1. 推し活未来研究所
  2. #62 【17億回再生】モナキはな..
#62 【17億回再生】モナキはなぜ売れたのか?——アラサー&アラフォー4人組がTikTok世代と昭和歌謡ファンを同時に掴んだ理由【推し活未来研究所】
2026-08-31 29:56

#62 【17億回再生】モナキはなぜ売れたのか?——アラサー&アラフォー4人組がTikTok世代と昭和歌謡ファンを同時に掴んだ理由【推し活未来研究所】

『推し活未来研究所』🎧 毎週月曜あさ7時配信!


ビジネスとカルチャーをつなぐ「推し活」の世界を、ほっこりトークでお届けする番組へようこそ!


Z世代の推し消費トレンド、社員のエンゲージメントを高める「社内推し活」の可能性、ファンに熱烈に”推される”ブランドやサービスの作り方など、身近でちょっと気になる推し活関連のトピックをピックアップ。


難しい専門用語は使わず、「ゆるっと深掘り」していきます。聴いていると元気が出て、明日からのちょっとした活力になるような番組を目指しています☀️


▼ パーソナリティ


矢澤 綾乃


株式会社KAZAORI (https://kazaori.co.jp/) 代表取締役


ファンやコミュニティの「好き」や「熱量」を起点に、企業のマーケティング支援、ブランドプロデュース、新規事業開発などを手掛ける。推し活の記念日やイベント等を華やかに彩るバルーン事業なども展開し、「好き」を形にするための多様なサポートを提供している。


現役ベーシスト


様々なアーティストのライブサポートやレコーディングに参加するミュージシャンとして、現在も活動中。


推す側・推される側の視点を持つ「現場あがり」の実践者


アーティスト/クリエイター側と、それを応援するファン側の両方のリアルな視点と経験を持つユニークな存在。この経験を活かし、“推し活×ビジネス”の新しい可能性を日々探求し、そのインサイトを番組で分かりやすく発信しています。


▼ 応援&メッセージはこちら📣


あなたの推し活体験やアイデアが、番組をもっと豊かにします!ぜひお気軽にご参加ください。


SNSで参加: 番組へのご感想、あなたの「推し」紹介、熱い推し活エピソード、ビジネス活用アイデアなどを、ハッシュタグ #推し活未来研究所 をつけてぜひ投稿してください!


Podcastを応援: SpotifyやApple Podcastで番組をフォローし、レビューや星評価(☆☆☆☆☆)をいただけると、制作の大きな励みになります!


専用フォーム: 長文のメッセージや、SNSを使わない方はこちらからどうぞ。 https://forms.gle/zSD7LYrAscxYCoh79


▼ 視聴・聴取はこちらから▶️


ライフスタイルに合わせて、お好きなプラットフォームでお楽しみください!


YouTube: 最新エピソードの視聴やアーカイブはこちら!チャンネル登録もお願いします🔔 https://www.youtube.com/ @oshikatsu_labo


Spotify: 通勤・通学中やお休み前など、耳で楽しむならこちら! https://x.gd/9kSbn


Apple Podcasts: iPhoneユーザーの方はこちらも便利です! https://x.gd/lxYcK


それでは、また月曜あさ7時にお耳にかかりましょう!

感想

まだ感想はありません。最初の1件を書きましょう!

サマリー

平均年齢33歳のアラサー・アラフォー男性4人組グループ「モナキ」が、デビューからわずか8ヶ月でSNS動画再生回数17億回超えという驚異的なヒットを記録した理由を深掘りする。元建築士や元戦隊ヒーローといった異色の経歴を持つメンバーが、セカンドチャンスを掴む物語性や、関西弁のキャッチーな楽曲、そしてデジタルとアナログを巧みに組み合わせた戦略が、TikTok世代から昭和歌謡ファンまで幅広い層に支持された要因を解説する。

