恋愛の決断
そりゃそうだろう。 何たってあの男は何にもわかっちゃいない。
こういう男はさ、 永遠に女のことなんかわかりっこないのさ。
画面の向こうの彼女は、二次択を始めた。 そうよそうよ、出て行ってやればいいのよ。
コーンクリームスープを飲みながら、 画面に向かって林立てる。
もう来ないの? 彼が問いかける。
来るわけねえだろうが、もう来ない。 そりゃそうだ。
なんで? そういうことがわかんねえからだよ。
その方がいいから。 そうそう、その方がいいよ。
そっか、本当にわかってんのか? 本当にもう来ないの?
むしろ来ちゃダメだから。
よく言った。 画面の向こうの彼女は、
彼氏の部屋を足早で出て行く。 いやー、よかったよかった。
2話目くらいで出て行ってもいいくらいだったよな。 こうやって、
ドラマや映画、 または友人の話なんかには、
言いたい放題できる。 しかし、
現実の私は、 画面の向こうの彼女と似たような状況なのだ。
ぶっ通しで見ていたドラマ。 ポツンと一人きりの部屋。
約束が入っていたはずの カレンダー。
カーテンの隙間から、 明らかに快晴だと分かる朝日が、
差し込んできている。 その光はまるで、
私に決断を 催促してくるような。
前に進む画面の彼女から、 あなたはどうするって、
質問を投げかけられているような、 そんな気がして、
眩しすぎる朝日を感じながら、 歩みを進めてみようかと、
ただ一人、 決意した。