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女優オードリー・ヘップヴァーンは言った、美しい唇であるためには美しい言葉を使いなさいと。
始まりました、「大人の近代史」。よろしくお願いします。
はい、よろしくお願いします。
なんかオードリー・ヘップヴァーンって言ってくれたから、それ誰って聞く必要がなくなったね。
そうそうそうそう。ちょっとこの出だしにしてみたんだけど。
いや、誰もが知ってるオードリー・ヘップヴァーンのなんか名言なのかな。
そうそう、まあ今回みんな誰もが知ってるからね、言っても誰にはなんなかったけどね。
まあまあそうだね、さすがに知ってるでしょっていう。
そうそう、このオードリーがさ、
もういいよ、ごめんなさい。
え?
いや、なんか突っ込みにくるかなと思ったんだけど。
いや、いいでしょ。
このさ、言葉さ、美しい唇であるためには美しい言葉を使いなさいってさ、
まさしくさ、彼女って言って直接知らないけどもさ、
美しさだけじゃなくてさ、知性とか品格があるような、そんな言葉だなと思って。
まあということで、今回ね、テーマが、
多分ね、長丸の方が本来得意とするテーマなんだよ。
なんか、あのね、そんなことはないと思うよ、きっと。
いやいや、恐れ多くもちょっと今回のテーマやらせていただきます。
はい。
あ、それね、小片郎の方が得意でしょ。
いやいやいや、そんなことないでしょ。
いやいやいや、俺はほら、小片郎のさ、そういう変歴をさ、全部把握してるつもりだからさ。
ちょっと待って、変歴とか言うねん。
何もないだろ。
なんでこれをね、そもそもやろうかなと思ったかというと、
第1回目の岩倉施設ってあったじゃん。
そう、あん時に話さなかったんだけど、
アメリカに行った時に、施設団が人前でこう、アメリカ人がキスをしている様子を見て、
なんか驚きとか抵抗を感じたような記述が残ってたのよ。
で、やっぱりこの欧米とさ、日本とのこのキスの文化というか、
習慣って違うよねっていうのを感じて、ちょっと改めて調べてみようと思って。
なるほど。
そう、ちなみにさ、キスっていうのは英語じゃん。
うん。
で、日本語に訳すとさ、なんだと思う?
せっぷん。
ってなるよね。
違うの?
まあ、あってなくはないんだけど、もうすでにそれも西洋の文化にうちら支配されてるかもしれない。
なんでそれ。
まあ、ちょっとこの歴史を聞くことで、見えてない歴史が見えてくるかもしれません。
まあ、ちょっと楽しみにしてますんで、ぜひお願いします。
はい。じゃあまずね、ちょっとキスの歴史をちょっと振り返ってみたいと思うんだけど、
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地球がさ、できてから約46億年なんだよね。
で、キスの歴史っていうのは、たった数千年前からでしかないの。
ああ、そうなんだ。
そう。でね、日本では近代以降のキスと、それ以前のキスとは全く異なる性質を持ってるんだよね。
うん。
で、このキスの歴史から学べることは、いまだかつてどんな権力者でさえ国民の唇を支配することはできなかったっていうことなんだよね。
なんかそれかっこよく言ってるけど、どういうこと?
いやいや、このキスという行為そのものをさ、完全になくすことは誰一人もできなかった。
ああ、そういうことね。
まあ、一応ここでさ、最初に言っておかなきゃいけないのは、私自身はキスの専門家ではないんだよ。
え、専門家じゃないの?
やめろ、その返し。
いや、ほら、なんてキスと言ったらおがたろうみたいなさ、ほらそういうあったじゃん、うちらのとき。
全くないだろ。
ない?ない?
で、このさ、キスをする上でさ、重要な体の部位と言ったらどこだと思う?
え、唇じゃないの?