モナキの驚異的なヒットの背景
こんにちは、株式会社KAZAORIの矢澤彩乃です。 推し活未来研究所へようこそ。
この番組では、ますます盛り上がりを見せる推し活をビジネスの視点から、 そして時には私自身の経験も交えながら、楽しくそして深く紐解いていきます。
さて、今日のテーマはこちら。 モナキはなぜ売れたのか、です。
皆さん、最近、「ほんまやで、なんでやねん、知らんけど。」って、どこかで一度は耳にしませんでしたか?
スーパーの店内でも、SNSのタイムラインでも、お子さんが口ずさんでいるのを聞いたっていう方もいらっしゃると思うんですよね。
私自身、最近まで知らなかったんですが、うちの老いっ子たちから教えてもらったんです。
え?この人たちが今売れてるアイドルなの?って最初はちょっと驚きました。
まず、この数字を聞いてください。
デビュー曲に関連するSNS動画の再生回数が17億回超えです。
これ、2026年7月時点の数字なんですが、まだまだ更新中なんです。
7月中旬の時点では8億回だったのが、3ヶ月で倍以上に伸びているわけです。
日本の人口の14倍近い数字ですから、日本中が1回ずつ見たどころの騒ぎじゃないんですよね。
しかもこれ、きっとびっくりすると思うんですが、10代の男の子たちのグループじゃないんです。
メンバーは39歳、37歳、29歳、28歳、平均年齢33歳のアラサーとアラフォーの4人組なんです。
元一級建築士、元戦隊ヒーロー、元会社員。
こういう経歴の人たちが、2026年上半期、日本で一番ブレイクしたグループになってしまいました。
アイドルビジネスの常識で考えたら、30代後半でデビューってかなり不利じゃないですか。
それがなぜ、TikTokで踊る高校生にも、演歌歌謡曲を聞く層にも同時に刺さってしまったのか。
偶然のバズなのか、それとも設計されたヒットなのか。
そして、党のメンバー自身は、「これはバブルです。」と言い切っているのは一体どういうことなのか。
今日はここを、おしかつビジネスの視点で徹底的に解剖していきます。
パーソナリティ自己紹介と番組紹介
本題に入る前に、今回初めて聞いてくださる方もいらっしゃると思うので、少しだけ自己紹介させてください。
私は普段、おしかつをテーマにしたビジネスをしていまして、
例えば、ファンの皆さんがイベントを一緒に盛り上げられる、フクートというサービスなどを提供しています。
それと同時に、ベーシストとしてアーティストさんのバックバンドでベースを弾かせてもらっていて、いわばオサレル側の空気感も肌で感じているんですよね。
この番組は、そんなオス側とオサレル側、両方の視点を持つ私だからこそ見えてくる、
おしかつの面白さや可能性を皆さんと一緒に探っていきたいなと思って始めました。
YouTubeのチャンネル登録、そしてポッドキャストのフォローも是非よろしくお願いします。
さて、本題に入っていきましょう。
モナキの活動年表とヒットの軌跡
まず、モナキに何が起きたのか。時系列で整理させてください。
並べてみると、本当に異常なスピードなんです。
モナキのスタートは、2025年11月26日、じゅんれつさんのツアーファイナルの舞台で、4人が正式にお披露目されました。
翌日のTikTok初投稿が55万再生。新人としては悪くないけれど、ものすごく爆発的でもない数字ではあります。
年が明けて2026年1月、YouTubeの生配信で4月8日にメジャーデビューしますと発表。
ここまではまだ業界の中の話なんですよね。風向きが決定的に変わったのが2026年2月です。
デビュー曲のタイトルとサビが刺さって、TikTokで一気に拡散しました。
ハッシュタグ本間屋でダンスが広がり、1つの投稿に500万を超えるいいね。
関連動画は最高786万再生。総再生数は2億回を突破しました。
これすごいのが、デビュー前でCDもまだ出ていない段階でっていうのがポイントです。
そして4月8日、満を持してメジャーデビューしました。
この日のデビュー記念イベントには約2500人。
4日後の武蔵村山のショッピングセンターでも約2500人が1階から4階までを埋め尽くし、朝5時から並んで7時間待ったというファンもいたそうです。
オリコン週刊シングルランキングは初登場3位、初週売上4万枚。円下可用ランキングでは1位を獲得しました。
このデビュー記念イベントが武蔵村山っていうのがまたいいですよね。
キラキラした大都会っていうわけじゃなくて、ちょっと郊外のショッピングセンターっていうのも順列を継承している感じがあっていいなと思います。
