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#63【13万人熱狂】=LOVE(イコラブ)はなぜ売れ続ける?指原莉乃が貫く“一段も飛ばさない”戦略【推し活未来研究所】
2026-09-07 31:24

#63【13万人熱狂】=LOVE(イコラブ)はなぜ売れ続ける?指原莉乃が貫く“一段も飛ばさない”戦略【推し活未来研究所】

『推し活未来研究所』🎧 毎週月曜あさ7時配信!ビジネスとカルチャーをつなぐ「推し活」の世界を、ほっこりトークでお届けする番組へようこそ!Z世代の推し消費トレンド、社員のエンゲージメントを高める「社内推し活」の可能性、ファンに熱烈に”推される”ブランドやサービスの作り方など、身近でちょっと気になる推し活関連のトピックをピックアップ。難しい専門用語は使わず、「ゆるっと深掘り」していきます。聴いていると元気が出て、明日からのちょっとした活力になるような番組を目指しています☀️▼ パーソナリティ矢澤 綾乃株式会社KAZAORI (https://kazaori.co.jp/) 代表取締役ファンやコミュニティの「好き」や「熱量」を起点に、企業のマーケティング支援、ブランドプロデュース、新規事業開発などを手掛ける。推し活の記念日やイベント等を華やかに彩るバルーン事業なども展開し、「好き」を形にするための多様なサポートを提供している。現役ベーシスト様々なアーティストのライブサポートやレコーディングに参加するミュージシャンとして、現在も活動中。推す側・推される側の視点を持つ「現場あがり」の実践者アーティスト/クリエイター側と、それを応援するファン側の両方のリアルな視点と経験を持つユニークな存在。この経験を活かし、“推し活×ビジネス”の新しい可能性を日々探求し、そのインサイトを番組で分かりやすく発信しています。▼ 応援&メッセージはこちら📣あなたの推し活体験やアイデアが、番組をもっと豊かにします!ぜひお気軽にご参加ください。SNSで参加: 番組へのご感想、あなたの「推し」紹介、熱い推し活エピソード、ビジネス活用アイデアなどを、ハッシュタグ #推し活未来研究所 をつけてぜひ投稿してください!Podcastを応援: SpotifyやApple Podcastで番組をフォローし、レビューや星評価(☆☆☆☆☆)をいただけると、制作の大きな励みになります!専用フォーム: 長文のメッセージや、SNSを使わない方はこちらからどうぞ。 https://forms.gle/zSD7LYrAscxYCoh79▼ 視聴・聴取はこちらから▶️ライフスタイルに合わせて、お好きなプラットフォームでお楽しみください!YouTube: 最新エピソードの視聴やアーカイブはこちら!チャンネル登録もお願いします🔔 https://www.youtube.com/ @oshikatsu_laboSpotify: 通勤・通学中やお休み前など、耳で楽しむならこちら! https://x.gd/9kSbnApple Podcasts: iPhoneユーザーの方はこちらも便利です! https://x.gd/lxYcKそれでは、また月曜あさ7時にお耳にかかりましょう!

