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第9回 歴史のバトン【戦国編】第3走者:豊臣秀吉(1/4話)
2026-06-07 10:41

第9回 歴史のバトン【戦国編】第3走者:豊臣秀吉(1/4話)

豊臣秀吉の第1話

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今晩は、今夜もまた、おやすみ歴史ラジオの時間がやってきました。ベッドに入って、一番リラックスできる姿勢で聞いてね。
昨日までは、戦国時代のルールを次々とぶち壊した天才、織田信長のストーリーをお届けしました。
信頼していた部下の裏切りによって、本能寺で切ない最後を迎えた信長でしたが、彼が命がけで切り開いた天下統一という大きな夢のバトンは、
次の走者へと引き継がれることになります。今夜から始まる戦国編の第3走者は、そのバトンを受け取り、
後に日本を一つにまとめることになる超有名人、木下登吉郎、後の豊臣秀吉のストーリーです。
秀吉といえば、日本の歴史上で最も大出世した男として知られています。
それまでの大名たちは、みんな先祖代々から受け継いだ立派な家柄や領地を持っていました。
昨日までお話しした信長も、愛知県の尾張の国を治める、ちゃんとした名家のお坊ちゃんです。
しかし、この秀吉は全く違いました。今の愛知県名古屋市にあたる場所の、貧しい農民の家に生まれたのです。
家柄もなければお金もない、おまけに背が低くて顔が猿に似ていたことから、周りからは猿、猿とからかわれるような、本当に社会の底辺からのスタートでした。
普通なら一生をただの農民として終えるはずの秀吉。
しかし、彼の胸の中には、いつか絶対にでっかい男になってやるという熱い野心がめらめらと燃えていたのです。
そんな秀吉が20歳の頃、運命の出会いを果たします。
それが、当時、うつけ、と呼ばれて尾張の国で暴れ回っていた、若き日の織田信長でした。
常識にとらわれない信長なら、家柄がなくても、実力さえあれば自分を認めてくれるかもしれない。
そう直感した秀吉は、織田家に飛び込み、まずは一番下っ端の雑用係として働き始めます。
そこで、どんな小さな仕事も人一倍大きな声で、誰よりも素早くこなしていきました。
その働きぶりが信長の目にとまり、秀吉は信長の外出に付き添う、造り取り、つまりお出かけ用の靴を管理する係のリーダーに抜擢されたのです。
普通の人なら、チェッ、毎日造りを並べるだけかよと腐ってしまうところです。
しかし、秀吉は違いました。
どんな小さな仕事でも、日本一完璧にやってみせるそう決意した秀吉は、ある寒い冬の日に、歴史に残る有名なアイデアを思いつきます。
信長が外へ出かけようと、玄関で造りに足を入れました。
すると、いつもなら氷のように冷たいはずの造りが、まるでストーブの前に置いていたかのように、信じられないほどポカポカと温かかったのです。
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これに驚いた信長は、すぐに秀吉を呼びつけ、激しい口調で問い詰めました。
お前、まさか主君の造りを尻に敷いて座っていたな当時は、主君の持ち物を汚したり雑に扱ったりすれば、それだけで首をはねられてもおかしくない時代です。
しかし、秀吉は少しも慌てず、自分の着物の胸元をぱっと広げて、信長にこう言いました。
滅相もございません。殿が冷たい思いをされないよう、私の胸の中に入れて、この体温でずっと温めていたのです。
秀吉の着物の胸元を見ると、確かに造りの形にじんわりと汗がにじんでいました。
目の前の猿のような男が、自分のためにそこまで必死に考えて動いてくれていた。
この誰も思いつかないような泥臭いおもてなしと熱意に、あの冷徹な信長の心が初めてぐっと動かされたのです。
こいつはただの猿ではないかもしれない、こうして信長のお気に入りの部下となった秀吉は、
ここから持ち前の天才的な小魅力と誰も追いつけないスピードを武器に、織田家の中でとんでもないスピードで頭角を表していくことになります。
信長のハートをがっちり掴んだ秀吉は、ここから誰も思いつかないアイデアと圧倒的なスピードで、不可能と言われたピンチを次々とチャンスに変えていきます。
まず秀吉が任されたのは織田家のホームグラウンドであるキオス城の修理でした。
ある時、激しい台風によってお城の頑丈な城壁がガラガラと崩れてしまったのです。
これに激怒した信長は、すぐに部下たちに修理を命じましたが、なんと2ヶ月がたっても壁はボロボロのまま、工事の責任者たちがだらだらと作業を長引かせていたのです。
戦国時代、城壁が壊れたままというのは、いつでも攻めてきてください、と言っているようなもの。