そうだよね。
じゃあちょっとまずね、唇について話したいんだけど、この唇ってさ、不思議でさ、食べるためだけだったら別に唇って特に必要なさそうじゃん。
ああ、まあそうだね。
で、あと、例えば子供を作って子孫を作るためだけだったら、直接生殖機能じゃないから唇って必要なさそうに見えんじゃん。
まあ、上のお口いらないよね。
なんだそのさ、上の口って。
でも、この唇っていうのは存在するのよ。
しかも、他の皮膚と比べて赤みが少し強くて厚みがあるじゃん。
そうだね。
これ何でだろうっていうのをちょっと調べたんだけど、人類の祖先は熟した果実の場所を特定できるように赤みがかった色を感知する能力を発達させたって言われてるの。
赤色は報酬っていう信号を遺伝子としてずっと伝えてきて、現代でもさ、赤色はさ、人の注意を引く色じゃん。
ああ、そうだね。
ね、信号マーカーだしさ。
これね、心理学によると人が赤色を見ると心拍と鼓動が速くなり興奮を覚えるって言われてるの。
人類の祖先がさ、四足歩行であった時に、メスの生殖部分は赤色で目立ってたってされてるの。
これあのチンパンジーとかも見ても今でもそうだよね。
そうだね。
そう。で、発情期にはその赤色部分がさらに膨れ上がり目立つ。
で、このさ、股間にあった赤色部分が人類が進化するにつれて唇へと位置を変えたって言われてるの。
なんかすごい話になってきたな。
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ちょっと人類進化論になってるけど。
これはなぜかっていう、あくまでもこれ話というのは一つの説に過ぎないんだけど、
直立二足歩行によって体が変化して目立つ精神号の位置も変わったって言われてるの。
ほらあの二足歩行だとさ、目線が相手の顔あたりに普通来るよね。
そうそう。長丸はちょっと違うところ見てるかもしんないけど。
いや、それ小片郎でしょ。小片郎もうちょっと下の方見てるもんね。
やめろやめろ。
だからあの唇っていうのは赤みがかってて膨れてるのはその生殖期の名残なんじゃないかって言われてるの。
なるほど。
それだとすると人がさ、今でもさ、歳をとるにつれてさ、唇がだんだん薄くなっていくんだよね。
これもなんとなく結びつくような気がする。
なるほどね。
そうそう。これキスの時に脳に送る情報量が最も多い部位っていうのは唇って言われてるんだね。
このあらゆる刺激に敏感な唇っていうのは他の身体部位に比べて情報を伝える神経がたくさんあって、
下半身の静的刺激で活発する部位よりも広いって言われてる。
マジか、すごいな。
そうそう。で、人類っていうのは何千年も前からこの唇を強調する重要さを心得てたんだよね。
人類初の口紅っていうのはさ、5000年前にさ、シュメール地方にもう出現してて、
古代エジプトとかギリシア、ローマ人とか唇に染料とか塗って強調したりとかいうのも残ってるんだよね。
現代においてもさ、実験でさ、女性にさまざまな色合いの口紅をつけて、男性が見てどれが一番魅力を感じるかっていうのを試した実験があって、
この男性は一番鮮やかで赤い唇を必ず1位に選ぶっていう傾向があったの。
だからさ、今でも多くの人はさ、アンジェリーナ・ジョリーンの唇に憧れたりとかさ、
そうなの?
そう、あとね、マキハラ・ノリウキの唇に憧れたりするじゃん。
それちょっとあれだよね、あの、趣向がそっち寄りの人じゃないの?