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サマリー

本エピソードでは、アイドルグループ「=LOVE(イコールラブ)」がなぜ長年にわたり成功し続けているのかを深掘りします。デビューから9年かけて、一度も失速することなく、ライブ会場やオリコンランキングで着実に階段を一段ずつ上がってきた戦略を分析。プロデューサーである指原莉乃さんの「推す側」の視点に基づいた、メンバーの丁寧な育成、ファンとの健全な関係構築、そしてCD販売とストリーミングの巧みな両立が、グループの持続的な人気を支えていることを明らかにします。

はじめに:イコラブの快進撃と現代アイドルの潮流
こんにちは、株式会社KAZAORIの矢沢彩乃です。推し活未来研究所へようこそ。
この番組では、ますます盛り上がりを見せる推し活をビジネスの視点から、そして時には私自身の経験も交えながら、楽しくそして深く紐解いていきます。
さて、今日のテーマはこちら。
イコラブはなぜ売れ続けるのか?です。
今年2026年の6月20日と21日、国立競技場で女性アイドルグループの単独ライブが開催されました。
動員は2日間で13万2000人、しかも両日完売です。
主役はイコールラブ、通称イコラブ。
元HKT48の笹原里乃さん、サッシーがプロデュースする10人組のアイドルグループです。
そしてこのステージで発表されたのが、来年2027年1月19日と20日の初の東京ドーム公演でした。
さて、ここでちょっと引っかかることがあります。
イコラブのデビューは2017年の9月6日なんです。
つまり、東京ドームに立つまでデビューから9年4ヶ月かかることになります。
今のアイドル業界って、SNSでバズって一気に頂点まで駆け上がる最速の物語が主流じゃないですか。
実際フルーツジッパーは今年の2月、デビューからわずか3年10ヶ月で東京ドームに立って5万人を動員しました。
これは異例のスペイド出世です。
でもイコラブはその真逆なんです。
9年かけて、でも一度も失速せずに階段を一段ずつ上がってきた。
この遅さの正体こそが、実は今のアイドルビジネスの最先端なんじゃないか。
今日はそんなお話になっています。
本題に入る前に、今回初めて聞いてくださる方もいらっしゃると思うので、少しだけ自己紹介をさせてください。
パーソナリティ紹介と推し活市場の概観
私は普段、推し活をテーマにしたビジネスをしていまして、
例えばファンの皆さんがイベントを一緒に盛り上げられるプクートというサービスなどを提供しています。
それと同時に、ベーシストとしてアーティストさんのバックバンドでベースを弾かせてもらっていて、いわば推される側の空気感も肌で感じているんですね。
この番組は、そんな推す側と推される側、両方の視点を持つ私だからこそ見えてくる推し活の面白さや可能性を皆さんと一緒に探っていきたいなと思って始めました。
そして先日、オンドメディア推し活未来研究所をリリースしました。
こちらでは最新情報や推し活用語辞典、ファンビジネスの事例を詳細にまとめています。
ぜひ推し活というものをもっと詳しく知りたい方は見てみてくださいね。
YouTubeのチャンネル登録、そしてポッドキャストのフォローもぜひよろしくお願いします。
さて本題の前に少しだけ私の話をさせてください。
もともと私ベーシストとしてアーティストさんの現場に入らせてもらったりしていたんですけれども、
アイドルさんのライブって客席の景色が本当に独特なんですよね。
曲のソロパートごとにペンライトの色が波みたいにパッと切り替わったり、あれをステージ側から見てると鳥肌が立つぐらい綺麗なんです。
ちょっと引き込まれちゃって、一瞬間違えそうになるくらい結構引き込まれてます。
観客の皆さんが自分の推しの色を完璧に把握していて、コンマ何秒で切り替えてるんですよね。
ファンの皆さんにも演者と同じくらいの熟練度があるんです。
イコラブのライブはまさにその文化の最高峰みたいな現場だと言われています。
