今晩のゲストもですね、先週に続いて株式会社コンサスの代表取締役社長、土井康史さんです。土井社長、今晩もよろしくお願いします。
はい、よろしくお願いします。
今週はですね、会社の方、コンサスについていろいろと伺おうと思っております。
はい。
まず、バルブを扱っている会社ということなんですが、先週も少しだけ伺いました。
例えば、水道の蛇口とかですね、ガスのコックなんかもバルブだということなんですが、
こうしたものの他に、例えばどういうところで大きな仕事をしているというふうに、僕たち見ていいんでしょうか。
当社の製品だけに限るとステンレスなので、例えばメインのユーザーさん、
例えば、ケミカルタンカーというものすごい大きなインドネシアだから、
硫酸や物産を運ぶような船なんかには、1台で500、600台ステンレスのバルブが付きますし、
また食品機械、いろんなジュースだとかお酒とかを作るものは、
バルブをたくさんついてそれを制御しながらいろいろ作りますので、そういうものがあったり、
それこそ医薬なんかの薬もですね、いろんなのを制御するのにバルブがあるということで、
当社はステンレスなので、そういうところのユーザーさんが多いです。
なるほど。タンカーなんかでいろいろ配管があるときに、僕のイメージでは、
例えばクルクル回すようなものがあれがバルブというふうな理解でいいんでしょうか。
そうですね。バルブもたくさんの種類があって、ゲートバルブといって水門のように上げ下げするバルブもあれば、
水道の蛇口のように弁体というものが上下してやるものもあれば、
我々の一番多いのはボールバルブというように丸い玉がですね、横に回転するように制御する。
その流れる液体と調整によっていろんなバルブを使い分けします。
なるほどね。じゃあ代償もかなりいろんなものがあるということですね。
小さいもの、それこそ1ミリ、2ミリのものからものすごく大きいものまでありますね。
なるほど。その機能なんですが、とにかく例えば閉めてしまったり、大量に流したりと、そういう調整ということでよろしいですか。
そうですね。
先週もちょっとだけ言ってましたけども、じゃじゃ漏れになってしまうと危ないこともあるわけですから、
かなりセキュリティというか、僕たちが安全に直結している大事なものという理解でいいんでしょうね。
だから絶対漏れたらダメなところは20、30にもバルブをつけて、たとえ1台漏れたとしても外部に漏れないように。
内部漏れというのはパイプの中で漏れたところで大きな事故にはならないんですけど、
外に漏れちゃうと気発性のあるものだとかガスなんかでしたらもう大事故になりますので。
なるほどね。パイプの中でもやはりそのバルブがついているところが一番外部に漏れやすいということはあるわけですね。
実際そうでしょうね。やっぱり金属ですから熱だとかによって伸縮しますので、負荷がかかるのはバルブに負荷がかかりますのでそこから漏れるケースが多いですね。
本当に肝の部分ということになるわけですが、そうしたものをですね、例えばコンサスさんに注文してくる業界、会社というのはどういうところになるんでしょうか。
我々ステンレスで割と低圧食品をやっているので、食品機械メーカーさんだとか、例えばお酒の会社のタンクを作っているところとか、あと造船所、船会社とか、そういうところが多いですね。
なるほどね。じゃあ酒造メーカーなんかでもお酒を流したりするときにバルブの発注が来るというところですか。
昔お酒っていうのは木の樽でやってるんですけど、今も衛生上ですね、ステンレスにすごく変わっていってるんです。やはりステンレスでしたら分解して洗浄もできるし、例えば蒸気で殺菌することができる。
そういう意味じゃあここ数年、10年ぐらいで一気にステンレスの食品機械が増えてきましたので。
じゃあ新しい取引先ができているということですか。
そうですね。例えば醤油とかソースっていうのは、10年前まではやっぱりプラスチックのバルブをよく使ってたんです。醤油とかっていうのはすごい塩分が強いので、ステンレスでも錆びちゃうんですよ。
でもプラスチックだったら錆びない。ところがやっぱり環境ホルモンの問題だとか、プラスチックだったら割れたりすることがあるので、ステンレスに変わって、むしろ蒸気洗浄とかっていう風に。
要は頻繁に分解して洗浄するようになってきたので、金属に変わってきてますね。
もともとステンレス製のバルブというのをずっと使えてたんですか。
これもご縁と言いますか、たまたま台湾っていう国はステンレスの芋の屋さんとかがすごい多いんですよ。
だから何もステンレスにしようって思ってたわけじゃなくて、要は向こうでバルブを作ろうと思ったら必然的にステンレスが多かったんですよ。
だからステンレスを作って日本で売ったら、気がつけばうちはもうステンレス専門になっちゃったんです。