いやいや、今、男性と女性ほら、両方ともイメージなんか湧きやすいかなと思って。
なんでマッキー出てくんのよ。
いやいや、なんか厚みがあってさ、ほら、なんか特徴的じゃん。
まあまあまあ、唇っていう感じの印象はあるね、確かに。
そうだね、ちょっと引き出し間違えた。
で、そもそもさ、人はなんでキスをするのかっていうのをちょっと考えてもらいたいんだけど、
これさ、いろんな説があるんだけど、
一つ目は、母乳による子供を育てる栄養摂取行為から来てるんじゃないかっていう説。
さっきさ、唇が生殖器の名残じゃないかっていう説を一つ話したんだけど、
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これは別の説でもあって、乳児にさ、栄養分を与えることへのさ、こう、重要性を考えると、
進化の過程で人の乳房と唇がぴったり合う形になったって言われてるの、この唇は。
だから唇の形はさ、母乳を飲むのに適してるんだよね。
で、母親に抱かれてさ、母乳を飲んだことは、後々まで影響を及ぼして、
大人になってもさ、唇と唇を合わせれば愛情と信頼感を得られるっていうんで、
このキスっていうのがする行為になる。
で、これさ、あの、約3分の2の人がさ、キスする時に頭を右に向けて傾かせてさ、キスをする記録が残ってて。
あー、右にこうちょっとこうずらしてチュってするってこと?
そうそう、そういう調査結果があって。
これさ、右利き左利きとは直接関係ないね。
それなぜかっていうと、これも説にはなるんだけど、
母親のさ、80%が左胸に赤ちゃんを抱き寄せるっていう傾向があるんだって。
えーと、左胸。
そうするとさ、赤ちゃんが母乳を飲むにはさ、頭をさ、ちょっと右側に傾けなきゃいけないね。
そういうので、右に傾かせてキスをするんじゃないかっていう。
まあ、これちょっと一つ目なんだけど、
二つ目の説が、母親が子供に口移しをして食事を与えたからじゃないかっていう。
これは、紀元前1200年頃に地中海で反映したフェニキア人の記録があるんだけど、
子供がこれ病気になって水を飲む力もなくて死にそうになった時に、
母親が自分の口に水を含んで子供の口に注ぎ込んだっていう記録があって、
この口移しに愛情を感じて以来、愛の表現としてキスが交わされるようになったんじゃないかっていう。
それとさ、昔ってさ、日本でもそうだけどさ、離乳食っていうものはなかったわけで、
だからさ、母親がさ、食べ物をこう一回噛み砕いて、それを口移しに赤ん坊に食べさせたっていう。
だから、キスをすると愛情を感じて安心感が得られるのかもしれない。
なるほど。
そうそう。これ、もののけ姫でもさ、ジブリの作品でさ、
瀕死になったアシタカにさ、サンが干した肉を噛みちぎって自分の口で砕いて食べさせるっていう有名なシーンがあるんだけど。
あー、知ってる知ってる。
そうそう、これもある意味口移しのようなシーンだけど。
でね、3つ目の説が、匂いを嗅ぎ合うことからキスが生まれたんじゃないかっていう。
これさ、犬とか見てても互いの匂いを嗅いでるよね。
あー、そうだね。
人類の祖先も同じように、親しい人を区別する時とかの手がかりとして、こうやって匂いを嗅ぎ合ってたんじゃないかっていう。
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これがさ、西洋とか特に見られるんだけど、挨拶する時とかにキスをするじゃん。
同時にそれで匂いを嗅ぎ合うっていうことに繋がってるんじゃないかっていう。
で、最後4つ目が、鳥の行為を模倣したんじゃないかっていう。
なんか急にちょっと、え?ってなるね、それは。
え?って思うでしょ。
そう、でもね、これね、鳥は人類がキスをするずっと前、100万年以上も前から、
くちばしとくちばしを付き合わせて挨拶だったり、求愛行動してきたんだよね。
この鳥の行為の模倣から始まったのが、キスなんじゃないかっていうんだけど、
漢字でさ、鳥が鳴くっていう、鳴くの漢字あるじゃん。
あー、あるね。
これさ、左がなぜか口なんだよね。
で、右が鳥じゃん。
これはさ、鳥がさ、よくくちばしを付き合わせる行為をさ、
人が口と口を重ね合わせるキスの行為に転用したんじゃないかって言われてるの。
そうそう、あえてさ、鳥が鳴くのに左を口にするっていうところがちょっとポイントだなと思って。
なるほどね。
で、まあ、こんないろいろ説があったんだけど、間違いなく言えるのは、
キスの行為っていうのは、人類が進化してきた遺産なんだよね。
