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ピョン吉@福島県 こんにちは。
アーサー こんにちは。
ピョン吉@福島県 いやー、ちょっと想像してみて欲しいんですけど。
アーサー はい。
ピョン吉@福島県 半年間、もう本当に私、寝不足になりながら、
ピョン吉@福島県 必死に伏線を考察し続けた特撮番組があったとして。
アーサー えー、ありますよね。そういう熱中しちゃう作品。
アーサー なのに、その第24話のラストで、実は第1話から全部予知夢でしたって明かされたらどうします?
ピョン吉@福島県 いやー、それはもう茶舞台ひっくり返しますよ。
アーサー ですよね。今回ディープダイブしていくのは、まさにその衝撃展開をやっちゃった番組なんです。
ピョン吉@福島県 例の送ってくださった方から提供されたテキストにある仮面ライダーZですね。
アーサー はい、そうなんです。私もテキスト読んで心底びっくりしましたよ。
ピョン吉@福島県 本当に視聴者の前提を根底から覆すというか、とんでもない噂ですよね。
アーサー へえ。なので今回のミッションは、この特大の夢落ちが視聴体験に一体何をもたらしたのか、それを解き明かすことです。
ピョン吉@福島県 なるほど。興味深いテーマですね。
アーサー 早速なんですけど、第25話の始めるっていうエピソードで、主人公のバクはついに夢から覚めるんですよね。
ピョン吉@福島県 そうでしたね。
アーサー で、予中目での反省を生かして現実世界に出てくるはずの敵、ボムナイトメアを事前に撃破しちゃうと。
ピョン吉@福島県 過去の失敗を疑似体験して、現実での最悪の結末を回避するっていうアプローチですよね。
アーサー ええ。いわゆる死に戻り的な爽快感というか。
ピョン吉@福島県 構造的にはシュタインズゲートみたいなタイムリープものが持つカタルシスを狙ったかなり野心的な試みだと思います。
アーサー それは確かなんですけど、送ってくださった方のテキストにすごく絶妙な比喩があって。
ピョン吉@福島県 あ、何でしょう。
アーサー チェックアウトしたいのに延伯させられている感覚って書いてあるんですよ。
ピョン吉@福島県 ああ、なるほど。言いてみようですね。
アーサー ですよね。純粋な疑問なんですけど、なんで制作人は1話完結とかワンクールじゃなくて、半年っていう長すぎる尺を夢落ちに使ったんですかね。
ピョン吉@福島県 まあ、そこがこの構成の最大のミスリードと言える部分でして。
アーサー と言いますと。
ピョン吉@福島県 昔の漫画のハイスクール鬼面組の最終回みたいな、全部夢でしたっていう衝撃は、物語の一番最後だからこそ成立する大技なんですよ。
アーサー ああ、確かに。最後なら納得できるかも。
ピョン吉@福島県 なのに、それを物語のど真ん中でやっちゃうと、視聴者が半年間、現実の自分の時間を削って積み上げてきた感情の投資が強制リセットされちゃうんです。
アーサー 完全に置いてけぼり状態ですね。
ピョン吉@福島県 ええ、まさに。
ピョン吉@福島県 しかも、ただ感情がリセットされただけじゃなくて、夢と現実が切り替わったことで、設定にものすごい歪みが生じてるんですよね。
アーサー はい、矛盾が紛失していますね。
ピョン吉@福島県 そもそも予知組が幕の司官なら、幕が見てないはずのザ・レディとかノックスの裏の動きまで見えてたのは何なの?って話で。
アーサー そこは世界観のルール作りがちょっと破綻してますよね。司官の夢と客観のカメラワークが混同されてしまっているというか。
ピョン吉@福島県 ですよね。幕の夢の中にプロの撮影クルーでも雇われてたんですか?ってツッコミたくなりますよ。
アーサー まさにその通りです。
