1. 琴音の音cafe-朗読タイムー
  2. 朗読『陽だまりの郵便配達員』..
朗読『陽だまりの郵便配達員』亡きおばあちゃんが遺した感謝の手紙
2026-10-21 10:15

朗読『陽だまりの郵便配達員』亡きおばあちゃんが遺した感謝の手紙

朗読エピソード「陽だまりの郵便配達員 第1話 丘の上の家へ最後の配達」をお届けします。郵便配達員の青年・ハルが、丘の上の家に住む吉川さんというおばあちゃんとの交流や、彼女が遺した最後の手紙を通して「手紙を届ける本当の意味」に気づいていく心温まる物語です。人と人との心を結ぶ手紙の温もりや、優しさのバトンが次の誰かへと受け継がれていく想いが描かれます。朗読後のトークでは、語り手自身の手紙にまつわる思い出や、手紙を書くこと・受け取ることの魅力について語られています。

感想

まだ感想はありません。最初の1件を書きましょう!

サマリー

郵便配達員の青年・春は、丘の上の家に住む吉川さんへ、孫からの葉書を届けていた。入院した吉川さんが自宅宛てに書いた最後の手紙を配達すると、彼女の死後、手紙には春への感謝と、家族のぬくもりを届けてくれたことへの思いが記されていた。春は手紙を単なる紙ではなく、人の心を結ぶものだと知り、吉川さんの優しさを次の人へ渡し続ける。朗読後は、語り手が手紙を書くことや、子どもたちから手紙をもらった思い出、遠距離の恋人へ桜の便箋で手紙を書いた経験を語る。