で、ここでやっと大人の近代史なんで、日本のキスの歴史にちょっと行きたいと思うんだけど、
平安時代にさかのぼると、木の面雪の土産日記っていうのがあって、
この中にね、おしあゆの口を飲みぞすっていう言葉が出てくる。
これね、前後の文脈もあって、どういう物語かっていうと、
この木の面雪が京都から土産に赴任していて、そこで正月を迎える。
で、食卓にはおしあゆっていうのが出て、これは塩漬けして干したあゆで、
このあゆの固い頭を噛んで舐めるっていう行為が、男女間の口を吸うことを連想したって言われてて、
で、吸われるあゆもどう思ってるんだろうかっていうジョークを交えた文面なん。
で、今さ、突然口を吸うって言葉が出てきたんだけど、
これね、室町時代の婚弱物語にも口吸いっていう言葉が出てきてんの。
で、この口を吸うっていうのがジャパニーズキスなのよ。
というかね、キスというヨーロッパ的なキスとはまた違うんだよね。
そもそもちょっと冒頭からわかりやすくするためにキスっていう言葉でまとめて話してるけど、
国によって実態は違うからね。
で、日本のキスの実態、口を吸う実態って言ったほうがいいのかな、これ。
口吸いって、なんかちょっと想像がつかないというか、どういうこと?吸うの?口を。
あのね、ちょっとこれから説明するんだけど、
室町時代後期の記録にあって、リア物語っていうのがあるんだよね。
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これね、中国の唐の物語を日本人が伝え聞いて書き残したものなの。
そこにね、語らうって読む字が登場するの。
ただ、この語らうに当てがられた漢字っていうのが、
左が下編に、右がね、和むの、平和の和って書くの。
自分もちょっとこれ調べたんだけど、もちろん辞書には載ってない漢字なんだよね。
これね、この時だけしか使われてない漢字で、
日本人がこの物語にあてがって作った漢字なんじゃないかって言われてるの。
この語らうっていう、そもそもの意味は、
男女がさ、互いに口に出して誓い合うって言うんだけど、
今回それに、左側に下っていう漢字が入ってるから、
この語らうには、下を触れ合わせるっていう、
キスの具体的行為が表されてるんじゃないかって言われてるの。
で、もう一つね、あって、江戸時代にはさ、キスっていう行為を、
ロっていう漢字で表してるんだけど、
これあの、なんだろうな、グルメリポーターの彦丸のロなんだよね。
ちょっと待って、どのロだ?
ロってさ、口が2つあるやつ。
ん?口が2つあるやつ?
そう、四角がさ、上と下にあって、真ん中がチョンって入ってるやつ。
あー、そういうことね、はいはいはい。
そうそう、伝わるかな、これ。
分かった、分かった。俺は分かった。
そうそう、口が2つ上と下にあって、
真ん中にこのチョンのノは、下を表すノじゃないかって言われてるの。
なんで、日本のキスっていうのは、口を接するだけじゃなくて、
その間に、舌が重要な働きをしてるんじゃないかって言われてるの。
長丸も結構舌使うんだっけ?
あの、ほら、小片郎は舌使いのスペシャリストって言われてたじゃん。
あの、ベロベロベロって。
俺はみんなって、なんだろそれ。
でもさ、やっぱりどうしてもさ、これって当時の映像とかがあるわけじゃないし、
なかなかね、記録に残ってないのよ。
そう、だって、江戸時代の骨とか発掘されるけどさ、
そこからどういうキスをしてたかっていうのは分かんないじゃん。
まあ、そうだね。
そうそう、難しいとこはあるんだけど、
なんとなくそういう舌が関わってるんじゃないかっていう。
こっからね、西洋とのね、ちょっと関わりが出てくるの。
これがね、江戸時代の少し前で、1543年にポルトガル船が種ヶ島に漂着して、
ここで日本と西洋諸国との交通が始まるんだよね。
で、その一つにキリスト教があったんだけど、
聖書の中にさ、多くのキスが出てくるのよ。
そのキスの風習は、当然日本にも入ってきたってされてて、
このさ、西洋と日本とキスの違いっていうのは、
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日本の口を吸うっていうのは、その純然たる愛情の行為であって、
西洋のキスっていうのは、尊敬とかさ、服従、挨拶的な意味も含まれてるんだよね。
で、日本にはその意味はないんだよね。
西洋も愛情のキスっていうのはあるけれども、
これね、なんかちょっと本でうまいこと言ってたんだけど、
英語で表すなら、ラブのキスなんだよ。
日本はラブというよりは、ラストに近いんだよね。
色欲とかってこと?