6月の国立競技場公演ではメンバーがペンライトの点灯を支持する映像が流れて、それに合わせてファンが色を変えてアリーナに巨大なイコールラブの文字とハートが浮かぶり上がりました。
ライブレポートの写真を見て、ファンが一緒に参加できる演出としてめちゃくちゃ素敵だなぁと思いました。
さて、そもそもの話をすると、今、推し活市場はまさに絶好調なんですよね。
推し活総研の2026年調査によると、推し活人口は約1940万人、市場規模は約4.1兆円。
この調査対象は15歳から69歳なんですけど、その中の24%、およそ4人に1人が推し活をしていると答えているんです。
ただ、アイドル業界の中を見ると景色は一枚岩ではありません。
CDの世界では、2025年のオリコン年間シングルランキングでトップ10に乃木坂46が3作入って、桜坂46も続位につけるなど、上位を坂道グループがずらりと占めました。
相変わらずCD市場の王者は坂道グループなんですね。
その一方で、SNS初のフルーツジッパーのような新勢力が最速で駆け上がってくる。
この2大勢力の間で、どちらとも違う第三の道をじわじわ突き進んできたのが、今日の主役、笹原里乃プロデュースのイコラブなんです。
イコラブの成長軌跡:オリコン記録と会場変遷
まず、イコラブがどう成長してきたのかを数字で見ていきましょう。
始まりは2017年です。
当時まだHKT48の現役メンバーだった笹原里乃さんが、声優などを育てる専門学校、代々木アニメーション学院の新しいプロデューサー陣の一人に秋元康さん、小室哲哉さん、つんくさんと並んで名を連ねました。
そして開催されたのが、代々木アニメーション学院プレゼンツ、笹原里乃プロデュース声優アイドルオーディション。
そう、イコラブって実は学校の宣伝も兼ねた声優アイドルとして始まっているんです。
実際初期には、けものフレンズなどの舞台にも出演していて、この演技教育が後に表現力の高いアイドルという武器に化けていきます。
オーディションで選ばれたメンバーは、2017年の8月5日の東京アイドルフェスティバルで初ステージを踏んで、9月6日にCDデビューをしました。
ちなみにグループ名のイコールラブには、笹原さんのアイドルとはファンに愛されなければいけない。
そしてアイドルという仕事も自分が愛さなければいけないっていう思いが込められています。
アイドルイコールラブ。実はこの名前自体が今日の話の伏線になるので、ぜひ覚えておいてください。
さてその成長を一番綺麗に表している数字があります。
デビューシングルから20作連続でオリコン週刊シングルランキングのトップ10に入り続けている。
9年間一度も外していないんです。
もう少し細かく見ていきましょう。
デビューシングルはオリコン週刊8位からのスタートでした。
正直成り物入りの割にはちょっと地味な順位ですよね。
ところが2019年6枚目のずるいよずるいねで自身初のオリコン週刊1位を獲得します。
そこから19枚目ラブソングに襲われるが初収33万枚。
今年4月の20枚目劇薬中毒が当時の事故最高となる36万枚。
とここまでお話ししておいて申し訳ないんですけど、この記録つい先日更新されました。
今日が8月末なんですが、8月26日に発売された21枚目のシングル恋はじめましたが、
発売初日だけでオリコン推定451,000枚、20枚目の初収36万枚をたった1日で超えてしまったんです。
出荷ベースだと59万枚超え。
ビルボードジャパンでも初収456,445枚で主位になりました。
デビュー時の週刊8位から9年で初日45万枚へ。
折れ線グラフにするとほぼ綺麗な右肩上がりの階段になります。
積み木を一段ずつ9年かけて丁寧に積み上げたようなグラフなんですね。
しかもまだ全然天井が見えていません。
そしてライブ会場の変遷がまた実に象徴的なんです。
ここでイコラブが立ってきた会場を順番に聞いてほしいんです。
2019年2月の初コンサートは昭和女子大学のひとみ記念講堂という2070席のホールでした。
その後ゼップツアーというライブハウス周りを経て2021年1月2度目の緊急事態宣言が出ていた時期に初の日本武道館へ。
同じ年の7月に横浜アリーナ。
2022年に国立代々木競技場第一体育館で昼夜に公演。