丘の上の家への配達と吉川さん
琴音の音cafe 今夜の朗読
タイトル 陽だまりの郵便配達員 第1話 お金植えの家へ最後の配達
作者は琴音です。 皆さんは届かない手紙ってあると思いますか?
当て先が間違っているとか、住所が存在しないとか、そういう意味じゃなくて、もう二度と会えない誰かに向けて書かれた行き場のない手紙のことです。
僕の仕事は郵便配達員です。赤いバイクに乗って、この小さな町のあちこちに毎日手紙やハガキを届けています。
この仕事を始めたばかりの頃、僕は正直、手紙なんてただの荷物だと思っていました。
決められた時間に決められた場所に届ければそれで終わり、効率よく素早く配ることだけを考えていたんです。
でも、あのおばあちゃんに出会ってから、僕の仕事の意味は少し変わりました。
吉川さんという、町の一番高い丘の上にある古い一軒家に一人で住んでいるおばあちゃんでした。
吉川さんの家に行くのは、配達員にとってはちょっとした試練なんです。
急な坂道をバイクで上がっていかなきゃいけないし、夏は汗だくになるし、冬は凍えるほど寒い。
だけど、吉川さんはいつも僕が郵便を届けると玄関まで出てきてくれました。
ご苦労様です、春さん。いつもありがとうね。
そう言って温かいお茶や手作りの干し柿なんかを持たせてくれるんです。
吉川さん宛に届く手紙はいつも決まっていました。
遠い町に住んでいるお孫さんからの葉書です。
元気にしてますか。今度のお休みに帰るね。
そんな短い言葉と可愛らしいイラストが書かれていた葉書。
吉川さんはそれを受け取ると、まるで宝物でも触るみたいに愛おしそうに撫でるんです。
春さん、見てごらん。孫のゆうたがね、今度はサッカーの試合でゴールを決めたんだって。すごいでしょ。
すごいですね、吉川さん。今度帰ってきたらいっぱい褒めてあげなきゃですね。
えー、えー、本当に春さんが届けてくれる手紙は私の一番の幸せですよ。
そう言って笑う吉川さんの顔を見るのが僕はいつの間にか大好きになっていました。
坂道を登る辛さなんてその笑顔を見れば全部吹き飛んでしまうくらいに。
吉川さんが遺した最後の手紙
でも一年前の秋のことです。吉川さんは体調を崩されて入院することになりました。
静かになった丘の上の家、郵便受けに手紙を投函することもなくなって、
僕はなんだか胸の中にぽっかりと穴が開いたような気持ちで毎日を過ごしていました。
そんなある日、僕が郵便局で夕方の仕分け作業をしていると一通の手紙が目に留まりました。
差出人は吉川さん、そして宛先は吉川さんのご自宅、自分の住所でした。
自分宛の手紙?
不思議に思いながらも、僕は翌朝いつものように丘の上の家に向かいました。
もちろん吉川さんはまだ入院中ですから家には誰もいません。
僕は静まり返った玄関の郵便受けにその手紙をそっと入れました。
それから数日後、吉川さんは病院で静かに息を引き取られたと聞きました。
ご親族の方がお家の片付けに来られた時、僕は吉川さんの息子さんにお会いしました。
息子さんは少し泣き腫らした目で僕に小さな封筒を見せてくれたんです。
春さん、これ母が亡くなる直前に病室で書いて等間を頼まれた手紙なんです。
郵便受けに入っていました。春さんが届けてくれたんですね。
それはあの自分宛の手紙でした。
息子さんはその手紙を僕に見せてくれました。
そこには少し震えたでもとても丁寧な吉川さんの文字でこう書かれていました。
背景、丘の上の我が家へ。長い間私を守ってくれてありがとう。
庭の桜の花も台所から見える夕焼けも私は全部が大好きでした。
そして毎日急な坂道を登って大切な人たちからの便りを届けてくれた若い郵便屋さんへ。
あなたが届けてくれたのは紙に書いた文字だけではありません。
遠くで暮らす家族のぬくもりであり私への思いやりでした。
あなたがこんにちはと笑って手紙を渡してくれる瞬間が私の日々の一番の光でした。
本当にありがとう。どうかこれからもあなたのその優しい手でたくさんの人の思いをつないでいってくださいね。
手紙はそこで終わっていました。
吉川さんは自分がもうすぐ天国へ旅立つことをわかっていたのかもしれません。
だからずっと過ごした自分の家そして僕へ向けて感謝の手紙を書いてくれたんです。
宛先は自分の家だったけれどその手紙はちゃんと僕の心に届きました。
手紙のぬくもりを次の人へ
それから一年が経ちました。
今でも僕は赤いバイクに乗ってこの町の坂道を駆け上がっています。
鞄の中にはたくさんの手紙やはがき、誰かが誰かを思って書いた大切な気持ちが詰まっています。
手紙は単なる紙切れじゃない。
人と人とを心で結ぶ小さな魔法なんだと今の僕は知っています。
今日届ける手紙の向こうにもきっと誰かの笑顔がある。
そして吉川さんが教えてくれたそのぬくもりを胸に僕は今日もインターホンを鳴らします。
こんにちは郵便です。
おしまい。ありがとうございました。
語り手の手紙の思い出
またまた新しいシリーズを考えてみました。
吉川さんから春へ届いた手紙は春の心に強い足跡を残しました。
そして春はそのぬくもりを胸に抱いて今日もまた新しい誰かの元へと手紙を届けに走ります。
人から受け取った優しさはそこで終わるのではなく次の誰かへと手渡しされて広がっていくという思いのバトン。
これをちょっとメッセージとして付け加えさせていただいています。
噛んじゃった。
私は手紙を書くこと大好きなんで、読むのも大好きですからね。
ここのリスミミちゃんよく知っているかと思いますが、子どもたちから誕生日の日に手紙をもらったりとかしています。
そして自分自身も話したかな?
昔付き合ってた人にすごく仕事が忙しかった時があって、その方が。
その人が出張で長い間家を離れてたので、その人が帰ってくる日に届くように
桜の季節だったから桜の封筒と便箋に手紙を書いたっていうこともしました。
やっぱり喜んでもらえたので嬉しかったです。
気持ち悪いとか言われたらどうしようかと思ったけどね。
では次のコーナーでもうちょっとお話をしたいと思います。
10:15

コメント

スクロール