LUSTって書いて、欲望とか情欲みたいな性質に近いんじゃないかっていう。
ちょっともう一回発音してよ。
ラスト。
やめとけよ。
むずいよね。
俺ちょっと一応YouTubeで見てきたんだけど、
LASTの最後っていうラストもあるじゃん。
いや、もう全然わかんないね。
Uは普通のアでしょ、要は。
ラストでしょ、ラスト。
L表記ちょっと無理なんだよ。
だから、それこそ下を上にくっつけて、ラスト。
だからさ、西洋のようにさ、日本っていうのは、公然と人前で行われるものじゃなくて、
秘密裏にさ、二人きりでっていうような感じなんだよね。
だからさ、文学作品にも、なかなか現れることも少なくて、
未知な部分が多いんだよね。
で、西洋とのキスの順序っていうのは、ちょっと違いがあって、
西洋っていうのは挨拶的にもあるからさ、第一に口を触れて、
それから肌を触れ合うっていうような順序が多いんだよね。
だけど、日本は違くて、肌の触れ合いイコールキスもほぼ同時に行われるような関係性がある。
これってさ、衣服も関係していて、
西洋に比べるとさ、日本の和服っていうのは、帯をほどけばすぐ裸になるじゃん。
だから、肌の触れ合いと共にキスがあるんじゃないかっていう。
江戸時代の優女のちょっと興味深いエピソードがあって、
優女ってさ、前もどっかの回でやったけど、身の自由は奪われているような状態なんだよね。
だけどさ、この優女のエピソードは、心だけは自分のものだから、誰にも許したくないっていうのがあって、
それを逆にどう示すのだって問われたの。
そしたら、その優女は、私は口だけは許しませんっていうふうに答えてる。
これさ、多分欧米の人とか聞いたらさ、
え?っていうようなさ、体は許してるのに口だけは許さないってちょっと理解できないかもしれないけど、
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なんとなくわかるような気がしない。
うん、なんかわかる気する、それ。
そうそう、これもかなりその西洋との違いなんじゃないかなっていう。
ここにさ、日本の口吸いっていう特質があるんじゃないかなと思って。
ヒルドラとかでさ、いけない関係で抱き合ってたとするじゃん。
そんで、キスをしようとしたら、ちょっとキスだけはダメだ、ダメだってみたいな。
ちょっと俺は何を見てるんだっていうね。
っていうような、そんな感じがするんだよね。
で、西洋のこういったキスっていうのを最初の体験者っていうのは、
転生検温施設っていう施設なんだよね。
これ、1582年に九州のキリシタン大名がローマ教皇へキリスト教を伝えてくれた感謝と、
今後もキリスト教に従う意味を込めてローマに派遣された人たちだ。
これさ、ポルトガル船に乗って長崎から日本人初のヨーロッパへ向かったってされてて、
ここでさ、イタリア各地を回って、西洋の挨拶的な、また尊敬の意味を込めたキスっていうのを経験してるんだよね。
で、8年後に彼らは帰国してる。
ここでね、さっき冒頭でさ、長丸が言った節分っていう言葉があったじゃん。
これがね、江戸時代のね、ほんとね、終盤ぐらいにね、その字が現れるんだけど、
江戸時代まではさ、口を重ね合わせる恋っていうのは、口酢とか口水とか言われて方したんだけど、
男女の愛情とか、性の文化が花開いたのも江戸時代の頃で、
シャレ本とかさ、エンポンっていう様々なジャンルの出版物が出てきて、
そこにさ、口水っていうのも描かれてるんだよね。
これ見たんだけどね、こう男女が歯がいじめに抱き合って、こうすごい絵がいっぱいあんのよ。
なんか壮絶な本当に、なんかキスっていうよりはもう本当に、ラストなんだよね。
なるほどね。
江戸時代でね、いろんな呼ばれ方したの。