約2万人。
2023年には埼玉スーパーアリーナ。
2024年にKアリーナ横浜で2日間約3万6000人と続きます。
そして今年4月初のスタジアムとなる横浜スタジアムで2日間およそ7万人を動員して6月の国立競技場13万2000人。
来年1月の東京ドームへ。
もうお気づきでしょうか。
ライブハウスホール武道館アリーナスタジアム一段も飛ばしてないんですね。
ここでちょっと個人的な話をさせてください。
実はイコラブのメンバーの大谷エミリーさん。
ミリニャですね。
彼女はイコラブに入る前はアキシブプロジェクトというアイドルグループにいたんです。
2013年から2016年まで活動していました。
実は私が当時サポートでベースを弾いていた工場瀬原ちゃんというアーティストさんの現場で何度か共演したことがあるんです。
当時同じ事務所でアキシンプロジェクトが発足したばかりで先輩のライブに出演していたという時期ですね。
その時はもちろんミリニャちゃんが10年後に国立競技場で13万人の前に立っているなんて想像もしていませんでしたし、
イコラブの人気が上がってきてから、あれこの子アキシブにいた子かなって気づいたんですよね。
何人もいるメンバーの中でしっかり覚えていたのは、当時バンドメンバーにもリハの前とかにちゃんと挨拶をしてくれてすごく礼儀正しかったからなんです。
こういうところが長く愛されていく人型なんだろうなと改めて思いました。
成功の核心:指原莉乃の「推す側」視点と運営戦略
さて話を元に戻します。
この会場の大きさをしっかり段階的に大きくしていること、これをビジネスの言葉に翻訳すると需要を常に少しだけ上回る供給計画になります。
会場を一気に大きくしてチケットが余るとファンは、あれ人気落ちた?と不安になる。
逆に小さすぎるとチケット争奪戦が激しくなりすぎて新規のファンが現場に入れない。
皆さんもこういう経験ありませんか?大好きなアーティストのチケットが何年も全然取れなくて、だんだん現場から足が遠のいてしまったみたいなこと。
あの取れなさはファンの熱を静かに冷ますんですよね。
イコラブの運営はこの難しいサジ加減を9年間ずっと当て続けてきたわけです。
地味に聞こえるかもしれませんけど、私はこれ工業ビジネスとして本当にすごいことだと思います。
じゃあその果樹を取っている笹原里乃さんの何が特別なのか。
ここからが今日の核心です。
笹原さんって元々自分自身が筋金入りのアイドルファンであることを公言してきた人なんですよ。
AKB48時代からそうで、ファンが何に喜んで何に傷つかをオス側の感覚で知っている。
その人がプロデューサーになった。
つまりイコラブはオス側の感覚を持った人が設計したアイドルグループなんですね。
具体的に見ていきましょう。
まず笹原さんはイコラブの表題曲の作詞を一貫して自分で手掛けています。
初期の作風は音楽メディアの分析によると何気ないセリフを盛り込むことで聞き手に感情移入をしやすく書いているのが特徴でした。
それが年々進化してこれまでの人主体の歌詞から景色や季節を感じさせる単語が増えていき、曲に色合いや季節感が帯びていると作詞家としての成長が論じられるまでになります。
その詩が業界でどう評価されたかというと、
2025年の暮れ第67回輝く日本レコード大賞で特別指定により笹原里乃さんが作詞大賞を受賞しました。
プロデューサーがバラエティで話題を作るのではなく、作詞家としてショーレースで評価される。
まさに女性版秋元康さんですね。
さらにこの曲は2026年6月のミュージックアウトジャパンでも最優秀ガールズアイドルカルチャー楽曲賞を受賞しています。
そして私が一番注目してほしいのがメンバーの守り方です。
笹原さんは女性誌アンアンのインタビューでこう語っています。
アイドル業界全体の中で一番クリーンな環境にしてあげたいなっていつも思っています。
私は水着はやりたい子だけありますと宣言しているし、他の仕事もこういう仕事があるけどやってもいいって毎回必ず確認するんですよと。
そしてやっぱりメンバーのご家族はいろいろと心配だと思うんです。
大事なお子さんの人生を預かるわけだから。
