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こんばんは、今夜もまた、おやすみ歴史ラジオの時間がやってきました。 ベッドに入って、一番リラックスできる姿勢で聞いてね。
前回は、言葉の壁をも乗り越える男たちの熱い交渉の末、 一発の大砲も放つことなく、平和的な話し合いだけで歴史的な日米和親条約を結んだ姿を見てきましたね。
冷徹な侵略者という悪役の仮面を脱ぎ捨て、日本の武士たちの凛とした姿に深い敬意を抱いたペリーは、江戸の海に新しい時代の夜明けの風をたっぷりと残し、満足感と共に日本の海を離れていきました。
歴史的な大任務を成功させたペリーは、その後、長い後悔を経てようやく故国アメリカへの帰国を果たしました。
国中が未知の島国を開国させた偉大な英雄の帰還にわきかえり、あちこちで盛大なパレードや式典が開かれました。
しかし、華やかなお祝いの光景とは裏腹においた軍人であるペリーの心は、決して晴れやかではありませんでした。
地球を反襲する過酷な旅と異国との張り詰めた交渉は彼のボロボロだった体を完全に限界まで追い詰めていたのです。
持病の痛みはますます激しくなり、帰国した時の彼の体力はもうまともに軍務を続けられる状態ではありませんでした。
それでもペリーには、人生の最後にどうしても成し遂げなければならないもう一つの大きな戦いが残されていました。
それは、自分がこの目で見て肌で感じた本当の日本という国の姿を、国名な記録として一冊の本にまとめ、広く世界の歴史に残すことでした。
当時のアメリカやヨーロッパでは、日本のことをまだアジアの端にある野蛮で遅れた国だと見下す風潮が、強く根深く残っていたからです。
そんな間違った偏見を私は絶対に許さない。あの国には世界に誇るべき高い知性と美しい文化があるのだ。
ペリーは引退した後の静かな書斎で、震える手にペンを握り、持病の激痛に顔を歪ませながら、日本での日々を必死に書き綴り始めました。
痛む体を横たえることもせず、ペリーが命を削るようにして書き上げたその記録は、後に日本遠征記というあまりにも有名な大著となって、世界中に発表されることになりました。
その分厚い本の中で、ペリーは日本の人々について驚くほど温かい言葉で最大級の賛辞を送っています。
日本の人々は非常に洗練された礼儀正しさを持っており、学問に対する熱意は西洋人にも決して劣らない。
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今はまだ古い習慣に縛られて門を閉ざしているが、一度世界の舞台に飛び出せば彼らはまたたく間に、西洋の近代的な科学技術を自分のものにしてしまうだろう。
そして、太平洋において、アメリカの強力なライバル、あるいは最も心強い友となるに違いない。
それは、実際に日本の武士たちの鋭い眼差しを見つめ彼らの高い知性に触れたペリーだからこそ書くことのできた未来への大いなる予言でした。
この本が完成した時、ペリーの人生のエネルギーはもうほとんど残されていませんでした。
本が出版されてからわずか数ヶ月後、激しい嵐のような人生を歩んできた老軍人は、愛する家族に見守られながら、静かにその生涯を閉じることになります。
それは彼が日本の扉をこじ開けてからわずか数年後のことでした。
歴史の教科書では、大砲の威力で日本を脅かした、冷酷で強引な侵略者のように描かれることが多いペリー。
しかし、彼の本当の姿は、国から預かった重すぎる使命と部下たちの命、放置すれば遭難してしまう船乗りたちの安全、そして自らの病の激痛という、幾重もの重圧をたった一人で背負いながら戦い抜いた、誠実で孤独な一人の老軍人だったのです。
彼があえて悪役の仮面をかぶって日本の扉を叩いたからこそ、日本は外国に侵略されることなく、自分たちの力で新しい時代へと歩み出すための貴重な時間を手に入れることができました。
彼が残した夜明けの風は、江戸の街を揺らしながら、次の若き主役たちの心を熱く突き動かしていくことになるのです。
ペリーが命を懸けてこじ開けた日本の扉、そこから吹き込んできた新しい風は、やがて日本中にこれまでにない巨大な変革の嵐を巻き起こすことになります。
長く眠っていた侍たちが、次々と目を覚まし、国の未来のために立ち上がり始めたのです。
誰に何を言われようとも、己の使命と国を背負い、未知の海へと勇敢に漕ぎ出したペリー。
彼の残した本と言葉は、今も世界中で日本の素晴らしさを伝える大切な灯火として静かに輝き続けています。
歴史の悪役を演じ切り、静かにこの世を去った老軍陣は、今、遠い海の向こうの静かな場所で彼が愛した日本の美しい夜明けを、ずっと温かく見守ってくれているのかもしれません。
さあ、ペリーが風を吹き込んだこの国に、いよいよ時代の大きなうねりとともに、日本の未来を命懸けで変えようとする若き風雲児たちが登場します。
次の奏者は、一体どのような情熱の物語を私たちに見せてくれるのでしょうか。
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それはまた別のお話、今夜のお話はこれでおしまいです。
激しい重圧と病の痛みに耐えながら、最後まで日本への敬意と誠実さを貫き通したペリーの、気高く孤独な魂にそっと寄り添いながら、今夜はどうか全ての力を抜いて、心地よい毛布に包まれてゆっくりとお休みくださいね。
それでは、おやすみなさい。