壮大な世界観と物語設定

さて今回はですね、アニメ大雪海な星の賢者を深く見ていきたいと思います。 共有いただいた感想とかレビューをもとにして、この独特なSFの世界一緒に探っていきましょう。
原作者は、シドニアの騎士なんかで知られるニヒベさん。 福島県のコーリアム市のご出身なんですね。

そうなんですよ。シドニアとかブレイムとか次々アニメ化されてて、福島県出身で3作品アニメ化ってこれはなかなかすごいことだと思いますよ。

ですよね。このカイナですけど、2023年にまずテレビシリーズが11話、その続きというか完結編が劇場版として公開されたんですね。

そうですね。半年後くらいでしたか。

まずやっぱり目を引くのが、その壮大な世界設定。

これはすごいですよね。

巨大な機動獣。その枝に天幕っていう生活空間があって、その下には大雪海っていう未知の世界が広がってる。

このスケール感はなんというかSF好きにはたまらないものがありますね。

ちょっと古典SFも思わせるような。

まさにブライアンオールディスの地球の長い午後とか、ラリーニーブンのインテグラルツリーとか、なんかそういう巨大植物と文明がちょっと交代した後の人類みたいなテーマ。
特にニヒメさんの手にかかると独特のビジュアルと雰囲気が生まれるんですよね。アニメでこれをやるっていうのはかなり挑戦的だったと思います。

その独特の世界観を映像にしたのがポリゴンピクチャーズ。3Dアニメが得意な。

ポリゴンさん、ニヒメさん作品とはもうお馴染みですよね。

シドニアとかブレイムはあのムキツな感じと3Dがすごく合ってましたけど。

ええ、合ってました。

今回のカイナはもっと有機的な自然描写が多かったじゃないですか。

そうですね。樹とか雪とか。

そこも技術が進歩して違和感なく描けてたっていう、そういう声もありましたね。

ポリゴンさんの表現力は本当に確かだと思います。

その世界で展開されるのが王道というか。
王道。
天井の少年カイナと大雪海から来た少女リリハの出会い。ボーイミツガールですね。
天井にいた存在が地上に降りてきて冒険するっていうのは、なんか神話っぽい感じもしますよね。

ええ、そういう構造も感じられますね。

物語の進め方もちょっと特徴的で。
とりますと?
テレビシリーズが結構謎を残した感じで終わったじゃないですか。続きは劇場でみたいな。

ああ、はいはい、そうでしたね。

半年待って劇場版でやっと完結。
この構成と、やっぱり結末については皆さんの感想の中でも特に注目が集まってた点かなと。

そうですね。まずテレビ11話と映画1本っていう比較的短い構成で、広大な世界観の物語をちゃんと終わらせた、着地させたっていう、その主案は評価されてましたね。

確かにあの世界をよくまとめたなと。

ただまあ一方で、やっぱり短いからキャラクターの掘り下げがもう少し欲しかったみたいな意見も、それはそれでうん、わかりますね。
結末の考察とテーマ

なるほど。それからもう一つ面白かった指摘が。
はい。
ニハイさんの作風にしては珍しく、宮崎駿監督っぽいみたいな。

あー、出ましたねその話。

特にナウシカとかラピュタっぽい雰囲気があるんじゃないかと。

えー、まあ確かにその視覚的なモチーフとか、冒険滑撃っていう要素では共通点なくはないかなと。
うんうん。
ただ物語の根っこにある、なんて言うんでしょう、ある種の非常さみたいな。

非常さ。

人間中心じゃない、ちょっと宇宙的な冷たさみたいなものは、やっぱり宮崎さんのヒューマニズムとはちょっと違うかなと。

なるほど、そこが二平さんらしさ。

ええ、そう言えるかもしれません。

その二平さんらしさが一番強く出てるのが、やっぱりあの結末ですよね。

まさに。ちょっと確信に触れちゃいますけど。

ええ、ネタバレ注意ですが。

あの、星のテラフォーミングが終わって、機動獣が役目を終えて切り離されるっていう。
うん。
この結末はいろいろ考えさせられますよね。
しかもその切り離しで、主人公カイナの故郷の天幕も、そこに住んでた人たちも全部消えちゃう。

そうなんですよ。
なんか壮大な目的のためとはいえ、主人公にとってはめちゃくちゃ過酷で、単純なハッピーエンドじゃない、すごくビターな後味というか。

作中ではね、テラフォーミング完了のためには必要なプロセスなんだってことになってますけど。
でもこの結末をどう受け止めるか、何が良い結末なのかっていうのを問いかけてくる感じがしますね。

そうですね。
共有いただいた感想の中に、この結末についてすごく面白い考察があったんですよ。

ほう、考察。

仮説と言ってもいいかもしれないですけど、機動獣って実は宇宙に人類の種を広めるための、なんていうか、タンポポのまだ毛みたいなものだったんじゃないかって。

タンポポのまだ毛?なるほど、面白いですねその見方。

一つの星でテラフォーミングが終わったら、また次の星へ旅立っていくみたいな。

そういうもっと壮大なサイクルの一部なんだと。

そう考えると、あの悲劇的な出来事も、もっと大きなコズミックな視点から見たら、また違う意味合いを持ってくるかもしれないと。

それはいかにも二弁作品らしいスケール感の解釈とも言えますね。もちろん作中で明言されてるわけじゃないですけど。

あくまで考察ですけどね。いや、面白い視点だなと思いました。
というわけで今回は、大雪海のカイナ、その壮大な世界観、神話みたいな構造、そして賛否もあった結末と、そこに込められたかもしれない深いテーマについて見てきました。
あなたにとってこの物語、どう響きましたかね?

設定が独特なったりして、ちょっととっつきにくい部分もあるかもしれないですけど、でもすごく想像力を刺激される作品ですよね。
感想にもありましたけど、もっと注目されてもいいポテンシャルがあるなとは私も感じます。

ええ、同感です。では最後に、あなた自身でちょっと考えてみてほしい問いを一つ。
もしあの機動樹が本当に人類を宇宙に広める種なんだとしたら、それは私たちの起源とか宇宙における未来の役割について何か新しい見方を与えてくれるでしょうか?
そしてこの物語は、創造と破壊っていうテーマについてあなたの考えをどう揺さぶりますか?
ご視聴ありがとうございました。