今は扱いは100%ステンレスなんですか。
ステンレスかステンレス以上の金属です。昔は銅とか鉄もやってましたけど、もう今はステンレスがほとんどですね。
お父さんが台湾とのつながりもあったんで、台湾からの受注と言いますか、持ってくるというルートができたんですが、
社長から見られて台湾の製品とか台湾の職人さんの腕というんですか、評価はどんなもんでしょうか。
10年前20年前はよりか今の時から言うと台湾の方がいい機械使ってありますね。
特にここコロナ禍になったらなおさらそうですね。
なんとなくね、アジアでは日本が先進国だから一番いいものを作ってるよという感じが、僕なんかもう64歳なので抜けきれないんですが、今はもうそんな常識は通じないというか。
僕は通じないと思いますね。特にここコロナ禍になって僕は隔離でも向こう行ってましたけどね。
何が違うかって言ったら、かつて日本がものづくりをやった時は、いろんなものを機械が作ってても、
例えば改造したり修理したりしながら、それの専用機械を結構皆さん作ってあったんですよ。
職人さんが勝手にこういうジグを作ってこれで加工するとか、これ便利やっていうふうに汎用の機械をちょっと修理しながら改造しながら、それ専用の機械作っても。
でも今の日本ってそんなんする人いないんですよ。ところが台湾という国はまだそれを結構既存の機械を改造しながら専用機にしちゃうんですよ。
だからむしろすごく向こうの方がものづくりは早いし、いいものを作ってますね。
作る道具も大事に使うので、次々に新しい発想ができて、いいものができていくというところもあるかもしれませんね。
なんとなく日本人って結構贅沢になってから使い捨ての文化になっていますので、この機械もダメだったらすぐ次のものを買うというものではないようなものづくりの魂が台湾に残っているような気がしますね。
だから例えば日本でバイクなんか見ても改造するような人ってまずいないけど、修理しながら騙し騙し作るっていう文化が工作機械なんかでも専用機械をちょこちょこっとやりながら上手なものづくりをしているように思います。
なるほどね。そこに関係ができた、お父さんが着艦されてそこに拠点を作られたっていうのは先見の目があったかもしれないですね。
結果的にそうなりますね。
僕も台湾好きで結構行ってる方なんですが、やっぱり古い日本が残っているような感じがするんですね。
学校の先生に対する尊敬度だとか、あるいは警察とか軍人さんに対する尊敬度があって、例えばバスなんかでも優先的にその人たちに乗ってもらうといったものが、僕初めて見たときに、そうなんだと思ったんですね。
世の中に貢献している人を大事にするという文化がここにあるんだなという気がしました。
そうですね。特にコロナ禍では作ったルールをちゃんと守る。
で、割と法律とかルールをパッて作る。
例えば向こう行くと全員ちゃんとマスクしてるんですよ。
で、なんでって聞いたら、いや、もうしてへんかったら、要は警察から罰金あんねんとか。
そういう、例えばレストランでも、レストランでタバコ吸ったらダメって言ったら誰も吸わないんですよ。
なんでって言ったら、もうちゃんと紙貼ってるんですよ。タバコ吸ってたら罰金いくらって。
だからそこら辺をちゃんと国が決めたルールを法律化して、それをちゃんと守るっていう文化は、昔の日本にまだあるような気がします。
あるような気がしますね。
今の日本人っていうのは、例えばマスクしなさいって言ったときに、なんでせないかんねんって言いつくね。
あるいは、どういう根拠でとか、結構理屈で言って守らなくしようしようとしてるように思うんですが、
その辺は台湾の人というのは当たり前のこととして受け入れてるというところがあるような気がしますね。
そうですね。できない理由よりか、やる方法を考え張りますね。
それが日本人よりも今のものづくりの拠点になってる理由かもしれないですね。
もうそのように思います。
そこに拠点を持たれていっているのは、コンサスの今の強みかもしれないですね。
はい。
わかりました。また後半もよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
ここから後半ですね。引き続き株式会社コンサスの代表取締役社長、土屋さんにお話を伺います。
いろんな資料を読ませていただきますと、コロナが流行ってですね、このバルブについての需要とか、
注文されるものとかにも結構変化が出てきてるというふうに伺ったんですが、コロナの影響というのはどんな形で出ているでしょうか。
コロナの影響というよりか、半導体関係がコロナ禍ですごく需要が増えたじゃないですか。
はいはいはい。
半導体って結構バルブ使うんですね。
そうなんですか。
半導体の製造装置、そこら辺の需要がですね、ものすごく増えてきましたね。