さらに6月26日にミュージックステーション初出演。
6月30日にはTikTok上半期トレンド大賞2026の大賞を受賞。
7月からはテレビ朝日で冠番組がスタートし、雑誌アンアンでは表紙と13ページの大特集が組まれました。
結成からここまでわずか8ヶ月です。
私この年表を作りながら思ってたんですけど、これってバズった結果たまたま売れたという形じゃないんですよね。
バズが起きた後、CD、イベント、テレビ、ラジオ、雑誌、ツアー全部が用意されていたかのように連鎖している。
つまり受け皿がちゃんと作ってあったということなんです。
ここが今日の一番大事なポイントになりますので、頭の片隅に置いておいてください。
モナキのメンバー構成とコンセプト
まずこの4人がどうやって集まったのかという話からいきましょう。
きっとこれを聞いたらあなたもモナキのファンになっちゃうと思います。
グループ名のモナキって何の略か知ってますか?
由来は名もなき者たち。まだ何者でもない4人という意味なんですよね。
名付けたのはプロデューサーである巡列のリーダー坂井和義さんで、この4人を無名無集とまで表しています。
ファンの呼び名もモナカマ、つまりモナキの仲間。コンセプトが1本の線で通っているんですね。
舞台になったのが坂井さんが立ち上げたセカンドチャンスオーディションです。
ここが独特なんですけど、応募資格の年齢が25歳から45歳なんです。
普通アイドルのオーディションって上限を18歳とか23歳とかで切りますよね。
それを真逆にしたんです。しかも芸能経験の有無は一切問わない。
そして私が一番驚いた応募条件がこれなんです。絶対に親孝行するという覚悟ができている方。
これは坂井さんの人柄だなぁと思ってます。
募集要項にこう書いてあるんです。歌唱力でもルックスでもなく親孝行の覚悟。
坂井さん曰く、自分自身だけじゃなくて誰かが喜んでくれたり、こういう姿を見せたいという気持ちがないと僕らは力は貸せないよというメッセージなんだそうです。
応募は約1000人、そこから40人、さらに10人に絞られて最終的に4人が残りました。
合格率で言うと0.4%くらいですね。ではその4人がどんな人たちなのか。
1人目はじんさん、39歳。芸歴20年以上の元俳優さんで列車戦隊特急ジャーで特急2号を演じた後、芸能界を離れデザイン会社の営業をされていたそうです。
2人目は坂井ジュニアさん、37歳。この方の経歴が一番びっくりするんですけど。
千葉大学の工学部大学院を主席で卒業して大手鉄道会社に勤めた後、一級建築士の資格を取って大手不動産会社で再開発事業に携わっていた方なんです。
しかも既婚子持ちというアイドルとしては異例のプロフィール、それを公表しちゃっているのも面白いです。
街を作る仕事をしていた人が35歳でオーディションに応募してるんですよ。ちなみに私は12様推しです。
次に3人目ケンケンさん、29歳。動物戦隊ジュウオウジャーでタスク役を演じた元ヒーローです。
引退後は周りの人と一切関わらないようにしていたという孤独な時期があって、8年ほど芸能活動から離れて薬肉店で働いていた。
そこを事務所のスタッフに声をかけられて合流したと報じられています。つまり4人のうち彼だけはオーディションではなく別ルートなんですね。
そして最年少のオヨネさん、28歳。高校時代にテレビ東京のザカラオケボトルに出場した経験があって、社会に出てからは会社員をされていました。
今のビジュアルがオカッパスタイルでスーツっぽい衣装で、尾瀬松さんに出てきそうな雰囲気なんですよね。
アイドルと呼ぶにはちょっと異色のビジュアルなんですが、オヨネさん大人気なんですよね。
いかがでしょうか。元俳優、元建築士、8年のブランクを経た元ヒーロー、元会社員、全員がそれぞれの場所でそれぞれの物語を持っている人たちです。
ここを推し勝つのビジネス設計として本当によくできていると思うんです。
というのも、推し勝つって結局物語全体を推してるんですよね。
かわいいから推す、かっこいいから推すっていうのももちろんあるんですけど、それだけだと代替え可能なんです。
もっと若くてかっこいい人が出てきたらそっちに移れてしまう。
でもこの人がこの年でもう一度立ち上がったという物語はその人にしか存在しないんです。
モナキはその想像の余白をグループ名と募集要項の段階から組み込んでいる、本当にうまい試作だなと思います。
TikTokでの爆発的ヒットの要因分析
