歌手の加藤登紀子さんが自らの半生を振り返る、第4話。
「藤本(敏夫氏)との(獄中)結婚を決めたのが昭和47(1972)年春、そのときはもう歌手を辞めてもいい、と思っていましたね。所属事務所の石井好子社長(シャンソン歌手)に伝えると、結婚も出産も賛成してくれました。石井さんは、『仕事はもうしなくてもいい。でもね、歌手を辞めるかどうかは、あなたの心の中にしまっておきなさい』って。「知床旅情」でレコード大賞歌唱賞を取った翌年だったから、既に仕事はいっぱい入っていたと思う。後で聞いたら、石井さんは周りから『何であんな結婚を認めたんだ』としかられたそうです。石井さんの決断には本当に感謝しています」
夫妻は3人の娘に恵まれ、藤本さんは農業や環境問題にのめり込む。そして、平成4年の参院選に、ミニ政党を作って出馬することを決意。それが大きな波紋を呼ぶことに・・・
※このエピソードは、2016年に産経新聞紙面に掲載された「話の肖像画」を、加藤登紀子さんの次女である、半農半歌手の Yae さんが代読したものです。
加藤登紀子プロデュース『Yaeコンサート2022「for you」今、あなたに伝えたい @東京・渋谷伝承ホール』が11月10日に開催されます。
詳細はこちら(リンク)
■加藤登紀子(かとう・ときこ)
昭和18年、ハルビン(現・中国東北部)生まれ。東大文学部卒。在学中の40年にシャンソンコンクールで優勝。41年「赤い風船」でレコード大賞新人賞、46年「知床旅情」で同歌唱賞。「ひとり寝の子守唄」「百万本のバラ」などヒット曲多数。女優、声優としても活躍した。
■Yae(やえ)
昭和50年、東京都生まれ。加藤登紀子さんの次女。平成13年に歌手としてデビューし、 NHK「みんなのうた」や人気ゲームソフトの主題歌などを歌唱。代表曲「名も知らぬ花のように」は東日本大震災応援メッセージソングとして採用された。現在は、千葉県鴨川市の「鴨川自然王国」でスローライフを送りながら音楽活動を続けている。
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