こんな風に言ってくれるプロデューサーだからこそみんながついてくるんでしょうね。
現場レベルのエピソードもあります。
メンバーの高杉ひとみさんはイベントを見に行ってくださると終わった後に感想を言ってくださいます。
個人ラインで細かく指導してくださるんですと語っていますし、野口よりさんは人生相談をした時に電話をくださって直接話を聞いてくれて、今度ご飯行こうと言ってそのままご飯に連れてってくださいましたと話しています。
象徴的な出来事が2022年にもありました。
シングルの1枚目から5枚目、そして8枚目から10枚目と長くタイトル曲のセンターを務めてきた高松ひとみさんが自らセンター交番を申し出たんです。
本人の言葉です。今のイコラブは私がセンターじゃない方がもっと上を目指せるんじゃないかなと思いました。
私がセンターじゃないイコラブを見てみたいとも思って土原さんにセンターを下ろさせてくださいとお願いしました。と。
11枚目のシングルからは佐々木舞華さんが新センターに立って、以降はいろんなメンバーがセンターを務めるようになります。
エースの椅子を巡って競わせるのではなく、エース本人が席を譲る提案をしてそれが通る。この空気はメンバーの証言からも伝わってきます。
高松さんはグループ内でセンターを争わずみんなで協力してグループとして戦ってほしいということは、イコラブだけでなく姉妹グループの3グループが共通して言われています。
だからこそどのグループも平和でいられるのかなと思います。とお話ししています。
アイドルの労働環境って長年業界の影の部分として語られてきたテーマなんですよね。
そこに、オス側出身のプロデューサーがファンが一番見たくないもの、つまり推しが傷つく姿を徹底的に振り除く運営を持ち込んだ。
これが結果的に後でお話しするファン層の広がりにつながっていきます。
これは笹原さん自身の経験がそうさせているのではないかと思っています。
ビジネスモデル分析:接触商法とストリーミングの両立
次はお金の話、ビジネスモデルです。
アイドルビジネスに詳しい方ならこう思いませんか?
初日45万枚って同性特典商法の積み上げでしょ?と。
これがですね、半分正解で半分は大きく外れてるんですね。
まず半分正解の方から。
イコラブには個別お話し会というイベントがあります。
仕組みを正確にお話しすると、専用の販売サイトで抽選購入する限定版を1枚買うと、指名したメンバーとビデオトークが1回分ついてくるという形です。
紙の応募券が入っているわけではなくて、電子チケット制なんですね。
で、その1回が何秒なのか、実は公式は秒数を公表していません。
標高には指定秒数1対1のビデオ通話にてとしか書かれていない。
ただファンの間では1万円あたり7秒前後というのが共通認識になっています。
7秒ですよ。
こんにちは。いつも応援してます。と言ったらもう終わってしまうような長さなんですけど、ファンはこの数秒のために複数枚を積みます。
接触ビジネスとしては48グループ由来の王道をしっかり踏襲しているわけですね。
ただこの得点商品には影もあります。
つい先日の1月25日から26日、日本武道館で初の単独公演をしていたQTストリート。
さっきお話ししたフルーズジッパーと同じ事務所のかわいいラボから出てきた妹分にあたるグループなんですけど、その会場周辺でCDが大量に捨てられているのが見つかったんです。
運営は26日の正午頃、公式のXで、きのう日本武道館近隣施設においてCDの不法投擬が複数確認されたため、当面の間CD販売を一時停止させていただきます。
不法投擬は絶対におやめください。と発表しました。
そして注目したいのがその後の判断の速さです。
販売再開は同じ日の13時30分、ただし会場でCDの現物を渡すのを中止にして、後日受け取る予約販売に切り替えたんです。
捨てられるものをその場で渡さない、これ接触商法で伸びているグループならどこでも起こり得ることなんですよね。
数票のために積まれたCDがその後どうなるのか、売り方の設計まで含めて考えることがこのビジネスモデルの宿題として残っているんだと思います。