ではなぜTikTokで爆発したのか、ここを分解していきましょう。
デビュー曲の作詞は坂井和義さんと岩崎文孝さん、作曲編曲が岩崎さん、振り付けが木口博之さんです。
岩崎さんは魔法戦隊マジレンジャーなどスーパー戦隊シリーズの楽曲を数多く手がけてきた作曲家さんなんです。
メンバーに戦隊ヒーロー出身者が2人いて、楽曲も戦隊ヒーローの作曲が書いている。
明るくて大人が本気でやるからこそちょっとクスッと笑えてかっこいいというトーンが最初から統一されているんです。
興味深いのはモナキのセカンドチャンスという物語がメンバーだけでなく楽曲にも宿っていることです。
プロデューサーの坂井和義さんはモナキの楽曲を作るにあたり、岩崎さんに過去にコンペ提出したものの採用されず行き場を失っていた曲を集めたゴミ箱を見せてもらったと言います。
これ私が言ったんじゃなくて、坂井さんがゴミ箱ってインタビューで言ってますからね。それを引用させていただいてます。
そしてそこで見つけたのが、ほんまやで、なんでやねん、知らんけどの原型となったほんまやででした。
すでにワンコーラス分の歌詞がついていた曲に坂井さんが新たな歌詞とタイトルを加え、現在の形が生まれたそうです。
これは単なる没曲の再利用ではありません。
その曲は完成度が低かったのではなく、まだ自分にふさわしい歌い手と文脈に出会っていなかっただけなんですよね。
一度選ばれなかった曲が、同じように再起をかけた名もなき者たちと出会い、多くの人を巻き込んでヒット曲になった。
モナキはメンバーだけでなく楽曲にももう一度世に出るチャンスを与えたっていうストーリーもすごい素敵ですよね。
そしてこの曲のタイトルなんですよ。
ほんまやで、なんでやねん、知らんけど。
この3つ全部関西弁の口癖ですよね。
つまりこの曲、みんながすでに知っている言葉だけで構成されているんです。
歌詞を覚える必要がない。初めて聞いた人でもサビの3フレーズは1回で言える。
SNSで拡散する楽曲の絶対的な条件なんですよね。
坂井さんはこの歌詞にこんな思いも込めたと語っています。
理不尽にマウントを取られたり、腹が立つことがあっても知らんけどと受け流して、うまいこと人生をサバイブしてほしい。
ふざけたタイトルに見えて真ん中に人生訓まで入ってるんです。
ちょっと1回このポッドキャストを褒めてでもぜひ1回聴いてみてほしいです。
私はこの曲を初めて聴いた時に少年隊の仮面舞踏会を思い出しました。
このキャッチーなメロと歌詞は、そりゃSNSのショート時代にバズるなと思いましたね。
さてここからが構造の話です。
モナキのバズの3段階分析と拡散戦略
若者マーケティングの専門家である西村海人さんが、わなきのバズを3段階に分けて分析していて、これがすごく腑に落ちました。
第一のバズが、2025年11月の初投稿、55万再生、準列の弟分という信頼感とセンタイヒーロー出身者の既存の認知度で取った数字です。
第二のバズが、2026年2月11日、きっかけは楽曲ではなくタイトルの突っ込みやすさでした。
なんちゅうタイトルやねんというコメントが殺到して、コメントが増えるとアルゴリズムが反応し、さらに再生が伸びる。最高786万再生を記録します。
そして第三のバズが、イオンでのライブ以降、ここで一般の人の投稿が爆発するんですけれども、面白いのが、もなきすんなという突っ込み言葉が生まれたことなんです。
ファンじゃない人がネタとしても使い始めたんですね。
ここ本当に重要だと思っていて、ファンが広げるバズには限界があるんですね。
どれだけ熱量が高くても母数が足りないからです。
でも突っ込みとして非ファンが使い始めた瞬間、拡散の母数が一気に変わります。
もなきはアンチでも無関心でもない、突っ込み勢という第三の層を作ることに成功したんです。
その結果AKB48や桜坂46といった現役のストップアイドルグループがカバーダンスを投稿したと報じられていますし、二次三次のライバーさんたちも公式に踊っています。
彼女たちが踊るとそのグループのファン層がまるごともなきを知ることになる。他人のファンを借りて拡散するという構造が勝手に回り始めたわけですね。
そしてこれを裏付ける面白い調査があるんです。
株式会社若者リサーチがデビュー直後の2026年4月10日から17日に全国の高校生333人に聞いた調査です。
結果がこちらです。もなきを知っているが52.9%、本間屋でダンスを踊ったことがあるが31.4%、推したいと思うが20.7%。
