2022-06-23 11:13

戦後史開封特別編「メディアは死んでいた」(1) 日本海の方で変なことが起きている(再配信)

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昭和54年。ダサい、ナウい、キャリアウーマンといった言葉がはやった時代。プロ野球では、広島カープが初の日本一となった年。実はこのころ、日本海側で、ひそかに、理不尽極まりない凶悪犯罪が続発していた。 北朝鮮による日本人拉致事件である

 当時、誰もが気付かなかった拉致の事実を、一人で突き止めた男がいた。産経新聞社会部記者、阿部雅美である。40年以上も昔、北朝鮮による日本人拉致事件を最初に報じたのは産経新聞である

 

「日本海の方で変なことが起きている…」

 

【原作】 阿部雅美『メディアは死んでいた―検証 北朝鮮拉致報道』
【語り手】柳亭市好
【制作】 産経新聞社

大好評配信中の「メディアは死んでいた」(全10話)のプレイバック再配信になります。

 

■拉致事件を産経新聞が徹底取材した豊富な記事や写真はこちらからご覧になれます。
 産経ニュース

 

【原作】 「戦後史開封」(「戦後史開封」取材班 /産経新聞社・刊) 
【番組制作】産経新聞社

 

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00:01
第1話 日本海の方で変なことが起きている
産経新聞社がお届けする音声ドキュメント
北朝鮮による日本人拉致事件
原作 産経新聞出版 安倍政宗
メディアは死んでいた
検証 北朝鮮拉致報道
2018年5月28日 初版発行
制作 産経新聞社
案内役は私 話科の劉廷一光です。
1979年 昭和で言えば54年
ダサい、ナウい、キャリアウーマンといった言葉が流行った時代
プレア級では広島東洋カープが初の日本一となった年
実はこの頃 日本海側で
密かに理不尽極まりない凶悪犯罪が続発していた
北朝鮮による日本人拉致事件である
当時 誰もが気づかなかった拉致の事実を
一人で突き止めた男がいた
産経新聞社会部記者 安倍政宗である
40年以上も昔 北朝鮮による日本人拉致事件を
最初に報じたのは産経新聞である
日本海の方で変なことが起きている
昭和54年 1979年
試験記者だった私が野回り先で偶然耳にした一言が
取材のきっかけだった
当時31歳 私は警視庁を担当していた
変なことが何なのか検討もつかなかった
思い当たることはなかった
地方新聞でも覗いてみるか
何のあてもなかったが他に方法もなく
昼下がりの散歩がてら警視庁からすぐ近くの
日比谷の図書館へ何日か通った
日本海と一口に言っても海岸線は長い
03:06
青森を手始めに北から順に沿岸の地方新聞をめくっていった
どこの県でも事件事故の記事は毎日それなりにあるが
世の中に変なことなどそうはない
結局これというものは見つからず
徒労に終わりかけたが目に止まった記事が一つだけあった
高岡の海岸
4人組が若い男女襲う
手錠かけ寝袋覆う
1年以上前1978年8月16日付
富山県の地元市北日本新聞の長官社会面の記事だった
海岸の松林を散歩していた若い男女に
4人組の男たちが襲いかかり手におもちゃの手錠をかけたり
頭から寝袋をかぶせて身動きできないようにさせ
そのまま逃げ去った
被害に遭った2人はまもなく民家に助けを求め保護されたが
高岡警察署は悪質な逮捕監禁
暴行障害事件とみて捜査している
人を生きたまま袋に押し込む
手錠をかける
あまり聞いたことのない手口だった
犯人たちがそのまま逃げたというところは
一体どういうことなのかさっぱりわからない
夜回り先で聞いた変なこととは違う気もしたが
妙な事件であることは確かだった
新聞記者になって8年
様々な事件を取材してきたが
首をかしげるようなことは滅多にない
そもそも4人もの男たちは
袋詰めにした男女をどうしようとしたのか
興味をそそられた
誰に命じられたわけでもない
私はショルダーバッグにノートとカメラを放り込んで
初めての土地へ向かった
気楽な出張だった
当時の国鉄
今のJR北陸本線から分かれて
富山県高岡市と姫市を結ぶローカル線
姫線は富山湾に沿って走る
姫の手前に島を問い合わせる
降り立って東へ歩くと潮の香りがしてきた
5分ほどで天原市海岸だ
水源の良しつねが東北地方へ落ち伸びる途中
06:01
岩カーメが止むのを待ったと伝えられる岩があり
氏名の由来になっている
地元では島を海岸とも呼んでいた
岩カーメが止むのを待ったと伝えられる岩があり
氏名の由来になっている
地元では島を海岸とも呼んでいた
ここが逮捕、監禁、暴行障害事件の現場だった
私が図書館で見つけた
4人組が男女を襲った事件だ
岸前に日本海の海原が広がる
白車青松の美しい海岸線が長く伸び
富山湾越しに立山連邦が望める継承地だ
遠く雪が積もった3000メートル級の山々を眺めながら
海水浴が楽しめる
日本では珍しい浜辺と聞いていたが
私が取材した日はあいにくのどん天で
暴風の松林が続く秋の浜に人影はなかった
民家が転在する
あてすっぽうに海に一番近い家を訪ねた
そこが手錠をかけられ猿ぐつばをされ
頭からすっぽり布袋をかぶせられた若い男性が
うさぎ飛びで助けを求めた家だった
1年以上も前の出来事を
その家の主人ははっきり覚えていた
ちょうど盆だった
夜7時前でした
次男の嫁が風呂から上がった時
風呂場の戸に
どんどんと
たいあたりするような音がしたんです
驚いた嫁が外へ出たら
袋の中から
助けてくれと
私も外へ出ると
なんというか
袋に詰められた人が立っていて
そう
まるで漫画のおば急
おばけのキュウ太郎みたいだった
あんまり奇妙なので
一瞬吹き出したくらい変な格好だった
何事かと思いましたよ
袋を脱がしてやると
顔に妙なもの
猿ぐつばをつけていて
助けてくれ
彼女も襲われた
探しに行くっていう
うちの次男と2人で浜へ行ったけど
彼女は
見つからなかった
その家の主人が
おば急みたいと
栄えのチラシの裏に書いてくれた絵が
私の取材ノートに挟まっている
09:02
これは音声ドキュメント
北朝鮮による日本人拉致事件の
シリーズドキュメント
北朝鮮による日本人拉致事件の
シリーズ第一話です
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u-service at sankei.co.jp
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この作品は
元産経新聞社会部記者
安倍政美による著書
メディアは死んでいたを再構成したものです
案内役は
劉邸一光でお送りしました
第2話
怪しげな男たち
安倍は奇妙な事件を取材する中で
驚きの事実を知ります
では次回
あなたは拉致を
いつ知りましたか
産経新聞社がお届けする戦後紙開封
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