この件については図解も含めてノートに詳しくまとめてありますので、ぜひご覧ください。
さて、ではイコラブは何が違うのか。
ここで今年5月にオリコンが発表したある記録を紹介させてください。
18枚目の特別指定がCDとストリーミングなどを合算するランキングで100万ポイントを突破してオリコン史上200作目のミリオン達成作品になったんです。
注目してほしいのがその内訳です。
CDが約29万ポイントに対してストリーミングが約70万ポイント。
その約7割がストリーミングなんですよね。
この曲は累計ストリーミング1.7億回、TikTokでの総再生数は22億回に達しています。
これアイドルビジネスの歴史から見るとちょっとした事件なんです。
接触商法で売るグループの曲は買う人が熱心なファンに偏るのでCDは売れてもストリーミングが伸びないと言われがちでした。
実際オリコン合算チャートで最初にミリオンを達成したAKB48のジュワルデイズはCD主導の作品です。
ところがイコラブは濃いファンがCDと接触イベントを支えながら、同時に曲そのものがTikTok経由でアイドルファン以外にまで届いている。
接触型の座組を一切崩さないままミリオンの7割をストリーミングで稼いだ。
これは両立できることの実証なんですよね。
YouTubeでも17枚目の絶対アイドルやめないでのミュージックビデオが公開24時間で100万回再生という公式曰く自身最速記録を作りました。
公式チャンネルの登録者も今では約84万人です。
太い顧客のロイヤリティとライト層への拡散、この2つは普通トレードオフなんですけど、それを両立させたのがイコラブの数字の一番面白いところだと思います。
ちなみに公式ファンクラブは月額550円です。ワンコインちょっと。
特典の一つが24時間限定メンバーの今をお届けという24時間で消える投稿なんです。
低単化で高頻度の接点を日常においてお金の集中はCDとライブに任せる。
リーダーの山本杏奈さんが毎日アイドルと題してメジャーデビューの半月前、2017年8月19日からshowroomという配信アプリで毎日配信を続けて、
2023年2月9日に通算2000日を達成したという逸話も象徴的です。
毎日会いに行けるけど財布には優しいという設計がファンの生活の中に推し活を組み込ませているんですよね。
グループ戦略:イコノイジョイとクリーンな環境
ここまでイコラブ単体の話をしてきましたが、実はこのプロジェクトもっと大きな構想の一部なんです。
笹原さんがプロデュースするグループはイコラブの他に2つあります。
2019年結成のnot equal meと2022年3月にお披露目されたnearly equaljoy、
イコール、ノットイコール、ニアリーイコール、数学の記号で揃えた3グループで合わせてイコノイジョイと呼ばれています。
この3グループの育て方がまた段階設計なんです。
一番下の妹分のニアリーイコールジョイはお披露目から約1年10ヶ月、メジャーデビューせずに3グループ合同コンサートの舞台で経験を積んで、
2024年1月17日にミニアルバムきっと絶対絶対でメジャーデビューしました。
笹原さんはインタビューで合同コンサートのステージを見て、もうこの子たちはデビューしてもしっかりやっていけるだろうなという感覚があったと語っています。
お姉さんグループの集客力を妹グループの成長装置として使う、イコラブで実証した一段ずつの方法論がグループ単位でも効いているわけです。
実際ニアリーイコールジョイは今年3月13日、初の日本武道館中谷に公演でおよそ2万人を同意するところまで育ちました。
さらに2025年には3年連続で開催してきた3グループ合同コンサートをあえて開催しないという判断もありました。
運営の告知はこうです。今年は3グループのスケジュール及びメンバーの体調を考慮して開催を断念することになりました。
代わりに日本テレビの特番が組まれて、9月にはグループごとの小さいイベントが日から開かれています。
イベントを増やせば売上は立つのに体調理由に大きい方を減らす。
ここでもさっきお話ししたクリーンな環境の思想が経営判断にまで貫かれているんです。