デビューからわずか数日で高校生の過半数が認知して、3人に1人が実際に体を動かしている。認知している人のうちおよそ6割が踊っている計算になるんです。
とんでもない転換率ですよね。しかも踊った理由に上がっているのが、友達とTikTokを撮ったから、振り付けが簡単で踊りやすいから。
菊池さんの振り付けが真似しやすく、しかも人に見せたくなるという絶妙なラインをついていたわけですね。
難しすぎると誰も踊らない。簡単すぎると投稿する価値がない。この間を狙うのが本当に難しいところなんですよね。
デビューから3週間後にはマクドナルドのウェブ動画にも寄与されて、替え歌でグリマスシェイクを宣伝しています。
全国展開のナショナルブランドが新人を使うって異例中の異例なんですよね。
ここで注目していただきたいのが、この流れが2月のバズから始まって、4月8日のCD発売にきちんと着地しているという点です。
バズって放っておくと2週間で消えちゃうんですよ。TikTokのトレンドの寿命は本当に短い。
それを2ヶ月温め続けて、デビュー日という明確なゴールに全部の熱量を集約させた。
だからオリコン初登場3位、初週4万枚という数字になったんですね。
バズったから売れたんじゃないんですね。バズを売れる形に着地させる設計があった。
ここが決定的に違うところだと私は思っています。これは学びが多いですね。
プロデューサー坂井和義氏の戦略と純烈モデル
さて、この設計を描いたのが純烈の坂井和義さんです。
ここからは坂井さんの戦略を見ていきましょう。
まず純烈さん自身の歴史を押さえておきたいと思います。
ここを知ってると、もなきの意味が全然違って見えてきます。
純烈さんの結成は2007年。
2010年にメジャーデビューしたものの2枚目のシングルが売れず、2012年にはレコード会社から契約を打ち切られているんです。
そこで始めたのが健康センターやスーパー戦闘での定期ライブでした。
スーパー戦闘アイドルという肩書きは、実はそこしか居場所がなかったところから生まれているんですね。
そして2018年の紅白歌合戦に初出場。契約を受けられてから紅白まで6年、結成から数えれば11年かかっています。
このやり方はものすごく強いんですよね。
テレビに出られなくても目の前の100人を確実にファンにできて、しかも離れにくい。
ただし、とにかく時間がかかる。
坂井さんがモナキでやったのは、この巡列モデルの弱点だけをSNSで補うっていう発想だったんだと思うんです。
オーディションの記者会見で、ご本人がこう語っています。
巡列も茨の道を歩いてきた。その茨の道って最高に楽しいんです。
だから同じ道を歩いてほしい。ただ、巡列ほど時間がかからないようにはします。と。
この時間がかからないようにしますという一言に、戦略の全部が入っていると思いませんか?
これ順番を変えたんですよね。巡列は現場が先で認知は後でした。
モナキは認知が先で現場は後なんです。
まずTikTokで一気に認知を取り、その上で巡列仕込みの丁寧な現場対応でファンを固定する。
前半をデジタルで圧縮して、後半のアナログは一切省略しなかった。
実際モナキの現場にはラウンドという客席に降りて一人一人と握手していく巡列ゆとりの施策があって、
SNSでもファン差が噛みすぎるという声が数多く上がっています。
そしてもう一つ面白い比較があります。
同じ時期に活動している秋元康さんプロデュースの男性歌謡グループ、昭和と祭り。
コラムニストの木村隆さんはこの両者の戦略が真逆だと指摘しています。
秋元さん側が業界大手の仕組みを使ったトップダウン型だとすれば、
坂井さんは自分もプレイヤーとして現場に立ち続けるプレイングマネージャー型なんですよね。
今のファンって上から与えられたスターにはあんまり反応しないんですよね。
それよりも自分たちが育てている感覚がある方に熱量が向かう。
坂井さんが自ら現場に立ち、一緒に明日を描いている姿そのものがファンにとっての参加ポイントになっている。
プロデュース行為自体がコンテンツになっているんですね。
イベント中止から生まれた熱量の可視化
ちなみに坂井さん、デビュー発表の上ではこんなことも言っています。
初心を忘れたものから消え去るゲーム。
プロデューサーがこれを言ってなかなか痺れますよね。
めちゃくちゃ押せるなぁと思ってます。
私、モナキを調べていて、坂井さんのファンになったんですよね。
こういうモナキから巡列への逆パターンもあるだろうなって思ってます。
