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第11回 歴史のバトン【戦国編】第5走者:石田三成(2/3話)
2026-06-21 06:51

第11回 歴史のバトン【戦国編】第5走者:石田三成(2/3話)

石田三成の2話

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こんばんは、今夜もまた、おやすみ歴史ラジオの時間がやってきました。 ベッドに入って、一番リラックスできる姿勢で聞いてね。
今夜お届けするのは、石田三成の生涯を書く物語の第2話です。 昨日の第1話では、少年時代の三成が相手の様子をじっと観察する
お茶のおもてなしによって豊臣秀吉に言い出され、 秀吉様のために生きるという人生の強いバトンを受け取ったところまでお話ししました。
大きくなった三成は、秀吉の住むそばで、ものすごい才能を発揮し始めます。 ただ彼の才能は、刀を振るって敵を倒すという、いわゆる武将らしい戦い方ではありませんでした。
三成の最大の武器は、数字と仕組みの知恵だったのです。 例えば、何万人という大軍の兵隊たちが遠い戦場で戦うとき、その人たちが毎日食べる膨大なご飯や、使う武器を一粒も一つも無駄にせずに、完璧なタイミングで戦地まで届ける。
あるいは、日本中の土地の広さや、お米がどれくらい取れるかを正確に測って、国を豊かにする新しい税金の仕組みを作る。 三成は、そういった裏から国を支えるお仕事において、誰も真似できないほどの天才でした。
秀吉が日本中を一つにまとめて天下を統一できたのは、三成のこの完璧な事務能力があったからこそ、と言われています。
三成自身も、この仕事が国を平和にするんだと信じて、毎日夜遅くまで一生懸命に書類と向き合っていました。
しかし、ここに歴史の大きなすれ違いが生まれてしまいます。三成はあまりにも真面目で、数字に強すぎました。
ずるいことや、仕事をさぼる人が大嫌い、秀吉様が決めたルールは、どんなことがあっても、一ミリの妥協もなく絶対に守らせる。
戦場で命がけで戦ってきた他の不器用な武将たちからすると、三成のその気真面目すぎる態度が、どうしてもこのように見えてしまったのです。
三成は、自分は安全な場所にいて、秀吉様の意向を借りて、俺たちに細かいルールを押し付けてくる冷たい奴だ。
本当は、みんなのために一生懸命、新しくできた国のルールを仕事として守っていただけなのに、三成はどんどん周りの武将たちから孤立し、嫌われていってしまいました。
正義感が強すぎるがゆえに、友達が少なくなってしまったのですね。
そんな、不器用で友達が少なくなってしまった三成のことを、誰よりも理解し、その心の奥にある本当の優しさを信じて、そっと支えてくれた一生の親友がいました。
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その人の名前は、太谷義次と言います。
義次は、とても心が優しく、頭も良くて、周りの武将たちからも、義次の言うことなら間違いないと大変慕われている素晴らしい男でした。
ですが彼は当時、重い病気を患っており、いつも顔や体を白い布で覆って暮らしていました。
ある日のことです。豊臣家の武将たちが一堂に集まって、一つの大きな茶碗に入ったお茶を、順番に一口ずつ飲んで後ろの人へ回していく、大切な伝統の茶会が開かれました。
これは、同じお茶を飲むことで、私たちは同じ仲間だ、これからも固い絆で結ばれようと確かめ合う、とても大ごそかなイベントでした。
しかしその席で、悲しいことが起こります。武将たちはみんな、自分の順番が近づくにつれて、心の中でドキドキしていました。
なぜなら、病気を持っている義次が口をつけた茶碗から、次にお茶を飲むのを、みんな内心、怖がって嫌がっていたのです。
ついに、義次の順番が回ってきました。義次が静かにお茶を一口飲んだその時、悲しいことに彼の顔からお茶の中に、ぽたりと病気による海が落ちてしまったのです。
それを見た周りの武将たちは、あからさまに、うわぁ、とかをしかめ、自分のところに茶碗が回ってきたらどうしようと、ぱっと目をそらしました。
義次は申し訳なさと、悲しさと、恥ずかしさで、いたたまれなくなり、舌を向いてガタガタと震えていました。
自分のせいで、この大切な場を汚してしまった。みんなに迷惑をかけてしまった、と、周囲の冷たい視線が、義次の心を突き刺します。
その時です、義次のすぐ次に座っていた三成は、周りの人が止める間もなく、その茶碗をすっと両手で受け取りました。
そして、ああ、今日はよく働いたから喉が激しく渇いていた。大変うまそうなお茶だ、と言って、何事もないように、そのお茶をごくごくと、一気にすべて飲み干してしまったのです。
義次、大変おいしいお茶だった。ごちそうさま、三成はいつも通りの澄んだ目で、にっこりと笑いました。
義次の悲しい気持ちも、恥ずかしい気持ちも、三成は自分のその行動ひとつで、すべてくるみ込み、消し去ってくれたのです。
義次は、ぼろぼろと涙を流し、心の中で強く誓いました。三成、お前はなんて優しい男なんだ。みんなはお前のことを冷たい事務屋と言うけれど、私は知っている。
お前が誰よりも熱い、男の優しさを持っていることを。世界中がお前の敵になっても、私は一生、お前の味方だ。
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この、デーの仲の友情が、やがて徳川家康との大決戦の時、歴史を動かす大きな絆となっていきます。
しかし、そんな二人の最愛の主君であった豊臣秀吉が、ついにこの世を去る時がやってきます。
お父さんのような秀吉を失ったことで、豊臣家をそのまま守りたい三成と、次の新しい時代を作ろうとする徳川家康の時計の針が、激しくぶつかり合うことになるのです。
今夜のお話はここまでです。大切な友を思いやる三成と義次の美しい友情の余韻を感じながら、ゆっくりと暖かいお布団の中で眠ってくださいね。
それでは、ゆっくりとおやすみなさい。
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