運営の座組も触れておきましょう。
海外展開とファンダムの独自性
3グループのマネジメントは代々木アニメーション学院が担っています。
そして今年3月31日、この代々木アニメーション学院はボイシング、歌い手、遊びゴッドという歌い手アーティスト関連の3社と合わせて4社で経営統合して代々木アニメーショングループになりました。
リリースに並んでいるのは世界規模で通用するIP価値の最大化という言葉です。
専門学校の宣伝棟として始まった声優アイドルが9年でエンタメグループの中核IPになった。
この出世物語なかなか痺れますよね。
そしてその海外展開、実はイコラブ自身がもう最先端に立っています。
つい先日の8月23日、イコラブは韓国SBSの音楽番組に初出演して、21枚目のシングル「恋始めました」の韓国語バージョンを披露しました。
KPOPの本場のど真ん中に日本型のアイドルが乗り込んだわけです。
ただ正直に言うとこれ良いことばかりではありませんでした。
複数の報道によると韓国のSNSでは歌やダンス、ステージの完成度について厳しい評価が相次ぎ、KPOPアイドルと比べると物足りないという趣旨の声まで広がってしまったそうです。
面白いのはその記事が比較対象として挙げているグループなんです。
さっき出ていたキューティストリート。彼女たちが今年3月にMカウントダウンで韓国語版を披露した時はステージ映像が公開3日で300万再生、その後1000万再生を超えて韓国で賞賛の声が広がったんです。
同じ日本のアイドルなのに反応が真逆だったんですね。
記事の中でポピュラー音楽評論家のファンソノプさんはキューティストリートについてこう分析しています。
彼女たちは日本のアイドル特有の美的感覚とムードを継承している。そして最もローカルなものが最もグローバルになり得ることを証明している。
実はこれってキューティストリートが可愛いという文化を世界に届けるというコンセプトが受け入れられたグループで、イコラグは日本から来たアイドルグループとして見られたという背景の違いがあるんじゃないかなと私は感じています。
Kポップの土俵に乗って完成度が評価されるのか、それとも日本のアイドルならではの文脈を伴っていくのか。
イコラブの初出演は多分まだその答えを出す前の段階なんですよね。
でも思い出してください。イコラブは国内でも2070席のホールから登り始めたグループです。
海外の階段もきっと一段目から登るつもりなんだと思います。
最後に推し勝ち視点でイコラブのファンダムを見てみましょう。
私はここにこのグループの一番の発明があると思っています。
まず面白い証言があります。
まだデビュー2年目だった2018年の時点でメンバー自身がインタビューでこう語っているんです。
高松ひとみさんは、最近は結構女性ファンが増えたねと言われますと話しており、佐々木舞華さんは3、4割くらい女性の方ですねと話していました。
同じインタビューで高松さんは、最初は200人くらいだったお客さんの数が、一番最近お台場でやった全国各種会で1600人くらいになって成長したなと感じましたともお話ししていました。
で、この3、4割がどうなったか。
2023年の音楽メディアの記事には佐々木さんプロデュースの3グループについて、ファンクラブの約6割、ライブの観客の約7割が女性ファンというデータがあると書かれています。
5年で3、4割から6、7割へ。男性ファン中心と思われがちな接触系のアイドルとしてはかなり特徴的な変化ですよね。
なぜそうなるのか。ここまでの話が全部繋がるんです。
運営が推しを大切に扱うとわかっているから安心して推せる。センターを争わせないと明言しているから推していて疲れない。しかも曲はTikTokやストリーミングで自然に流れてくるから入り口が広い。
以前この番組の推し勝つ疲れの回で推し勝つが競争的になりすぎてファンが疲弊しているというお話をしたんですけど、イコラブのファンダムはその真逆を言ってるんです。
グループ名に込められたアイドルはファンに愛されなければいけないし、自分の仕事も愛さなければいけないという理念が9年かけてちゃんとビジネスモデルの形になっている。