さて、ここでリアルな現場では何が起きたのかを見ていきましょう。
実はモナキ、イベントが中止になるという事態を何度も経験しているんです。
2026年3月8日、大阪のスーパー銭湯で予定されていたミニライブが、昼と午後のジム両方とも中止になりました。
その2日後には、大阪のショッピングセンターでのイベントも前日発表で中止になりました。
公式のコメントは、競技の結果、お客様の安全が確保できないと判断した。
これ、CDが出る1ヶ月も前の話ですからね。
普通に考えたらこれは大トラブルなんですよ。
運営としては頭を抱える事態です。
でも、押し勝つのマーケティングという観点で見ると、この中止というニュースが熱量の可視化として機能してしまったんですね。
中止になるほど人が来たの?今のうちに見に行かないと、もう近くで見れなくなるんじゃないか。
こういう感情って行動を一気に前倒しにさせるんです。
私、これが沼の入り口だと思っていて、この今しかないという感覚がライトのファンを一気に本気のファン気に変えていくんですね。
しかも、モナキの場合、それがスーパー銭湯やショッピングセンターという極めて生活圏に近い場所で起きている。
ドームやアリーナじゃないんです。
いわゆるアイドルの現場って、チケットの取り方や応援の作法がわからなくて、最初の一歩で脱落する人がものすごく多いんですけど、ショッピングセンターなら買い物のついででも参加できてしまう。
心理的なコストがほぼゼロなんです。
準烈さんが11年かけて証明した、日常の動線上に現場を置くという戦略を、モナキはSNSの認知獲得とセットで再現している。
デジタルで知って、生活圏で出会う。
この二段構えが本当によくできてるんですね。
メンバーの物語性と人生の可能性
そして現場のファンの声がまた印象的でして、武蔵村山のイベントで取材を受けた22歳の女性がコメントで、
みんな第二のキャリアとしてモナキをやっているので、何歳からでも始められるんだと話していたんです。
22歳の方が37歳や39歳の人を見て勇気をもらってるんですね。
推し勝って応援している対象から、自分の人生の可能性を受けている行為でもあるんですね。
モナキメンバー自身による「バブル」認識
ここまで景気のいい話をしてきましたけれども、ここからは冷静な話もさせてください。
というのも、モナキのメンバー自身がこの現象をバブルという言葉で語っているんです。
堺ジュニアさんの発言で、
元一級建築士で大手不動産会社で再開発をやっていた人ならではの言葉だと思いませんか?
街づくりの世界ってまさにバブルの膨張と崩壊を見てきた業界ですからね。
自分たちの現在地を経済の比喩で冷静に測っています。
ジンさんも盛り上がっていただいた時期に、
つまり彼らはバズの外側にいたんですね。
業界側からの厳しい指摘もあります。
東京スポーツの取材に、芸能プロ関係者がこう答えているんです。
具体的に指摘されているのは、メンバー間のトーク力の格差です。
芸能経験のあるジンさんとケンケンさんが前に出る一方で、
素人出身の二人がまだカメラの前で達者に話せるわけではないという現場の実情なんですね。
数字の面では危うさはあります。
さっきの高校生調査を思い出してください。
知っているが52.9%に対し、推したいと思うは20.7%なんです。
つまり、認知はしているけれど推しはしない層がまだかなりいるんです。
知られていると愛されているの間には、まだかなりの距離があるということなんですよね。
では、モナキは一発屋で終わってしまうのか?
モナキの持続可能性と資産
私は全然そう思っていません。
バズだけに依存していない資産がすでに3つあると思うんです。
1つ目が、円化・開業というフォームです。
ここを数字で見ると面白いんですが、
2026年5月時点のSpotifyの累計再生数は、
モナキが220万回超えなのに対して、昭和と祭りは約21万回。
ところが逆に、あちらは初週約17万枚を売り上げて、オリコン総合5位切り、
翌週には100位圏外に落ちています。
どちらが良い悪いではなく、CDを一気に売り切る方と、
ストリーミングでじわじわ長く聞かれる方という売れ方の構造の違いなんですね。
しかもモナキには、純烈炭が11年かけて耕した玄馬という畑もそのまま使える。
バズが冷めても帰る場所があるというのはものすごく大きいんです。
2つ目が、メンバー個々の物語の強度です。
この物語は音楽以外の切り口でも番組が作れるんですよ。
実際テレビ朝日で冠番組が始まり、読売テレビの子供向け番組では、