じゃあその商品を送っていくところというのは、半導体を作っているメーカーさんになるわけですか。
半導体を作っているメーカーさんを作っている機械メーカーさんに結構出てきます。
半導体を作っている、その機械を作っているところですね、作るための。
ちょっと僕の想像力ではどういうところに使われているのかというのはあまり象として見えてこないんですが。
うちが多いのはハイガスラインという、一番いいのは真空という半導体って超クリーンなので、一切ゴミがないところで作らないとダメになると真空配管をしないとダメなんですよ。
真空というのは一番きれいですね、空気がないところ。
そこでものを作るので、真空で引っ張る配管を作っているバルブをうちはステンレスで作っているんですよ。
普通はプラスですけどマイナスになっているところで使うバルブをうちが作ったので、それはものすごく需要がどんどん増えてきてますね。
それは今までなかった取引先なんですか。
そうですね、結局台湾という国で半導体を作っているので、もともとヨーロッパとかアメリカなんかのメーカーがやってたんですけど、
納期的に間に合わないとか、むしろ向こうが生産体制が厳しいというところで、わりと近い日本の我々に引き合いが来るケースが増えました。
それは地理的なメリット。
地理的なものもありますし、日本は多分安心して買っていただけるということもあったんだと思います。
じゃあ本当に細かいバルブというのも作られるわけですね。
むしろ細かいバルブのほうが多いですね。
例えばそれ何ミリとか何センチとかそういうレベルですか。
7、8ミリから25ミリぐらいまで、後継がですね。
本当に小さい子が指でつまめるようなものもありますね。
なるほど、一週目からちょっとお話してますけど、バルブというとぐるぐる回すものというイメージがあるんで。
水道とか、下水とか。
じゃあ本当に精密機材になってますね。
それへの対応というのは比較的簡単にいけるんですか。
ただし硬い金属なので加工は他の金属よりかは難しいです。削ったりするのは。
削ったりするのはね。じゃあものづくりの時に結構苦労があるということですね。
そうですね。あまりギリギリですごいきっちりしたものを使うと焼き付きっていってステンレス同士が噛んでしまうとくっついて動かなくなるんですよ。そういうリスクはあります。
なるほどね。例えば交換の頻度とかそれはだいたいどれぐらいのものですか。
いやものによって全然違いますけど、供備物がいいのでそれこそ5年10年20年使う人もいらっしゃればしょっちゅう取り替えるところもあります。
しょっちゅう取り替えるところ。それはまだ買えなくてもいいのに買える。
そうですね。特に高級なもの。特に食品とか医薬なんかはもう買えなくてもいいのに買える業界ですね。
なるほどね。その際には同じものが発注されていくとどんどん変えていくという形ですか。
そうですね。基本的に同じものを発注するパターンが多いですね。特に医薬だとかいう非常に難しいところは。
なるほど。ちょっと変な質問かもしれませんがその時にまだ使えるのにとかうちの商品はもっと長く寿命があるのにとかそういったマイナスの面ってのは思わないもんですか。
いや思わなくもないですけど商売ですから。買えてもらった方がいいね。
なるほどね。分かりました。今例えば生産量とか取引量というんですか。量的なものはどれくらい今作られているという感じでしょうか。
数量ベースで。
数量でも結構です。
数量分かりません。金額ベースではうちで大体年初15億円くらいなので月単位で1億ちょっとくらいはバルブは作ってますね。
なるほどね。しかしその話にかかりますとお父さんと女性従業員と2人だけから思うと非常に大きく成長したという感じですね。
そうですね。気がつくとこうなってたので成長した実感はないですけど過去振り返ったら社員も増えてビルも建ててすると大きくなったようには思いますね。
でも気持ちは全然変わってないですけど。
最初のものづくりの時から。
なるほどね。先ほどちょっとお話の間に伺ったんですが創業者のお父さんはお亡くなりになられたんですか。
昨年はい。
いくつだったんですか。
87歳。
87歳。台湾の方がやはりずっと長いという生活を晩年まで続けられてたんでしょうか。
でも最後の80歳過ぎてからは毎月は行ってましたけど1週間くらいだけ行ってましたね。でもコロナになっても一切行けなくなって台湾に行きたいというのは言ってました。
よっぽど多分水があってたんだと思います。
なるほどね。それに比べて野井社長は台湾との親密度というのはどんな感じですか。
父が台湾関わってるときはどうも僕にはあまり関わってほしくなかったみたいでやっぱり自分のところに息子がっていうのは若い頃はそう思ってなかったけど年取るとやっぱりそういうのがあったんで僕も極力抑えるとこは抑えてますけど年に2,3回しか行ってなかったですね。