
- だとしたら、その60年代の作品たちにも、さらに元ネタがあるってことですか?
- まさにそこなんですよ。ルーツをさらに過去へ遡っていくと、なんと150年前に行き着きます。
- 150年前、そんなにですか?
- ジュールベルヌの海底2万マイルとか、動く島の秘密です。
ネモ船長が、ノーチラス号で社会から完全に孤立した世界を築きましたよね。
- はいはい、古典SFの。
- つまり、誰も手の届かない海にしがらみのない独立国家を作るっていう発想は、決して80年代特有のものではなくて、実は1世紀以上前から存在する普遍的なテーマなんですよ。
- なるほど。
- 人間が抱く究極の自由と独立っていうテーマは、150年前から全く変わってないんですね?
- そういうことになります。
- ただ、その夢を乗せる器が、ベルヌの空想の推薦館から始まって、60年代の漫画、80年代の厳選、そして現在の圧倒的なCG映像へと、時代ごとの最新技術によって生まれ変わっていると。
- ええ、アップデートされ続けているわけです。
創作の輪廻転生と未来への問いかけ
- これってまさに創作の輪廻転生ですよね。
- すべての作品には元ネタがあって、それが新しい技術の肉体を得て、何度も備えようってくる。
- 本当にそうですね。素晴らしい表現だと思います。
- 今回の資料から見えてきた一番の発見は、この歴史のつながりでした。私も本当に引き止まれましたよ。
- 同感です。そこで、今回この素晴らしい考察を送ってくださった方に、最後に一つ問いかけたいなと思いまして。
- お、何でしょうか?
- 150年以上続くこの海の独立国家というロマンあふれる夢は、今後VRやAIといったさらに新しいテクノロジーと掛け合わさることで、次はどう輪廻転生していくと思いますか?という問いですね。
- いやー、深いですね。深海からバーチャル空間へと染めよっていくのか、それとも全く別の形か、考えるだけでワクワクしますね。
- 送ってくださった方、ぜひご自身の中でこの問いを深掘りしてみてください。
- 次回の配信もお楽しみに。さようならー。
- はいー。