口酢だけじゃなくて、口つけとか、口ねぶり、口合わせとか、口寄せ、舌吸いとかいろいろあるんだよね。
で、この言葉が幕末から徐々に節分っていう漢字に置き換わっていく。
そもそもそれまで節分っていう言葉は日本で使われた記録っていうのはないのよ。
これなんで誕生したかっていうと、江戸時代はオランダと交易をしていて、
だからオランダ語っていうのは重要視されてたんだよね。
1855年に長崎の出島で、オランダ人ヘンドリック・ドゥーフっていう人が、
ズーフ・ハルマっていう書物を出版した。
これ乱話辞典なんだけど、オランダ語を日本語で解説した辞書みたいなもんだんだけど、
ここに西洋のキスを日本語にするとしたら、どんな字を当てがうかっていうことにちょっと悩んだわけよ。
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それまで使ってた口数では必ずしも当てはまらなかったね。
なぜかっていうと、さっきも言ったように、西洋の挨拶的な意味とか尊敬の意味とかっていうのは含まれてないわけよ、日本の口数には。
だから新しい訳語が必要で、
そのキスの翻訳語として初めて、このセップンっていう漢字が出てきたんだよね。
これはね、どこから取ったかっていうと、おそらくなんだけど、中国語にあるセップンっていう漢字があって、
これね、ただね、新朝の時代には、そのセップンっていう漢字は存在するんだけど、意味が違くて、口移しの意味なんだよね。
例えば、例としてあったのが、雷に打たれて気絶した人に対して薬を舌で押し入れて口をつけてこれを吹き込んだっていうような、
それがセップンの漢字に当てはめられてたりするんだけど、
新朝のこの末期には、神ってあの山髄の清めるの神の方ね、
には英語を中国語に訳した辞書があるんだけど、そこにさ、キスの訳語としてさ、
セップンっていう漢字使われてなくて、別の漢字が当てがわれてるから、
日本のそのセップンの意味とはまだ全然違う使われ方してたんだよね。
で、ヘンドリック・ドゥーフが出版した時点には、セップンっていう漢字は使われたんだけど、読みはね、甘口って読まれてた。
オランダ人のドゥーフの発案なのか、辞書作りを補佐してた日本人の発案なのかちょっとわかんないんだけど、
一応有力なのが、オランダ人がさ、長崎の悠長のところにちょっと通ってたっていうのもあったらしくて、
その間で使われた言葉なんじゃないかっていうのもあるんだよね。
どこかさ、なんかちょっと妖艶な言葉じゃん。甘口みたいな。
その後さ、アメリカのペリーが来港してきて、語学っていうのはさ、オランダ語から英語に比重が移っていくわけじゃん。
その時にさ、この乱和辞典っていうのは、英和辞典の母体となったんだよね。
で、その後、英和のこの辞書もセップンっていう漢字を採用して、キリスト教の聖書にもキスの訳語としてセップンっていう漢字が日本で採用されたの。
ただ、その時のふりがなは、今度ね、口付けっていう言葉になった。
これ、セップンっていう漢字は使われてたんだけど、これをどう読むかっていうのは葛藤があって、
なぜ口付けにしたかっていうのは、一般大衆が誰でもわかるような言葉をこう用いることにしたためなんじゃないかって言われてて、
わかりやすいじゃん。口付けって言ったらさ、口をつけるっていう。
そうだね。
で、その後さ、昔から使ってたこの口数って言葉はだんだん徐々に使われなくなってった。
で、1886年、これ明治だね。になって、日本で発行された文芸作品で、初めてロミオとジュリエットっていう作品でセップンっていう漢字が使われたんだよね。
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その後、セップンっていう漢字を口付けって読んでたんだけど、これに濁点がついて口付けになった。