しびれを切らした信長は、ついに秀吉に、お前にこの工事を任せる。何日で直せると問い詰めました。
すると秀吉は、不敵な笑みを浮かべてこう答えたのです。
殿、私なら、わずか3日で直してみせましょう。周りのエリート武士たちはそんなの絶対に無理だ、大口を叩き負ってと鼻で笑いました。
しかし、秀吉にはある天才的な作戦がありました。
秀吉はまず、工事現場で働く何百人もの大工や職人たちを10のグループに分けました。
そして、崩れた壁を10のエリアに区切り、それぞれのエリアをどのグループが一番早く直せるかという、前代未聞のスピード競争を開催したのです。
さらに秀吉は、自分のポケットマネーから大量のご馳走やお酒、そして一番早く終わらせたグループには、とびきりのお金をボーナスとしてあげるぞと、とんでもないご褒美を用意しました。
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これに職人たちの目の色が変わります。
おい、急げ、絶対に一番になってボーナスをもらうぞ男たちは昼も夜も関係なく、お祭り騒ぎのように盛り上がりながら、凄まじいスピードで壁を組み立てていきました。
その結果、なんと本当に、わずか3日でお城の壁は元通り、いえ、前よりも頑丈になって完成してしまったのです。
これには信長も大喜び、秀吉は一気に織田家のエースへと駆け上がりました。
そして次に秀吉が挑んだのが、信長の天下統一への最大の壁となっていた、岐阜県の美濃という国を攻めようとする作戦でした。
信長は何年もの間、この美濃を攻めあぐねていました。
なぜなら、敵の陣地のすぐ近くに、味方の兵たちが身を隠したり、作戦を練ったりするための基地がなかったからです。
敵の目の前にある角又という場所に、どうしても取り出が欲しい。
誰かあそこに城を作って来い信長が命令しますが、敵のすぐ目の前です。
お城を作ろうとした織田家の名だたる将軍たちは、作業中に敵の激しい襲撃を受け、次々と大失敗して逃げ返ってきました。
誰もが行きたがらないこの命がけのミッションに私が行きます、と手を挙げたのが、やっぱり秀吉でした。
ここでも秀吉のアイデアが炸裂します。
秀吉は、現地で一からお城を組み立てていたら、またすぐに敵に襲われてしまうと考えました。
そこで、なんと自分の領地であらかじめ、お城のパーツをすべて完成させておいたのです。
柱や壁の板をバラバラの状態で川に浮かべ、一気に下流の角又へと流しました。
でも、いくらパーツを用意したとしても、組み立てている間に敵にばれて攻撃されたらおしまいです。
そこで秀吉は、三つの秘密の裏戦略を実行しました。
まず一つ目は、川のプロフェッショナルたちを味方につけたこと。
秀吉は事前に、その地域を仕切っていた川並集という強者たちの元へ自ら足を運び、得意のコミュ力で彼らを仲間にしていました。
彼らが川のルートを完璧に案内し、敵に見つからないよう夜の闇に紛れてパーツを運んでくれたのです。
二つ目は、敵の注意をそらす劣り作戦です。
秀吉が現地で組み立て作業を行っているまさにその裏で、信長の本体がわざと別の場所でド派手に敵を攻撃し、敵の注意をそっちに釘付けにしていました。
そして最後の三つ目が、最大の心理戦。
秀吉がその夜のうちに大急ぎで作ったのは、実は本物のお城ではなく、外見だけのハリボテの壁でした。
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川から運んできた木枠に草のむしろや布を張り、遠くから見ると立派な壁ができたように見せかけたのです。
翌朝、敵の武士たちが目を覚まして外を見ると、昨日までは何もなかったはずの場所に立派なお城が突然と姿を現していました。
これを見た敵は、「な、なんだあれは?」
たった一晩でお城が出現したぞと大パニックに陥ります。
これが歴史に名高い角又一夜城です。
うわ、もうあんな頑丈な城ができちゃったのか。
今から突撃しても帰り討ちに会うぞと敵がひるんでいる数日間のうちに、秀吉は内側で本物の頑丈な砦を完成させてしまいました。
ただ手先が器用だったわけではなく、敵の心理を揺さぶる天才だったからこその大成功だったのです。
この秀吉の活躍によって信長は念願だった美濃の国を手に入れることができました。
農民の猿から信長の右腕へと驚異的なスピードで出世していく秀吉。
しかしそんな秀吉と織田家に、次回、あの史上最大の裏切りによる絶対絶命のピンチが襲いかかります。
それでは今夜のお話はここまで。ゆっくり目を閉じて、明日の続きを楽しみにしていてね。おやすみなさい。
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