ランスのお兄さんとしてレギュラー出演している。
タレントとしても食べていける土台がすでに尽きつつあります。
3つ目が、現場での接触密度です。
ファン差が神と言われる関係性は、ネット上のアルゴリズムでは作れないんですね。
TikTokのおすすめ欄は、明日には別の誰かを映すけれど、握手した記憶は消えないんです。
これが現場の価値だと思ってます。
つまりモナキって、バズで入り口を広げて、アナログで奥行きを作るという構造をしているんです。
入り口だけ広いグループは、風が止まったら終わる。奥行きだけあるグループは、そもそも人が来ない。
両方持っているのが今のモナキなんですね。
モナキのヒット要因の3つのポイント
さて今日は、モナキはなぜ売れたのか、というテーマでお話ししてきました。
最後に私なりに3つのポイントを整理させてください。
1つ目、若さ以外の押され方が確立したということ。
平均年齢33歳、元建築士に元戦隊ヒーロー。
従来の常識では遅すぎるはずの4人が、2026年上半期で最も注目されるグループになりました。
これはファンが求めているものが、完成された才能から家庭そのものへ移っていることの表れだと思うんです。
上手いから応援するのではなく、もう一度立ち上がった人を見てみたい。
押し勝つが才能の消費から人生の伴奏へと変わってきている。
その象徴がモナキなんじゃないでしょうか。
2つ目は、バズは起こすものではなく着地させるものだということ。
2月に786万再生の動画が生まれたことにより、私はその熱量を4月8日のデビューまで運び切ったことの方が遥かにすごいと思っています。
バズは誰にでも起こり得るんです。運の要素も大きい。
でもバズった瞬間にCDがあり、イベントがあり、テレビの枠があり、次のツアーが用意されている。
この受け皿の設計こそがプロの仕事なんですよね。
拡散の設計より着地の設計の方がずっと難しいです。
着地の設計がちゃんとされているっていうのが、すごくプロデューサーの堺さんらしい部分だと感じました。
3つ目、デジタルとアナログは対立ではなく分業だということ。
モナキは認知獲得をTikTokに任せ、関係構築を現場に任せました。
テクノロジーで代替できるのは知ってもらうところまでで、好きになってもらうところは未だに人間が汗をかくしかない。
推し勝つの未来を考える上で何度でも確認したい原則だと思っています。
セカンドチャンスオーディションの継続と未来
そして最後に面白い動きを一つお伝えさせてください。
モナキのブレイクを受けて、2026年6月からセカンドチャンスオーディション2026の募集も始まっているんです。
しかも今回は年齢制限が撤廃されました。年齢もジャンルも国籍も問わない。
さらにモナキに続く新グループだけでなく、準列本体の新メンバー枠も同時に募集しています。
つまり堺さんはセカンドチャンスを一回きりの企画ではなく、継続する仕組みそのものに変えようとしてるんですね。
名もなき4人がたった8ヶ月で17億回再生されるグループになりました。
これって誰にとってもセカンドチャンスはあり得るということを、ものすごくわかりやすい形で証明してくれた出来事だと思うんです。
親孝行する覚悟という応募条件の一言に胸を打たれた人が日本中にたくさんいたはずなんですよね。
この推し勝つ未来研究所を聞いてくださっているリスナーの方も、第二のモナキとして応募してみるのもいいかもしれません。
推し勝つって誰かを応援する行為であると同時に、応援している自分自身を励ます行為でもあると私は思っています。
モナキがここまで愛されているのは、あの4人の姿に自分の人生をちょっと重ねている人が多いからなんじゃないかなってそんな風に感じています。
バブルなのかどうかは多分3年後くらいにわかると思います。
でも、はじけた後に何が残るかを本人たちが一番よくわかっているグループって、そう簡単には消えないと思うんですよね。
さて本日のモナキいかがでしたでしょうか。
リスナーへのメッセージと番組告知
番組を聞いての感想や、皆さんがこの人にはセカンダーチャンスがあってほしいと思う推しの話、
そして本場屋でダンスを実際に踊ってみたことがある方のエピソードなども、ぜひハッシュタグ推し勝つ未来研究所でシェアしてくださると嬉しいです。
それでは今日の推し勝つ未来研究所はこの辺で、最後までお聞きいただきありがとうございました。
それではまた次回お会いしましょう。
29:56

コメント

スクロール