で、明治40年以後は口付けだけじゃなくて、セップンっていうふうに呼ばれるようになった。
これはさ、確かではないいろんな説があるんだけど、口と口の場合はさ、口付けでもいいけどさ、
例えば、手首に挨拶がありに口付けをしたとか、わからなくないんだけど、なんか口付けっていうとちょっと口と口だけにしか使えないような気もするんだよね。
そうそう。だからまあ、そもそも接するにふんっていう漢字だから、そのままセップンって読んだんじゃないかっていう。
たださ、もうこの頃からさ、外来語さ、そのまま話すってことが流行してきて、だからさ、今日本でもさ、キスはキスじゃん。
うん、そうだね。
その時は明治の後半とかは、日本語に訳してるのは一応キスって呼ばれてたんでね。
うん。
ちょっと跳ねてたんだけど。
なんで跳ねてたって。
それはわかんないけど。
ほら、外来語そのまま話す。タバコとかも実はそうなんだよね。スペイン語とかあれポルトガル語から来てるらしくて。
うん。
まあ、そんなふうにして外来語を直接話すみたいなのが今主流になってる。
大正時代に入るとね、このキスっていうのは徐々に取り締まりが強化されていって、これは国が公共性を重視して、性的興奮につながるようなものへの抑圧が徐々に強まった時期でもあった。
これヨーロッパとかでも一時期、かなり前だけどあったんだけど、
例えば日本では彫刻家のロダンの作品が東京に来た時に有名な節分の像っていうのがあった。
これを閲覧禁止にしたりとか、また外国の映画とかも入ってきた時にキスシーンは多くカットされたりとか。
そうこうしてる時に日中戦争が始まって、日本は戦時中に入るわけ。
するとさ、キスっていう言葉さえ人前で使われなくなった時期でもあるんだよね。
ただ、冒頭でも言ったけど、いまだかつてどんな権力者でさえも国民の唇を支配することはできなかったんだよね。
これはさ、特にさ、映像の世界がキスっていうものを広めたって言われてて、戦後になるとさ、映画のキスシーンっていうのは見せ場の一つとして観客を夢中にさせたんだよね。
映像にはさ、自分をこう想像させる力があって、こんな情熱的なキスを、みたいなドラマチックなキスをしたいっていう想像を掻き立てるわけよ。
ちなみに日本映画で初のキスシーン作品っていうのは、これも戦後で1946年に公開された20歳の青春っていう映画なんだよね。
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これにね、あのキスシーンが入っていて、これ撮影する際に2人の男女の口の間にオキシドールを染み込ませた小さなガーゼを挟んで撮影したって言われてる。
そうなんだ。
そうそう。だから、やっぱり最初はすごい抵抗があったんだろうね。
それから、日本映画でもこのキスシーンっていうのは見せ場で、異様にキスシーンが長かったりとかさ、演出にすごく力を入れていくんだよね。
で、こうして今、西洋の影響を受けた形でキスっていうのが日本人に徐々に浸透してきてる。
ただ、今でもさ、日本人っていうのは西洋のように人前で好善と行うっていうのはどこか抵抗があるよね。
まあ、そうだね。普通はしないよね。
昔よりは抵抗が少しなくなってるのかもしれないけど、
で、日本のキスっていうのは今でも挨拶とか尊敬、服従の意味っていうのはなくて、愛情表現のみのキスなんだよね。
そこにはさ、日本人が古来から引き継いできた価値観とか慣習が残ってるんじゃないでしょうか。
なんか、そんな気はするね。
まあ、これがちょっとキスの歴史なんだけど。
まあ、余談なんだけどね、昭和7年頃のね、現代語辞典にキスガールっていう言葉があるの。
キスガール?