ファンダムの構造にも面白い特徴があります。イコラブってメンバーごとにファンネームがあるんですよ。
大谷エミリーさんのファンは甘やかしたい、高松ひとみさんのファンはアイズという群に、一方でグループ全体をまとめて呼ぶ公式のファンネームは公式サイトを見ても見当たらないんですよね。
つまりこのグループ、グループを推す以上にメンバー個人を推す構造になっている。10人それぞれのファンダムが束になって、あの右肩上がりを支えているんです。
ライブの現場文化も豊かです。メンバーごとにペンライトカラーが決まっていて、これが1色の人もいれば2色3色の組み合わせの人もいるんです。
竹脇翔子さんなんて黄色とオレンジと濃いピンクの3色ですからね。ファンは基本的にその瞬間歌っているメンバーの色に振るのがベストとされています。
コールも曲ごとに体系化されていて、ファンが自主的にコールガイドのサイトを作り込むほどなんです。
国立競技場でファンがペンライトでイコールラブの文字を描いたのは、そのみんなで作り上げた文化の集大成だったんですね。
そしてその国立のステージでリーダーの山本杏奈さんはこう語りました。
この10人で東京ドームに立てるのかなと不安になったこともありました。でも私はここにいる10人で東京ドームに立ちたかったんです。
イコラブは12人でデビューして、2人の卒業を経て追加メンバーを1人も入れずに10人のまま9年間走ってきました。
メンバーを入れ替えて新陳代謝を図るのではなく、同じメンバーの成長物語をファンと一緒にゆっくり登っていく。
フルーズジッパーのような最速が悪いという話ではないんです。
ただ推し勝つって本来推しと一緒に過ごした時間そのものが価値じゃないですか。
だとしたら9年かけて登る階段はファンにとって9年分の思い出という資産になる。
イコラブにとって遅さは弱点ではなく商品なんですね。
まとめ:イコラブの成功要因と未来
それではそろそろまとめに入りましょう。
今日お話ししたことを3つのポイントに整理します。
1つ目、イコラブの強さは一段も飛ばさない成長設計だということ。
デビューシングルから20作連続でオリコントップ10。
2つ目、オス側の感覚で運営を設計するとファン層が広がるということ。
仕事は本人の同意を打て確認する。
グループ内でセンターを争わせない。
体調のためにイベントを減らす。
ファンが見たくないものを徹底的に取り除いた結果、女性ファンが3,4割から6,7割まで広がりました。
クリーンさはコストではなく投資なんですね。
3つ目、接触の深さとストリーミングの広さは両立できるということ。
数秒のお話会に通う恋ファンとTikTokで曲だけ知っているライト層。
ミリオンポイントの7割がストリーミングだったという数字は、接触系アイドルの新しい生存戦略を示しています。
恋ファンと広い認知、どちらかを捨てる必要はないんですね。
笹原里乃さんというオス側から来た人が、オス側の理想を9年かけてビジネスとして成立させた。
2027年1月のニコラブの東京ドームは、その答え合わせの日になるんじゃないでしょうか。
さて、いかがでしたか?
今日は笹原里乃さんプロデュースのニコラブを題材に、階段を一段も飛ばさない成長戦略、オス側の感覚で作られた運営、そして、接触とストリーミングの両立という新しいアイドルビジネスの形を見てきました。
調べれば調べるほど、ニコラブの9年間って、ファンを信じて焦らなかった9年間なんですよね。
押される側の端くれとしても、こんな風に大事に運営にしてもらえるグループは本当に幸せだと思いますし、これから東京ドームまでの数ヶ月、ファンの皆さんがどんな景色を見せるのか、私も楽しみで仕方ありません。
番組を聞いての感想は、ぜひハッシュタグおしかち未来研究所でシェアしてくださると嬉しいです。
それでは今日のおしかち未来研究所はこの辺で、最後までお聞きいただきありがとうございました。また次回お会いしましょう。
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