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ピョン吉@福島県 さらに現実世界への影響もおかしくて、ボムナイトメアを事前に倒したせいで警察破壊事件が起きなくて、藤見課長がただの懲戒名職になっちゃったり。
アーサー 悲惨な結末が回避されたとはいえ、ちょっと発泡抜けですよね。
ピョン吉@福島県 あと、Zルームの電気代も払わないと使えない設定なのに、一体誰が払ってるの?って感じで。
アーサー 細かいリアリティが犠牲になっていますね。
ピョン吉@福島県 極めつけは、主人公が現実世界で一度もバイクに乗ってないっていう事実ですよ。敵の親玉がバイクだったって、もう仮面ライダーじゃなくて仮面ウォーカーに改名すべきですよね。
アーサー 仮面ウォーカーですか。そのネーミングはかなり適用してますよ。
ピョン吉@福島県 ですよね。ただ歩いてるだけじゃんって。
アーサー ああ、わかります。どっちが現実かわからなくなるあの怖さ。
ピョン吉@福島県 でもZの場合は、あれは夢でここからが現実って明確に切り離しちゃったせいで、半年間の出来事を単なる予行演習にしちゃったんです。
アーサー なるほど。本番前の長い長い練習だったと。
ピョン吉@福島県 結果的にどうせピンチになっても最後はベッドで起きるんでしょっていう緊張感ゼロの安心ヒーロージャンルを生み出してしまったわけです。
アーサー ああ、スリルを自ら手放しちゃったわけですね。
ピョン吉@福島県 そういうことになりますね。
アーサー じゃあ、考察する意味も緊張感もなくなった今を送ってくださった方は、この番組をどう楽しんでるのかなって、そこがすごく興味深くて。
ピョン吉@福島県 テキストにはどう書かれていたんですか?
アーサー なんと、第26話でドーンっていう新ライラーが登場したあたりで、もう完全に考察を放棄したそうなんですよ。
ピョン吉@福島県 なるほど。途中で作品に対する見方を完全に切り替えたわけですね。
アーサー はい。仮面ライダーが悪いやつと戦っていればとりあえずOKっていう、期待しないという期待を胸に残りの半年を主張する決断をしたと。
ピョン吉@福島県 たつかんの境地ですね、それは。
アーサー 私これって例えるなら、高級フレンチだと思って真剣に味わってたコース料理が、途中で全部成功な食品サンプルだったって気づいたような状態だと思うんですよ。
ピョン吉@福島県 非常に面白い例えですね。味の批評をするのはやめて、そのサンプルの異常な作り込みの面白さとか、シェフの気候そのものを楽しむ方向にシフトしたと。
アーサー そう、まさにそれなんです。斜め上からの楽しみ方というか。
ピョン吉@福島県 でも、この大技がもたらした最大の効果って、実はそこなのかもしれないですよ。
アーサー と言いますと。
ピョン吉@福島県 結果的に、この展開は特撮ファンの間で長く語り草になることは間違いありませんからね。
視聴者の記憶に深く、そして強烈な爪痕を残したっていう点では、作り手の執念が勝ったとも言えます。
アーサー 確かに、一生忘れられないトラウマ、いや名作にはなりましたよね。
ピョン吉@福島県 ええ、間違いなく。
アーサー これを聞いている、送ってくださった方、半年後の最終回でこれも全て夢でしたって2度目の宣告をされても、驚かない準備本当にできてますか?
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ピョン吉@福島県 いや、2度目はさすがにないと思いたいですけど。
アーサー わからないですよ。もしかすると、現実だと思っているこの後半戦の物語すら、別の誰かが見ている夢の入れ子構造になっているかもしれませんし。
ピョン吉@福島県 それはそれでまた新しい考察が始まってしまいそうですね。
アーサー いやそうですね。この先どんな予想外が待ち受けているのか、ぜひその期待しないという期待で最後まで見届けてみてください。
次回の配信もお楽しみに。さようなら。