知ってた?これ。
いや、知らない知らない。
これね、外で男性に声をかけて、1回50銭とか1円とか取って、これで1回キスができるっていう。
なんだよ、それ。
いや、本当にそれ外で行ってたんだってよ。
なんか、わかんないけど、今そんなのさ、いたとしても、何にもさ、ええって感じじゃない?
ねえ、お金を払ってくれた人には、でも誰でもキスをするっていう人も現れたらしいよ。
なんか、すげえ罰ゲーム感満載だけどね。
いや、必死だったんじゃない?それも。
で、一応その1円とかだと、まあ今でいうと500円とか600円の価値がある。
昭和初期だとね。
っていうね、まあすごい世界だね。
いや、なんかちょっとわかんないね、その世界は。
まあ、ということで、いかがでしたでしょうか?キスの歴史。
まあ、やっぱりその、ほら、日本キス学会のさ、会長の尾形太郎がいるんだから間違いはないよね。
会長になってんじゃん。
いや、まあでもほら、と言ってもさ、ほら尾形太郎も濃い大きい男だったわけじゃん。
いや、多くないわ。
まあ、それなりにこうね、の数のキスをしてきたと思うけれども。
だいたい一人ぼっちだよ。
いや、ネタじゃん、それ。
いやいや。
ウケるわ。
まあ、こう今までこう自分がしてきたキスっていうのをさ、思い返した時にさ、やっぱりさ、海外的なさ、こう挨拶的なキスっていうのはさ、おそらくしてきてないんじゃないかな、日本人って。
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ね、その海外経験とかなければないよね。
うん、なんか普通、やっぱ感覚的にそれはないんだよね。で、ほら外国人のその友達がいたわけでもないから、俺とか特に。
もちろん、そんな挨拶のキスっていう文化もないし。
うん。
自分がこう育ってきた環境では少なくとも。
ああ、そうだね。
ね、だって多分親ともこう、たぶんチュッチュッチュッしたりするんでしょ、きっと。挨拶だから、海外は。
あ、海外の人?
なんかそういう映画のシーンとかもあるじゃん、なんか。でもほら、日本ってそれもないじゃん。
まあ確かにね、まあ赤ちゃんに対してとかあるかもしれないけどね。
そうそうそう、そういうのはあるかもしれないけど、なんだろう、まあいい年下って言ったらあれだけどさ、そこそこの年齢になったらまあ普通しないじゃん。
確かに。
まあなんか、やっぱしてたらえ?って思っちゃうし、俺とか。やっぱそういう価値観で生きちゃってるから。
ああ、そうだよね。
うん、でもなんか逆に言うとやっぱそれがさ、小片郎も言ってた通り、それが日本の価値観というかさ、文化なんじゃないかなとは思うからさ、
まあ別にそれを大事にする大事にしないはさ、人それぞれだと思うけど。
うん。
ね、小片郎的にはどっちがいいのかな?
いやいや、俺は別に今のままでいいよ。
ああ、その大好きな人とだけできればいいっていうね。
なんだその問いは。
いやいやいや。
まあさ、今さ、コロナがさ世界中に広まってさ、海外はいつの間にかマスク結構外してる国も多いけどさ、
日本っていうのはさ、いまだにこう常にマスクをしてるじゃん。
うん。
で、なんだろうこう考えたときに、マスクをすることでさ、やっぱり唇との関わりがさ、最も遠ざかってる時代なんじゃないかなと思って。
なんかいいこと言うね。
そうそうそうそう。
ね、ましてはさ、あの異性のさ唇を見るってことさえも音のなくなった時代じゃん。
うん。
ね、そのうちマスク吸いとか出てくるかもしんない、そういう言葉が。
汚ねえな単純になんか。
よっぽど口に直接つけた方がまだいいわっていう感じがする。
確かに。
まあ、ということで、よかったらこの番組の評価の星やフォローボタンと触れ合ってみてください。
あの口づけではなく、あのボタンポチでいいんで。
そうそうそうそう。
それでは最後まで聞いていただいてありがとうございました。
はい、ありがとうございました。